【特別企画】

メリークリスマス、兄ちゃん!「リンダキューブ」25周年記念ポップアップストア開幕突撃フォトレポート

「裏参道ガーデンで待ってるわよ」 だってサ!

開催期間:12月24日~2021年1月5日

営業時間:12時~18時(無休)

会場:裏参道ガーデン(〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-15-2)

 クリスマスイブの本日12月24日、いよいよサイコスリラー+ハンティングRPG「リンダキューブ」の発売25周年を記念した「『リンダキューブ』25th ANNIVERSARYポップアップストア」がオープンした。

 「リンダキューブ」は1995年10月13日、PCエンジン/SUPER CD-ROM2向けに発売されたサイコスリラー+ハンティングRPGで、その後キャラクターデザインの刷新やシナリオの追加などが行なわれたプレイステーション版(リンダキューブアゲイン)やセガサターン版(リンダキューブ 完全版)なども展開された。

 本作のストーリーは巨大隕石「死神」が迫りもはや滅亡不可避の惑星ネオケニアを舞台に、自警団兼なんでも屋のようなレンジャー隊に属する主人公のケン・チャレンジャーと、ケンの幼馴染みで性格が悪くて腕っぷしが強くて今時飯を旨そうに食うヒロイン、リンダ・バーニング(CV.高山みなみさん)が動物たちをつがいで集め、箱舟に載せて星を脱出するべく奔走するというもの。登場人物も大体皆クセが強いが、動物も蜘蛛に虎の頭だけを載せたような異形「トラ」、逞しい腕を持ちクロールで泳ぐ「サメ」、顔があるはずの部分に唇だけがくっついている「ゼブラ」、カラフルな鼻が3本も生えている「ゾウ」……などなど、我々の知るものとは生態も姿も全く異なる生き物がそこかしこに蠢いている。

 ゲームの最大の目的である動物集めも、単に自分で捕まえるだけでなく罠で捕まえてもいいし買ってもいいし、なんなら誰かに取って来てもらっても良い。さらには動物の腹をかっさばいて出てきた卵を孵して手に入れても良い。目的さえ達成できれば手段は問わない、というアウトローな雰囲気が漂う世界観が本当に魅力的な作品だ。

コアラ♂&♀。本作においては比較的原型を留めているほう
動物集めは別に自分でやらずに、金を払って代行ハンターに捕まえてもらってもよい
全ての元凶、空から突然降ってきたモノリス。文言は「告知 箱舟ノ乗員求ム 男女各一名 動物集メニ自信ノ有ル者ニ限ル 神様ヨリ」

 ストーリーとして用意された4つのシナリオのうち1つが「MERRY XMAS」というそのままズバリのタイトルであったり、作中に登場する町の1つ「エターナ」が社長の趣味で年中クリスマス仕様になっていたり、ストーリーのカギを握る登場人物がやたらサンタ服を着ていたりという具合で、本作はとかくクリスマスと縁が深い。ポップアップストアが”10月13日”ではなくクリスマスイブの”12月24日”スタートというのは、ファンにとっては至極納得のいく日取りである。

 事前の情報によれば、ポップストアにはネタバレ大上等のTシャツをはじめとした限定グッズや、リンダたちが動物収集の旅に出ることになった元凶「モノリス」、箱舟に載るための儀式「手形認証システム」が展示されるという。令和の今、本作のイベントが行なわれるとは、PS版「リンダキューブ アゲイン」から箱舟のクルーとなった筆者としては感涙モノで。一も二もなくオープンに合わせて現地に走った。

ポップアップストアのキービジュアル
お品書き

田中達之氏の複製原画から動物たちのアクリルキーホルダーまで、「リンダキューブ」グッズ盛りだくさん!

 「『リンダキューブ』25th ANNIVERSARYポップアップストア」は地下鉄表参道駅からほど近くに位置する、古民家をリノベーションした「裏参道ガーデン」にて開催されている。入り口付近にはビースチャン(※作中におけるネオケニアの原住民のこと)の伝統的なドレスを纏ってこちらを見つめるリンダが描かれた本ポップアップストアのキービジュアルが展示されており、これを目にした瞬間「ほんとに『リンダキューブ』のイベントやってるんだ……!」とテンションが一気に上がる。なにせ初出が25年前のゲームなので、今この瞬間に「リンダキューブ」という言葉を見かけるのは逆にとても新鮮であり、戸惑いが少し入り混じったような強い喜びがある。

会場付近にはリンダのポスターが掲示されている!
ポップストアの会場となる「裏参道ガーデン」。レトロで隠れ家的な雰囲気をまとう建物だ

 ストアには昨今の事情によりソーシャルディスタンスを保ち、検温や消毒などが都度行なわれるため順番に入場するような形になる。ストア自体はワンフロアに収まるくらいの規模感で、中央にはグッズをズラリと並べた展示台、入り口には手を添えて押し込むことで光る「手形認証システム」、フロアの角にはSS版「リンダキューブ 完全版」とPS版「リンダキューブ アゲイン」のパッケージと殺人サンタ(達)が身につけていたマスク、サンタ服などがクリスマスツリーやプレゼントとともに展示されている。そして奥には「モノリス」が存在感を放ちつつデーンと鎮座しており、壁面には本作のキャラクターデザインを担当した田中達之氏の複製原画が並んでいる。

グッズの購入は壁に掲示されたお品書きと展示を見ながら商品を選び、注文書に記入していく方式
ストアに入る前に「手形認証システム」でクルー登録!クリスマスイブに男女ペアで来訪し、左側に男性が右手、右側に女性が左手で登録して本作ロゴ(ロゴ左側の掌がケン、右側の掌がリンダ)を再現するという最高に贅沢な過ごし方をしているファンもいた。筆者はソロ取材だったので羨まし過ぎる
面積こそさほど広くはないが、「リンダキューブ」グッズと展示が高密度で詰め込まれている。BGMとして「リンダキューブ」のサウンドトラックがかかっており、四季のフィールド曲や「Try Again」などが聞けて幸せ
クリスマスツリーとプレゼントまではいいのだが、マスクとサンタ服が極めて不穏。お隣にはPS版とSS版のパッケージが並び、クリスマス風の映像が流れるテレビが置かれている
そして「モノリス」である。文言はややアレンジされた「告知 ハコブネ ノ ジョウイン モトム ダンジョカク1メイ カミヨリ」というもの
テーブルにはアクリルキーホルダーや大判のフェイスタオル、ビッグサイズのアクリルスタンド、マグカップなどなど「リンダキューブ」グッズがズラリ。ちなみにヒュームはステッカーシートのみ、エモリ博士は漫画のコマ割りのようになった絵柄のタンブラーとデスクマットにのみ登場。レアキャラである
壁には田中達之氏の複製原画が!こちらは現地での購入ができず、オンラインでの購入となるので注意
ポップアップストアのキービジュアルとなった1枚も
壁際のラックにはパーカーやTシャツ、キャップなどが展示されている
「愛し合う2人はいつも一緒……そいつが何よりだ」という雰囲気を感じるTシャツ(2色)

 「『リンダキューブ』25th ANNIVERSARYポップアップストア」はクルー登録に始まり、モノリスを拝んだり、「リンダキューブ」の楽曲を聞きながら「リンダキューブ」グッズを物色できるというファンにはたまらない空間となっていた。店内がクリスマス仕様なのはおそらく今日だけではなく、エターナよろしく会期終了まできっとこのままに違いない。往年のPCE版「リンダキューブ」ファンはもちろん、「アゲイン」&「完全版」から入ったプレーヤーも田中達之氏ファンも是非訪れて欲しい。なお、ポップアップストアの展開は2021年1月5日までで、現地ではオンラインストアでは購入対象外の商品も含めたフルラインナップからの購入が可能となっている。