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今年最注目のRTS「Halo Wars 2」プレビューイベントが香港で開催

わずか10分で楽しめる新マルチプレイモード「Blitz」の魅力に迫る!

【Halo Wars 2】

2月23日発売予定

6,900円(税別、通常版)

 Microsoftは1月12日、香港においてXbox One/Windows 10用リアルタイムストラテジー「Halo Wars 2」のプレビューイベントを開催した。このイベントは、2月23日に世界同時発売を予定している「Halo Wars 2」のワールドツアーの一環として、アジア地域のゲームメディアを対象に、1月20日の公開に先駆けて一足先にβ版をお披露目するというもの。プレビューイベントには、中国、香港のメディアをはじめ、台湾、シンガポール、そして日本からゲームメディアが参加していた。

 プレビューイベントでは、シリーズお馴染みのキャンペーンモードやデスマッチモードに加えて、シリーズ初搭載となるBlitzを体験することができた。本稿では「Halo Wars 2」の最大の特徴となるBlitzを中心にインプレッションをお届けしよう。

【D2 Space One】
会場となった香港長沙湾のイベントスペースD2 Space One。343 Industriesからはデザインディレクターの

RTS新時代に向けた新たなマルチプレイモード「Blitz」とは?

 「Halo Wars 2」は、E3 2016で正式発表された「Halo」フランチャイズのRTSシリーズ。前作「Halo Wars」は、Xbox 360専用タイトルとして2009年に登場し、当時「Halo」シリーズの開発を担当していたBungieと、「Age of Empires」シリーズに代表されるRTSデベロッパーのEnsemble Studiosが開発を担当していた。「Halo Wars 2」では、現在Bungieに変わって「Halo」シリーズの開発を手がける343 Industriesと、セガサミーグループの子会社で「Total War」シリーズで著名なCreative Assemblyの共同開発となる。「Halo」シリーズの343 Industriesと、「Total War」シリーズのCreative Assemblyのタッグは、「Halo Wars 2」を開発する上で、最高の組み合わせと言える。

 その両社が、この2017年に投入するRTSとして新たに盛り込んできたのがBlitzだ。まずは下記トレーラーを見て欲しい。これだけだとよくわからないと思うが、従来のRTSや、RTSから派生した「League of Legends」のようなMOBAとも異なる新たなゲーム性を感じ取ることができるはずだ。

【Halo Wars 2 Blitz マルチプレイ ベータ】
大型TVでBlitzを楽しむことができた
プレイ中の様子

 このBlitzは、短時間でRTSの醍醐味が味わえる「Halo Wars 2」独自の新たなマルチプレイモード。「Age of Empires」シリーズや「Starcraft」シリーズに代表されるRTSジャンルの弱点は、シングルプレイ、マルチプレイを問わず1プレイに時間がかかりすぎることだ。これはまずは資源を集めて軍備を整え、その後に敵の拠点に向けて侵攻していくというゲームデザイン上の構造的な問題と言えるが、Blitzでは、それらの手順を大幅に簡略化することで、大軍同士で決戦するRTSの醍醐味だけを楽しむことができる。

 ユニットを生産するために必要となるリソースは、一定時間ごとに自動で増える仕組みとなり、施設を建てたり、リソースを改修したりといったプロセスは丸ごとカットされている。フィールド上にランダムで、一定期間ごとに資源が空中投下される要素だけが、唯一の資源採集要素で、資源を取得することでリソースの上昇率を一定時間向上させることができる。

 そしてユニットはすべてカード化されている。カードはデッキという形で事前にどのユニットを使うかを決めておく。1つのデッキに入れられるのは12枚で、デッキは勢力毎に編成されるが、コストなどは設定されておらず、レアリティも関係なく、同勢力内であれば自由に12枚を選んでデッキを編成できる。

 カードのバリエーションには、歩兵、車両、飛行、インスタントの4種類が存在し、それぞれコストが設定されている。強力なユニット、レアリティの高いカードほどコストが高くなる傾向にある。安いもので10、高いもので180といったものがあり、コストの安い部隊ばかりをデッキに組み込んで速攻型にするか、その逆の大器晩成型にするか、あるいはバランス型かはプレーヤーがデッキデザインを通じて自由に設定することができる。このあたりはまさにカードゲームの醍醐味そのままだ。

 ユニットの召喚方法は、まさにカードゲームでコストを払ってカードを使う感覚と同じだ。ゲームプレイ中にカード選択モードに以降すると、選択中のカードの1枚が大きく表示され、決定を押すとカードを使用したことになり、即時ユニットが召喚される。いつでも使えるカードは4枚のみで、カードを使用すると新たなカードが補充される仕組み。

 ユニットはコストが続く限り召喚できるため、戦場で一旦戦端が開かれると双方がユニットを送り合う展開になり、常に大乱戦になる。従来のRTSの終盤戦にしか遭遇しないような大乱戦が開始5分で楽しめるため、RTSファンとしてはたまらないところがある。

 また、デッキに組み込めるカードはユニットだけでなく、いわゆるインスタントもあり、エリア内に向けて爆撃を仕掛けたり、逆にそれを見越してバリアを貼ったりなど、Blitzならではの駆け引きもあり、単に敵より速く大軍を揃えれば勝てるというほど単純なゲームではない。

【Blitz】
カードのリスト。上部左の数字がコスト、その右のアイコンがカードの種類
カードの説明。レアリティはアンコモンで、4段階の下から2番目
デッキ編成画面。1つのデッキに組み込めるカードは12枚。
カードを使用するとその場に、即時召喚される。この円形の施設が占領ポイントで、常にこの上で召喚し合い大乱戦が繰り広げられる

 今回プレイしたのはXbox One版。特定のユニットだけを選んで操作を行なうことがマウスクリックで選択できるPC版と比較して難しいため、今回はRBボタンのダブルタップで、画面内のユニットを全選択して、Xボタンで手前の敵にぶつけ、Yボタンでダメ押しのスキル投入、という比較的雑な戦い方で大決戦を楽しんだが、マウス/キーボード操作が主体となるPC版や、Xbox One版でもキチッと細かくグルーピングして素早く画面を切り替えて複数部隊を操作することで、さらに戦術性の高いバトルが繰り広げられそうだ。

 Blitzの勝利条件は、戦場に点在する3カ所の拠点を同時に複数占拠することで獲得できるポイントをゲージ一杯にして占領状態にすること。Blitzでは、自動的にリソースが獲得できるため、いくら全滅しても占領が完了しない限り負けにはならない。このため、勝利するためには単に部隊を撃破するだけでなく、占領状態を維持しなければならない。

 今回は3対3でプレイしたが、バトルに勝利するためにどうしても戦力を集中しがちで、戦いに勝って全部占領したと思ったら、手薄なところが占領されてしまい、また全軍で移動して、また別のところが……と、全然点数の稼げないモグラ叩き状態になってやけに1戦が長引くことがあったが、基本的には早ければ5分、長くとも10分もあれば1試合が終わる感じで、RTSのマルチプレイとしては画期的な速さだ。

 今回はプレイできなかったが、このBlitzは、対人戦のみならず、「Halo」独自の拠点防衛戦「ファイアファイト」ルールでもプレイ可能になっており、まずはこちらで腕を磨くのが良いかもしれない。

 このBlitzは、先のトレーラーでも告知されている通り、グローバルで1月20日から1月30日までの日程でパブリックベータが実施される。日本からも参加できるのでぜひRTSファンはトライしてみてはいかがだろうか。

【Halo Wars 2 - Blitz Firefight】
【「Blitz」スクリーンショット】
Blitzは、自らの拠点が存在せず、少数精鋭で戦闘のみを行なうというところが大きな特徴となっている。ユニット投入のタイミングと、バトルでの駆け引き、マウス/コントローラー捌きの勝負になる

キャンペーンモードは「Halo 5」クオリティの演出で、まさに「Halo」最新作の出来映え

キャンペーンモードは序盤の数ステージがプレイできた
PC版ではマウスとキーボードでプレイできる
デスマッチモード

 Blitzと並んで大きなセールスポイントとなるのがキャンペーンだ。「Halo」シリーズとは、直接的な絡みはないものの、同じ時代設定を共有するパラレルストーリーとなっており、「Halo Wars」から28年後、「Halo 5」戦いの後、という設定になっている。

 主役を担うのはマスターチーフではなく、「Halo Wars」から引き続きUNSC 艦「スピリット オブ ファイア」のクルー達。司令官のカーター艦長をはじめ、「Halo Wars」に登場したお馴染みの面々がまったく変わらない姿で登場する。彼らは「Halo Wars」の戦いの後、コールドスリープで長い眠りにつき、28年の長い眠りから覚めたのだ。

 舞台となるのは古代種族フォアランナーによって建造された「アーク」、敵となるのは凶悪な司令官Banished率いるAtriox。彼らはコブナントの兵器を改造し、大きな脅威として立ち塞がってくる。

 今回のプレビューイベントでは、全12ステージのうち、3ステージほどプレイできたが、非常に満足感が高かった。

 その理由の1つは、カットシーンのクオリティの高さ。今回CG映像は、「Halo: Master Chief Collection」に続いて、CG制作会社Blur Studioが担当しており、そのクオリティは圧倒的な映像美で魅了してくれた「Halo 5: The Guardians」に勝るとも劣らない。

 シナリオの内容も、指揮官の指示に従って、単に探索して敵を全滅させるという単純なものばかりではなく、Atrioxの無数の敵からワートホグで逃げたり、急いで拠点を設営して敵の波状攻撃を食い止めたりなど、RTSとしての表現の限界に挑戦しており、とても好感を持った。

 ネタバレになるため、その詳細に触れられないのが残念だが、「Halo」ならではの壮大なエピックストーリーは、まさに「Halo」をRTSでプレイしている感じが味わえる。「Halo Wars」はこの点が決定的に弱かった印象があるが、343 Industriesのこだわりは半端ないという印象で、「Halo」ファンあるいはSFファンは絶対気に入るはずだ。

【Halo Wars 2 - Campaign Mission 1】
【コンセプトアート】
「Halo Wars 2」はカーター艦長とBanished率いるAtrioxの戦いとなる

 デスマッチもプレイする事ができたが、こちらは良くも悪くも、「Halo Wars」、あるいは従来のSFRTSそのままの内容で、10分掛けて資源を集め、10分掛けて戦備を整え、
戦端が開かれるのは30分後という、たっぷり腰を据えて楽しむゲームモードになっている。

 これだけ斬新なBlitzを搭載したのなら、あえてデスマッチはカットしても良かったようにも思われるが、343 Industriesとしては、このオーソドックスな対戦モードにも未だ多くのファンがいて、実装を待ち望む声も多いことから引き続き重視しているようだ。ただ、今後大会等で、デスマッチとブリッツのどちらのモードを使うかは、ユーザーの反応次第ということで、ローンチしてから検討する方針だという。

 ちなみに、「Halo Wars」はプレイしていないというゲームファンは、「Halo Wars 2 アルティメット エディション」がオススメだ。通常版と比較して1週間早い2月17日からプレイが可能になることに加え、シーズンパスの利用コード、そして「Halo Wars: Definitive Edition」(ダウンロード版)も同梱されているからだ。

 この「Halo Wars: Definitive Edition」は、「Halo Wars」のHDバージョンで、Xbox OneとWindows 10の両方に対応したXbox Play Anywhereタイトルとなっている。「Halo Wars」はXbox 360でしかリリースされなかったため、PC版「Halo Wars」は、実は「Halo Wars: Definitive Edition」が初めてだ。「Halo Wars」が丸々手に入るだけで無く、「Halo Wars 2」の土台となるストーリーがおさらいできるため非常に価値が高い。「Halo Wars 2」に興味を覚えた人はぜひ検討してみてはいかがだろうか。

【Halo Wars: Definitive Edition】
【「Halo Wars 2」カットシーン】
【「Halo Wars 2」キャンペーン】

【「Halo Wars 2」マルチプレイ】