舞台「戦国BASARA」、7月3日から上演
公開ゲネプロで「戦国BASARA3」の制作を発表


7月3日~12日 上演

会場:東京ドーム シアターGロッソ


会場で電撃的に発表された「新規プロジェクト」とはシリーズ最新作「戦国BASARA3」の制作発表だった
小林裕幸プロデューサーは開口一番「お待たせしました!」と挨拶。スクリーン上に「2010 発売決定」の文字が躍った

 株式会社カプコンは7月3日から12日まで「東京ドーム シアターGロッソ」において開催される舞台「戦国BASARA」のゲネプロ (最終通し稽古) を取材陣・関係者に公開した。

 ゲネプロの公開に先立って行なわれた新規プロジェクト発表会では小林裕幸プロデューサーが「お待たせしました!」と力強く挨拶。「戦国BASARA3」を開発中であることを明らかにした。

 会場で流されたのはこれまでのシリーズ作品の映像で、「戦国の世を包み込む新たな激流。時代は『関ヶ原』へと突き進む!」との文言に重なるように「戦国BASARA3」のロゴと2人のキャラクターのシルエット画像が映し出されたのみ。

 小林プロデューサーは「色々とやってきたので次はなにをやるんだと思われたかもしれませんが、本職のゲーム『戦国BASARA』の最新作『戦国BASARA3』の2010年の発売が決定しましたのでご報告いたします」と切り出し、「2005年に1作目を出し翌2006年に2作目を出し、『3作目は出ないのか?』と言われる中、毎年“3作目ではないもの”を出してきて、早5作。当然『BASARA』は来年もなにかリリースする宿命を持っていて、時間をかけて次回作を作っています」と続けた。

 まだプラットフォームもキャラクターも発表できない段階で、これから東京ゲームショーをはさみ徐々に発表していく予定だという。ただ、「1作目、2作目と来て3作目に至る時代の流れを考えながら激動の物語を作っていって、関ヶ原という戦国歴史ではかなり有名な戦いで閉めようと思っています」とその流れを説明。新キャラクターが多数登場する一方で、これまで登場したキャラクターも活躍する展開を考えているという。

 実は来年、「戦国BASARA」はシリーズ5周年を迎える。5周年にシリーズ最新作の「戦国BASARA3」を発売すると言うことで、いろいろな仕掛けを考えているという。新作以外にもいろいろなサプライズが発表される可能性もあり、ファンにとってはたまらない1年となりそうだ。


発表会場ではスクリーンショットはおろかプラットフォームも発表されなかった。唯一公開されたのがこの2人のキャラクターのシルエットのみ。ファンにとっては登場キャラクターとして想像が付くのではないだろうか



舞台「戦国BASARA」の作・演出を担当した西田大輔氏

 舞台「戦国BASARA」は伊達政宗と真田幸村のライバルの物語を軸に、伊達政宗を支える片倉小十郎、真田幸村を支える猿飛佐助、そして第六天魔王・織田信長の軍勢、明智光秀と森蘭丸といったキャラクタも入り乱れ、物語は展開していく。

 この舞台の特徴といえるのは、全編を通じて繰り広げられる迫力の殺陣にある。とにかく切れ目なく続く戦闘シーンはまるでゲームで、ゲームの雰囲気と迫力を存分に表現している。舞台と客席が非常に近く、また高さのある立体的な舞台の構造となっているため、ド派手な演出が息つく間もなく展開し、見る側を引きつけたまま放さない。

 映像をスクリーンや大きな布に映したり、照明を使った演出はもちろん、殺陣の迫力をそれ以上のものとしている効果音のたぐいも聞き逃せない。全編クライマックス状態の盛り上がりといっても何ら過言ではない内容だ。

 監修を担当した小林プロデューサーはこの舞台について「それぞれに見所があります。ゲームと同じところもあれば舞台オリジナルな部分もあります。伊達政宗は刀6本指してましたけど、どうなるかはお楽しみに。真田幸村は槍を2本持っていますので、そのアクションをしっかりと見てください。片倉小十郎も政宗の背中をしっかり守ってアクションして貰ってます。猿飛佐助は忍者1人だけですがかなりアクロバティックなアクションをしてくれています。蘭丸、濃姫はかなりアクションができるので、期待してください。明智はかなりイっているキャラをやっていただいてます。信長様は貫禄のある魔王を演じて貰ってます」と各キャラ毎の見所をアピール。

 舞台挨拶に立った伊達政宗役の久保田悠来さんは「新しい感覚の舞台。ちょっとした暴れっぷりを楽しんでください」とコメント。猿飛佐助役の村田洋二郎さんは「こんなに立ち回りの多い舞台はない。毎日が筋肉痛」と激しいアクションをアピール。真田幸村を演じている片岡信和さんは「期待しているそれ以上の内容に仕上がっている。原作に忠実でありつつも役者として(観客の期待以上の演技を実現したいという意味で)裏切れるような演技ができたらを思う。主要キャスト以外にも多くの魂があって、斬る人斬られる人の魂のこもった『戦国BASARA』をお楽しみください」と語り、物語以上に“熱い”内容であることを強調した。

 人気舞台でこれからチケットを手に入れることは非常に難しいことだろう。しかし、それに見合った内容であるといえる。誰もが楽しめる迫力のアクションで描かれる戦国時代を多くの人に楽しんで貰いたいところだ。


【舞台挨拶に立った主要キャスト】
伊達政宗 役
久保田悠来さん
真田幸村 役
片岡信和さん
片倉小十郎 役
吉田友一さん
猿飛佐助 役
村田洋二郎さん
濃姫 役
長澤奈央さん
森蘭丸 役
椎名鯛造さん
明智光秀 役
谷口賢志さん
織田信長 役
窪寺昭さん

【第一幕のハイライトシーンの抜粋】
1つ1つ細かく説明はしないが、客席から舞台までが非常に近く迫力満点な上、舞台の高さもかなりあり、舞台は立体的な構成となっていて楽しめる。客席を使った演出はもちろんのこと、スクリーンや大きな布に映像を映すなど照明などを効果的に使った演出も目を引く。なによりほぼ全編を通じてゲームの戦闘シーンを十二分に表現したド派手な殺陣がとにかく迫力で楽しめる

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(2009年 7月 2日)

[Reported by 船津稔]