【特別企画】

オーディオは感情に訴える! EPOS、初のオンラインイベントで“ゲームにおけるオーディオ”を語る

マイクロフォン&ワイヤレスヘッドセットの新製品も発表

1月27日 開催

 EPOSは、オンラインイベント「“The Power of Audio in Gaming” 〜ゲームにおける パワー・オブ・オーディオ〜」を1月27日に開催した。

 「“The Power of Audio in Gaming” 〜ゲームにおける パワー・オブ・オーディオ〜」は、EPOS初となるオンラインイベント。本イベントでは、オーディオがゲーミングエクスペリエンスを完璧にすると信じているEPOSが、「ゲーミングにおけるオーディオの未来は?」などのテーマをもとに、ゲームにおけるオーディオについて語った。あわせて、マイクロフォンとワイヤレスヘッドセットの新製品がメディア向けに公開された。

【The Power of Audio】

 まず、R&D部門副社長・Jesper Kock氏が登壇。Jesper Kock氏によると、ゲームの世界に入り込むには、現実に忠実に再現された音が必要だという。そのうえで、ゲームでは、チームメイトとのコミュニケーションも生じる。チームとの完璧なコミュニケーションには、全ての声を拾いながらも背景の音を逃さないことが重要であり、クリーンで自然な音はいいコミュニケーションを可能にし、ゲームに勝つ可能性を高めてくれる。自然な音の再現、ゲームの音が邪魔されないこと、コミュニケーションが邪魔されないこと、そして、空間定位が音響性能の鍵になるのだという。

 ここで下記の図を見ていただきたい。下記の図は、特定の周波数のノイズを低減させる機能をマイクの周囲360度でプロットした極座標プロットとなっている。どちらのタイプのマイクもゲーマーに完璧なソリューションを提供できるが、ここで重要なのは音の特性・性能基準が各ヘッドセットで明確であるということ。常にトレードオフがあり、マイクのノイズフロア、ブームアームの長さ、風や吐息に関する感度、ノイズリダクション機能など、これらの要素を重点にマイクを選べばチームメイトとの優れたコミュニケーションが実現できる。

【極座標プロット】

 マイクの次は、さらに重要といえるサウンドエクスペリエンスについて。忠実に音を再現できなければ、脳は正しく音を認識することができないとして、EPOSの哲学は、完璧に近い本物の音を再現するオーディオエクスペリエンスを提供することとなっている。また、装着性も重要だ。完璧なフィットとは音が漏れないことと、長時間装着できるということ。耳の形は千差万別なので、全ての耳に合うデザインはほぼ不可能だが、EPOSには世界中で集めた数十万の耳型がある。さらに、小さな機器を耳の中に装着する知識も持ち合わせており、耳が痛くならない設計が可能になっている。

 もう1つ重要なのは、脳がノイズで邪魔されないこと。ここで登場するのが、アクティブノイズキャンセリング機能だ。外からの雑音を取り除くことができ、ゲームに集中できるようになる。

 次に、デンマークのテクニカルジャーナリスト・David Guidager氏率いる5名の業界リーダーによる「ゲーミングにおけるオーディオの未来は?」についての話し合いも行なわれた。その中では、サウンドデザインはどんどん成長していくとしており、将来的には情報提供という役割を果たし、中核的なゲームデザインの中にサウンドデザインが取り込まれてくるのだという。もちろんビジュアルも重要だが、ゲーマーに対する指示やサインという観点からは、ビジュアルだけでなく様々な要素を活用できる。

 また、ゲーミング部門シニアディレクターのAndreas Jessen氏は、オーディオには感情の真ん中に訴える力があるという。例えばホラー映画を無音で観たときと、音ありで観たときには受ける感情が全く違う。ゲームでも高い解像度や詳細なディテールが求められるが、オーディオがなければ単なる画像に過ぎず、感情的な一体感を感じられないのだ。視覚は情報で、サウンドは感情。最高の質にこだわって、オーディオをゲーマーに届けることで、ゲーマーはゲームにのめり込むことができるのだという。

 そのためにEPOSは、ヘッドセット以外の製品も開発している。ヘッドセットがいいものでも、サウンドカードが悪ければ悪い音を良い質で再現するだけになってしまうからだ。独自にアンプ・サウンドカードも作り、PC上のソフトウェアのアルゴリズムも自社開発しているのだ。

 最後に、本イベントでは、EPOSが2021年に発売する新製品に関しても触れられた。今回は、いわゆるストリーマーやYouTuberといったクリエイター向けのコンデンサー型マイクロフォンと、新たなワイヤレスヘッドセットが紹介された。新ワイヤレスヘッドセットは、現在よりもオーディオも素材もルックスも良くなっているだけでなく、PCからコンソール、コンソールからモバイルなど、プラットフォームを変えるときに、1つのヘッドセットでシームレスに移行できるのだという。

 なお、新製品はいずれもシンプルかつクールなデザインとなっていたが、現段階では規制の関係上その姿は公開できない。EPOSからの続報が入り次第、改めてお伝えする。