バンダイ、「ガンプラ30周年プロジェクト」記者会見で新シリーズ「RG」を発表

「ビームサーベル」を手にした1/1ガンダム立像も7月に静岡で公開


7月24日公開予定


 株式会社バンダイは19日、「ガンプラ30周年プロジェクト」に関する記者会見を開催した。

 ガンプラは、1980年7月の発売以来今年で30周年を迎え、2010年までの累計販売個数は4億個を突破したという。これを記念して7月にガンプラ新シリーズを開始するほか、昨年お台場に展示され、415万人の観客を動員した1/1ガンダムの立像を、新たに静岡に設置して復活させる。

■ガンプラ新ブランド「REAL GRADE(RG)」シリーズ

バンダイ「RG 1/144 RX-78-2 ガンダム」

 新たな1/144シリーズとして開始される「REAL GRADE(RG)」シリーズ第1弾は、「RG 1/144 RX-78-2 ガンダム」。1980年に発売したガンプラ第1弾「1/144ガンダム」(300円)が発売された日付と同じ7月24日に発売される予定。価格は2,625円。

 名前の通り「よりリアルな雄姿の追求」をテーマとしたシリーズで、1/144スケールという小サイズながら「MGシリーズ」レベルのハイディティールな外装、可動を実現するという。

 このため、同スケールのシリーズである「HGシリーズ」と比較して、外装部分のパーツ分割が2倍となり、より細部にいたるディティールを再現。「コア・ファイター」の完全変形も実現する。

 内部骨格には新機構「アドバンスドMSジョイント」を採用。従来の関節機構は、パーツ1つ1つを自分で組み上げる必要があったが、今回の製品では、腕、脚、胴体の関節機構が成形時に既に組み上がっているため、ランナーから取り外すだけで簡単に関節パーツが完成する。これにより「MGシリーズ」と同等の可動範囲を実現しながら、内部骨格のパーツ数は1/10に削減している。また、仕上がりの質感を高める「リアリスティックデカール」も新たに付属する。

3種のガンプラブランド今年3月で累計4億個を出荷ガンプラ生産拠点「バンダイホビーセンター」
ガンプラ新ブランド「REAL GRADE」第1弾は「RG 1/144 RX-78-2 ガンダム」新機構「アドバンスドMSジョイント」
仕上がりの質感を高める「リアリスティックデカール」

■ガンプラ REAL GRADE RX-78-2 ガンダム

 昨年お台場に展示された1/1ガンダムをリニューアルし、7月24日より東静岡広場で開催されるイベント「模型の世界首都 静岡ホビーフェア」にて展示する。同イベント内で「RG 1/1 ガンダムゾーン」として展示するもの。今回は新たに右手に「ビームサーベル」を装備した仕様で展示。ミストの噴射やライトアップなども昨年と同様に再現されるが、新たに夜間のライトアップではビームサーベルが発光する演出も加わる。

 会場では、ガンダムが設置された台座に上がり、立像に触れることもできる「タッチ&ウォーク」や、オフィシャルショップなどを展開する予定。出展期間は2010年7月24日~2011年1月10日。タッチ&ウォークは10月1日~11月30日は休止期間となるが、ゾーン内で立像を見ることは可能。オフィシャルショップは10月1日~11月30日の期間は休業となる。

記者会見会場に展示された「ガンプラ REAL GRADE RX-78-2 ガンダム」の完成イメージ
ビームサーベルの先端部分にはこのようなオブジェが置かれる会場のイメージ夜間はライトアップ。ビームサーベルも発光する

 このほかにもガンダム関連のイベントが開催予定で、8月には東京ドームシティ プリズムホールで「ガンプラ30周年記念 GUNDAM SUPER EXPO」が開催されるほか、9月からは「ガンプラ EXPO JAPAN TOUR」と題した全国ツアーイベントも計画されている。開催予定地は札幌/仙台/名古屋/大阪/広島/福岡/沖縄で、詳細は後日発表予定。

■記者会見ではT.M.Revolutionの西川 貴教さんも登場

株式会社バンダイ代表取締役社長 チーフガンダムオフィサー 上野和典氏

 記者会見ではまず、株式会社バンダイ代表取締役社長 チーフガンダムオフィサーの上野和典氏が「ガンプラは30年のチャレンジ、進化の歴史だ」と挨拶。その歴史を振り返った。ガンプラが発売されたのは1980年7月。発売当時、半年で100万個を販売し、翌年1981年にはシリーズ累計で2,500万個を売り上げ、大ブームとなった。

 ブームの背景に関して同氏は、「アニメ自体も、従来のロボットアニメとは一線を画したリアリティのあるもので人気があったが、ガンプラも単なるアニメロボットのプラモデルではなく、模型のスタンダードスケールともいえる1/144スケールで製品化し、本物感があった。そのリアリティがファンの心をとらえたのではないか」などとした。

 また、海外に物作りの拠点がシフトしていく中、同社は設計開発生産すべてをメイドインジャパンに拘っていることもアピールした。

T.M.Revolution 西川 貴教さん

 記者会見には特別ゲストとしてT.M.Revolutionの西川 貴教さんも登場。T.M.Revolutionは、「機動戦士ガンダムSEED」シリーズの主題歌を担当するなど、ガンダム関連作品にも深く関わってきたが、今回ガンプラ30周年公式テーマソングとして新曲「Imaginary Ark」を制作し、3月24日に発売されるアルバム「X42S-REVOLUTION」に収録した。

 西川さんは、自らもガンダムファンであり、ガンプラブームの当時は店頭に並んで購入したという思い出も語り、「ガンプラを作っていくことで、物を作る大切さというものを考えるきっかけとなったと思う。それを曲のなかで活かしていき、刻んでいきたい」ともコメント。また、アルバム制作にあわせ、静岡のガンプラ工場である「バンダイホビーセンター」も訪問。「現場の人たちに会うことで、ガンプラやアニメ作品などを日本の代表的な文化にしていこうという熱意が感じられた」などと絶賛した。

 RGシリーズに関しては、「続々と新しいものが出てくるので何をしてくれるのかいつも楽しみ。RGにはこれまで以上の精密感あり、非常にリアルな完成度。自分で実際に組み上げてみたい気持ちになってくる」などと楽しげにコメントした。

ガンプラの思い出を熱く語る西川さん
3月27日発売のアルバム「X42S-REVOLUTION Limited Edition」には「HG 1/144 ハイネ専用デスティニーガンダム」が付属バンダイホビーセンター訪問時の記念撮影。「残念なくらい似合っている」と西川さん
静岡市長 小嶋善吉氏

 7月に1/1ガンダム立像を公開する静岡市からは、静岡市長の小嶋善吉氏が挨拶。「静岡は霊峰富士を初め、多くの観光名所をもっているが、24種もの地場産業も抱えており、これは全国でも類を見ない。元々木材の集積地であり、木を加工して物を作っていく文化から発展し、今ではプラモデルの聖地となっている」と挨拶。静岡市では、平成19年度からホビーを年としての戦略資源の1つとして積極的に働きかけているとし、今年も積極的に活動していき、「ガンプラとともに静岡を盛り上げていきたい」などと語った。

(C)創通・サンライズ

(2010年 3月 19日)

[Reported by 清宮信志]