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USJ、東野圭吾世界に入るミステリーショー「狙われた仮面舞踏会」ネタバレなしレビュー

料理とここでしかできない推理談義が忘れられない思い出になる!

【USJ:東野圭吾原作『マスカレード』シリーズ「狙われた仮面舞踏会」】

1月24日~6月30日

8,500円(大人・子ども共通、日によって料金は異なる)

 USJは、1月24日から6月30日まで、ミステリ作家東野圭吾氏の代表作「マスカレード」シリーズをベースに、出演者が自ら推理してストーリーを進める、ビッフェ付きの参加型リアル・ミステリーショー「東野圭吾原作『マスカレード』シリーズ『狙われた仮面舞踏会』」を開催する。ショーの所要時間は約120分。内訳は、公演が約70分、ビッフェタイムが約50分となっている。価格は8,500円~。

 本公演に先駆け、1月23日にメディアと招待ゲストを入れたお披露目が行なわれたので、このレポートではネタバレにならない範囲で、参加型・ミステリーショーとはどのようなものなのかを紹介したい。

【ストーリー】

あなたは、「ホテル・コルテシア」にて開催されるマーダーミステリーイベント“マスカレード・パーティ”に、招待客として参加することに――
豪華絢爛なイリュージョンとともに、華やかに開幕するかと思われたパーティ。

しかし、突如不審な映像が会場に投影され、“殺害予告”の存在も明るみに…

会場内が騒然とする中、ホテルマンに扮し潜入捜査を行っていた刑事・新田から我々に提案されたのは、パーティに潜む犯人を見つけ出し、殺人事件を未然に食い止める、新たなマーダーミステリー・ゲームだった。
あなたは、仮面の裏に隠された真相を、見破ることができるか!?

ホテルコルテシアのショーに集まった観客の前で事件が発生

 会場となるピーコック・シアターは、「マスカレード」シリーズの舞台である「ホテル・コルテシア東京」のホールに様変わりしている。紫を基調とした豪華な空間には、天幕とシャンデリアが垂れ下がり、参加者は入り口で受け取った仮面を付けて指定された席に付く。この日参加していたゲストの中には、この雰囲気に合う黒いドレスを身に着けている人もいて、まさに仮面舞踏会といった風情だ。

全員が仮面をつけた会場はなんともミステリアスな雰囲気に包まれていた
筆者と一緒にいったGameWatch編集も怪しく変身

 テーブルには、花が飾られ、ウェルカムドリンクとしてジンジャーエールがゲストを出迎えてくれる。ほかにテーブルには、ホテルのネームカードと、今日のマーダーミステリーイベント“マスカレード・パーティのスケジュールが印刷されたカードが置いてある。参加者たちは今日、このホテルで行なわれるマーダーミステリーショーに参加するために、ここに集まったのだ。

 公演には「マスカレード」シリーズの主人公新田浩介や、「マスカレード・ホテル」などで新田とバディを組んだ能勢ら、シリーズの登場人物が登場する。物語は最初ステージの上で進んでいくが、犯人捜しにはゲストも参加することとなる。ある程度話が進むと、容疑者に話を聞いて回る「聞き込み」があったり、登場人物たちがテーブルサイドにあらわれて意見を求めてくることもある。ただ、1回の公演で1人がすべての情報を入手することはできないようルールが定められており、同じテーブルの人が協力しなければパズルのピースを埋めることができない。

マーダーミステリーマジックショーの開演のはずが……
物語は予想もしなかった方向に展開していく
「マスカレードシリーズ」の主人公、新田浩介が登場

 ゲストは公演の中で何度か怪しいと思う人物に投票することができる。最初は同じテーブルに座った者同士で話し合って意見を出し合い、テーブルごとに怪しいと思う人物に投票する。2度めは、様々な証言や証拠をもとに推理をして、1人1人が自分が怪しいと思う容疑者に投票する。誰が最も得票を集めるかによって結末が変化する。自分は「こいつが絶対犯人!」と思っていても、その人物への得票が少ないと選ばれない。筆者たちが体験した公演では、残念ながら真犯人を探し出すことも、すべての謎を解きあかすこともできなかった。探偵としては悔しい気持ちでいっぱいだ。

聞き込みタイム。5組に分かれた容疑者のうち、話を聞くことができるのは3組のみ

 最初は傍観者としてステージを見ていたはずが、いつの間にかぎっしり書き込んだ推理メモを手に「あの人が怪しい」、「この人には動機がある」と真剣に語り合うようになる。本当に自分がその事件の現場に居合わせた探偵のような気分を満喫することができた。

同じテーブルの人たちが、手に入れた情報を持ち寄り、あれこれと推理していくのが楽しい

デザートも豊富、イタリアンビュッフェを肴に推理談義で盛り上がる

 公演の終了後には、イタリアンを中心とした豪華なビッフェを楽しみつつ、あーだこーだと結末について話し合う楽しい時間がやってくる。料理はかなり本格的で、「ホテル・コルテシア東京」にいる気分が文字通り味わえる。

 ビッフェは1人に1皿のアンティパストをはじめ、カルボナーデ(牛肉の赤ワイン煮込み)、チキンフリカッセ―ア(チキンのホワイトソース煮込み)、豚肉のトマトパン粉焼き クランベリーソースなど、イタリア風の肉料理やボロネーゼのグラチネ、ミネストローネなどが並ぶ。デザートも豊富で、作中に出てくる要素を生かしたケーキなどもあり、話題作りにも一役買ってくれる。ドリンクはフリードリンク。ソフトドリンクやコーヒー、紅茶のほかビールやワインなどアルコールもある。

ビッフェのメニュー
1人1皿限定のアンティパスト(前菜)。一皿でいろいろな味を楽しめる
華やかなアレンジメントで飾り付けられたデザートコーナー
ブルーベリートルタやレモンケーキ、ブラッドオレンジムースなど、バラエティに富んだデザートが並ぶ
アップルティーゼリーとパンナコッタ・ブラックベリーソース

 パークの入場料とは別途8,500円~の料金が必要になると聞くと、割高に感じるかもしれないが、公演の面白さ、料理の質の高さはもちろん、ここでしか体験することのできない東野圭吾ワールドに2時間どっぷりと浸れることを思えば、十分もとは取れているどころか、むしろ安く感じてしまう。

 「マスカレード」シリーズのファンはもちろん、USJの新しいアトラクションに興味がある人、イマーシブシアターが好きな人、そして名探偵になりたい人も、間違いなく楽しい時間を過ごすことができるはずだ。