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【スマホアプリ今日の1本】恐るべき近未来の日本を舞台にしたSLG「三極ジャスティス」

支配する正義×自由を求める正義×金欲にまみれた正義!3つのジャスティスが交錯する!

今春 配信予定

ダウンロード:無料

利用料金:無料

ビジネスモデル:アイテム課金制

「三極ジャスティス」の3大ポイント

・イラストレーター兼マンガ家の井上淳哉が生み出した超秀逸なキャラクターたち
・名作シューティングを作り続けてきたケイブらしいスピード感あふれる爽快バトル
・仲間とともに敵陣営に立ち向かえ!自分が信じた正義の元に集った仲間たちとの共闘が最高!

 2月22日から3月8日までの2週間、ケイブの新作「三極ジャスティス」のクローズドβテストが開催されている。「三極ジャスティス」は2017年秋の段階では“3jus”というコードネームで呼ばれていたプロジェクト。シナリオに「高機動幻想ガンパレード・マーチ」を手掛けた芝村裕吏氏、アートに「おとぎ奉り」や「BTOOOM!」の作者・井上淳哉氏、サウンドに数々のシューティングゲームに楽曲を提供してきた並木学氏と、錚々たる顔ぶれが集結したシミュレーション(SLG)ゲームだ。

 今回はそんな「三極ジャスティス」のクローズドβテストに、約30年前からSLGをプレイしてきた筆者が参加。そのファースト・インプレッションをお届けする。β版ゆえ実際に配信されるマスター版とは異なる部分があるかもしれないが、ゲームの本質は十二分に感じ取ることができた。以前から注目していた人も、この記事で初めて本作を知った人も、目を通していただければ幸いだ。

【【三極ジャスティスPV第一弾】支配vs自由vs金欲】
【三極ジャスティスPV第二弾】あなたは、どの正義に賛同するのか】

 本作の舞台は2041年、少子化対策として全国の工場で人工人間が作られるようになった近未来の日本。エリート官僚の人工人間たちによるクーデターが成功し、日本は「カスミガセキ」が支配する核武装国へと姿を変えた。しかし、そんな独裁体制に反発し自由を求める人々は、カスミガセキに対して武力で抗することを決意。島根を本拠として「ヤオヨロズ」を名乗り、ゲリラ活動を開始する。さらに、金銭欲・物欲にまみれた第3の勢力「ダクシス」は北海道を占拠。かくして日本は、3つの陣営が覇を争う内戦状態へと突入する。

ゲーム開始時に「カスミガセキ」、「ヤオヨロズ」、「ダクシス」の3つから自分が所属する陣営を選ぶ。クローズドβテストの段階では、チュートリアル後に陣営を選び直すことができた

 本作をプレイする前に感じたのが設定とキャラクターデザインの巧みさ。近未来の日本という比較的ありがちな設定にもかかわらず、人工人間という不気味な存在をプラスすることで、まったく独自の世界観を作り上げている。まるで、筆者が敬愛する徳弘正也先生の「狂四郎2030」で描かれる“間違った方向へ突き進んだ日本”のようだ。

 キャラクターデザインも絶妙。いかにもエリート然としたカスミガセキの面々と、それとは対照的にどこかポヤンとしたヤオヨロズの顔ぶれは、本作における対立の構図をじつによく表している。そして可愛さと不気味さを併せ持ったダクシス(ダークシスターズ)のメンバーたち。これでこそ、井上淳哉氏を起用した甲斐があったというものだろう。

 ちなみに筆者の個人的な一推しは、カスミガセキの京極晴也。完璧なリーダーとして作られた人工人間でありながら、“いかにもエリート”的な嫌味っぽさがない。むしろ、その口調やセリフ回しからは官僚にあるまじきユーモアさえ感じられる。漫画「オメガトライブ」の松平貞之助の勘違いした政治っぷりと、極東戦線時代の梶くんの天衣無縫っぷりを併せ持つキャラクター……とまで言っては褒め過ぎだろうか。

カスミガセキのリーダー京極晴也。変人を愛し、変人のふりをするのが大好きな変人

 それでは、ゲームシステムに目を向けてみよう。本作は、3つの陣営に分かれて領地を奪い合う多人数型のオンライン戦略ゲーム。大きくジャンル分けするならば、ストラテジーパートとバトルパートのあるアクションSLGに該当すると思われる。

 ストラテジーパートでは、自分が所属する陣営の領地を広げるのが目的。三角形のHEX(六角形ではないので、厳密にはHEXではないが)で構成されたマップ上にある敵の拠点を破壊し、味方の拠点を配置していく。敵の拠点をすべて破壊すれば、完全制圧となり味方の勝利。時間切れになった時は、もっとも拠点が多い陣営の勝利となる。

ストラテジーパートは、敵の拠点を破壊して味方の領地を広げていく三つ巴の陣取り合戦。煙・炎を吹いている拠点や仲間が集まっている(=攻撃を仕掛けている)拠点を狙うのがセオリーだ

 敵の拠点へ攻撃を仕掛けると、バトルパートへ移行。バトルパートではバーチャルスティックで要塞機(自機)を操作し、敵陣営の機体を攻撃していく。特定の敵機を倒してゲートを開き、最終エリアの敵を全滅させれば、攻撃を仕掛けた拠点に大きなダメージを与えることが可能。逆に、敵から攻撃を食らって自機の耐久力がゼロになると、ミッション失敗になってしまう。

 自機の周囲には円形の射程距離が表示されており、円内に敵を入れるように移動すると、パイロットが自動的に敵を攻撃してくれる。また、右側に表示されたアイコンをタップすれば、自機ごとに決められた特殊アクションやパイロットによって異なるスキルが発動。そのほか、短時間で敵を連続して倒すとコンボが成立し、バトルクリア時に追加の報酬を獲得できる。シンプルながらも爽快感のある仕上がりは、数多くの名作シューティングを世に送り出してきたケイブならではと言えよう。

バトルパートでプレーヤーが操作するのは、要塞機(フォートレスメック)。パイロットや武器を変更することで、攻撃力重視にしたり機動力重視にしたりなど、カスタマイズできる
画面中央にいるのが自機。敵が青い円内に入れば、自動的にロックオンして攻撃を行なう。敵に近づき過ぎると攻撃を受けやすいので、ギリギリで射程圏内に入るように移動しよう

 ゲーム性・シナリオ性(キャラクターデザインも含む)ともに高いレベルで仕上がっているが、最大のポイントは多人数参加型のオンラインゲームであること。自分と同じ陣営が好きな仲間とともに敵陣営を落とした時は、1人用のSLGにくらべて2倍も3倍も嬉しい。反対に奮闘むなしく味方陣営を奪われた時は、その悔しさを仲間と分かち合える。この“連帯感”こそが、本作の最大の魅力と言っても過言ではあるまい。

 人工人間が統治する強い新生日本のために戦うのか?それとも、古き良き時代の平和を勝ち取るために立ち上がるのか?あるいは、正義さえも金で買おうとする犯罪組織の一員として暗躍するのか?3つの正義が交錯するドラマティックバトルの幕は、この春に切って落とされる。SLGファンも多人数型オンラインゲームが好きな人も、ケイブの弾幕シューティングを遊んできたオールドゲーマーも、ご期待あれ!