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長きに渡る激闘、「DEAD OR ALIVE 6 World Championship “Fatal Match in Japan”」を制したのはシマズ選手!

ライバルを倒し、勝者は世界への切符をその手にした

9月14日 開催

会場:幕張メッセ

 東京ゲームショウ2019の3日目の9月14日、「DEAD OR ALIVE6(以下DOA6)」のトーナメント、「DEAD OR ALIVE 6 World Championship “Fatal Match in Japan”」が開催された。朝から予選が行なわれ、この日は約10時間に渡る激闘が繰り広げられた。

 注目のポイントは、本大会に優勝すると「DOA6」の世界最強を決める「DEAD OR ALIVE 6 World Championship Finals」への出場権が与えられ、さらに大会の上位4名には「ジャパン・e スポーツ・プロライセンス」が発行されるのだ。これには会場中の熱気の凄さもうなずける。

 本稿では、ベストバウトと呼ぶにふさわしい決勝戦を中心に、大会の様子をお届けしていこう。

激闘の行方を見届けようと、数多くのギャラリーが集まった

番狂わせも起こる、波乱のセミファイナル!

 今回の大会のルールは、ダブル・エリミネーション方式となっている。試合に勝利すればWINNERSのプールに、負ければLOSERSのプールに進み、LOSERSでもう1度負けてしまうと敗退となってしまう。簡単に説明すると2ライフ制の大会である。

 それぞれのプールでハイレベルな予選を勝ち抜き、セミファイナルに進出した選手は8名。その中には、「DEAD OR ALIVE」シリーズのトッププレーヤーTeruRock選手の姿もあり、見応えのある試合が期待できる。

写真真ん中の、オーラを放っているのが優勝候補の1人、TeruRock選手

 LOSERSのプールでは、予想通り見応えのある試合が行なわれるものの、その内容は思っていたのとは違う展開であった。持ちキャラをレイファンから、かすみに変更し勢いに乗っているTeruRock選手だったが、同じくかすみ使いのLinerback選手に敗れ、LOSERSセミファイナルで敗退となってしまった。この番狂わせに誰が優勝するのか全く分からなくなってくる。

同キャラでTeruRock選手を破る凄腕、Linerback選手

 まだ1度も負けていない、優勝にもっとも近いのは、ミラ使いのあっしゅ選手と、あやね使いのシマズ選手だ。この2人がWINNERSファイナルでぶつかり、この大きな戦いに勝利したのはあっしゅ選手。ここであっしゅ選手はグランドファイナル進出が決定し、敗れたシマズ選手はLOSERS落ちとなってしまった。

あっしゅ選手の優勝は、まさに目と鼻の先

 LOSERSからグランドファイナル進出をかけて、ハヤブサ使いのKeisuke選手と、LOSERSに落ちたばかりのシマズ選手がぶつかり合う。あっしゅ選手に一矢報いるという意思すらも感じる勢いでKeisuke選手を圧倒し、シマズ選手がグランドファイナルへと駒を進める。

Keisuke選手もかなりの実力だったが、シマズ選手が執念の勝利

リベンジマッチが実現した、優勝決定戦!

 敗北から舞い戻り、ドラマティックな決勝戦となった。この時点で、あっしゅ選手は無敗ということで1度負けてももう1度再戦することができる。対するシマズ選手はもう後がない状態だ。メンタル面でもかなり追い詰められている状況といえよう。

 ルールは3ラウンド3試合先取制。運命の1試合目の出だしはあっしゅ選手が優勢。先に2ラウンドを奪いプレッシャーを掛けるも、その逆境を跳ね除けるかのごとく、一気に3ラウンドを奪い返し、1試合目はシマズ選手が勝ち星を上げる。

 その後、一進一退の攻防で2-2の状態に。あっしゅ選手としてはここで是が非でも勝負を終わらせたいところ。戦いはフルセットフルラウンドまで突入。最初に打って出たのはシマズ選手のあやね。あやねの得意とするトリッキーな動きであっしゅ選手を翻弄。あやねの猛攻をホールドで切り返そうとするも、読みが外れ強力なコンボをもらってしまう。終始ペースを掴み、最終ラウンドを制したのはシマズ選手。ここであっしゅ選手もライフを失い、次の3試合で勝負が決する。

最後の試合はペースを握り、危なげなくシマズ選手が勝利していく

 ここでようやく同じ舞台に立った両者。仕切り直しとなって、真の決勝戦のゴングが鳴った。

 1試合目から実力は拮抗。両者2ラウンドを取っていき試合は最終ラウンドまで突入。虚を突いた投げと打撃でガンガン攻めていくのはあっしゅ選手操るミラ。投げを警戒して発生の早い技で暴れるシマズ選手だったが、その行動は読まれており、アーマー効果を持つ必殺技「ブレイクブロー」を叩き込まれKO。最初の試合はあっしゅ選手の勝利。

ほぼパーフェクトで最終ラウンドを制した

 あっしゅ選手が先に勝ち星を上げ、このまま勢いに乗りたいところだったが、追い詰められたときのシマズ選手の集中力は半端じゃなかった。ミラの攻撃を読んで的確にホールドでカウンターを決め、相手が繰り出すホールドにはクリティカルの投げを華麗に叩き込んでいく。逆境を力に変え、シマズ選手が2、あっしゅ選手が1という状況まで追い込んだ。

逆境をものともしない精神力の強さをみせるシマズ選手

 試合は2-1。もう後がないあっしゅ選手。そして運命の試合は最終ラウンドへ。シマズ選手がここで1ラウンド取れば優勝という重要な場面。勢いで攻めるはシマズ選手のあやね。忍者の武器である技の発生の早さを活かして容赦なく攻めまくる。互いの体力も残り僅かという場面で、ブレイクゲージを温存していたシマズ選手が、最後はミラの攻撃動作と重ねてブレイクブローを叩き込む。この見せる展開に会場が沸き上がり、シマズ選手の優勝が決定した。

最後は大技のブレイクブローで決めるという魅せプレイ。プロライセンスと世界大会出場の切符を手にしたシマズ選手

 この日の試合はどれもハイレベルな戦いで、手に汗を握りっぱなしであった。そして、過去に大会優勝などの実績のない選手が優勝を飾り、プロライセンスを手にするという展開もドラマがあってとても面白い大会だった。

 こういった大会で、今後もどんどん才能あるゲーマーをプロの世界に輩出し、今よりもeスポーツをさらも盛り上げてもらいたい。

大会の最後には「紅葉」の参戦や新コスチュームの情報も公開された