「グルーヴコースター」シリーズ新作発表会レポート！ サウンドスタッフを交えたトークショー、床が揺れるほど盛り上がったミニDJライブの様子をお届け

　タイトーは1月30日、渋谷の東京カルチャーカルチャーにて開催した「グルーヴコースター」シリーズの新作発表会にて、Nintendo Switch用リズムアクションゲーム「グルーヴコースター フューチャーパフォーマーズ」を2025年に発売することを発表した。

　新作発表会には、MCに「グルーヴコースター」リンカ役を担当する声優の豊田萌絵さん、ゲストとして声優の川島零士さん、コンポーザーのRyu☆さん、そして「グルーヴコースター」シリーズプロデューサーの花形琢真氏と、タイトーサウンドチーム「ZUNTATA」よりMASAKIさんが出演。会場にはメディア関係者だけでなく、抽選で選ばれた一般の招待者も参加し、新作の発表会とトークショー、そしてミニDJライブが、1時間半にわたって行なわれた。

新作に関する情報が出るたびに、会場からは熱い声援が

　新作発表会では、まずは声優の豊田さんとシリーズプロデューサーの花形さんが登壇。豊田さんの「一時期ゲームセンターに通いまくるほどハマっていたファンとして、この新作が待ち遠しかった」というコメントからイベントはスタート。そこで早速、新作のPV映像が上映されると、会場からは大きな歓声が上がり、早くもテンションはMAX状態に。ここで、ゲストとして声優の川島さんが登壇し、より詳しく新作の内容を見ていくこととなった。

MC役の豊田さんと、シリーズプロデューサーの花形さん

ゲストで登壇した川島さん(右)も音ゲーをかなりプレイするとのこと。ドライアイに困っており、目薬を差しながらプレイするのだが、忘れたときはスコアがみるみる落ちていくという話も出た

　新作「グルーヴコースター フューチャーパフォーマーズ」は、従来の「グルーヴコースター」シリーズと異なり、完全に1からデザインし直した新作である。すべてが新しい未来の「グルーヴコースター」という意味も含めて、フューチャーというタイトルが付けられていることが花形さんより説明された。また「『グルーヴコースター』のコンセプトである“音楽の世界を駆け抜ける唯一の爽快体験”を操作、ビジュアル、そして音楽においてさらに進化させたのが本作」との解説には、会場から感心する声も漏れ聞こえてきた。

　続けて、新作に収録されているプレイスタイルにはベーシックとアドバンスドがあることが紹介された。ベーシックはノートが4種類のシンプルな譜面でほぼ片手で遊べるスタイルで、それらに加えて5種類のノートが追加されたアドバンスドでは、両手同時操作や右手のみ・左手のみの限定操作が加わることで、これまでになかった攻略を楽しむことができることが述べられた。

ベーシックは初心者に、アドバンスドは上級者ややり込みたい人でも楽しめるような工夫が盛り込まれているとのこと

ここでベーシックとアドバンスド、それぞれのプレイ画面が上映された。近い場面を並べてみたので、気になる人はノートの数や種類などを見比べてほしい

　続いて、ビジュアル面で進化したポイントとして、横置きフル画面表示になったことをトピックとして挙げた。ここについては、「画面全体がプレイフィールドになるので、音楽の世界により深く没頭できます」と花形さん。さらに「映像表現も進化して、まるでミュージックビデオのような世界でお気に入りの曲を楽しむことができるようになっています」ともコメント。

画面いっぱいに展開されるノートを見て、「これまで以上にジェットコースター感が増しますね」と、豊田さんも少々興奮気味に話していた

収録曲の一部も公開されたが、スライドが映った瞬間に会場からは一際大きな歓声が上がった。今回判明した楽曲は、「鬼ノ宴(友成空)」「はいよろこんで(こっちのけんと)」「ビビデバ(星街すいせい)」「愛包ダンスホール(HIMEHINA)」「メズマライザー(サツキ)」「ラグトレイン(稲葉曇)」「オーバーライド(吉田夜世)」「チルノのパーフェクトさんすう教室(ARM(IOSYS))」の8曲

　その他に追加された要素として、シリーズ初となるストーリーモードも紹介された。これについて花形さんは「音ゲーで楽器を演奏するものでは、プレイヤーがあたかも楽器を弾いているという体験ができます。『グルーヴコースター』シリーズは、ゲームをプレイしている感覚はあったものの楽器を弾いているという体験が今まではありませんでした。そこで、今回はこういったストーリーを設けて1つの競技として定義、プレイヤーにはこれに参加しているという形で楽しんでほしいと思っています」と、その狙いを語ってくれた。

ストーリー設定。これを読み上げた豊田さんは「こんな部活があったら絶対に入りたいですね！」と前のめりに

　ストーリーモードには2人の主人公が登場するとのことで、そのうちの男主人公を本日ゲストとして登壇している川島さんが担当。もう1人の女主人公は、声優の佐倉綾音さんが受け持つと発表された。また、各キャラクターと学校にはそれぞれテーマソングが設定されており、そこにいろいろなアーティストに参加してもらっているそうだ。今回明かされたのは、主人公2人と、その2人が通う学校、そしてマスコットキャラクター。マスコットキャラクターの役割は深く明かせないものの、主人公2人それぞれの顧問の先生で、一緒に付き添って大会へと挑むとのことだ。

男主人公・閃道カケルのテーマソングアーティストはSomariさん、彼が通う虹宮高校のテーマソングアーティストはRyu☆さん。女主人公・氷芽川アリアのテーマソングアーティストは40mPさん、彼女の通う響華女学院のテーマソングアーティストはかねこちはるさんだ

フワッフのCVを務めるのは白上フブキさんで、テーマソングアーティストはナユタン星人さん、シャルシャのCVはさくらみこさんで、テーマソングアーティストはサツキさんとなっている

スタッフ陣も発表され、豪華クリエイターたちが製作に関わっていることがわかる。ここに掲載されている人の名前を見て、期待度がより大きく膨らんだという人もいることだろう

　ここで、すでにテーマソングを収録したという川島さんに話を聞くことに。楽曲に関しては「BPMが170、180ある曲を歌うのが初めてで、最初に聞いたときはビックリしました。カケル君として歌うので、キーを上げた方が良いんじゃないかとなり、それを調整しながら長時間頑張って、凄くカッコイイ曲になりました。収録してからすでに数カ月が経つんですが、非常に中毒性が高くて、未だに頭の中に曲が流れててヤバいんです(笑)」とコメント。

　すると、収録に立ち会ったという花形さんが「カケル君は主人公なので色々な困難にぶつかりながら勝ち進んでいくのですが、川島さんがカケル君が乗り移ったかのように、OKが出ても納得いかないと“もう一度やらせてください”と。本当に完璧を目指してやってくれたんです」とエピソードを披露。それに続く形で「Somariさんからの楽曲、歌詞の一行一行に“ここはカケルのストーリーではこういうテーマになっていて……”という感じで記入されているんです。それを見たら、“これは気を抜けないでしょう！”となったんです」と、川島さんが熱くなった理由を語ってくれた。

現行版の「グルーヴコースター ワイワイパーティー!!」については、この写真のDLCが最後になるということも発表された。合わせて「Groove High」が「グルーヴコースター フューチャーパフォーマーズ」から先行配信が決定している。このタイトルは、新作のストーリーにて開催される“グルーヴ杯”で優勝を目指せということで、それにかけていると豊田さん。なお、冒頭のトランペットを演奏しているのは、その豊田さんだ

　ここで時間となり、最後に1人ずつコメントを述べることに。川島さんは「ストーリーモードが新たに始まるということでカケル君を演じさせてもらっていますが、その楽曲も先ほど述べたように凄く熱いんです。その思いが曲などに詰まっているので、ぜひお楽しみ下さい」と言い、これまた熱いカケル君の決めセリフを披露して奇麗にまとめあげた。

　続いて花形さんが「新作なので新要素がたくさんあり驚いたかもしれませが、既存のユーザーにも、新規のプレイヤーにも楽しんでもらえるよう、みんなが楽しめる『グルーヴコースター』を目指していますので、ぜひご期待ください」とコメント。最後は豊田さんが「リンカちゃん、リストラにならなくて良かったです(笑)。引き続きよろしくお願いします」と締めて、第1部は終了となった。

サウンドスタッフのトークショーでは、普段はなかなか出てこない本音も吐露

　引き続き行われた第2部のトークショーには、MCの豊田さんとプロデューサーの花形さんのほか、コンポーザーのRyu☆さんとタイトーサウンドチーム「ZUNTATA」のMASAKIさんも登壇。スライドに映し出されるトークテーマについて、Ryu☆さんとMASAKIさんが答える形で進んでいった。

　最初のトークテーマは「作曲を始めたのはいつからですか？ 人生で一番最初に作った曲はどんな曲ですか？」。作曲を始めたのは2人とも高校生の頃からと一致していたが、最初に作った曲はRyu☆さんは「さくら」のリミックス版のようなものと回答。「パロディ満載の某横スクロールシューティングゲームがありまして、それがクラシック曲をアレンジしていたので、そこから影響を受けました」と教えてくれた。

　MASAKIさんは「高校2年生の音楽の授業で、最後の課題が何でもいいから1曲披露するというもので、そこでピアノソロをつくりました。当時の担任が音楽の先生で厳しめで、面談などで将来の仕事を聞かれたときに音楽家になりたいと言ったら、難しいんじゃないかと。ですが、最後の課題で作曲した曲を弾いたら、その時に先生が“頑張ればできるかもね”とポロッと言ってくれて、それで今があります」と、懐かしい表情で語ってくれた。

　続いてのトークテーマは「音ゲー曲の作曲は譜面をイメージしていますか？ 意識せず自由に作曲していますか？」というもの。これについては「もちろん！」とRyu☆さん。「『グルーヴコースター』の場合は1レーンなので、タイミングやリズムパターンを上手に考えて配置しないと、同じリズムを叩くことになってしまう。そこで、バリエーションをつけるには？ というところから生まれる作曲方法もあるので、これによって新しいジャンルの扉が開くという感じもあります。譜面をイメージもしますけど、これをきっかけに新しいものを作るというフックにもしています」とコメントしてくれた。

　MASAKIさんも「レーンが1つでボタンが複数という『グルーヴコースター』なりの作り方があって、そこは毎回意識しています」と述べた後に「人間の限界に挑戦するシリーズがありますが、作ってもプレイヤーが乗り越えてくるので、本当に音ゲーマーは凄いです」と感心する場面も。

お題に答えるRyu☆さん(左)とMASAKIさん(右)。トークテーマ2では、一番意識しているポイントは？ と豊田さんに聞かれたMASAKIさんが「24分連打です」と即座に回答し、会場が爆笑するシーンも

　最後のトークテーマとして用意されていたのが「スランプになることはありますか？ どのように克服していますか？」。聞かれたRyu☆さんはすかさず「めちゃくちゃありますね。永遠スランプ、一生スランプかもしれないです」と。どういうときに感じるのかと問われると「新しい曲を作ろうというときに手癖になってしまったりとか、そういう曲を作っていると飽きてきます。自分で自分が感動しないと乗り越えられないんです。そのためにはどんなジャンルでも良いのでインプットを増やして、少しでもきっかけを掴む。そして、〆切までにアウトプットする。今は最新の『ガンダム』の映画を見たので、やる気が出ています(笑)」と、オチで流行の話題に触れるサービスも。

　MASAKIさんは「スランプはキツいです。ノウハウはありまして、作曲家の方向けですがマスタートラックにピッチシフターをかけるんです。こうして音の印象を変えて強引に作り出す、というのをやります」とコメントすると「僕、今日やります」とRyu☆さん。ただMASAKIさんは「違うことをやっているときに何かが降りてくるとか、起きたら浮かんできたとかは、一切無いです。地道に、PCの前でかじりつくのみです」と、厳しい現実にしっかりと目を向けていたコメントも残していたのが印象的だった。

　トークショーはここで時間となり、最後の一言としてRyu☆さんは「これから『グルーヴコースター』の製作も進行していきますが、ご期待に添えるよう頑張っていきますのでよろしくお願いします」と語ると、MASAKIさんは「サウンドディレクターという立場で、曲作り以外のあらゆるところを担当しています。開発のみんなも気合を入れて全身全霊で作っているので、ぜひゲームを楽しんでいただけたらなと思います」と述べ、終了となった。

　第2部後半は、Ryu☆さんとMASAKIさんが出演するミニDJライブが開催。開始時にRyu☆さんの「スタンダップ！」とのかけ声で総立ちになると曲が流れ始め、これまでとは一変して会場がダンスフロアになったかのような雰囲気へと、一気に飲み込まれた。

　途中からMASAKIさんが参戦し、目を見張るようなエアドラムなども披露すると、会場も今日一番にヒートアップ。床が驚くほど揺れるくらいノりにノったミニDJライブは、大盛り上がりのままエンディングを迎え、発表会は無事終了となった。

　新作発表会とトークショー、そしてミニDJライブは、YouTubeのアーカイブ映像からも視聴できる。気になる方はぜひ視聴してほしい。

ミニDJライブでは会場の照明も落とされ、まさにクラブで踊っているような感覚を味わうことができた