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ソニーとMicrosoft、ゲームとAIの分野で戦略的提携を発表

ゲームの競合相手が、クラウドゲームではパートナーに

5月16日発表(米国時間)

 ソニーとMicrosoftは米国時間の16日、ゲームを軸としたコンシューマーエンターテインメントとAIの分野で覚え書きを交わしたことを明らかにした。

 クラウドゲームの分野では、Googleが3月にクラウドゲームプラットフォーム「Stadia」を発表し、GAFAMの一角を占めるAmazonも同様のサービスを検討中とされる。ソニーとMicrosoftは、据え置き型のゲームプラットフォームの分野で長年競合関係にあるが、2019年歴史的な戦略的提携を交わした。

 両社は、覚え書きに基づき、ゲームストリーミングサービスにおけるクラウドソリューションの共同開発を検討していく。ベースとなるテクノロジーはMicrosoft Azureで、グローバルに向けたクラウドプラットフォームのみならず、開発者向けのプラットフォーム構築も検討していく。

 合わせて、ソニーが得意とするイメージセンサーとMicrosoftのAzure AIテクノロジーを統合したソリューションの提供も検討していく。こちらはゲームではないものの、今後、ソニーのコンシューマープロダクトに、MicrosoftのAIテクノロジーの採用を検討していく。

 両社では進展があり次第、追加情報を発表するとしている。

【覚え書きを交わした両社CEO】
ソニー代表取締役社長兼CEOの吉田憲一郎氏(左)、Microsoft CEO サトヤ・ナデラ氏

ソニー代表取締役社長兼CEO吉田憲一郎氏コメント
「ソニーはテクノロジーの分野において強固な基盤を持つクリエイティブエンターテインメントカンパニーです。私たちは世界中の人々の想像力を膨らませる多くのコンテンツクリエイターと密接に協力し、そして私たちの最先端技術を通して、私たちは彼らの夢とビジョンを現実のものにするためのツールを提供します。

 プレイステーションは、クリエイティビティとテクノロジーの統合を通じて生まれました。私たちの使命は、最高のエクスペリエンスを保証するクラウド環境とともに、最高で最も没入型のエンターテイメントエクスペリエンスを提供し続けるプラットフォームをシームレスに進化させることです。

 Microsoftは私たちにとって長年にわたって重要なビジネスパートナーでしたが、もちろん2社はいくつかの分野でも競合してきました。将来のクラウドソリューションの共同開発は、インタラクティブコンテンツの進歩に大きく貢献すると私は信じています。また、半導体やAIの分野では、各社の最先端技術を相互補完的に活用することで、社会に新たな価値を創造していくことを願っています」

Microsoft CEO サトヤ・ナデラ氏コメント
「ソニーは常にエンターテイメントとテクノロジー、両方のリーダーであり、私たちが本日発表したコラボレーションは彼らの革新の歴史の上に成り立っています。私たちのパートナーシップは、AzureおよびAzure AIの力をソニーにもたらし、顧客に新しいゲームとエンターテイメントの体験を提供します」