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「コレクターズエディション」に収録される小説の内容が明らかに
「ACE COMBAT 7:SKIES UNKNOWN」ステージイベントを開催
2018年9月23日 14:59
「空の革新」を目標に制作が続けられた「ACE COMBAT 7」
バンダイナムコエンターテインメントから2019年1月17日に発売される予定のプレイステーション 4/Xbox One/STEAMソフト「ACE COMBAT 7:SKIES UNKNOWN」(以下、ACE COMBAT 7)。「東京ゲームショウ2018」一般公開日2日目となる9月23日に、バンダイナムコエンターテインメントブースで本タイトルのステージイベントが開催された。
ステージには「ACE COMBAT」シリーズのブランドディレクターである河野一聡氏と本作のプロデューサーである下元学氏に加えて、本作の脚本を担当した、「この世界の片隅に」で有名な片渕須直監督と、エイブリル・ミード役のゆきのさつきさん、ローザ・コゼット・ド・エルーゼ役の潘めぐみさん、メインコンポーザーの小林啓樹さんが登場した。
エイブリルについてゆきのさんは、最初のうちは役どころをつかむのに苦労したのだという。「大人の女性で、いろいろついてないことに見舞われる。たまたま自分に技術があったおかげで変なところに行かされたり。それでもくさらずに自分を信じて、振り回されながらも前を向いて生きているのがすごい」と思ったという。
なぜ自分にエイブリルの役が来たのかわからないと語るゆきのさんだが、実は監督自らの指定だったそうだ。「『ACE COMBAT 7』のストーリーは、エイブリルの話から書き始めた。これがどんな話になるのかわからないが」と片渕監督。しかしロートーンの女性の1人語りというイメージがあり、ゆきのさんの声がその時すでに頭に浮かんだのだとか。
ゲームの収録は1人で行なうことが多いのだが、今回最初に収録したときは複数の人での収録だった。「掛け合いの中で見えてくるものが多かった。1人だともっと苦戦していたかもしれませんね。コゼットは若い王女なので、年代なりの不安定さもあるが、しっかり強くなければいけないという心の強さを感じました」と潘さん。しっかりしたところと不安定なところのバランス取りが難しかったそうだ。
コゼットについて片渕監督は、裏の部分を考えながらストーリーを作り上げた。「表面だけのお姫様じゃなく、お姫様である自分を作っている。一生懸命お姫様になっている。その裏側にあるものを潘さんに演じてもらえた」と片渕監督。
なおコゼット役を潘さんに決めたのも片渕監督だった。潘さんは「この世界の片隅に」で、主人公・すずの妹である浦野すみ役を務めた。実は「ACE COMBAT 7」の収録はすでに2年前から開始されており、片渕監督が「この世界の片隅に」を作るときに「この人だな」と思ったので配役したというマル秘エピソードが披露された。
本物の空模様を再現
ここで下元氏がゲームのデモプレイを行なうことに。飛ばした機体はF-35CライトニングIIだ。
デモされたのは「東京ゲームショウ2018」でプレイアブルとして出されていたバージョンのものだが、雲が厚く雷も鳴っており、雨が降ってコクピットに水滴が当たる状況。加えてグランド・キャニオンのような複雑な地形に地対空ミサイルが配置されている。ミサイルは進行方向の裏側に配置されていたりと、かなりクセのあるステージに。しかしその分、本作に詰め込まれた新たな状況がよくわかる。
なおこのような嵐の状況では風が強く吹くが、機体がそれに流される効果もあるそうだ。そして雷についてだが、光っているだけでなく、機体に落ちることもある。その際には計器類が乱れてしまう上に、敵を見失うこともあるのだとか。河野氏が自衛隊のパイロットに聞いたところ、雷には近づかないようにしているそうだ。「ここでは自然現象が敵です」(河野氏)。
なお、ステージでデモされたのは通常モードだが、VRだけでプレイできる専用のミッションが用意されるそうだ。
コレクターズエディションには片渕監督の小説も収録
1月17日に発売されるPS4版には「コレクターズエディション」が用意されるのだが、それには「ACES at WAR A HISTORY 2019」というブックレットがついてくる。本にはコンセプトアーティストである幸田和麿氏による描き下ろしイラストが収録されるほか、3つの対談企画も収録。そのほか片渕監督による「エースコンバット」シリーズ短編小説が4話用意される。
この小説については色がテーマで執筆されており、その色に登場人物を当てはめて作られている。「青い鳩」は「ACE COMBAT 5」に登場するケイ・ナガセのその後、「緑の丘」も同じく「ACE COMBAT 5」のニコラス・A・アンダーセン館長のその後、「白いノート」は「ACE COMBAT 4」の「黄色の13」が、そう呼ばれる前の出来事が、「ローズ」はコゼットの話が描かれる。ローズについて、収録前にあればハンさんの役に立ったのではと語る河野氏だが、片渕監督によると実は今年の8月までかかって書いたものだそう。
このほか、本作のストーリーについて、ゲームになったことを考えずに書いたので、膨大な分量のテキストがあるとのこと。こちらは「引っ張り出したら短編小説と同じくらいの密度があったので、それももったいないなと」。さすがにコレクターズエディションには収録できないが、「ダークブルー」というタイトルで、のちに公式サイトへアップされることが発表された。内容はエイブリルに関するもの。時期については「ネタバレがあるので検討する」(河野氏)としている。
最後に出演者が一言。
ゆきのさん「発売日も決まってほっとしています。2年前から追加収録をする度に発売日を聞いてたのが昔のように懐かしくなりました。『ダークブルー』の世界を楽しんでください」。
潘さん「ファン待望のナンバリングタイトルで、皆さんが喜ぶたびに私もうれしくなります。12年間待ってよかったんじゃないかな、このクオリティと思いました。私もプレイしたいと思います」。
小林さん「かれこれ10年以上お待たせしているなと、開発に携わる人間として思っていた。ここに集まっている多くの方の期待に応えられるものになっていると思う。自分のこだわりを詰め込んだので期待してほしい」。
片渕監督「自分にとっては3年前、2015年秋から携わったストーリー。自分も映画制作中だったので仕事場の近くに来てもらって、1日詰めきりみたいなことでやっていったが、完成した映像を見て、幻のような思い出だったものが、こんな明確な感情となって完成したのを見て泣きました。皆さんと共有できるのがうれしい。ぜひよろしくお願いします」。
下元氏「シリーズファンの皆様にはお待たせしました。期待に応えれると思っています。プレイしていない方も、トレーラーが目に止まったらぜひプレイしてほしい」。
河野氏「12年ぶりの『ACE COMBAT 7』。ゲストの力のおかげでたくさん集まっていただいた。ここにいらっしゃる皆さんが支えてくださったので7作目を発売することができた。ありがとうございます」。