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ユービーアイソフト、クラウドネイティブなゲーム開発技術「Ubisoft Scalar」を発表

ハードウェアによる制限を取り除く新技術

【Ubisoft Scalar】

3月22日 発表

 ユービーアイソフトは、ゲーム開発における新しいクラウドネイティブな技術「Ubisoft Scalar」を発表した。

 「Ubisoft Scalar」は、ユービーアイソフト社のゲームエンジンの自由度、拡張性、柔軟性をクラウドコンピューティングの力で発展させ、ゲーム開発におけるハードウェアによる制限を取り除く新たなテクノロジー。「Ubisoft Massive」、「Ubisoft Redlynx」、「Ubisoft Bucharest」、「Ubisoft Kyiv」の各スタジオの協力によって構成されたチームで開発されており、従来のゲーム開発上の制約に縛られることなく、理想的なゲームデザインとゲームプレイの実現に焦点を当てた、まったく新しいゲーム開発フレームワークを確立することを目指している。

 リリースプラットフォームにとらわれない最先端のテクノロジーでもある「Ubisoft Scalar」は、開発者とプレーヤーにクラウド従来の自由度を最大限利用できるクラウドネイティブな体験をもたらし、将来のゲーム開発を押し上げる。

これまでにない拡張性、柔軟性、開発の自由度

 「Ubisoft Scalar」はマイクロサービスアーキテクチャを採用しており、従来のゲームエンジンの各コンポーネントやシステム(例:AI、オーディオ、物理計算など)をクラウド上に配置している。プレーヤー及び開発者が今日使用しているマシン単体の処理能力を超えて、潜在的に制限のない数のマシンへ分散することができるモデルとなる。

 この技術を応用したゲームであれば、実質的に上限のないコンピュータを利用し、あらゆる要素において限界を押し広げ、広大な仮想世界やこれまで実現できなかった高度なシミュレーションやマップの環境表現などを実現可能となる。

 また、クラウドコンピューティングの柔軟性により、開発者は他のサービスに影響を与えることなく1つのサービスの更新や変更を行なうことが可能になり、ユーザーのプレイセッションを中断することなく、ゲームに新しい機能を追加することが可能になる。つまり、ユーザーによるパッチのダウンロードや待機時間が必要なくなる。

 Ubisoft StockholmのテクニカルディレクターであるChristian Holmqvist氏は、「10代の頃に自宅のコンピュータを使い始めたときと、同じインスピレーションと自由を感じています。ゲームで本当に初めてクラウドを最大限に利用することで、なんでもできると感じています。」とコメントしている。

永続的に変化し続ける、無限の世界をプレーヤーに提供

 「Ubisoft Scalar」が、これまでのゲーム開発に残るクリエイティブ性と技術間における問題を解消することで、ゲームクリエイターは制作に集中することが可能になり、プレーヤーへ革新的なゲーム体験を提供することができる。

 完全なクロスプラットフォームの拡張性を持つため、新しいタイプのゲームや大規模なソーシャル体験等で数百万人が同じバーチャル環境に集まることが可能となる。このクラウドのテクノロジーによって最適化されたシステムにより、ゲームの世界を次の段階へ押し上げ、プレーヤーの行動がゲーム環境に即座に反映、且つ持続性を持つことができるようになり、新しい形の創造的なゲーム体験が提供される。

 「Ubisoft Scalar」は、今後クラウド機能が必要なすべてのプロジェクトにおいて、各ユービーアイソフトのスタジオに導入されていく。「Ubisoft Scalar」の技術開発の中心であるUbisoft Stockholmでは、本技術を最大限に利用した新しいIPで、これまでにない規模のゲーム体験を提供できるよう積極的に取り組んでいるとしている。このプロジェクトの詳細は後日発表される予定。

 この基盤技術となる「Ubisoft Scalar」は、近年新設されたProduction Technology部門によって生み出された。この部門はユービーアイソフトのゲーム開発者がそのイメージを実現するために、500人以上の技術専門家で構成されるグループとなっている。

 プロダクションテクノロジー バイスプレジデントのGuillemette Picard氏は、「ユービーアイソフトは35年にわたり、研究開発と独自技術へ継続的に投資を続けております。そして独自の技術を持っていることは、業界において他と差別化をはかる重要なポイントです」とし、「『Ubisoft Scalar』はその考えに基づいた、グローバルな規模で意識することなく協力できる方法であり、我々のクリエイティブ性と独自の共同開発モデルを同時に強化することができます。これは業界のゲーム開発全体において、画期的な節目となります」と述べている。