カプコン、WIN「モンスターハンター フロンティア オンライン」シーズン6.0インタビュー
“響狼”「オルガロン」や「剣晶」スキルの魅力を杉浦氏が語る


8月26日 収録

会場:カプコン東京支店


 株式会社カプコンは、Windows用オンラインハンティングアクション「モンスターハンター フロンティア オンライン」(以下、MHF)において、大型アップデート「シーズン6.0 “双牙、オルガロン”」を9月16日に実施する。

 前回、前々回の大型アップデートで、新コンテンツ「パローネ=キャラバン」、「ラスタ(頼狩人)」といった新コンテンツを意欲的に投入しつ続けてきた「MHF」は、今回の「シーズン6.0」でも積極的な姿勢を続けている。

 「シーズン6.0」アップデートでは、「MHF」初となる、2体が対になったボスモンスター「オルガロン」や、剛種モンスター初の1人用クエスト「ナナ・テスカトリ」の実装でコンテンツが拡充される。さらに近接武器用スキル「剣晶」、ヘビィボウガンに装着可能な「排熱噴射機構」などでプレイの幅も広げられる。既存コンテンツの「パローネ=キャラバン」、「ラスタ」についても、アンケート結果を反映したアップデートが実施される。

 今回は「シーズン6.0」アップデートの魅力や、今後の「MHF」の方針などについて、オンライン開発部運営室長 運営プロデューサーの杉浦一徳氏にお話を伺った。また「シーズン6.0」以降に予定されているアップデートなどについても聞けたので、そちらにも注目していただきたい。




■ ユーザーからの意見や要望を「シーズン5.5」以降に生かす

開発統括本部オンライン開発部 運営プロデューサーの杉浦一徳氏。意見や要望には全て目を通し、「MHF」をブラッシュアップしていきたいという

――前回のインタビューの後、2周年記念イベントが開催されました。かなり力を入れられていましたが、結果はいかがでしたか?

杉浦一徳氏: 2周年記念イベントをお客様に遊んでいただいた中で、喜ばれたイベントもあれば、お叱りを受けたイベントもありました。「ホワイトスターラッシュ」クエストでは、かなり厳しいご意見をいただいた反面、オリジナル防具が貰えるイベントに関しては、厳しいご意見はあまり見られませんでした。お客様からいただいたご意見には全て目を通していますが、2周年記念イベント後には改めてアンケートを実施して、お客様の忌憚ないご意見をいただきたいと思っています。評価が厳しかったイベントは内容を見直すか、新規のイベントに入れ替え、評価が高かったイベントはまた来年に向けてさらに改良して続けていきたいと思っています。

 今回の2周年記念イベントを開催したことで、今後や3周年記念イベントに向けてもいい経験が積めたと思います。「MHF」では毎月のようにイベントを行なっていますし、この年末も熱いイベントを行なっていきたいと思っています。

――「シーズン5.5」についてはいかがですか?

杉浦氏: やはり「ラスタ」ですね。これに関しては既にアンケートを行なっていて、「シーズン6.0」、「7.0」でお客様の意見や要望を反映しようと思っています。アンケートに目を通したところ、ご批判よりもご要望のほうが多く、これらを何らかの形にまとめることで、もっとお客様に喜んでもらえるのではないかと思っており、現在積極的に開発に取り組んでいます。

 ブログなどのスクリーンショットやゲーム内データの分析結果からしても、実際にかなりの数のお客様が「ラスタ」と契約され、同行させていることがわかりました。これからも「ラスタ」が「MHF」の中で活躍していくのではないかと感じています。

8月26日より期間限定クエストで配信が開始された「エスピナス希少種」

――「エスピナス希少種」も実装されましたが、ユーザーの反応はどうでしたか?

杉浦氏: よく言っているのですが、実装直後にお客様が遊び続けていて、なおかつこれといった反応がお問い合わせにない場合は、評判がいい証だと思っています。今回もご要望がほとんどなく、大部分のお客様に満足していただけたのかなと思います。お客様のブログなどを見ると、最初のインパクトが強かったということをみなさん書いてくださっていて、樹海が燃え盛っていることを表現して、「樹海終了」といった面白い表現をしているブログもあったりして、楽しんでいただけていると感じました。

 「エスピナス」は思い入れのあるモンスターの中の1体で、亜種は個性的な動きでお客様にも喜んでいただけていたので、それを希少種で超えようと構想段階から開発チームで懸命に考えました。その結果評判もよく、お客様が楽しまれているのは嬉しいことです。

――「エスピナス希少種」の攻撃方法や攻撃エフェクトは今までの「MHF」にはない感じのものですが、何か意図されているのですか?

杉浦氏: 他のモンスターと似たような攻撃方法やエフェクトばかりではお客様に評価をいただけないので、どこにオリジナル要素を入れようかと開発チームで議論しました。私達もこれまでにないやり方だと思っていますが、今回だけに限定しているわけではなく、新しい試みとして色々な要素を開発チームは常に考えています。




■ 新モンスター「オルガロン」や新スキルについて

2体で同時に出現する牙獣種のモンスター「オルガロン」

――「シーズン6.0」アップデートの方針を教えてください。

杉浦氏: 「.0」というアップデートには、新モンスターの投入が非常に大きな要素としてあります。「シーズン5.0」は「パローネ=キャラバン」というコンテンツにスポットをあてましたが、本来「.0」アップデートでは新モンスターを1番の目玉にしています。今回はサブタイトルにも“双牙、オルガロン”と名づけているように、モンスターを前面に押し出しています。今回のアップデートでは、新モンスター「オルガロン」をメインに、「パローネ=キャラバン」のリファインと、「ラスタ」のアップデートに力を入れました。

――やはり新モンスターを入れて欲しいという要望が多いのですか?

杉浦氏: お客様からのご要望というより、私達もお客様も「.0」というアップデートで新モンスターが登場するのは当然という認識で運営しています。そこはかなり意識しているので、「.0」アップデートではこれからも新モンスターを登場させていきたいですね。

――そこで新モンスターの「オルガロン」が登場するわけですね。このモンスターのコンセプトはどういったものでしょうか?

杉浦氏: メインビジュアルからもわかると思うのですが、「MHF」で初めて、2頭のモンスターが1対になっています。ハンターランク(HR)61からのクエストでは雄の「カム・オルガロン」、もしくは雌の「ノノ・オルガロン」がメインターゲットとなるクエストが別々に配信されるので、実際に2頭を同時に相手にするのは剛種クエストの「オルガロン」になります。

 2頭が同時に登場した際に、ハンターがどう立ち回るかというところがポイントなので、本格的な「オルガロン」の強さは剛種クエストで体感してもらえると思います。

――「オルガロン」はどのように命名したのですか?

杉浦氏: 呼びやすさや語呂のよさを意識したり、お客様が呼びやすいように配慮しました。あとは2頭いるので、それぞれを呼びやすいように、「カム」、「ノノ」と名づけられています。

2体同時に叫び、ハンターを威嚇する「オルガロン」

――“響狼”という異名にはどういう意味があるのですか?

杉浦氏: ビジュアルからも狼のような見た目で、2頭が同時に吼えます。プレビューサイトでも公開しているように、雄たけびを意識して、“響狼”という名前で表現しています。クエスト中の雄たけびは、通常のバインドボイスのような扱いにはなりますが、2頭同時に吼えるというのもビジュアル的に今までと違いますし、実際に狩猟を達成できた際に“響狼”という言葉の意味がわかってもらえるはずです。

――2頭が同時に襲い掛かってくるというと、どのような狩猟になるのですか?

杉浦氏: 「カム・オルガロン」と「ノノ・オルガロン」自体が差別化されたモンスターで、雄と雌の印象がそれぞれに表われています。雄の「カム・オルガロン」は一撃が重くて攻撃力が高く、雌の「ノノ・オルガロン」は素早く動き回るといった特徴があり、ヘビーとライトのようなイメージで差別化を図りました。対極的な攻撃パターンのモンスターが同時に襲い掛かってくるので、両方の特性に対抗できる武器種の選択も難しいですし、他の剛種モンスターよりもてこずるのではないかと思います。

――クエストメンバーの武器構成も重要だということですね。

杉浦氏: それはかなり重要になると思いますね。「MHF」のお客様にはプレーヤースキルが高い方が多いですし、インターネットの社会というのは情報もスピーディに流れることを考えると、さすがに最適な武器種について1カ月間議論され続けているとは思えません。1週間ほどで定番の装備や立ち回りが考え出されるかもしれません。ただ、ある程度装備などが決まっていると、それに疑問を持たずに使ってしまう人も多いかと思いますが、その点については今までのモンスターより、どうしてこの武器種なのか、どう立ち回ればよいのか、という部分について考えてもらえる要素が大きいのではないかと考えています。

――クエストメンバーごとに戦術を考える必要もありそうですね。

杉浦氏: 「オルガロン」はそれぞれが別のエリアに移動することもあるし、当然同じエリアに現われることもあります。クエストメンバーを分けたほうが戦いやすいのか、全員で1頭ずつ倒したほうがいいのかはお客様に考えて楽しんでもらいたいところです。

――ちなみにグラフィックスが繊細になっているように見えるのですが、システム的に何か変わっているのですか?

杉浦氏: 極端に何かを変えたというわけではなく、「ヴォルガノス」や「ヒプノック」と同じようにお客様のPCスペックを考えて開発しています。意図的ではないですが、「MHF」では初となるオリジナル牙獣種ということで、グラフィックスを描いているスタッフが、狼のような毛並みや“モフモフ感”を再現しようと力をいれてくれたのだと思います。

――「オルガロン」の素材で生産できる装備品にはどういう特徴がありますか?

杉浦氏: 素材は2頭の「オルガロン」からある程度共通して手に入りますが、剥ぎ取り率などに差を設けています。武具は、「オルガロン」の雰囲気が出たものになっていると思います。金属のような機械的なデザインの武器や防具ではなく、牙獣種である「オルガロン」の素材が色濃く出たイメージです。


【スクリーンショット】
「オルガロン」の素材から生産できる神楽シリーズ(剣士用、画像左)、神座シリーズ(ガンナー用、画像右)


剛種では初となるソロ専用の古龍モンスター「ナナ・テスカトリ」

――他にも、初のソロ専用剛種モンスター「ナナ・テスカトリ」が登場しますね。

杉浦氏: ソロのクエストをやりたいというご意見はそれほど多くないのですが、コアなお客様から一定の件数が常に送られてきます。自分の腕ひとつで挑めるクエスト、自分の腕のみで手に入れた達成感のある武器、防具を要求されるお客様もいらっしゃることを認識していました。

 ただ、私達はオンラインゲームの長所である多人数プレイを重視していたので、今までソロ専用のクエストは意図的に優先順位を落としていました。しかし、今はある程度オンラインゲームとして足りなかったコンテンツ部分が肉付けできてきたので、そろそろこういう部分にもスポットを当てていいのではないかという話になりました。それで今回、剛種クエストに古龍種のモンスターの中から何を入れようかと開発と話し合う中で、そろそろ「ナナ・テスカトリ」を入れてみてはどうだろう、という話になりました。

――どの程度の強さになるのでしょうか?

杉浦氏: 剛種の「テオ・テスカトル」を1人で倒すよりは楽ですが、逆に4人で挑めない分だけ手ごわいと思います。パラメーター的にも、ソロ専用モンスターの中で1番強い位置づけになるのではないでしょうか。

――戦闘街には剛種の「錆びたクシャルダオラ」と「テオ・テスカトル」が登場しますが、戦闘街に登場させようと思ったのはなぜですか?

杉浦氏: 剛種クエストの種類が少ないとお客様も飽きてしまうので、クエストのバリエーションを増やして楽しんでもらおうということも理由の1つですね。ちなみに、「錆びたクシャルダオラ」は、通常の剛種「クシャルダオラ」よりも一部の素材がやや入手しやすくなっています。


【スクリーンショット】
戦闘街に登場する剛種の「錆びたクシャルダオラ」(画像左)、「テオ・テスカトル」(画像右)


近接武器用の新スキル「剣晶」

――次に武器について伺います。新スキルが追加されますが、既存スキルの中でどういう位置づけを想定していますか?

杉浦氏: 今回の新スキルの中で1番のものは、「シーズン6.0」のパッケージの特典防具を装備することで発動する「爆撃剣」などの「剣晶」スキルです。弓で使用している爆撃ビンのようなものを近接武器に装填してダメージを与えるイメージです。メインスキルの1つとして組み込んでもらいたいということと、「剣晶」スキルを導入することで今までとは違うプレイスタイルを味わってほしいと考えていました。

 「剣晶」スキルはエフェクトだけをとってみても派手で、狩りが新鮮に感じられると思います。新しいスキルがただのパラメーターだけに留まらず、見た目にもいい意味で影響を与えられると思っています。

 例えば「餓狼」スキルでは、導入する際に「地味なスキルだよね」、「玄人好みだよね」という話もでましたが、一方で開発担当者から「いずれ評価されて浸透する」という熱弁もされていました。実装してから、際立って持てはやされたわけではないですが、今では「餓狼」スキルが1つのスキル構成として評価されている部分もあると思います。「剣晶」スキルについても、「高級耳栓」や「龍風圧無効」のようなトップスキルになるとは思っていませんが、噛めば噛むほど味が出るというように、最終的には評価されて欲しいと思っています。

特定の剛種武器のヘビィボウガンに装着できる「排熱噴射機構」

――そしてヘビィボウガンの「排熱噴射機構」ですが、こちらはどういうものですか?

杉浦氏: 簡単に言うと、ヘビィボウガンからグラビモスの熱線のようなものが発射されます。ライトボウガンの「超速射」のように、剛種武器限定の機能という位置づけですね。見た目はインパクトがあると思います。実際私達も「排熱噴射機構」の映像を初めて見たときには思わず笑ってしまった程で、撃っている姿を見るだけでも楽しんでもらえると思います。

――映像を見る限り、タル爆弾のように味方にもダメージを与えそうですが。

杉浦氏: それだとPKになってしまうので、さすがに味方へのダメージはありません(笑)。

――ちなみにどの剛種武器で「排熱噴射機構」を利用できるのですか?

杉浦氏: 今回のアップデートでは、剛種の「オオナズチ」と「ベルキュロス」の素材から生産できる新剛種武器のヘビィボウガンで利用できます。

「モンスターハンター フロンティア オンライン シーズン6.0 プレミアムパッケージ」

――今回の「シーズン6.0」パッケージの特典はどうやって決められたのですか?

杉浦氏: 今回はいくつかの候補から、アラビア風のデザインの防具でいこうということになりまして、武器もそれに合わせたデザインにしました。パッケージの紹介には書いていないのですが、大剣で溜め攻撃をした場合光るようになっていて、そういう細かいギミックにも力が入っています。開発チームにも、せっかくお客様にパッケージを買っていただくのだから、サービスをしてあげたいという思いがありました。実は運営側からお願いする前から、既にそういったギミックを準備してくれていました。




■ 「パローネ=キャラバン」や「ラスタ」の仕様変更など

――「シーズン6.0」では「パローネ=キャラバン」についても力を入れているそうですが、どのような変化があるのですか?

杉浦氏: かなり大きな変化が2つあります。1つは、お客様からのご意見を活かして、キャラバンクエストで通常素材が入手できるように変更しました。剥ぎ取りは今までどおりCP(キャラバンポイント)で、クエストクリア報酬と緊急ミッションでアイテムが入手できるようになっています。

 もう1つは、他のプレーヤーが募集しているキャラバンクエストであれば、どの★ランクのクエストでも参加可能になりました。今までクエストメンバーを集める際に、★ランク制限により参加しにくい場面もありましたが、これで解消されると思います。また、★ランクが高ければ上位クラスの素材が入手できるうえ、クエスト参加者それぞれにランクの差があればあるほど、報酬にもメリットを設けています。上手く活用して、上級ランクの方がランクの低い方に対して優しく接してもらいたいですね。

――「ラスタ」はどうなるのでしょうか?

杉浦氏: 「ラスタ」については「ランゴスタ」など甲虫種を攻撃するように改善したり、ハンターが罠を設置している最中は攻撃を少し控えて邪魔にならないよう配慮するなど、行動選択の改善を数多く行ないました。さらに、全武器種と武具のレベルを開放します。「ラスタ」を剛種クエストに同行させるのはまだ戦力として厳しいかもしれませんが、変種クラスならかなり役に立つのではないかと思います。

 また「シーズン6.0」では、新規のお客様に向けて初心者チュートリアルを強化し、新たに「ラスタ教官」が登場するようになっています。チャットウインドウでセリフを言いながら教えてくれたり、一緒に戦ってくれたりします。「ラスタ」の実装により可能になったことも多く、私個人としては、これからも「ラスタ」が「MHF」の中で活躍していくのではないかと感じています。「ラスタ」は「シーズン6.0」以降も強化していきますが、まずは「シーズン6.0」に期待してください。

 そしてこれらを導入し、9月下旬か10月に「パローネ=キャラバン」と「ラスタ」についてアンケートをとって、お客様から評価をいただこうと思っています。「シーズン6.0」の「パローネ=キャラバン」と「ラスタ」には、前回のアンケート結果を反映していますので、今回もぜひ多くのご意見をいただければと思います。

――次にメゼポルタ広場について、「マイハウス」のレイアウト追加と調合屋の仕様変更がありますが、これにはどういう狙いがあるのですか?

杉浦氏: 「ラスタ」と同時に導入したギルド貢献ポイントの利用法と、Zenyをあまり消費しないコンテンツを考えました。Zenyを消費するコンテンツばかりにしてしまうと、Zeny稼ぎのクエストだけをやり続けることになってしまいます。その反面、ギルド貢献ポイントはゲームで遊んでいるだけで増えていくものなので、お客様があまり苦にならないように配慮したつもりです。これによりZeny稼ぎを多少緩和して、遊ぶクエストの選択肢を広げることで、お客様の楽しみを増やしていこうと考えました。

 もちろんこれまでどおりZeny稼ぎを必要とする面もありますが、ギルド貢献ポイントを稼ぐのであれば、好きなクエストがある程度自由に遊べますし、ギルド貢献ポイントを多く集めるためにも「ラスタ」をもっと利用してもらえるというメリットもあります。さらに、「ラスタ」を利用してもらえればコミュニケーションも活発になると思い、積極的にギルド貢献ポイントを消費していただけるコンテンツをご用意しました。

――システム面では、サイコロを振れる「@dice」機能が実装されますね。

杉浦氏: 「MHF」の中でユーザーイベントや猟団イベントを行なわれているお客様もいらっしゃいまして、その時にサイコロを振ってランダムに数字を出せるような機能があるとイベントを進める上で楽だという要望がありました。そういう面をこちら側で手助けしなければ、お客様にとって不便なままなので、導入を決めました。これを使ってユーザーイベントの際になんらかの順番を決めたり、景品をプレゼントする際に利用してもらいたいですね。コミュニティの手助けになってくれる機能として定着してくれると嬉しいです。




■ オフラインイベント「VS. クエスト チャンピオントーナメント in Autumn 2009」について

2回目となるオフラインイベント「VS. クエスト チャンピオントーナメント in Autumn 2009」

――オフラインイベントの準備はどんな状況ですか?

杉浦氏: 東京会場はかなりの数の応募があり、応募者数が前回の2倍以上になっています。4地区全体で見ても前回より応募者が多く、とても驚いています。今回は「シーズン6.0」の試遊会も実施するので、テストサーバーの準備などを行なっていますが、基本的に順調に進んでいます。

――応募者数が増えた理由としては、参加人数の単位が4人から2人に変更されたのも大きいのではないでしょうか。

杉浦氏: はい。前回のイベント終了後に4人単位は敷居が高いという意見が寄せられたので、今回は2人単位に変更したところ、気軽に申し込んでいただけるお客様も増え、いい結果になっていると思います。逆に4人単位がいいというご意見もなく、前回の大会の参加単位が2人か3人だったら参加できた、というお客様も参加していただいているようです。

――飛び入り参加もできるようですが、まだ参加できそうですか?

杉浦氏: 予約者で埋まっていた場合は無理ですが、当日にキャンセルが入ることもあるので、上手くいけば参加できるかもしれません。ただ参加できなかったとしても、他の人のプレイを見るのも結構勉強になりますし、「シーズン6.0」の先行体験会はご来場いただいた方は全員が参加できるようにしておりますので、来場していただく価値はあると思います。ぜひ会場に遊びにいらしてください。

――「シーズン6.0」を試遊しに来場するユーザーも多そうですが、会場のキャパシティ的には大丈夫ですか?

杉浦氏: 試遊には時間制限を設けますが、想定よりも多くの方が来場した場合は、遊べる時間が10分から5分に短縮されるかもしれません。より多くの皆様に遊んでもらいたいので、そこはご了承ください。

 当日は限られた短いお時間ですが、私から「MHF」についての開発・運営チームの考え方や、日々思っていることをお話ししたいと思っています。このイベントは、お客様と直接お会いして、我々が逆にパワーをいただける機会にもなりますので、大変意義のあるものだと思っています。むしろ私達のほうがお客様よりも楽しみにしているほどなので、多数の方が来場してくれれば私達も嬉しいです。




■ 気になる話題や「シーズン6.0」以降のアップデートについて

すでに「シーズン7.0」、「8.0」以降の開発にも一部とりかかっているそうで、短いスパンでアップデートを積極的に行なっていくという

――狩人祭についてですが、ボーナス試練(シークレットクエスト)がサーバーごとに異なるように変更されました。これにはどういう意図があるのですか?

杉浦氏: 2つの意図があります。1つ目はマンネリ化を防ぐためで、ボーナス試練の遊び方がワンパターン化しないようにしています。私からは、無謀な仕様変更はできる限り避けたうえで、新しい仕様を導入してほしいと担当チームに提言しています。

 2つ目は、サーバー内のコミュニケーションを深くするということです。ボーナス試練は本来は隠されているものですが、お客様がコミュニケーションをとることでオープンになるものだと思います。最終的にはお客様全員にコミュニケーションをとってもらいたいのですが、まずはサーバー内でコミュニケーションをとってもらうため、他のサーバーからボーナス試練の情報を把握できていた仕様を試験的に変更しました。

――ボーナス試練の配信時間も変更されていますね。

杉浦氏: 本来は1日更新でしたが、今は8時間更新に変更されています。ボーナス試練はその時点で劣勢な組にしか配信されないクエストですが、配信時間の変更により受けの姿勢ではなく、攻めの姿勢でボーナス試練を探すことになるので、コミュニケーションもより活発化していると思います。

――ボーナス試練をあえて利用せず、逆転できる局面まで持ち越しておいて、一気に逆転をするといった負け組ならではの戦術もありますよね。

杉浦氏: そういう戦術によるコミュニケーションも、ものすごく期待していました。語尾が過去形になりましたが、今の段階では少し難しいと思っています。その理由として、そうした指揮を執る方が現われた場合、それが必ずしも万人に受け入れられないこともあると思います。例えば、「今は入魂に一旦ストップをかけて、その後で団結して頑張ろう」と言った人にとって、現状ではリーダーシップを発揮しやすい環境ではないと思っています。人の手を借りずにそういう団結ができる方法を探しているところです。そういうリーダー的存在の方が登場することは期待もしますし、感謝もしていますが、お客様にあまり負担をかけないように、さらに面白い狩人祭にしたいと考えています。

 狩人祭の仕様変更に関しては、色々と新しい要素を導入して、よりお客様に楽しんでもらいたいと考えています。サービス期間が長くなればなるほど、昔のほうがよかったという意見も多くなると思いますが、そういう意見を怖がって新しい要素を導入しなければ、結果的には「このゲームは何も進化がない」、「飽きてきた」、「つまらない」ということになるので、お客様から叱られたり、時には励まされたりしながら、新しい要素に挑戦していきたいというポリシーが運営チームには常にあります。

――「MHF」の公式サイトで運営スタッフを募集されていますが、これは何か理由があるのですか?

杉浦氏: サービスのクオリティを上げるために、運営スタッフの増員をかけています。もしかすると、「MHF」を遊んでいるお客様の中にも、運営チームに入って頑張ってくれる方がいるかもしれない……ということで掲載しました。カプコンは他の運営会社よりも働きやすい環境だと自信をもって言えます。「MHF」が好きな方ならモチベーションも高いですし、他の業界で働いていたという方に参加してもらえば、オンラインゲーム業界全体としても人材の広がりを見せると思っています。

 しかし、単に「MHF」が好きというだけでは難しいと思います。遊びを仕事にするのは本当に大変なことで、私も純粋に「MHF」が好きですが、「MHF」を遊んでいる時に仕事を忘れて純粋に遊ぶことはできません。運営チームの一員となってから「MHF」を遊ぶ場合は、色々と考えなければいけないことも出てくるので、その覚悟があるのかどうかも重要になると思います。

 詳しいことは「CEDEC 2009」の9月3日に「モンスターハンター フロンティア オンラインのビジネス概論」でも講演をするので、興味をもった方は記事などをご覧ください

――今後の話ですが、「シーズン6.0」以降のアップデート予定はどうなっていますか?

杉浦氏: 今後のアップデート要素を少しご説明します。1つ目は、倉庫の拡張です。まず「シーズン7.0」で武具屋お手伝いから利用できる追加倉庫の上限値を1日2回よりも多くして、2010年春の「シーズン8.0」あたりで「追加アイテムボックス2」を実装しようと思っています。これには通常のアイテムボックスと同様に、装備品を生産する際にこのボックスからも必要素材が反映されるよう、現在開発中です。倉庫拡張に関しては、本来アイテムボックスを統合後に拡張すべきことですが、データベースの問題もあるので、ページ数を増やす目的で優先順位の高いものを選びました。

 2つ目は、F防具の上位防具を予定しています。性能はかなりいいものになります。生産と強化はかなり大変ですが、それに見合うだけのスキルとスロットは十分に用意しています。1週間や2週間で使われなくなる防具ではなく、それを生産すれば長期間利用してもらえるような、非常に魅力的に感じてもらえるものにする予定です。

 3つ目は、フェイスタイプやインナーの変更システムを予定しています。新たなフェイス、インナー、ボイスなどの実装も予定していますが、まずは既存のフェイス、インナー、ボイスなどの中で変更できるシステムを実装予定です。

 4つ目は、SP武器の生産・強化素材を下方修正して入手しやすくし、さらに通常のクエストよりも報酬を高めに設定したSP武器やSP防具限定クエストを試験的に配信していきたいと思っています。このクエストを導入する目的は、HR100になった直後のお客様にとって、いきなり剛種に挑むのは敷居が高いので、SP武器・防具を作る過程も楽しんでもらいたいという目的があります。

 5つ目は、「火事場力」や「餓狼」のスキルが発動すると見た目でわかるようにする予定です。スキル発動の確認のために個人ステータスを開く必要がなくなり、便利になると思います。

 他にも「シーズン6.0」のプレビューサイトでは、「シーズン7.0」で実装する新しい狩りの舞台のイラストも一部公開しているので、そこから「シーズン7.0」のイメージを想像してもらえれば嬉しいです。

――最後に、ユーザーさんに向けて一言お願いします。

杉浦氏: 「オルガロン」は今までの「MHF」にいなかった2体同時登場モンスターになっていますので、1度「オルガロン」のクエストを堪能してもらえると嬉しいです。今回の「シーズン6.0」では新要素の追加や、「パローネ=キャラバン」や「ラスタ」のようにリファインを行なっていますが、12月に予定している「シーズン7.0」でも「パローネ=キャラバン」や「ラスタ」の新企画をご用意しています。「6.0」、「7.0」、「8.0」と短い間隔で積極的にアップデートを実施できるように、これからもこの勢いのまま頑張っていくので、ぜひ皆さんに遊んでいただきたいです。

 新規のお客様向けのアップデートとしては、「シーズン6.0」でチュートリアルを強化しました。メゼポルタ広場の入り口に「教官見習いネコ」という新しいアイルーが立っていて、そのアイルーに話しかけると色々な場所を案内してくれたり、クエストの受け方などを説明してくれたりします。さらに、HR10以下のハンターがクエストに出発すると、「ラスタ教官」が一緒に狩りに出て色々なアドバイスをしてくれます。「アクションゲームが苦手」と思われている方も、より敷居は低くなっていますので、無料のトライアルコースでも構いませんので、ぜひ「MHF」に1度触れてみてください。

――ありがとうございました。

(C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

(2009年 9月 11日)

[Reported by 日高文典]