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「プロジェクトセカイ」2.5周年を記念したリアルイベント「クリエイターズフェスタ2023」をレポート
クリエイターと「プロジェクトセカイ」出演声優さんとの対談ステージ企画も実施
2023年6月5日 11:12
- 【クリエイターズフェスタ2023】
- 6月3日~4日 開催
セガとColorful Paletteは6月3日と4日の2日間、秋葉原UDXにてiOS/Android用リズム&アドベンチャーゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」の2.5周年を記念したリアルイベント「プロジェクトセカイ クリエイターズフェスタ2023」を開催した。
イベントでは、描き下ろしのイラストやユーザーから公募したイラストの展示を始め、「プロジェクトセカイ」に楽曲が収録されているクリエイターの方々による音楽グッズの販売マーケット「プロセカクリエイターズマーケット supported by KARENT」、クリエイターと「プロジェクトセカイ」出演声優さんとの対談ステージなどが行なわれた。
ここでは、6月3日に行なわれた対談ステージから15時の回の模様と、各種展示内容をお届けしよう。
クリエイターのChinozoさんと小豆沢こはね役の秋奈さんの「Flyer!」制作秘話!
6月3日15時からの「プロジェクトセカイ クリエイターズフェスタ2023 スペシャルトークステージ」には、ステージMCとして清水藍さん、声優さんは「プロジェクトセカイ」に登場する小豆沢こはねを演じる秋奈さん、クリエイターとしては代表曲に「Flyer!」、「グッバイ宣言」などがあるChinozoさんが参加した。
最初に、ボカロPを目指すことになったきっかけを聞かれたChinozoさんは「TSUTAYAでたまたまボカロのアルバムを借りたんですが、これがメチャメチャ良くて、ボカロのアルバム凄い! となり、気がついたらボカロを始めていました。このとき、“みきとP”さんと“はるまきごはん”さんのアルバムにドハマリしていたんですが、なりたいと思っていたわけではなく、気がついたらボカロPになっていました」と、気づいたらそうなっていたと振返った。
続いて、Chinozoさんの書き下ろし楽曲となる「Flyer!」についての話題となり、清水さんからタイトルについて聞かれると「“夢を越える”というテーマがありました。こはねちゃんも“越える”と明言していましたけれど、曲にするうえでは“越える”よりも“壊す”。でも、こはねちゃんならもう少し優しい感じが良いかなと思い、僕の中で“飛ぶ”という表現が浮かんだんです。飛ぶっていうのは、1人じゃないんです。例えば、気流があればみんなを飛ばすことができる。今回はこはねちゃんが主体で、こはねちゃんの思いで気流を作っているわけなんですけれど、それでみんながちゃんと飛ぶというところがあって、良い言葉だなと思い“Fly”、そして人の意味も込めて『Flyer!』としました」と説明。
これに秋奈さんが「今、始めて聞いたなぁ……」としみじみ反応し「タイトルに込められた思いというのは収録当時にはなかったので、こんな意味があったんだと凄く嬉しくなりました」と心境を語った。
そんな秋奈さんは、清水さんから「Flyer!」を聴いた時の気持ちを聞かれ「ただただなんて良い曲なんだと思ったのと、Vivid BAD SQUADのみんなで歌うのにピッタリだなと思いました。みんなで歌ったからこそ完成する曲というのが強いなと感じていて、この曲をこはねちゃんとして、よりよく歌いたいという思いで聴き込んで、いっぱい練習しました」と答えた。
清水さんに、「Flyer!」を実際に歌った感想を聞かれた秋奈さんは「当日Chinozoさんが来てくださるということで、作ってくれたボカロPさんに恥じないように歌わないといけない! と思い、緊張してドキドキしながら挑みました。いざ歌ってみると、Chinozoさんの「ん゛ん゛、い゛い゛!」(笑)という言葉しか聞いていないような記憶です」と、Chinozoさんの物真似を交えながら答えた。
これには思わずChinozoさん本人が「僕は、『いやー、いいっすね……』と言いましたよ」とその場で返し、清水さんの「全然ちゃうやん!」のツッコミに会場からも笑い声が漏れた。でも「そのくらい良かったんですよ。僕は収録の立ち合いが初めてだったんですが、こんなに上手いのかとビックリして。元々『Flyer!』もボカロで作っていたので、生歌を聴いて『メチャクチャいいやん、めっちゃすげーやん』となりました。声がすごいです」と、Chinozoはとにかく感心したそうだ。
歌詞についての話題では、「キーワードとして上昇気流が出ましたが、これがキモですか?」と清水さんに問われると、Chinozoさんは「キモです」とキッパリ。ライブハウスでのステージのシーンを引用して「こはねちゃんの上昇気流でみんなをステージに上げたんです。まさに、歌詞にあるように“あの日見た夢が最高の上昇気流”という言葉なんです」と語ってくれた。
ここで「立場が変わったことで、当時と今見ている景色は変わっているのでは?」と清水さんに聞かれると、2人はお互いに頷き「間違いなく変わっています。言葉にはできないのですが、見え方は変わりました。わかりますよね?」とChinozoさん。話を振られた秋奈さんも「わかります。何となくですけど、主観的に変わっているという感じはありますよね」と即答。
清水さんが「以前は巻き込まれる側だったけれど、今は巻き込む側になりましたよね」とコメントしたことに対しては、「それも僕的には上昇気流なんですよ。ライブを演じているメンバーだけじゃなくて、観客も巻き込んでのこの言葉なので、僕も上昇気流に巻き込まれました」と、笑いながらChinozoさんが返していたのが印象的だった。
夢を追いかける人達へのエールも。
ここからは楽曲の制作方法についての話となったが、どこで思いつくのかを聞かれたChinozoさんは「お風呂に入っている時に思いつくことが多いです」と答え、さらに「最近サウナにハマっているので、サウナでも」と。「風呂で適当に歌っていたら、これいいやん! となることもあります」という話も出た。
これに秋奈さんが「わかります。お風呂でめっちゃ歌うし、『Flyer!』もお風呂で歌わせていただきました」と続け、Chinozoさんが「ありがとうございます」と笑いながら返すシーンも。
こはねちゃんを演じるにあたり、何か気にしていることはと聞かれた秋奈さんは「こはねちゃんは可愛さもありつつ格好良さも出していきたいという感じだったのですが、成長するにつれて“みんなに追いつきたい”という気持ちもあり、格好いい方向にもシフトチェンジしていってます。でも、こはねちゃん特有の可愛さは失いたくないというのもあって、そのさじ加減が難しいです。収録時も、自分が考えた方向より可愛すぎだったり、格好良すぎと言われることもあるので、まだ試行錯誤中です。より、こはねちゃんの成長していく歌声を表現していけたらいいなと思い頑張っています」とコメント。これにChinozoさんが「凄いですね」と感心すると、清水さんが「褒め方、雑じゃないですか(笑)」と、ここでも鋭いツッコミを入れ、会場の笑いを誘っていた。
話は変わり、「今ではボカロPになりたい人や歌手、声優さんになりたい人も大勢いると思うのでアドバイスを」と言われたChinozoさんは「とりあえず、やってみるしかないです。やりたい気持ちや自分の世界を表現したい気持ちがある人は絶対にいると思いますが、僕もそうでした。ギターでコピーする時も、そのままではなく少しオリジナルを入れたりとかしていました。しかし、それをするなら自分で曲を作ればいいのでは? と思ったものの、面倒で踏み切れず……ところが、やってみたらメチャクチャハマって、気づけばここにいるんです。自分の気持ちに正直になって、とりあえず一度踏み込んでみるのが大事です」と教えてくれた。
また、オリジナル曲のテーマはどうやって思いつくのかという質問には「テーマは、日常でふと歩いている時に思ったことを曲にしています」とのことだが、続けて「ネガティブな感情は普段はき出せないじゃないですか。普段言葉にしにくいことも、音楽なら“良いな”となるんです。言うだけでは共感できなくても、音楽にするといけるんですよ」とも。
また、声優になりたい人へ向けてのアドバイスとしては、秋奈さんが「自分が持っている個性を大事にして欲しいです。昔は私も誰かの真似をしていましたけれど、ある時キャラクターとして歌った声質が自分の声質と似ていて、その役を演じて歌った時に周りの人やファンの方から『いいね!』と言われたんです。誰かの真似をして上手くなろうというのもいいけど、個性を活かしたほうがより良い物を作れるんじゃないかなと思いました。最初は真似でも良いかもしれませんが、徐々に自分の個性や強みを考えながら歌ったり演じたりしていくと、より良い夢の方向に向かっていけるんじゃないかなと思います」と、的確に教えてくれた。
清水さんも「自分のことは自分が1番に認めてあげないと、好きになってもらえない、自信も持てない。自分で自分を褒めて、認めて、大好きになってあげて、そのなかで自分だけの個性を見つけて輝いて欲しいです」とまとめた。
ここでトークイベントも時間となり、最後に「応援メッセージをお願いします」と頼まれたChinozoさんは、今日のイベントのメインとなった楽曲「Flyer!」の歌詞から引用して「飛び立てば正解」とビシッと一言で決め、会場からは拍手が巻き起こった。続けた秋奈さんは、なんと同じフレーズをこはねちゃんとして歌ってくれるというサプライズを披露。最後に会場を大いに沸かし、イベントは無事終了となった。