【特別企画】

「冒険家エリオットの千年物語」TGS試遊版は短時間でも楽しめる2種が用意! プレイレポートをお届け【TGS2025】

妖精フェイの可愛さに癒される2D-HDのアクションRPG。フェイのCVはなんと11歳の子役さん!

【東京ゲームショウ2025】
会期:9月25日~9月28日
ビジネスデイ 9月25日10時~17時/9月26日10時~17時
一般公開日 9月27日9時30分~17時/9月28日9時30分~16時30分
会場:幕張メッセ

 7月31日に放送された「Nintendo Direct ソフトメーカーラインナップ」内で発表された「冒険家エリオットの千年物語」。

 本作はスクウェア・エニックスの完全新作アクションRPGでプレイステーション 5/Xbox Series X|S/Switch2/PCにて2026年に発売予定となっている。また、「ブレイブリーデフォルト」や「オクトパストラベラー」を手掛けた浅野チーム(浅野智也氏)が手掛けていることでも話題だ。

 本稿ではイベント「東京ゲームショウ2025(TGS2025)」にて試遊出展されている本作のプレイレビューをお届けする。

 TGSの試遊版は、既にSwitch2で配信中の体験版をベースとしたものとなっている。こちらを短時間でも楽しめるよう分けたような形になっており、冒頭からプレイするものと、ボス戦を楽しむことができるものの2種類が用意されていた。今回は体験版の冒頭からプレイするほうを選択し試遊した。

【冒険家エリオットの千年物語 [Nintendo Direct ソフトメーカーラインナップ 2025.7.31]】

フィレビルディアを舞台に冒険家エリオットの物語が始まるプロローグ

 物語の舞台は、人間・魔物・蛮族が住まう大陸「フィレビルディア」で人間たちは、加護の魔法を張って、そこで国を作り繁栄を保っている。

 主人公の冒険家エリオットは、フィレビルディアの中の一国「ヒューザー王国」で国王の命を受けて、未知の魔法知識が眠っているという遺跡の調査を始めることになる。その遺跡の最深部で、巨大な謎の装置を発見する。そこには現在と過去の世界を繋ぐという「時の扉」があり……というプロローグから始まる。

「HD-2D」シリーズ初の完全新作アクションRPG

 ゲームのジャンルはHD-2DのリアルタイムアクションRPGゲームで、レベルの概念はなく、ライフと装備品と消耗品を駆使して進めることになる。

 エリオットが行なえるアクションは、主に攻撃、ガード、ジャンプの3つ。HD-2Dでジャンプ操作があるというのはなかなか画期的だろう。アクションはなかなかシビアで、筆者は何回も穴に落ちてライフを消耗してしまった。

 マップはわかりやすく、未探索の場所や開けていない宝箱の位置など丁寧に記されていて、非常に好感が持てた。

 また、グラフィックスは言うまでもなく非常に美しい。ある意味スクエニの技術力ならば当然、とも言うべきグラフィックスなのだが、ゲームを起動した瞬間に目を奪われるビジュアルとなっている。フィールドはもちろんのこと、幻想的な森、ダンジョンなど様々な場所がHD-2Dで美しく描かれており、冒険心を駆り立ててくる。

 美しいのはフィールドやキャラクターだけではない。本作はHD-2Dとしては初めてイベント中の立ち絵の導入もされている。立ち絵のアートを梶本ユキヒロ氏が担当しており、梶本氏のファンである筆者としては嬉しい限りである。ドットでの動きに立ち絵が加わって、これまでのHD-2D作品よりもさらに臨場感が感じられるようになっているのが素晴らしい。

バトルはかなり奥が深い

 主人公の装備は、剣、弓、爆弾など。街の人の話からは鎖鎌という武器もあることが聞けたので、武器種はまだまだあるのだろう。

 戦闘では攻撃ボタンを駆使しながら敵シンボルに攻撃を与えていくのだが、攻撃ボタンを長押しするとチャージ状態になり、最大まで溜めると剣なら風圧が飛んだり、矢なら複数本飛ばしたりといったチャージ攻撃を繰り出すことができる。

 また敵の攻撃に合わせてタイミングよくガードをすると(ジャストガード)敵の動きを封じることができる。さらにノーダメージで敵を連続で倒し続けるとドロップボーナスが発生し、アイテムがドロップしやすくなるのだが、一度でもダメージを受けるとボーナスは消滅してしまう。そのため、いかにこのドロップボーナスを維持するかが戦闘のキーとなりそうだ。

 加えて、敵の攻撃を防御してくれる盾にもライフゲージがある。盾のライフゲージは、盾をしばらく使わないと徐々に回復するが、ゲージが0になるとガードできなくなってしまうという点が面白い。盾ばかり使っていてもドロップボーナスは継続できないのだ。

 筆者は今回そこまで操作に慣れていなかったのでなかなかドロップボーナスを維持することができなかったのだが、ドロップボーナスを維持しようとするとそれなりにテクニカルな操作が要求されることになるだろう。

 ツボや草は持ち上げて投げることができて、敵に当てればダメージを与えられる。さらにツボや草を攻撃すると矢やお金、ライフ、爆弾などを入手できることがある。本作は2D版「ゼルダの伝説(任天堂)」や「聖剣伝説」などをオマージュしているというが、まさにそれを感じる出来栄えだ。

 また、爆弾を使って敵にダメージを与えたりすることもできる。(エリオットも爆風でダメージを受ける)もちろん爆弾で岩を破壊することにも使える。さらに爆弾でひびの入った壁を壊すと隠しダンジョンが出現することも。

 隠しダンジョンでは矢の最大所持量がアップする矢筒など嬉しいアイテムが色々手に入る印象だ。ということからも、爆弾はかなり重要なアイテムになるので、爆弾はたくさん持てるようにしておくと冒険が楽になるのではないだろうか。

 また、アクセサリ的な存在として魔石というアイテムがあり、装備の基礎能力に+αで能力をアップすることができるものとなる。攻撃力が上がるバフのような効果のようだ。

 なお各魔石にはコストが設定されており、現在のコストの範囲内で魔石を複数個選んでセットすることができる。同様にアクセサリ枠もあったのだが、今回アクセサリは手に入れることができなかった。

お供のフェイが可愛い!

 エリオットにはお供の妖精フェイという相棒がおり、フェイは戦闘には参加してくれたり、フェイのいる場所にワープをしたり、といったことが可能だ。さらにフェイは2Pプレーヤーの操作もできるとのことだ。ただフェイの操作には少々癖があり、全体的にもう少し使いやすくなるといいなと感じる場面があった。なお、イベント時や妖精フェイの独り言はボイスが入っているが、汎用シーンに声がないのはちょっと寂しい。

 ただ、フェイのボイスがとてもとても可愛い。そんな可愛いフェイのCVを務めるのは、まだ11歳の宮内 月煌(みやうち るあ)さん。冒険のアドバイスなどでフェイのボイスを拝めるシーンが多いのは、とても良かった。早く製品版でもっともっとフェイとの旅を楽しんでみたくなった。

 町では、会話を行なうと会話済NPCにチェックが入り、誰に話しかけていないかがわかりやすくなっている。同じ人物に何度も話しかけてしまうような筆者みたいなタイプにはとてもわかりやすくて良い。

 セーブは「冒険の道しるべ」で行なうことができ、近付くとライフも全快になる。消耗してしまったときはここへ戻るといいだろう。

 全体的な印象としては「HD-2Dでのリアルタイムアクション」、「2人プレイ対応」と新たなチャレンジがたくさん盛り込まれていて、それでいて過去の2DアクションRPGへのオマージュもあり、特に「聖剣伝説2」あたりが好きだった人には非常に馴染みやすいゲームだと感じた。

 さらに、本作は現在Switch2向けの体験版が配信されているが、体験したプレーヤーの声を取り入れながら開発が進められているようなので、TGSで試遊をした際にもぜひ“プレイ後アンケート”に協力してほしい。なお、締め切りは9月30日23時59分までとなっている。

 美麗なHD-2Dグラフィックスで描かれる景色を楽しみながら、エリオット、フェイとの冒険を楽しんでみてほしい。

会場で試遊するとエリオットたちを描いた特製ステッカーがプレゼントされる