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「ROOMMANIA#203」を現代に蘇らせる「project one-room(仮)」、大地将氏自らプロジェクトの復活断念を発表

 大地将氏は1月28日、noteを通じて自身がプロデューサーとして開発に関わっていた「project one-room(仮)」のプロジェクト復活を断念したことを発表した。

 「project one-room(仮)」は、2017年に東京ゲームショウでフリューから発表されたアドベンチャーゲーム。2000年にドリームキャストで発売された人生介入型アドベンチャーゲーム「ROOMMANIA#203」に現代に復活させるプロジェクトとして注目を集めた。セガの正式な許諾を取り、楽曲は「ROOMMANIA#203」の主人公ネジが好きだったセラニポージを起用するなど、話題性十分なタイトルだったが、発表以降音沙汰がなく、そのままフェードアウトしていた。

 大地氏が今回noteで明らかにした話では、2年前にプロジェクトは凍結、プロデューサーを務めていた大地氏自身もフリューを退社しており、退社後は、資金を集めて自身が作り貯めたものをフリューより買取り、凍結されたプロジェクトを復活させることに心血を注いでいたという。

 プロジェクト再開を断念する決定的な要因となったのは、現在も続く、新型コロナウイルスだったという。それは新型コロナによって営業活動ができないだけでなく、ニューノーマルな生き方が求められる現代で、「ROOMMANIA」のゲームデザインがもはやマッチしない。共感を得られないのではないかと判断したためだという。

 大地氏は「企画立案から足かけ5年もねばって来たあのゲームを見返すと、主人公(お察しかと思いますが、ネジくんではありません)マスクをせずに帰宅し、動画サイトでは無くテレビを視聴して過ごしています。もちろんスマホは使っているし、柄にも無いライブ配信をやる羽目になるシーンもあったりするのですが、それも2021年現在の感覚とはどこか違った感じで……。」と独特の表現で、自らが復活させようとしていたゲームへの違和感を表明。ファンを失望させることだけはしてはならないとし、プロジェクト復活断念を決めたという。

 なお、大地氏は、プロジェクト立ち上げの目標そのものを諦めたわけではないとし、今後も独自の方法で「ROOMMANIA」の“布教”を続けていく考えだ。

 さらに、使われなかったセラニポージの楽曲については「いつかリリースされるでしょう」と明るい展望を覗かせている。