【特別企画】

「ストリートファイターV」10周年! さまざまな挑戦で現在の「スト6」ブームの足がかりを作った意欲作を振り返る

【ストリートファイターV】
2016年2月18日 発売

 2016年2月18日にリリースされたカプコンの人気対戦格闘ゲーム「ストリートファイターV(以下、ストV)」が、本日で10周年を迎えた。

 2008年にリリースされた前作「ストリートファイターIV(以下、ストIV)」シリーズはバージョンアップを繰り返し長きにわたって稼働していたこともあり、本作は実に8年ぶりの完全新作であった。

 ファン待望の「ストV」は全世界で700万本以上売り上げ、当時定着していた“格闘ゲームの衰退”というイメージを払拭するほどのセールスを記録した。

 格闘ゲーム初心者と格ゲーファンの両方が満足できる完成度を誇っていた「ストリートファイター6(以下、スト6)」のような華々しいスタートを切った訳ではなく、正直に言うとリリース当初はかなりの躓き方をしたが、その後の新しい試みや挑戦によって最終的には大成功を収めた。そんな「ストV」の魅力を振り返っていきたいと思う。

進化したバトルシステムと必殺技演出! シリーズ初となる長編ストーリーも話題を呼んだ

 新作の格闘ゲームといえばまず初めにアーケードで稼働して、半年ほど経ってからコンシューマに移植されるという形が一般的であったが、「ストV」はシリーズ初となるコンシューマ先行でリリースされた。新作をプレイしにゲームセンターに赴くワクワク感もたまらないのだが、家にいながら世界中のプレーヤーと100円いらずで無限に対戦できるという環境に心躍ったのを今でも覚えている。

 だが、いざ蓋を開けてみると思い描いていた「ストV」とは程遠い完成度であった。まずユーザーからの大きな不満点だったのは遊べるモードの少なさだ。CPUと対戦するアーケードモードが存在せず、CPUと対戦するなら各キャラごとのストーリーモードか、CPUと連戦をするサバイバルモードしかなく、1人で遊ぶにはかなりボリューム不足であった。

 この時代の格闘ゲームなら実装されているのが当たり前のコンボを練習するチャレンジモードも実装されていなかった。未実装なだけならまだしも、メニュー画面に“チャレンジの項目はしっかりとありながら選択できない”という有様であった。これには“とりあえず発売して、後でアップデートで追加すればいい”という姿勢がユーザーにダイレクトに伝わってしまった。

 1人用モードがボリューム不足であっても、コアな格ゲーファンならばオンライン対戦ができれば文句はない。筆者も正直そう思っていた。

 しかし、その最後の頼みの綱であるオンライン周りも万全とはいえず、対戦中はコマ送りのように動きが飛びまくり、巻き戻しも起こり、極めつけはサーバーが不安定過ぎて対戦中に接続が切れることが頻発した。強制ログアウト後はなかなかオンラインに再接続できないという地獄のような状況であった。

 筆者は仲間内数人で遊ぶ予定で購入したが、部屋を立ててプレーヤーが集まって対戦するバトルラウンジはリリース当初では2人までしか入れないというタイマン仕様で、みんなでワイワイプレイすることもできず非常に残念だったことを覚えている。

 まともな対戦が楽しめる環境が整っていなかったことで前作に戻るファンも少なくはなく、シリーズの存続すらも危ぶまれるスタートであったが、ここまで挙げてきた残念な点はその後のアップデートですべて解決され、「スト6」が発売された今でも熱心な「ストV」プレーヤーがいるほどユーザーに愛される作品にまで立て直した。

今では一般的になったが、当時はコンシューマ先行という珍しい形式であった
2019年3月、コンシューマ版発売から3年後にアーケード版が稼働した

 「ストリートファイター」シリーズはナンバリングが変わるごとにゲーム性が別物レベルでガラリと変わるのも特徴。「ストIV」にあったリベンジゲージを使用するウルトラコンボや、敵の攻撃を受け止めて反撃を繰り出すセービングアタックなどのシステムはすべて廃止され、そこに代わる新たなシステムが導入された。

 キャラの個性を活かした固有技の「Vスキル」、相手の攻めのターンを切り返せる「Vリバーサル」。そして「ストV」の肝ともいえる「Vトリガー」は、キャラクターごとにさまざまな特殊能力が発動するシステムで、リュウならば電刃練気を身にまとって技を強化したり、体を回転させて相手を吸引するザンギエフのサイクロンラリアットなど、これまでのシリーズにはない型破りなシステムで「ストリートファイター」の新たな時代を感じさせた。

Vトリガーは、一定時間強化状態になるものや、特殊な技が発動するものなど、さまざまなバリエーションがあった

 「ストIV」から8年の歳月が経った新作だけありグラフィックスの進化も目覚ましかった。当時最先端のゲームエンジンであるUnreal Engine 4で開発され、初めて公開されたリュウと春麗の対戦映像を見たときは、その実写さながらの映像美に鳥肌が立った。

今から11年前に公開されたスペシャルトレーラー。圧倒的な映像の進化に衝撃を受けた

 必殺技もかなりド派手な演出になっており、「ストIV」のウルトラコンボのカッコよさも凄まじかったが、本作の「クリティカルアーツ」はその上をいっていた。

 暗闇に姿を消して背後に現れ、相手の脳天を叩き切るというホラー映画さながらのナッシュのクリティカルアーツ“ジャッジメント・セイバー”や、レインボー・ミカとナデシコのダブルヒップアタックで相手を挟み撃ちにする“バッドリーピーチ”など、非常に凝った演出の技が多いので見ているだけでも楽しめる。まさにeスポーツを意識した演出といえるだろう。

一度死んで復活したナッシュならではのダークな必殺技
レインボー・ミカのクリティカルアーツはいろいろな意味で衝撃的だった

 1人用で遊ぶモードが少ないと言われていたユーザーの声に応えて、本作にはシリーズ初の試みとなる、秘密結社シャドルーとの戦いを描いた壮大なストーリーモード「ゼネラルストーリー」が実装された。

 まるで映画のようにムービーでストーリーが進行していき、シーンの合間でCPUとの対戦が差し込まれる。ムービーシーンがメインでなんと2時間を超えるボリューム感となっており、見応え・遊び応えはかなりのもの。

ムービーで展開していくストーリー
対戦パートもあり。「スト6」のアバターの前身のようなユニークな敵も登場
ディカープリやアベルといった、ゼネラルストーリーでのみ登場する過去作のキャラクターも
ゼネラルストーリーの他に、各キャラごとのストーリーモードも用意されている

 初代「ストリートファイター」でリュウの昇龍拳でサガットが胸に傷を負ったり、「ストリートファイターZERO(以下、ストZERO)」でガイルの親友であるナッシュがベガに命を奪われたりと、設定やアーケードモードのエンディングなどで多少のストーリーは描かれてきたが、実はしっかりとストーリーを描いている作品はこれまでなかったりする。

 それゆえに、キャラクター同士の絡みも見る機会はほとんどなく、例えばガイルの設定に嫌いなものが“日本でリュウに食べさせられた納豆”とあるのだが、2人が“ご飯を一緒に食べる仲”なのか関係性は全くの不明であった。このゼネラルストーリーをプレイしてもその点については不明なままなのだが、ガイルがリュウの名前を呼んだり、息子のメルの前での父親らしいケンの姿が見られたりと、シリーズファンにはたまらない要素が盛り込まれている。

これまでのシリーズでは見られなかった貴重なシーンが満載で、キャラクター性がより深掘りされている

 繋がりが薄くバラバラ感のあった「ストリートファイター」のキャラクターたちが手を組んで共闘し、ベガの野望を打ち砕くという展開は、映画「ストリートファイターII MOVIE」を彷彿とさせる熱いものがあった。

 過去作のキャラクターだけではなく、ラシードやジュリといった新しめのキャラクターも活躍するので、「スト6」から入った新規のプレーヤーにも本作のゼネラルストーリーはぜひ体験してもらいたい。

新旧キャラクターそれぞれにしっかり見せ場が用意されている

驚きのキャラクターも多数参戦! 夢のクロスオーバーで「ストリートファイター」の世界がさらに広がりを見せた

 「ストV」の最終的な総登場キャラクターは45人。前作「ストIV」も44人と圧巻の数であったがそれを超える大所帯となった。

 本作から節目ごとにキャラクターが追加される“シーズン”という概念が生まれ、全シーズンを改めて見返しても非常に個性の強いメンバーが揃っている。それぞれのシーズンで筆者が個人的に驚かされたキャラクターたちを紹介していきたいと思う。

 初期のプレイアブルキャラクターは16人。まずこの時点で衝撃的だったのが、エドモンド本田、ブランカ、そしてガイルという「ストリートファイターII(以下、ストII)」からの常連が不在だったということ。

 そして前作では登場しなかったナッシュ、バーディー、かりん、レインボー・ミカという「ストリートファイターZERO(以下、ストZERO)」シリーズの面々と新キャラクターという顔ぶれであった。ほぼ全キャラクターを一掃した「ストリートファイターIII(以下、ストIII)」ほどではないにせよ、定番キャラを外していく人選はかなり挑戦的に思えた。

リリース当初は、定番の「ストII」キャラがそれほど揃ってはいなかった
前作「ストIV」に登場しなかったキャラを中心にプレイアブルキャラクターとして参戦していた
「スト6」でも参戦しているラシードが初参戦。A.K.I.の先生ことF.A.N.Gも今作で登場した
初期の「ストIII」は、リュウとケン以外すべて新キャラという思い切った作品であった。画面はSteam版「ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル」収録の「ストリートファイターIII」

 シーズン1の記念すべき最初の追加キャラクターは「ストIII」のアレックスであった。「ストIII」では主人公ポジションのキャラクターでありながら、前作には未登場というやや不遇な扱いであったが、本作では満を持して復活を果たした。

 ほかにはガイル、いぶき、バイソン、ジュリ、ユリアンといった人気の高い面々が登場。どのキャラクターもデフォルトの服装が過去作からガラリと変わってとても新鮮であった。

「ストV」で復活したアレックス。いろいろな意味で人気を博したキャラクターだ
どのキャラクターも服装が本作仕様の新しいものに

 シーズン2のスタートを切った追加キャラクターは、シリーズの裏の顔ともいえる豪鬼。このシーズンはコーリン、ED、メナト、是空といった完全新規のキャラクターが多かった。その中でもEDはかなりの異彩を放っていて、必殺技にコマンド入力が必要ないというまさに“モダンシステムの走り”のようなキャラクターとなっており、格闘ゲームキャラの常識を壊した設計に当時は話題になった。

「スト6」のEDは通常の必殺技コマンドになっているが、「ストV」では方向キーとボタンの組み合わせや、ボタンの同時押しで必殺技が繰り出せた
シーズン1とは対極に、新キャラクターが多数登場した

 そしてこのシーズンでもう1つ話題になったのが、あのアビゲイルである。「ファイナルファイト」のステージ5のボスでありながら唯一ザコキャラとのコンパチというネタ色の強いあのアビゲイルが、まさかの「ストリートファイター」シリーズに初参戦したのだ。待ちに待った参戦に当時「ストV」プレーヤーの間で大きな話題となった——というものではなかった。

 世界最大級の格闘ゲームの祭典であるEVO 2017という大舞台での新キャラクター発表トレーラーでアビゲイルが初お披露目されたのだ。「さくらか!? サガットか!? それともコラボキャラか!?」とファンが期待に胸を膨らませていたところに発表されたのが、口でエンジン音を吹かしながら登場する巨漢という“まさか過ぎるチョイス”に全米がコケた。

 この見事な外しっぷりで今でもネタとして語り草になっているアビゲイルだが、個人的にはPVに映し出されていたステージが「ファイナルファイト」の「BAY AREA」であったことと、雑に相手を放り投げるだけという原作を再現した必殺技があったことに少しの感動があった。

既存のキャラクターではあるものの、「ストV」プレーヤーのほとんどが「誰?」状態だったアビゲイル
原作「ファイナルファイト」を再現した必殺技の数々
見比べてみるとこの再現度の高さ。画面はSteam版「カプコン ベルトアクション コレクション」収録の「ファイナルファイト」

 そしてシーズン3の1発目の追加キャラクターで待望のさくらがついに参戦した。「ストZERO」シリーズではセーラー服姿の女子高生ファイターというキャラクターであったが、時が流れた「ストV」ではゲームセンターでアルバイトをしており、ビジュアルも店員服となってイメージを一新させた。

 ほかにも、ブランカ、コーディー、サガットという過去作からの人気キャラクターと、ファルケ、Gといった新キャラクターが登場するバランスの良いシーズンであった。

さくらは、高校を卒業した後もリュウの背中を追い、ストリートファイトを続けている
「ストリートファイターZERO3」の囚人から一変して、本作ではなんと市長となっているコーディー
世界大統領というインパクトの強いキャラ設定のGが参戦

 「ストV」も成熟してきたシーズン4は“まさにボスラッシュ”といったキャラクターが揃っており、リュウから乖離した殺意の波動が形になった影ナル者をはじめ、過去作でボスを務めたギルとセスも登場した。

殺意の波動に目覚めたリュウとはまた違った形で登場した影ナル者

 セスは「ストIV」の頃とは見た目がだいぶ変わっており、ツルツル頭のムキムキ男から、髪の長い女性のような姿に変貌していた。見た目は可愛くなったが声は変わらず大塚明夫さんが担当しているので、見た目と声の渋さのギャップを楽しめた。

見た目は可愛くなっているが、中身はそのまま(声含む)
「ストIV」仕様のビジュアルもしっかり用意されている

 見た目だけでなく必殺技などの性能も大きく変化しており、必殺技の要所要所に「ヴァンパイア」シリーズのデミトリをオマージュしているものもあり、ニヤリとした格ゲーファンは多いのではないだろうか。

セスの新必殺技のマッドクレイドルとマッドスピン
こちらがデミトリのデモンクレイドルとバットスピン。見た目だけでなく技名も酷似している。画面はSteam版「カプコン ファイティング コレクション」収録の「ヴァンパイア ハンター」

 ほかにも、ずいぶん遅れてやってきた「ストII」キャラのエドモンド本田や、武器が長い鞭に変わってS具合に磨きがかかったポイズン、そして「ファイナルファイト タフ」からまさかのルシアと、個性的なキャラクターが参戦した。

スーパー頭突きと百貫落としといういつもと変わらないスタイルの本田と、性能が大きく変わったポイズン
「ファイナルファイト」シリーズの中でもかなりマイナーな作品からのルシアの参戦にかなり驚かされた
原作のコスチュームもしっかり用意されており、ルシアファンにはたまらない。画面はWii Uバーチャルコンソール版「ファイナルファイト タフ」

 ラストのシーズン5はまさに“最後のお祭り”といった方向へ舵を切っていた。ダン、イレブン、ローズ、オロと一癖のある追加キャラクターが勢ぞろい。

 そして「ジャスティス学園」シリーズから、あきらが参戦したのは衝撃的であった。過去に「ジャスティス学園」にもさくらが登場したこともあったので世界観的な繋がりは0ではなかったものの、誰もが予想しなかった展開であった。

「ストZERO」シリーズよりダンとローズ。今作のダンは挑発が実用的になり、ただのネタ枠ではなくなっている
「ストIII」のトゥエルブに似ているイレブン。試合前にいろいろなキャラクターに変化する、いわゆるランダムキャラクター
「ジャスティス学園」のメインキャラクターであるバツや恭介をさしおいて、あきらがまさかの参戦
ゲスト参戦のような形で「ジャスティス学園」に登場していたさくら。逆の形でクロスオーバーするとは夢にも思わなかった。画面はPS版「ジャスティス学園」

 あきらの原作再現度も非常に高いのが特徴的だった。Vトリガーやクリティカルアーツでは、仲間との合体技である“愛と友情のツープラトン”を再現しており、兄であり外道高校の総番長・醍醐と一緒にコンビネーションアタックを繰り出すという力の入った再現っぷり。

「ジャスティス学園」を象徴する愛と友情のツープラトン。めちゃくちゃな合体技を繰り出すのが特徴。画面はSteam版「カプコン ファイティング コレクション2」収録の「燃えろ!ジャスティス学園」
発動のエフェクトから再現度が高い。兄妹による連携が非常にカッコいい

 ほかにも、「ストリートファイター」キャラにはない空中コンボのエアバーストや根性カウンターといった原作で見せた技が満載で、「ジャスティス学園」シリーズのファンとしてはテンションが上がった。

 「ファイナルファイト」に続き、あきらの参戦により「ジャスティス学園」も「ストリートファイター」と世界観を共有する形となり、今後「スト6」での展開も期待が高まるところだ。

「ジャスティス学園」のシステムをしっかり踏襲しており、相手を高く浮かせ、「ストリートファイター」シリーズではありえないような跳躍で空中の相手に追撃するエアバーストが可能
性別を偽り、醍醐の弟として外道高校に通っていた頃のフルフェイスヘルメット姿のコスチュームもあり

 シーズン5のラストを飾ったのは「ストリートファイター」の未来を担うといわれたルークであった。全身にタトゥーの入ったいかにもワル(実際はワルではない)といった風貌は、「ストリートファイター」の顔であるリュウとはあまりにもかけ離れすぎていて“こいつが「スト6」の顔になるのか!?”と困惑したのを覚えている。

シリーズの硬派な雰囲気をガラリと変えた新世代のキャラクター・ルーク

 ルークの性能は他のキャラクターと大きく異なり、当時はただ独特な性能のキャラクターだと思っていたが、今改めて見ると“「スト6」の新要素が一足先に盛り込まれていた”のだ。

 本来Vトリガー発動後は時間経過でVゲージが自然に減っていき効果が終了してしまうのだが、ルークのVトリガーだけは“自然にVゲージが回復していく”。また、ダメージを与えてもゲージが増え、逆に攻撃を食らうとゲージが減るという、“「スト6」のDゲージと同様の設計”になっているのだ。

ルークのみVトリガーがDゲージと同様の仕様なので、ゲージを使い切らなければ強化状態が終わらないのが非常に強い

 次回作からのゲスト参戦というスペシャルなキャラクターということもあり、圧倒的な性能も存在感を強く放っていた。

 先に触れたVトリガーによる強化状態が永続的に続くのはもちろん、とにかく通常技のリーチ、発生、硬直が恵まれすぎていてどれも強力。さらに極めつけは飛び道具であるサンドブラスト。「スト6」から入ったプレーヤーには信じられないかもしれないが、「ストV」のサンドブラストは“見てから弾抜け不可能”なほど弾速が超速かったのだ。弾抜けはおろか、細かく歩きガードをしていないと弾を見てからガードすることすら難しいという超凶悪なキャラクターであった。

 そういった影響もあって、「スト6」でルークのOutfit 3が発表されたときは、「ストV」と同じ姿を見て“嫌な記憶がよみがえった”と、過去にルークに苦しめられたプレーヤーから悲痛な声が上がっていた。

見てからガード困難というとんでもない性能のサンドブラスト。本作では猛威を振るった
「スト6」Outfit 3にて、「ストV」のデフォルト衣装が実装された

 最初にも述べたが、本作の最初期は残念な点がかなりあり、正直に言って未完成と言わざるを得ないクオリティであった。しかし、キャラクターやモード、新システムの導入など、さまざまなアップデートを経て「ストV」という作品が完成された。

 本作は数々の若手プロゲーマーを生み出し、ストリートファイターリーグやCapcom Pro Tourをはじめとしたeスポーツシーンの盛り上げにも大きく貢献した。

 「ストV」の初動の失敗と後の成功、その両方が無ければ、リリース当初からの「スト6」の完璧ともいえる完成度、そして爆発的な人気にはつながらなかった可能性は大いにある。「ストV」は、次世代の「スト6」成功のための“長期に渡った布石”ともいえる偉大な作品であったと筆者は思っている。