角川映画、「テイルズ オブ ヴェスペリア ~The First Strike~」試写会を開催
樋口プロデューサー、鳥海さんも来場


9月12日 開催

【テイルズ オブ ヴェスペリア ~The First Strike~】

10月3日よりロードショー


 株式会社バンダイナムコゲームス、株式会社バンダイビジュアル、プロダクションI.Gが製作し、角川映画が配給する劇場用アニメーション「テイルズ オブ ヴェスペリア ~The First Strike~」の試写会が、バンダイナムコゲームス本社 未来研究所 ファンシアターにて開催された。「テイルズ オブ ヴェスペリア ~The First Strike~」は、10月3日より、シネマサンシャインほか全国劇場で公開される。

 2008年8月にXbox 360向けに発売され、9月17日にはプレイステーション 3版が発売される“『正義』を貫き通す”RPG「テイルズ オブ ヴェスペリア」。その主人公・ユーリとフレンの過去を中心に描いたのが、この「テイルズ オブ ヴェスペリア ~The First Strike~」となる。騎士団に所属する2人は帝都から離れた町、シゾンタニアにある「ナイレン隊」に籍を置く同僚であった。幼なじみの2人は、帝都ザーフィアスの下町で育ったが、入団式で数年ぶりの再会を果たしていた。監督役のヒスカとシャスティルら隊員たちを尻目に、2人はその主義の相違により、ことあるごとに反発しあう……。

 2人はもちろん、ラピードやレイブン、リタなども登場し、ゲーム版とのリンクも描かれているほか、劇場版オリジナルのキャラクターも登場する。東京ゲームショウ2009の会場において、本作の劇場前売鑑賞券も発売される予定だ。

 さて、試写会にはゲストとして、バンダイナムコゲームスの樋口義人氏、そしてユーリ役の鳥海浩輔氏が来場した。試写会は2部構成となっており、抽選を突破したブロガーたちが多数会場を訪れていた。

――「テイルズ オブ」シリーズ初の映画化されたタイトルを担当した感想は?

樋口 一言、「うれしいな」ということしかないんですけれども。これ以上のことはなかなかないんじゃないかなと。

――映画化のきっかけは?

樋口 もともと、「テイルズ オブ ヴェスペリア」というタイトル名が付くずっと以前から、「TOV」は規模の大きいプロジェクトにしようという動きはありました。映像化も手がけていらっしゃったバンダイさん(当時)と一緒になる時期ですね。一緒に仕事をしていたプロダクション I.Gさんとも「いつか劇場版をやりたい」という話をしていたので、タイミングが合致したのが大きいかなと思いますね。

――エステルやリタなど、設定的にユーリたちとはまだ知り合っていない時期の話ですが、人間模様の描き方は大変だったと思います。そのエピソードを教えてください。

樋口 僕が設定したところではないのですが、見ていて思うのは、それほど昔ではないとはいえ、ちょっと前の感じ……例えば、ユーリとフレンの距離感を、ゲームとそれほど変えてはだめだし、とはいえ一緒ではないといったさじ加減が難しかったのかな、と思います。制作スタッフの方々がかなり気を使ってくださったのかな、という感じですね。

――ゲームと映画の違いは?

樋口 ゲームは自分で操作するからこそ、それが理由で演出の制限があります。映画の場合は、ある意味片方向であることに利点と制限があると思いますので、プレイアビリティがあるかどうかが1番大きいのかなと思いますね。映像を扱う2つのコンテンツですが、その方法論には違いがありますね。映画に対してうらやましいと思う面も沢山あるんですけれども、たとえば、フレーム1つに対しても、画面の演出に、“この見た目”というところに対して力を入れられる作りになっている。その分、苦労も当然多いと思いますが、畑の違う仕事を見ているとうらやましいな、と思うところはありますね。

――鳥海さんは観客席の後ろでご覧になられていましたが、感想はいかがでした?

鳥海 僕も今日初めて見ました。収録はもう2カ月ほど前で、そのときは絵が入っていなかったんですよ。いや、すごいですね。普段あまり映画館に行かないので、こうやって大画面で見る機会がないんですが、やっぱり大画面で見るべきですね。

――映画版とゲーム版のユーリ、演じ分けでこころがけたことはありますか?

鳥海 見ていただいておわかりの通り、あまり変えていません(笑)。過去の話なので、台本的にも青いというか、若いというか。ゲーム版でユーリはもうでき上がった大人の設定だったので、そう考えると、映画では自分の感情みたいなものがまず出てくるかなと。そのあたりは感情のままに、流れのなかで自然にそうなった感じですね。むしろフレンのほうが……より感情的なキャラクターになっていますよね。

樋口 ゲームの収録時は、演じてもらいながらキャラクターが固まっていくんですよね。ゲームの序盤からいい意味で大人になっていくというか。ユーリは本当に最初からキャラクターが固まっていましたよね。

鳥海 ユーリは周りの成長を促していくような感じの立場だったので。今回の劇場版がある意味初めて主役っぽくなりましたよね。より主役っぽいのはフレンですからね。2人は根本がそんなに変わらないのですが、ユーリのほうがちょっとだけ早く成長していく感じですね。

――お気に入りのシーンはどこですか?

鳥海 ナイレン隊長とのくだりですね。ナイレン隊長はその後のゲーム版につながっていく、ユーリの人間形成に大きな影響を与えた人だと思いますので、演じていても印象に残っています。ユーリが年を取ったらナイレンみたいになるんじゃないかな?

樋口 感情がむき出しになったユーリもいいですよね。

鳥海 普段はあんまり感情を出さないので。演じていて気持ちよかったです。

――これから劇場でごらんになる皆さんに一言お願いします。

鳥海 実は、1回ではなかなか気づけないこともあるかもしれませんので、ぜひ画面の隅々まで見てください。劇場にも2度3度と足を運んでいただけたらと思います。



(C)2009 NBGI/TOV Project
Original Character Design (C)藤島康介

(2009年 9月 15日)

[Reported by 佐伯憲司]