【特別企画】

史上最高に“触る”のが愉しいマウス! ロジクール「PRO X2 SUPERSTRIKE」インプレッション

ラピトリ&ハプティックでゲーミングマウスは新たな次元へ

【PRO X2 SUPERSTRIKE】
2026年2月19日発売予定
価格:29,150円(ロジクールオンラインストア)

 ロジクールは、ゲーミングブランド「ロジクールG」より、ゲーミングマウス「PRO X2 SUPERSTRIKE」を2月19日に発売する。カラーはホワイトのみで、価格は29,150円。本稿では、発売に先立ち実施された内覧会の模様と、実際に体験した印象をお届けしたい。

【PRO X2 SUPERSTRIKE新製品発表会】
説明を行なうロジクール室井崇裕氏
司会進行はロジクールGアンバサダーを務める岸大河氏が務めた
ゲストにはぶゅりるさん、KOHALさん、たこまるさんが参加。3者とも速さを語っていたことが印象的だった
試遊コーナー

ロジクールが満を持して放つ渾身の次世代ゲーミングマウス「PRO X2 SUPERSTRIKE」

 「PRO X2 SUPERSTRIKE」は、Logitechのグローバル向けプライベートイベント「Logitech G PLAY 2025」でサプライズ発表された次世代ゲーミングマウス。同日、日本でもモックアップが公開され、同時発表されたコンパクトマウス「PRO X SUPERLIGHT 2c」や、普及モデル「PRO X SUPERLIGHT 2 SE」以上に話題を集めたマウスだ。

 ゲーミングデバイスカテゴリではトップシェアを誇るロジクールだが、個々のプロダクトに目を向けると、ここ数年、苦しい状況にあったといっていい。押しも押されぬゲーミングデバイス界のリーダーでありながら、主力商品であるゲーミングマウス、キーボードにおいて、技術的なトレンドで先行できず、後追いの立場に甘んじてきた。ゲーミングマウスでいえば、新デザインへのチャレンジや高ポーリングレートへの対応の遅れ、ゲーミングキーボードではなんといってもラピッドトリガーの対応が年単位で遅れた。激烈なファンからは“周回遅れ”とまで揶揄されていたが、ようやく捲土重来のタイミングがやってきたわけだ。

【業界トップシェア】

 ロジクールGを語る上で忘れられない存在なのがG900だ。わざわざ本社のスイスローザンヌまで行って取材したということもあるが、今から10年前の2016年当時、ゲーミングマウスといえば有線と誰もが信じて疑わなかった時代に、ワイヤレステクノロジーLIGHTSPEEDを引っさげ、G900をハイエンドワイヤレスゲーミングマウスとして押し出したのだ。

 筆者も当時は“ごく普通の有線信者”だったから、持ち込んだ有線のG502と触り比べても違いが分からないほどキビキビ動くことが信じられなかったし、ワイヤレスでありながら約100gと当時としては衝撃的に軽かった。「これはゲームシーンを変えるぞ!」と確信したことを昨日のことのように覚えている。かくしてG900の発売以降、ゲーミングシーンはワイヤレスに綺麗に塗り替えられたのは、ゲーマーの皆さんならご存じの通りだろう。

【ゲーミングマウスを再定義したG900】
ロジクールGの歴史においてもっとも輝かしい実績を持つG900
このスライドを見てもわかるように、最初にLIGHTSPEEDが投入されたのはPROシリーズではなくGシリーズ。PROもまだ有線だった時代だ

 余談が長くなったが、「PRO X2 SUPERSTRIKE」は、G900以来となるゲームチェンジャーとなる可能性を秘めた革新的なゲーミングマウスだ。

 現行のプロ向け最新モデル「PRO X SUPERLIGHT 2」をベースに、左右クリックボタンに、世界初となるハプティック誘導トリガーシステム「HITS」を搭載し、ゲーミングマウスの世界に、ゲーミングキーボードで幅広く取り入れられているラピッドトリガーと、アクチュエーションポイントの変更機能、そしてハプティックフィードバックを採用している。

 ド定番ド安定のSUPERLIGHT 2に、これだけの新機能が搭載されている時点でワクワクさせられるのに、その他のスペックも一切の妥協がない。センサーはHERO2、ポーリングレートは8000Hzで同一。バッテリー駆動時間は95時間から90時間とほぼ同等で、重量も60gから61gとこちらもほぼ同等となる。それでいて価格は26,950円から29,150円とわずか約2,000円アップに留まっている。これが5,000円、10,000円の違いならさすがに迷いが生じるところだが、2,000円なら選択の余地はない。かなり攻めた設定と言える。

【PRO X2 SUPERSTRIKE】
白黒ツートンカラーが特徴的な本機
サイドにはマウス唯一の「X2」の文字が刻印されている
ベースはSUPERLIGHT 2で信頼性は十分
スペックシート。重量は初期発表から4g軽量化されている

 しかし、大事なのは、それらの新機能が、マウスとして求められる機能とマッチし、なおかつゲームシーンに馴染むかどうかだ。かつてゲーミングマウスは、誰も求めていないにも関わらず、各社が互いに高DPIを競い合うという不毛な時代が存在したが、そのような機能では意味が無い。

 1月27日に実施された内覧会では、ついに実際に手に取って試すことができたが、それらの懸念はすべて杞憂だった。HITSによる圧倒的な入力の速さは、誰もが感じ取れるレベルで認識できるし、その驚異的な速さを我が物にするためのカスタマイズ機能も素晴らしい。

 ラピッドトリガーによる圧倒的な高速連続入力、その正確性、使い心地を担保するためのアクチュエーションポイントの設定、そしてそれら入力を正しく知覚するためのハプティックフィードバック機能。「PRO X2 SUPERSTRIKE」は、これらが非常に高度なレベルで結実しており、トータルでかつてないゲーミング体験を生み出している。順番に見ていこう。

【ハプティック誘導トリガーシステム(HITS)】
「PRO X2 SUPERSTRIKE」最大の特徴であるHITSがもたらすアドバンテージは絶大だ
こちらがG HUBの設定画面

クリック感オフにもできる! 自分だけの1台を作り上げる感覚が楽しいハプティックフィードバック

 まず最初に体験者を驚かせるのがハプティックフィードバック機能だろう。電源オフの状態でクリックすると、何の反応もない。まったくの無音、ちょうどモックアップを触ったような印象だ。しかしこれではクリック感が得られず、クリックしたかどうかもわかりにくいため、5段階でフィードバックの強弱を設定できる。3がSUPERLIGHT 2相当のクリック感をシミュレートしており、そこから強くするか弱くするかを設定できる。G HUBで1段階ずつ変えながら好みのフィードバックを選択する、このプロセスがもう楽しい。

 左右クリックで個別に設定を変えることも出来るため、多用する左クリックのフィードバックは控えめにしておいて、アイアンサイトやスコープを覗き込む右クリックは強め、といったこともできる。加えて、完全にオフにもできる。筆者も試してみたが、クリック感のないマウスは使ったことがないため違和感まみれだったが、担当者によれば、ハプティックフィードバックすらノイズと感じる選手もいるため、あえてオフで戦いに挑むトッププロも出現するのではないかという。

【ハプティックフィードバック】
クリックした際のフィードバックの質は、従来のクリック感から大きく変わるものではないが、オフにできるのがおもしろい

浅くも深くもできる技ありのアクチュエーションポイント

 そして「PRO X2 SUPERSTRIKE」1番の魅力である最大30msの高速化を実現する要素が、アクチュエーションポイントの設定だ。こちらはさらに細かく10段階で設定が可能。5を基準点に、浅く(速く)も出来るし、より深く(遅く)することもできる。最も浅い1にすると、クリックボタンに触れただけというとやや大げさになるが、まさにそれに近い感覚で入力が発生する。5がSUPERLIGHT 2相当で、それ以降は逆にクリックボタンをカツンと床まで押下してさらに押し込まないと入力が発生しなくなる。

 このアクチュエーションポイントは、最速を目指すゲーマーにとっては浅い設定ばかり注目しがちだが、逆に深い設定も可能なのがユニークだ。ついつい指や腕の自重で誤クリックするみたいなうっかりゲーマーには誤爆防止になるし、ついつい興奮すると逆のボタンも同時押ししてしまうような場合も深くすることで誤クリックを防ぐことができる。

 しかし、多くのゲーマーにとって大本命の設定は最速の「1」になるだろう。「VALORANT」のトレモでしばらく撃ってみたが、確かに速い。明らかに速い。有史以来、一定のインプットラグの存在に慣れすぎてるせいか、撃つ前にすでに弾が出ているような、そういう不思議な感覚がある。うまく表現するのが難しいが、かすかに存在するラグが晴れたような感覚というか、これなら出会い頭の撃ち合いで勝ちきれる気がする。ここまで明確にギア1つで強くなれる感覚になれるのは久々だ。

【アクチュエーションポイント】
クリックボタンのストロークの深さは、従来モデルと同様わずか数mm程度だが、10段階で設定できる

最速入力をさらに加速するラピッドトリガー

 そして3つ目。アクチュエーションポイントが入力(オン)を設定する機能であるのに対して、ラピッドトリガーは、その反対、入力を解除(オフ)を設定する機能だ。マウスをはじめとしたすべてのインプットデバイスは、オフになることによって、次のオンが可能になる。オフの速さはオンの速さに直結する。この2つの組み合わせによって、従来のあらゆるゲーミングマウスを突き放す、最大30ms(Logitech公表値)の入力速度の向上を実現する。

 ラピッドトリガーは5段階で、機能自体をオフにもできる。最速の1に設定すると、指の力を抜いた瞬間に再入力が可能となる感じだ。アクチュエーションポイント1、ラピッドトリガー1に設定すると、触れたか触れていないかのレベルでの高速の連打入力が可能となる。クリックボタンを完全に戻さなくても再入力できるというのは、アクチュエーションポイントと同様に、まったく新しい感覚で、わずか数ミリとはいえ速くなる感覚がある。

 ロジクールによれば、このオンとオフの足し算で、最大30ms(0.03秒)速くなるという。実際にそこまで速くなっているのかどうかまでは検証できなかったが、常に連続入力が必要とされるゲームシーンでは、明確に差が生まれそうな機能だ。

【ラピトリだけじゃない!】
ラピトリマウスとして発表されたSUPERSTRIKEだが、実に多彩な機能を備えている

ぜひすべてのPCゲーマーに試してほしい新時代のゲーミングマウス

 現在筆者は、デスクトップではPRO X SUPERLIGHT 2 DEX、ノートではPRO X SUPERLIGHT 2cを使用している。軽さと扱いやすさに特化したこれらのマウスにまったく不満はない一方で、機能的なシンプルさがゆえの物足りなさも感じていたが、「PRO X2 SUPERSTRIKE」は、X2という唯一無二のナンバリングに相応しい、使って愉しいマウスに仕上がっていて、今年は本機を使いたいがためにPCゲーム熱が上がりそうだなという感触が得られた。

 純粋に入力の速さも然る事ながら、ハプティックフィードバックをはじめとした各種カスタマイズで、自分だけの1台を追求できるガジェットとしての魅力も大きい。試遊会では、未完成ということで試せなかったが、G HUBでは、各種設定をコード化して共有する機能も追加されるということで、プロの設定を試しやすくなるのもいい。

【設定のシェア機能が強化】

 気になるのは今後の展開だ。「PRO X2 SUPERSTRIKE」だけが唯一無二のSUPERSTRIKEモデルになるとは考えられない。DEXや2c、G502などにも広がるだろうし、HITS自体は、マウスに限定されるテクノロジーではないため、キーボードやゲームパッド、ハンコンなどにも採用される可能性もある。ロジクールGのイメージを一新させる可能性を秘めるテクノロジーがHITSであり、その最初のプロダクトが「PRO X2 SUPERSTRIKE」ということになる。本機はゲーマーのみならず、業界人も含めて研究開発のためにしばらく争奪戦になることが予想されるが、ぜひすべてのPCゲーマーに試して貰いたい素晴らしいゲーミングマウスだ。

【新三種の神器】
G515 RAPID(キーボード)、PRO X2 LIGHTSPEED(ヘッドセット)、PRO X2 SUPERSTRIKE(マウス)