インタビュー
「当時のスタッフに満点をあげたい」リマスター版「鬼武者2」インタビュー
内容は当時のまま、遊びやすさをリファイン
2025年4月23日 12:46
- 【鬼武者2】
- 5月23日発売予定
- 価格:未定
2002年にプレイステーション2で発売され、大ヒットを記録したカプコンの戦国サバイバルアクション「鬼武者2」。今年の2月にシリーズ完全新作の「鬼武者 Way of the Sword」と同時に「鬼武者2」リマスター版のリリースが発表され、ファンからの注目を集めていた。
今回弊誌では、リマスター版の開発を手掛けるプロデューサーの田中浩介氏と、オリジナル版に引き続きリマスター版でもディレクターを務める江城元秀氏に本作の特徴やオリジナル版の開発当時のお話などを伺ったので、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
「鬼武者」シリーズを盛り上げていく方針に
――23年前に発売された「鬼武者2」のHDリマスターを開発することになった経緯を教えていただけますか?
田中氏:元々カプコンとしては、過去の良い作品をしっかり現世代機でいろんな方にプレイしていただきたいという考えがあります。その中で、常に「鬼武者2」のリマスター版は開発候補に上がっていました。
いろいろ環境を整える準備に時間がかかっていましたが、先日発表させていただいた完全新作の「鬼武者 Way of the Sword」の発表をきっかけに、しっかり「鬼武者」シリーズ全体を盛り上げていくという方針が決まりました。それも重なって、「鬼武者2」リマスターの制作が決定したといった形になります。
――実際にはいつ頃からこの話は動いていたのでしょう?
田中氏:2年前ぐらいですかね。計画段階としてはもっと前からありましたが、動き出したのは約2年前ぐらいだったと記憶しています。
――「鬼武者2」ってファンからの評価が元々とても高い作品です。リマスター発表時、SNSなどでもすごい盛り上がったと思いますが、そちらはご覧になりましたか。
田中氏:はい、もちろん。ユーザーの皆様の好意的な声をいただいて、Xでは国内でトレンド入りしてるのも見て、スタッフみんなで「やったね」みたいなことを言っていました。特に「ゴーガンダンテス」(「幻魔界最高の剣士」で知られる本作の敵キャラクター)などもトレンド入りしたのでPVに入れて良かったと(笑)。
――昨年9月に発売された「デッドライジング」のリマスター版は、リメイクに近いような形でした。「鬼武者2」のリマスターは原作を忠実に再現しているところが多いように感じたのですが、これは何か狙いがあったのでしょうか?
田中氏:オリジナル版は本当に良くできていて、いろいろな人にプレイしてもらいたい作品です。しっかり原作の良さを皆様に伝えるために、原作を忠実に再現しつつも、グラフィックスの高解像度化や、少し触りやすく操作感を現代にフィットするようにアナログスティック対応したりしました。それは江城も特に思っていたところです。なので、これはプロジェクトのスタートの段階から決まっていた方針です。
――以前、江城さんが出られていたトレーラー映像の中で“アクション面の手触りの当時のものより良くした”とおっしゃられてたんですけど、先ほど田中さんがおっしゃられていたアナログスティック以外に他にどういったところに手が加えられているのでしょうか?
江城氏:一閃のタイミングとか、ゲーム性に関わる部分は当時のままで変えてはいませんが、例えばゲームの特徴でもあるカットの切り替えでは、ちょっと見づらいタイミングがあれば調整しています。
ほかにメニュー画面に入らなくても武器の変更ができたりとか、いわゆるプレイアビリティの向上の部分、あとはアナログスティックの移動の加減などは、何度も触って開発スタッフにオーダーしつつ、調整をかけて遊びやすくしています。
当時の良さをそのまま進化させたリマスター版を目指した
――今回新しく高難易度モードの「修羅」が追加されていますが、攻撃を一撃でも受けたら終わりという思い切ったゲームバランスです。どういった経緯で入れようということになったのでしょうか?
江城氏:修羅に関しては全ユーザーさんが対象というよりも、腕に自信があったり、アクションゲームがすごく得意なユーザーさんに向けた超高難易度モードみたいなイメージです。
一撃くらうだけでもゲームオーバーになるので、クリアしたときの達成感であるとか、クリアしたこと自体を自慢したくなるような、そういうものでもあるのかなと思っています。なので、開発からの挑戦、のようなイメージで実装してます。
開発チームでも、このモードはチーム内の誰か1人でもクリアできればオッケーというぐらいの調整になっています。なので本当に腕に自信のあるユーザーさんはぜひ挑戦してもらいたいなと。
セーブも途中でできますのでじっくり進めることもできるし、タイムアタックでノーセーブノーダメージで行くということもできるように作ってますので、ぜひいろいろチャレンジしてもらえたらなと思います。
――修羅でなくとも、通常の難易度でも久々にプレイしたら結構歯応えのある難易度だと感じました。
江城氏:アクション的にはフレームレートが60fpsになっていますので、非常に滑らかになっていて十分歯応えもあります。バランスで言うと、当時は何度もプレイしていて慣れていた部分ではありますが、リマスター化にあたって改めてプレイしてみて「ボスの動きがちょっと理不尽だな」という部分だったり、「ここで回復アイテムがないのはキツイよね」という場所は回復アイテムを置いたり、本当に細かな調整をしています。
――回復アイテムの配置とかも増えてたりするんですね。
江城氏:ほんの数箇所ですけど(笑)。あまりいじるとバランスが崩れますから。なので、ほぼ難易度や歯ごたえは当時と全く変わっていません。
――なるほど。プレイしていると、どうしてもアイテムが枯渇しがちになってしまいます。
江城氏:今回、同士の攻略という要素があるんですが、同士とコミュニケーションをとってアイテムをあげるなどしていると、回復アイテムをくれることがあります。そこはぜひやってもらえるといいかなと思います。
――オリジナル版では武器装備のひとつ「舞雷刀」を強化するのが定番、みたいな感じがありましたが、今回もやはり舞雷刀が1番扱いやすいのでしょうか。
江城氏:武器の使いやすさはユーザーさんの好みでもあるとは思いますが、舞雷刀は序盤に手に入るというのもあって使い勝手はいいのかなとは思います。プレイしたら武器がいろいろ手に入ると思うので、それぞれのユーザーの好みも踏まえてトライしていただきたいですね。
――舞雷刀以外のおすすめ武器はありますか?
江城氏:僕の好きな武器でよければ。後半の方で手に入る土荒鎚というハンマーなんですが、これは「鬼武者2」で追加したもので、鬼戦術は地面をドーンと叩いて広範囲にダメージを与えるというものです。階層が上の方にいる敵も倒せたりするので、使い勝手がよく豪快なので僕は好きですね。
「鬼武者」世代も若い世代も楽しめる作品に
――江城さんに質問なのですが、オリジナル版のリリースから23年という年月が経っています。リマスター化にあたって、改めて自分が過去に手がけた「鬼武者2」に触れたときのお気持ちはいかがだったでしょうか?
江城氏:今回リマスターにあたってもう1回原作遊んでみましたが、当時開発中に苦労した思い出とか、当時こういう思いで実装してたなっていうのがいろいろ思い出せて、非常になんというか……“エモい”なと(笑)。感慨深く思いながら、リマスターのディレクションにあたっていました。
なので、当時は特に全然気にならなかった部分であっても、今改めてやることで気になった部分は調整して、歯応えがありつつも遊びやすくなるようなバランスにしました。
――田中さんにもお伺いしたいのですが、過去の名作である「鬼武者2」のリマスターを手掛けると決まったときのお気持はいかがでしたか?
田中氏:当時は学生でいちユーザーとしてプレイしていたので、「これをリマスターする。しかも当時のディレクターと一緒に」ということで、奇跡のようだなと。あのとき憧れだった作品を手掛けた人と一緒にやれるというのはかなり嬉しかったです。
――プレッシャーなどは無かったですか?
田中氏:僕自身、当時の作品として好きなので、当時の良さをそのまま進化させてお届けしなきゃいけないという使命感はありました。そこは僕だけでなく、開発スタッフ一同がすごく神経尖らしてやっていたところですね。
――今回のリマスター版でここは注目してもらいたいみたいなポイントはありますか?
江城氏:そうですね。さっきもお話させてもらったテクスチャーの高解像度化で、当時再現しきれなかった部分が改めて表現されているのは見どころの一つです・
また背景に関しても、今回HD化によってかなり細かいとこまでの描き込みが確認できますし、背景に動画を多用しているのですが、そこも全て高解像度化にすることでより滑らかに美しくなっています。今現在のゲームのプレーヤーさんが見ても、綺麗だなと思ってもらえるようになってるんじゃないかとは思います。
あとはカットシーンでのキャラクターの動き、フェイシャルの動きに関しても、解像度が上がることによって、細かなフェイシャルの動きや目の動きなども当時の担当者が細かくこだわってつけています。その辺りも見てもらえると非常に嬉しいです。
――今回「鬼武者2」をリマスター化したということは、「鬼武者3」などのリマスター化も考えているのでしょうか?
田中氏:先ほども申し上げた通り「鬼武者」シリーズ全体をしっかり盛り上げていきたいという思いはあります。ただ、まずは目先の「鬼武者2」と、完全新作の「鬼武者 Way of the Sword」に注力していきたいところです。
――23年前の作品ということで、プレイしたことがないという若いゲーマーの方も結構いると思います。今回のリマスター版はどのようなユーザーに強くプレイしてもらいたいでしょうか?
田中氏:原作をプレイした方にもですし、「鬼武者」シリーズを全くやってない方にもオススメできる作品ですアクションゲームとしてすごく洗練されているゲームだと思いますので、ぜひやっていただきたいです。
グラフィックスが綺麗になって操作感も上がっていますが、この時代のゲームらしく自分で学んで、自分で気づいて「これだったんだ」と発見するようなところの良さは、このリマスターは忠実に移植しています。
何でも親切丁寧に、というわけではないので、若い方たちにとっては逆に新鮮に見えてきっと面白い体験になるのかなと思っています。若い方にもぜひやっていただきたいなと思っています。
松田優作さんの3Dモデルは松田美由紀さんの協力で完成した
――松田優作さんの続投、すごく安心しました。改めて本作で松田優作さんを採用された経緯についてお伺いできればと。
江城氏:23年前の開発当時ですが、シナリオを作っている段階ではまだ主人公が決まっていませんでした。シナリオの杉村升先生との打ち合わせで「主人公どうする?」という話をしていた際に、その打ち合わせにたまたまフラグシップ(当時のカプコン子会社。ゲームシナリオ制作を担当した)所属の映像監督さんが同席されていて。
その方が「亡くなった俳優さんを3Dで作ることはできるの?」って言われたんですよ。「動画とか資料があれば、3Dモデルに起こすことは可能です」と答えると、監督さんが過去に松田優作さんの作品に携わっていて、事務所に相談できるから良ければ繋げると提案をいただきました。ぜひとお願いした後、すぐにプロデューサーに連絡をして、プロデューサーから優作さんの事務所にアプローチして起用するに至った、という感じですね。
――亡くなられた方を主役にするにあたって、当時ご苦労された面とかはありましたか?
江城氏:そうですね。今みたいにフェイシャルキャプチャーみたいなものもなく、1から写真や当時の映像の資料を見て3Dのモデラーが作っていきました。
思い出深いのは、最終的にモデルがほぼ完成した段階で、仕上げのために奥様の松田美由紀さんが大阪の開発ルームにいらっしゃったことです。松田美由紀さんが直接画面の3Dモデルを見ながら細かに調整していただいたことで、より優作さんの雰囲気が出たということがありました。
――キャラクターデザインは、特撮に強い雨宮慶太さんを起用しています。
江城氏:雨宮さんの起用に関しても、当時まだシナリオしか進んでない段階で「鬼武者2」の世界観として“よりキャラクターを尖らせていく”“すごく個性豊かな敵を登場させたい”などのオーダーがありました。
その中で杉村先生の方から、「雨宮慶太さんと繋がりがあるんだけど、1度話ができないか?」というので紹介いただいて。杉村先生との打ち合わせの中で雨宮さんに、こういうゲームで、こういう世界観でやりたいんですけど、キャラクターデザインお願いできますか? というお話をしたところ、ぜひやらせてくださいと快諾いただいた結果、参加いただきました。
――特に幻魔のデザインはとても雨宮さんの特色がよく出ていると思います。3Dに起こすのにあたって、雨宮さんの持ち味を活かすのに工夫した点とか苦労した点とかがありましたか?
江城氏:当時のアートやモデリングを担当してる人間たちもすごく苦労したと思います。特に、テクスチャーの描き込みですね。
雨宮さんは原画の段階でも細かく描かれるんですが、それをテクスチャーに起こして3Dモデルにしても、どうしても解像度の問題とか、ブラウン管で映る段階では再現しきれなかった部分がありました。
今回のリマスターでは高解像度化することによって、当時スタッフがテクスチャーに描いていたものがクッキリ鮮明に見えます。その細かな描き込みも含めて再現されているので、ビジュアルではここが結構大きなポイントになっていると思います。
――もともと初代から幻魔はオリジナリティが強かったですが、特に「鬼武者2」ではジュジュドーマやゴーガンダンテスと、オリジナリティ溢れる幻魔たちが登場します。これらの敵はどのように出来上がっていったのでしょうか?
江城氏:敵に関しては、「鬼武者2」を作るにあたって幻魔をもっと個性的に作りたいという思いが僕もありましたし、特に杉村先生がいろいろな映像作品を作られてる方なので、悪役として魅力的に描きたいと。
単なる敵というよりももっと人間臭かったり、それぞれに性格があって、その性格に基づいていろいろな喋り方がある、といったような。いろいろ提案いただいた中で、杉村先生の作家性を活かしてこっちの方が面白いので実装しましょうとなりました。特にゴーガンダンテスのセリフなどは、杉村先生氏が書いたそのまま実装しています。
どんどん企画が広がった「鬼武者2」
――初代の「鬼武者」と比べると「鬼武者2」はすごくドラマチックなストーリーだったと思います。ストーリーの傾向をこう初代と大きく変えた理由は何かあるのでしょうか。
江城氏:「鬼武者」の一作目も杉村先生が書かれていますが、「鬼武者2」を開発するにあたって、まず最初にシナリオをどうしようかという話をしました。
その中で、もっと登場人物を増やしつつドラマチックなものにしたいというところで、僕の思いと杉村先生の思いが一致しました。今回は十兵衛とオユウの関係もそうですが、大人のドラマチックな感じは当時としてはなかなか珍しいテーマでした。親子の関係なども描いていきたいという思いも込めたドラマになっています。それもあってフェイシャルの作り込みもドラマを表現するために細かくこだわってつけてもらうようにオーダーしました。
――蘇った織田信長が敵であるっていうのは序盤から判明していますが、このようなストーリーはどのように出来上がっていったんでしょうか?
江城氏:杉村先生からプロットが上がってきたものを開発側で確認しつつ、あとはゲームのシステムとのバランスを取りつつ、「ここはもうちょっとこの形の展開にしてください」などをこちらからオーダーすることもあれば、杉村先生側からも「ここだったらこういう形の展開の方がよりドラマチックだからどう?」と提案をいただく、みたいな感じでした。ゲームのことも非常によくわかっていらっしゃる方なので、そこはお互いに意見出しつつ構築していったっていうような感じですね。
――初代は若干ホラーテイストなところがありましたが、「鬼武者2」では幻魔がユニークだったり町があったり仲間がいたり、テイストがガラリと変わりました。これはどのような経緯があったのでしょうか?
江城氏:初代とは全く違う方向で持っていきたいというよりは、キャラクターを増やすなど「鬼武者」の世界を広げていきたかった、というところが大きいですね。
初代は稲葉山城の中をフォーカスしたゲームデザインになっていますが、「鬼武者2」では町を行き来する人々を表現したり、そこに主人公がいていろいろな交流をしたり。キャラクターに何かものをあげたら相手からもらえたりっていうシステム面白いよねなど、話を広げていく中でどんどん面白い要素を入れていこうと。
幻魔に関しては、杉村先生側からの提案も面白いのでやりましょうみたいな形もあって。ボリュームがどんどん広がっていくんですが、どれも極力削りたくなくて実装しています。なので、相当なボリュームのゲームになりました。開発チームには非常に負担をかけて苦労させました。応えてくれたチームにはもう本当に感謝しかないです。
――この手のタイプのゲームで仲間にアイテムをあげてキャラクターの好感度を上げて、イベントなどの展開が変化するというのは他のゲームにはあまりないですよね。
江城氏:シナリオも分岐しますし、プレイヤーキャラとしても使えますし。あと、同士に物をあげるときのリアクションや、あげる物のバリエーションがないとつまらないので、じゃあアイテムをたくさん用意しよう、じゃあどんなアイテムを用意しよう、じゃあそれにリアクションをつけて……ってやると、もうどんどんボリュームが大きくなっていって(笑)。
スタッフもそれは面白いということでかなり頑張って実装してくれたおかげで、「鬼武者2」ならではの面白さを実現できました。それが本当に良かったですね。結果的に非常に多くのファンの方に受け入られて、「鬼武者」で初めてディレクションした人間としては嬉しいというか、喜ばしいことだと思います。
――リアクションは本当に面白いですよね。お礼にもらったアイテムを本人にプレゼントすると「それ俺があげたやつだろ」みたいなリアクションが用意されてて細かいなと。
江城氏:そのときの同士との関係によって、同じアイテムをあげてもリアクションが変わったりするんですよ。なのであえて(関係値を)ゲージとかに出すのではなく、返す言葉、表情とか仕草で想像してもらいたいと。
本当にリアルな人に対してどの贈り物をあげて、そういうことを図っていくという遊びを実現したかったので、あえてゲージなどは表示させていません。。
当時のスタッフの仕事に「満点をあげたい」
――江城さんは「鬼武者2」で初のディレクターを務められましたが、ディレクターというお仕事に当時抱かれた感想とかは何かありましたか?
江城氏:そうですね。ディレクターの仕事は“AかBかどっちにします?”といったときに決める仕事です。この決める基準が、当時の初めてのディレクションでは悩んだところです。基本的には遊んでくれる方の思いを考えますが、自身の考えとどう折り合いをつけるかは難しかったです。
悩んでいたところで、一緒にやってくれていたメインプランナーと晩御飯を食べに行ったときに、ちょっと相談などをしながら試行錯誤しつつ、ディレクションのスタイルを確立していきました。
――やはりプレッシャーはありましたか?
江城氏:1作目を開発しながら発売前に「鬼武者2」は開発をスタートしていて、初代「鬼武者」が発売されてすごくヒットして、ユーザーさんからの期待が大きくありました。「鬼武者2」でいろいろな面白い要素を入れた、というのは、この期待感を受けての部分が大きいですね。プレッシャーのおかげで、今の形になったなと。
――ディレクションを手掛けてて、リマスター化のときに改めて作品を見たときに、その当時の自分の仕事は何点ぐらいだと思いますか?
江城氏:ディレクター1人ではゲームは作れないですよね。そういう意味では、ディレクターの仕事として何点というより、ゲームに関わってくれた開発やタイトルとしては満点をあげてもいいんじゃないかと思います。
当時は、とにかくめちゃくちゃスタッフが協力してくれました。僕がやりたいとか、こういうことが面白いと思うということに対して賛同もしてくれて。良い意味でぶつかることもありましたけど、スタッフのみんながやってくれた努力のおかげで「鬼武者2」がヒットしたと本当に思っています。全員のその仕事に対して、もう満点です。
――今回初めて「鬼武者」シリーズをプレイする人も多くいると思います。初めての方と、そしてリマスターを楽しみにしているファンの方、それぞれに向けて一言ずつお願いできますか。
江城氏:じゃあ僕の方から。「鬼武者2」は僕が初めてディレクションさせてもらった非常に思い出深いタイトルです。今回改めてそのオリジナルをプレイして気になった部分をより遊びやすくしたり、今回のリマスターではかなり調整しています。
特に前作をプレイされた方、オリジナル版をプレイされた方はもちろんなんですが、「鬼武者」を知らなかった方に手に取ってもらって、その非常に幅広く広がった「鬼武者」の世界をぜひ遊んでもらえたらなと思います。
田中氏:初めて触る方に対しては、本作は本当にアクションゲームとして洗練されているゲーム、というのを伝えたいですね。ぜひアクションゲームが好きな方、ちょっとアクションゲーム苦手だけどやってみたいなという方、ぜひプレイしていただきたいと思います。
シリーズのファンだった方に対しては、忠実にできる限り、当時のものをそのまま良くしてリマスターしている作品になりますので、安心して当時の思い出を振り返りながらプレイしていただければと思います。
――ありがとうございます。今後の「鬼武者」シリーズの展開も期待しております!