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HTC Viveで殺人事件を捜査! 「L.A.ノワール: VR事件簿」レポート

証拠品を手に持ち、手帳をめくって調査、ハンドルを握ってロスの街を走る!

発売日未定

【L.A.ノワール:VR事件簿】

価格:3,277円(税別)

CEROレーティング:Z(18歳以上のみ対象)

 12月7日に発売が決定したプレイステーション 4/Xbox One/Nintendo Switch向け「L.A.ノワール」。そして「L.A.ノワール」をVR向けに再構築した作品がHTC Vive用VRアドベンチャー「L.A.ノワール: VR事件簿」だ。こちらは発売日未定。

 今回、都内でNintendo Switch版の「L.A.ノワール」と、「L.A.ノワール: VR事件簿」を体験することができた。本稿では「L.A.ノワール: VR事件簿」をレポートしていきたい。

 「L.A.ノワール: VR事件簿」の楽しさは、VR空間で操作が楽しめることだ。死体のそばでかがみ込んで調べたり、遺留品を拾い上げたりできる。両手を上げて殴り合いや、ハンドルを握って車の運転までできるのだ。かつてない没入感が味わえる本作の魅力を紹介しよう。

事件現場で歩き、体を使って捜査を進められる。かつてない没入感でL.A.ノワール」をプレイ

 「L.A.ノワール: VR事件簿」は、「L.A.ノワール」から7つの事件を抽出した作品となっている。「L.A.ノワール」は21もの事件が用意されているので、その中から7つと言うことになる。VRコンテンツとして適したコンテンツが収録されている。

手帳を使って尋問。左手で手帳を持ち、右手で項目を選択する
事件現場をVRで捜索。証拠品を捜すために辺りを見回す
証拠品を手に持つ。コントローラをひねると、証拠品を様々な角度から見れる
格闘では本当に汗だくとなる。相手の攻撃をガードして、もう一方の手でクロスカウンターを放つ
銃撃戦も。VRならではの臨場感が楽しみだ

 プレーヤーはHTC Viveゴーグルを装着し、Viveコントローラーを握ってプレイする。事件を選ぶメニューからすでにコンテンツ内のファイルを選ぶという形式で選択する。プレーヤーは部屋の中にいて、机の上に並べてあるファイルから1つを選び、その中から事件を選んでいく。

 これらの動作を全てViveコントローラーで行なう。左手でノートを選び、Viveコントローラーの握り部分のボタンを押すとノートを掴み上げる。それから右手のViveコントローラーをノートに近づけると指さす形になるので、そこで右手のViveコントローラーの親指部分を押すと選択したことになる。メニューもきちんとこのようにVR化されているのである。

 実際の捜査もVRだ。今回体験したのは「見覚えのある男」。本来は序盤の3つめの事件だが、本作ではチュートリアルとなっている。殺人事件が起きた直後にパトロール中の主人公・フェルプスが出くわしたというシチュエーションだ。

 本作のキャラクターの移動方法には3つの方法があり、1つはポイントを指定するとそちらに移動するというもの。Viveコントローラーでポイントを指し示し、そこに移動するという方式だ。2つめはViveコントローラーを振ることで、歩いているように交互に振ることで見ている方向に前進する。犯人を追いかけるときは激しく振ることになるという。3つめがハイライトされたオブジェクトに移動するもの。視点を向けると移動可能なところが黄色く光り、そこで右のViveコントローラーのボタンを押せば移動する。今回は3つ目を使ってみた。

 死体の近くに移動し、調査する。死体は道に倒れているのだが、実際にかがみ込んで調べることとなる。死体の上着をめくるためには右手で上着を触り、右のViveコントローラーのトリガーを引くことで上着の端を掴む。内ポケットに入っている手帳は左のViveコントローラーを近づけてトリガーを引くことでポケットから引き出すことができる。そして右のコントローラで上着から手を離し、手帳をめくるのだ。自分の手で調査をしているような楽しさが実感でき、「これは楽しい」と思わず口元が緩んでしまった。

 現場で周りを見回すと、聞き込みができる人、証拠品が隠されたゴミ箱、落ちている銃弾などがハイライトされる。銃弾もまたかがみ込み、手を伸ばして掴む。掴んだまま、コントローラをひねるように動かすと、証拠品を様々な角度で見ることができる。この臨場感は本当に楽しい。

 殺された男が出てきた店の従業員を尋問する際は、手帳を片手に尋問する。ゲームの中のフェルプスと同じように、左手で手帳を持ちながら、右で項目を選んで質問していく。反応に関しては他機種版と同じように画面に選択肢が出るので1つを選ぶ。もちろん質問をしながら周りを見回せば、店の全景ををきちんと見ることができる。「ゲームの中に入る」という体験を実感できた。

 「車の運転」も体験した。車のドアを開け、鍵を掛け、ハンドルを握る。アクセルは右のトリガー、ブレーキとバックは左のトリガーだ。ロスの街をドライブできるのである。昔の車の重いハンドル操作感もそのまま再現されている。ものにぶつかったりすると、助手席の同僚が激しく体を揺らして悪態をつく。車の中で車内を見回すこともでき、ドライブを楽しむこともできた。

 全体的に、「VRになった『L.A.ノワール』」を実感できる体験だった。筆者は「L.A.ノワール」が、そして本作で描き出された1940年後半のロサンゼルスが大好きである。その世界を細かく歩き回れ、たっぷり見物できる。そしてサスペンス溢れる殺人事件を調査できるのだ。「魅力的なVRコンテンツ」を求めるユーザーにとって、「L.A.ノワール: VR事件簿」はとても期待できるコンテンツと言えるだろう。

 ただ、現時点ではちょっと注意が必要かなと感じたポイントもあった。まず1つ目は、体験会では手帳や書類など、手元のオブジェクトに書かれている文字が、ピントが合わず読めなかった。プレイする前に、HTC Viveでのプレイ環境を、しっかりと調整しなくてはならないところだろう。

 2つ目は、実は体験会では「格闘シーン」のチュートリアルもあったのだが、こちらのパンチがあたらず、向こうは届くという感じになってしまっていた。実際に手を振り回して戦うためかなり運動も激しく、人によっては汗だくになるほど歯ごたえがある要素といえる。上記同様、事前にプレイする環境を整えると共に、練習を重ねて“格闘のコツ”をつかんでおく必要がありそうだ。

 3つ目はゲームのインターフェイス部分だ。Viveコントローラーには握り部分、トリガー、親指部分の3つのボタンがあるのだが、選択肢で「決定/キャンセル」がわかりにくい。トリガーは肯定、親指はキャンセルという感じでなので、ボタンの配置と役割をしっかりと覚え込む必要がある。また手のひらのボタンがハンドルを握るトリガーになっているのだが、運転している間はハンドルを握り続けるためにこのボタンを握り続けなくてはいけない。この握り続ける操作は筆者にはちょっとやりにくかった。こういった注意点があるので、「L.A.ノワール: VR事件簿」をプレイする際には、調整やインタフェースをしっかり把握する必要があると感じた。

 「L.A.ノワール: VR事件簿」は間違いなく魅力的なコンテンツである。HTC VIVEを持っている人はもちろん、この年末に導入を考えている人も、本作をラインアップに加えるのはアリだ。できればPS VR向けにも発売して欲しいなと思う発売がとても楽しみなタイトルである。

【スクリーンショット】
様々な状況がVRになることでどうなるか、たっぷりプレイしたいコンテンツだ。
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