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「アラド戦記」天下一決定戦2018決勝大会開催!
2連覇を狙うユミル選手に挑むのはダークホース・コクーン選手
2018年10月7日 12:01
ネクソンは10月6日、LFS池袋にて、Windows向けMORPG「アラド戦記」の対戦日本一を決める「天下一決定戦2018決勝大会」を開催した。
「アラド戦記」は、ベルトスクロールアクションゲーム風のMORPGだが、“対戦”も大きくフィーチャーされている。プレーヤーはプレイの初期から対戦場に誘導させられる。底では激しい対戦が繰り広げられており、強者はファンを持つようになる。「アラド戦記」はサービス初期から対戦がオフラインイベントの目玉コンテンツになっており、かつては韓国での対戦大会も行なわれた。アップデートでバランスは刻々変わりながらもプレーヤー達は“最強”を求め続けている。
職業間での対戦バランスは時に大きく変化するものの一定して強いのがガンナー職である。画面外から攻撃判定の強い攻撃ができる上、近接でもリーチが長い。攻撃の隙は大きいが、うまいプレーヤーはそれをカバーする技量がある。他の職業はそこからいかに自分の距離に持ち込むかがテーマになる。近接、中距離、いかに有利な立場に立ち、最適のワザを出すか、そこに観客は注目するのである。
イベントは司会は森一丁氏、ゲストはプロレスラーの松田慶三氏。実況解説にyukishiro氏、たまじい氏、ダンジョンタイムアタックの解説にあまポ氏で行なわれた。松田氏は2013年にイメージキャラクター特別賞を受賞してから積極的に「アラド戦記」のイベントに関わってくれる。ファンにはおなじみの人物だ。今回もイベントを盛り上げてくれた。森氏もオフラインイベントを数多くこなし、参加者を楽しませるテクニックをいくつも持っている。そして解説はコアなプレーヤー目線であり、コアプレーヤー達が見守る会場ではまさに“激戦”といえる戦いが繰り広げられた。
イベントはベスト16から行なわれた。LFS池袋は、これまでゲームユーザーが体験したことのないようなリッチな空間で対戦することができる。整備が行き届いた理想的なゲーミングPC、観客席や実況の音をシャットアウトしてくれる対戦スペース。音はなくとも選手を応援してくれる観客の姿は見ることができる。カメラは選手の表情も捉えており、選手達の集中力が伝わってくる。
今回の戦いは選手達の職業の強いこだわりを見ることができたと思う。魔槍士、鬼剣士、格闘家といった近接に強い職業もベスト16に残っており、バラエティ豊かな戦いを楽しむことができた。とはいえやはりガンナーが多い。ガンナーにどう対抗するか、ここまで勝ち抜いてきた選手達のテクニックはとても見所があった。ワザを透かし、一気に距離を詰める。自分の攻撃が有効な距離を保ち、一瞬の隙を見逃さず相手を吹っ飛ばし、そこから相手を逃さずダメージを与え続ける。一瞬の隙が命取りになる場合も多く、戦いは白熱した。
その中で観客、解説者の予想を裏切り勝ち続けたのがコクーン選手だ。彼はベスト16唯一のディメンションウォーカー(男メイジ)。中距離で戦うキャラクターで、相手の攻撃をいかに見切り、自分の有利な距離を保ってワザを出し、隙の大きい大技に繋げるかがテーマとなる。召喚の女モンスター「禁断のニアリ」はかわいらしい上に有能であり、ニアリと挟撃するように動くテクニックも見事だった。いつしか彼は会場を味方につけ、会場の声援を受けながら勝ち進んでいった。
コクーン選手と決勝でぶつかったのがユミル選手。彼は前大会の覇者であり、遠距離に強いランチャー(女ガンナー)使い。時に危ない場面もあったもののさすがの実力で勝ち抜いてきた。相手を近づけず、相手が焦って飛び出してきた隙に空中に浮かし、相手を逃さず大ダメージを与える戦い方は王者の実力を強く感じさせた。
決勝は4本先取の対戦となった。まず1戦目は完勝とも言える戦いぶりでユミル選手がコクーン選手を叩きのめした。コクーン選手は何もできず浮かされ、完璧なコンボで倒されてしまった。しかしそこでコクーン選手は何かを掴んだようだった。ユミル選手の隙を見つけ、カウンターで相手を浮かし、そこから一気に怒濤のコンボを決めたのだ。コクーン選手のカウンターはとても見事で、ユミル選手はすきにつけ込まれ続け、3ポイントを一気に取られ、1-3と敗北寸前まで追い詰められた。
しかしここからがユミル選手の底力である。5戦目、さっきまで当てていたコクーン選手のカウンターが完全に見切られたのである。コクーン選手は何度かカウンターを狙うももうそれは効かない。それが焦りとなったか、試合は完全にユミル選手のペースとなった。コクーン選手は何とか戦況を立て直そうとするが叶わず、続けて3戦を落とし、ユミル選手が優勝、連続優勝を果たした。「強い」というのはこういうことかと強く感心させられた試合だった。
見応えのある、とても面白い試合だった。選手達は各職業に強く思い入れがあり、自分の職業の利点をどう活かし、どう戦うか、その戦い方を研ぎ澄ませているのがよくわかった。その中でもやはりコクーン選手の自キャラの戦い方のこだわり、そしてユミル選手の対応力の見事さは群を抜いていたと思う。選手達の凄さを実感させられた戦いだった。