【特別企画】
「戦場のヴァルキュリア3」本日15周年! 歴史に記されない「ネームレス」たちの過酷な運命と絆を描いた名作シミュレーションRPG
2026年1月27日 00:00
- 【戦場のヴァルキュリア3】
- 2011年1月27日 発売
セガより2011年1月27日に発売されたPSP用アクティブ・シミュレーションRPG「戦場のヴァルキュリア3」(以下、「戦ヴァル3」)が、本日で発売15周年を迎えた。
本作は、手書きイラストのようなグラフィックス表現「CANVAS」と、戦略とアクションを融合させたバトルシステム「BLiTZ」で高い評価を得た「戦場のヴァルキュリア」シリーズのナンバリング3作目。時系列としては、シリーズ1作目と同じ征暦1935年のガリア公国を舞台にしているが、表舞台で活躍した義勇軍第7小隊(ウェルキンたち)とは異なり、歴史に残らない裏の部隊「422部隊」、通称「ネームレス(名無しの部隊)」の戦いを描いた作品となっている。
本稿では、そんな「戦場のヴァルキュリア3」の思い出を振り返っていきたい。
なお、本作は重厚なストーリーが魅力のため、核心的なネタバレは避けるが、一部設定などに触れる部分があるため、これからプレイする予定のある人は注意してほしい。
名前を奪われ、番号で呼ばれる「ネームレス」たちの絶望と希望
本作の最大の特徴は、主人公たちが所属する「422部隊」の設定だろう。ここは正規軍における懲罰部隊であり、犯罪者や脱走兵、厄介払いされた者たちが集められている。彼らは名前を剥奪され、代わりに「No.(ナンバー)」で呼ばれることになる。 主人公であるクルト・アーヴィングも、将来を嘱望されたエリート士官でありながら、身に覚えのない反逆罪を着せられ、この部隊へと送り込まれた。彼は「No.7」として、個性も癖も強すぎる隊員たちを率い、過酷な捨て駒のような任務に挑むことになる。
1作目のウェルキンたちが「光」の英雄だとすれば、クルトたちはまさに「影」。歴史の表舞台に出ることは許されず、どれだけ戦果を上げても記録には残らない。「戦場のヴァルキュリア」シリーズといえば、戦争という極限状態における人間ドラマが魅力だが、「戦ヴァル3」ではその要素がより一層ハードに、そしてダークに描かれている。「捨て駒」として扱われる彼らが、それでも自らの居場所と誇りを取り戻すためにあがく姿には、筆者も何度も胸を熱くさせられたものだ。
魅力的なヒロインたちと、分岐する運命
本作を語る上で外せないのが、二人のメインヒロイン、リエラとイムカの存在だ。リエラ・マルセリス(No.13)は、自身が所属した部隊がことごとく全滅し、自分だけが生き残ることから「死神」と呼ばれ、忌み嫌われていた女性。しかしその正体は、強大な力を持つ「ヴァルキュリア人」の末裔である。一方のイムカ(No.1)は、ダルクス人の戦士。かつてヴァルキュリア人によって故郷を滅ぼされ、仇を討つために専用の巨大な武器「ヴァール」を振るう孤高の戦士だ。
ヴァルキュリア人であるリエラと、ヴァルキュリア人を憎むイムカ。この対照的な二人が、クルトを通じて次第に心を通わせていく過程も本作の見どころの一つ。特に物語の後半では、リエラを選ぶか、イムカを選ぶかによってストーリーが分岐する要素もあり、どちらのルートを選ぶか頭を抱えたプレイヤーも多いのではないだろうか。ちなみに筆者は、不器用ながらも徐々にデレを見せるイムカの可愛さにやられ、初回はイムカ・ルートを選んだことを告白しておく。
本物のリーダーへの成長――クルトの魅力
クルトは「朴念仁だけど有能で頼れる」という、非常に好感度の高い主人公である。特に「直接指揮」システムとの噛み合いが素晴らしく、ゲームを遊んだ人ほど「クルトがいないと無理」と思わせるような説得力がある。
口先だけでなく、実際に天才的な戦術眼を持っている。荒くれ者揃いの隊員たちを、暴力や感情論ではなく生き残るための策として従わせていく過程がカタルシスを生んでいく。
彼は精神論を嫌い、ひとたび作戦を立てれば自らが最前線で体を張る。「計算通りに勝つために命を懸ける」という、一風変わった熱血漢だ。
ゲームシステム上の固有アビリティ「直接指揮(CPを消費して味方を引き連れて移動して攻撃する)」が非常に強力で、ストーリー上の「指揮官」という設定と、ゲームプレイ上の「最強ユニット」という体験が完全に一致している稀有な例だ。
ちなみにこんな筆者の推しであるクルトを演じたのは、これまた筆者の推しの声優さんのひとりである中村悠一さん。クルトを「愛すべき男」にしたのは中村さんの演技の力も強くあったと感じている。もしクルトの声がもっと高圧的だったり、逆に優男すぎたりしたら、ここまで「頼れる隊長」としての人気は出なかったかもしれない。
中村悠一さんの質実剛健な声が土台にあったからこそ、戦場でのカッコよさが際立ち、日常パートでの「ズレっぷり」がよりコミカルに見えるという最高のギャップが生まれ。リエラやイムカが惹かれるのも納得の「声の説得力」だったと言えるだろう。
戦略性の高い「BLiTZ」システムと、やり応えのある難易度
バトルシステムはシリーズおなじみの「BLiTZ(Battle of Live Tactical Zones)」。コマンドモードで地図を見ながらユニットを動かし、アクションモードで実際にキャラクターを操作して敵を攻撃するこのシステムは、シミュレーションの戦略性とアクションの緊張感を絶妙なバランスで両立させている。
本作では、全兵科が最初から使用可能であったり、リエラの「ヴァルキュリア化」やイムカの「武装開放」といった特殊能力が使えたりと、戦術の幅が広がっている。
また、PSPというハードの制約上、1マップごとの広さは据え置き機に比べるとコンパクトにはなっているものの、エリア間を移動しながら戦う構成や、敵の配置がいやらしく(褒め言葉)、難易度は決して低くない。特にDLCやクリア後のミッションなどは非常に歯ごたえがあり、「どうやって攻略すればいいんだ」と試行錯誤し、何度もリトライした記憶がある。しかし、その分クリアした時の達成感はひとしおで、まさに「自らの手で作戦を成功させた」という実感が得られるのが本作のバトルの醍醐味だ。
﨑元仁氏による泥臭く、哀愁に満ちた傑作曲たち
「戦ヴァル3」の音楽は、シリーズの中で最も「泥臭く、哀愁に満ちた傑作」だ。
ウェルキンたちが活躍する「戦ヴァル1」が「王道のシンフォニー」だとすれば、クルトたちの「戦ヴァル3」は「名もなき者たちのブルース」と言える。﨑元氏は、この作品の特異な立ち位置を、見事に音楽で定義づけた。
﨑元氏といえば重厚なオーケストラサウンドが特徴だが、「戦ヴァル3」ではそこに明確な異物が混ざる。それが「アコースティックギター」の音色だ。
「戦ヴァル1」の雄大なファンファーレとは対照的に、「戦ヴァル3」のメインテーマは、哀愁漂うギターの独奏から始まり、これが「正規軍ではなく、ネームレス」である彼らの、頼る者のない孤独と孤高を完璧に表現している。
きらびやかな金管楽器よりも、爪弾かれる弦の音が、彼らの「記録に残らない戦い」の切なさを際立たせているのだ。
さらにクルトたちの物語は絶望的な状況から始まることもあり、楽曲もただ勇ましいだけではなく、悲壮感と、そこから這い上がろうとする闘志が感じられる。
通常の戦闘BGM「過酷なる戦場」においても、どこか「追い詰められた緊張感」が漂っている。しかし、そこからターンが進み、形勢を逆転していく際に流れるメロディの昂揚感は、まさに「底辺からの反撃」を体感させてくれる。
特に「過酷なる戦場」は、「戦ヴァル1」のメイン戦闘曲「勇戦」などが、どこか「義勇軍としての正義」や「明るい希望」を含んでいたのに対し、イントロから明らかに空気が重い。頭から低音の金管楽器とストリングスが唸るように響き、捨て駒として扱われる彼らの絶望的な立場を音で表現している。
華やかさよりも、生きるか死ぬかのギリギリの緊張感が漂っており、彼らが直面する「誰も助けてくれない戦場」の孤独感を際立たせている。この曲の最大の魅力は、中盤からサビにかけての盛り上がりだ。単に暗いだけでなく、重苦しいメロディの中から、強く激しい意志を感じさせる旋律が立ち上がってくる。
また、バトルの難易度が比較的高めな「戦ヴァル3」において、この曲を聞きながら不利な戦況をひっくり返す(敵拠点を制圧する)時のカタルシスは格別だ。
「オウガバトル」シリーズや「ファイナルファンタジーXII」などで知られる﨑元仁氏特有の、重厚で複雑なオーケストラサウンドが遺憾なく発揮されており、戦場の喧騒を表現するような激しいドラムと、感情を揺さぶるストリングスの絡み合いは、「ゲーム音楽」という枠を超えた一つの壮大な交響曲のようであり、そのスケール感は据え置き機にも全く劣っていなかった。
「過酷なる戦場」は、単なるBGMではなく、 歴史から消された部隊、ネームレスの魂の叫びそのもので、華やかな英雄譚ではない、泥と血にまみれた「記録に残らない戦い」を彩るにふさわしい、名曲中の名曲だと思っている。特にこの曲が流れる中、クルトの「直接指揮」で敵陣を突破した時のあの感覚は、忘れられない。
シリーズ屈指のストーリーを、ぜひ現行機で!
「戦場のヴァルキュリア3」は、そのストーリーの完成度の高さから、シリーズファンの中でも特に人気が高い作品だ。かくいう筆者もシリーズの中で「戦ヴァル3」のストーリーが最も推しである。
そして主題歌であるMay'nの「もしも君が願うのなら」が流れるオープニングムービーは、今見ても鳥肌が立つほど素晴らしい。
現在、「戦場のヴァルキュリア」シリーズは、初代のリマスター版や最新作「4」が現行機で遊べる環境にあるが、残念ながら「2」と「3」に関してはPSPで止まってしまっている。「戦ヴァル3」は、歴史の影に埋もれた「ネームレス」たちの物語だが、この名作を歴史に埋もれさせておくにはあまりに惜しい。15周年というこの機会に、ぜひともHDリマスター、あるいはリメイクでの復活を期待したいところだ。
もしPSPがまだ動くという環境にある人は、この機会に改めて「戦場のヴァルキュリア3」をプレイし、名無しの部隊が刻んだ「記録されない戦記」に想いを馳せてみてはいかがだろうか。
(C)SEGA





































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