WIN「モンスターハンター フロンティア オンライン」インタビュー
過去最大の独自コンテンツを実装。これから始めても楽しめる「シーズン5.0」


3月18日 収録

会場:カプコン東京支店



 株式会社カプコンは、Windows用ハンティングアクション「モンスターハンター フロンティア オンライン」のアップデート「シーズン5.0 “新たなる挑戦、パローネ”」を4月8日に実装する。

 今回は、サブタイトルにもなっている新コンテンツ「パローネ=キャラバン」の実装を筆頭に、新方式のクエスト「キャラバンクエスト」や、新モンスター「パリアプリア」など、他にも様々な追加要素が予定されている。これらの新要素について、オンライン開発部運営室長 運営プロデューサーの杉浦一徳氏に伺った。




■ 「シーズン4.0」は今までで最高の結果

オンライン開発部運営室長 運営プロデューサーの杉浦一徳氏。表情からも「シーズン4.0」の手ごたえが伝わってくる

――「シーズン4.0」実装後の感触はいかがでしょうか。

杉浦氏: アップデート後、どれだけお客様がプレイを継続していただけるか心配でした。「シーズン2.0」だと、だいたい1カ月ぐらい経った時点で、新モンスターである「エスピナス」を狩りつくして満足され、「シーズン3.0」で投入した「アクラ・ヴァシム」も似た傾向でしたが、あの時は「ヒプノック希少種」も登場したので、「シーズン2.0」の時よりも比較的長くプレイを継続していただいていました。しかし「シーズン4.0」では3カ月経ってもほとんどのお客様がプレイを継続いただけているようです。数字的には1割も減っていませんね。長く遊んでいただいていると感じています。

 お客様が減少せず、プレイを続けていただけている要因はいくつかあります。1つは、ハンゲームさんと提携させていただいて、新規のお客様が増えたことです。あとは、新モンスターの「ベルキュロス」をパターンを変えて登場させたことで、既存のお客様が長い期間プレイしてもらえたことなどが理由として挙げることができます。この1年間で更にコンテンツの中身が縦と横に広がってきた部分もあると感じています。つい最近もアンケートをとらせていただきましたが、「シーズン4.0」のデータを見ると、間違いなく今までで1番いい結果が出ています。「シーズン4.0」は本当にいいアップデートだったと思います。


今までのモンスターとは“進化”という面で異なっている「ベルキュロス」
風圧で上空に吹き飛ばされるギミックをもった「峡谷」の「特殊自然物」

――「ベルキュロス」や「峡谷」のギミックに対するユーザーの反応はどうでしたか?

杉浦氏: 先程述べたように「ベルキュロス」に関してはなかなか高い評価をいただきました。お客様からのご意見を分析してみると、主にコアユーザーの方々が「ベルキュロス」に関して非常に満足し、喜んでいるという結果が出ています。逆にカジュアルなお客様からは、強すぎるという意見が多かったのもわかりました。お客様の層によって、強いと感じるのか、非常に手ごたえがあって面白いと感じてくれるのか、そういうところの答えが違うなと感じています。

 「峡谷」に関しては、「ベルキュロス」に負けず劣らず関心をいただいていたようで、こちらも評価が高かったのですが、ギミックだけで言えばそこまでゲーム性に極端に大きな影響を与えるものではなかったので、反応はベルキュロスに比べるとおとなしかったと思います。「特殊自然物」の実装については初めての試みですから、今後のより細かい検証が必要だと思っています。今のままでもいいバランスかもしれませんし、もう少し大きい影響を与えてもいいかもしれませんので、今後の課題ですね。

――「ベルキュロス」に、上空から急降下する強力な攻撃がありますが、急降下までの間合いが絶妙で、緊迫感がたまりません。あの間合いはどのように考えられたのでしょうか?

杉浦氏: 開発スタッフは間合いを大事に考えてくれています。お客様からも、「あるモンスターに、なすすべもなくコテンパンに倒されてしまう。そういうモンスターは嫌だ」というご意見がよく届きます。溜めとか、間合いとかいうものが全くなくて、お客様からすると“ただ動きが早いだけ”という印象ですね。それですと、プレーヤースキルや知識があろうが役に立たないし、純粋に駆け引きを楽しむこともできない。そういうところは配慮していますので、間合いや間隔の部分を考慮して駆け引きのバランスを取るように心掛けているようです。

――「雷臨」、「春雷」、「青天の霹靂」という風に「ベルキュロス」が変化しましたが、今後も変化し続けるのですか?

杉浦氏: 「ベルキュロス」の動きに変化があった配信クエストは今まで3パターンをお見せしていますが、これでひと区切りつけて、ここからはある程度パターン化して配信することになるかと思います。

――「峡谷」に関しては、今後もクエストによって「特殊自然物」が変わっていくのですか?

杉浦氏: 「ベルキュロス」専用のフィールドではありませんので、「シーズン5.0」に関しても、「峡谷」で初登場となる新モンスターをご用意しています。それらのモンスターを「峡谷」に登場させる際には、「特殊自然物」のようなギミックも登場する可能性は高いですし、今後のアップデートでも既存のモンスターを峡谷に実装するべく企画しています。


クエスト中もクエスト後もアイテムを拾ってきてくれる「マイトレプーギー」。狩りに同行してくれる可愛いペットだ

――マイトレプーギーがクエストに登場するようになりましたが、ユーザーさんの反応はどうでしたか?

杉浦氏: 概ね好評でした。マイトレプーギーが帰ってくると、レア素材をもってきてくれるというところが1番喜ばれていたようです(笑)。またクエストに花を添える、一種の清涼剤のようなものとしても受け入れられた気がします。その存在感なり、その役割の部分は評価していただいたと感じています。

――和み要素になりましたね。

杉浦氏: クエストが終わって戻るまでの間に話すことがなかったりすると、プーギーがいい感じで話題を作ってくれていました。HR100になっていない人が初めて見るとびっくりするみたいで、「このプーギーは一体何!?」という話になりますし、そういう時にHR100以上の人が説明している場面も見ました。「シーズン5.0」では、誰のプーギーなのかがわかるようにもなりますので、「○○さんのプーギー可愛いね」とさらに会話を弾ませてもらいたいと思います。




■ アップデートの目玉「パローネ=キャラバン」

HR31から入場できる「パローネ=キャラバン」。気球遊覧も楽しめるようになった

――では「シーズン5.0」の話題に移ります。今までのサブタイトルにはモンスター名が入っていましたが、今回は新コンテンツの「パローネ」になっていますね。

杉浦氏: 今まで「MHF」のオリジナルコンテンツとして「マイガーデン」、「マイギャラリー」、「マイトレ」といった「マイシリーズ」を入れさせていただきましたが、今回実装させていただく「パローネ=キャラバン」は、既存のものとは桁違いのボリュームで、過去最大のオリジナルコンテンツとして開発されたものです。モンスターを作るよりも大変な労力と時間がかかったかもしれません。

 また、我々が自信をもってご提供できるコンテンツであることを示そうという意味もあって、「シーズン5.0」のサブタイトルにも使用しました。メインビジュアル自体も今回は初めてモンスターではない、「パローネ」のビジュアルにさせていただいていますので、今回の「シーズン5.0」は、モンスターではなくて、ある意味「パローネ」がメイン級のコンテンツということをお客様に伝えたつもりです。

――その「パローネ=キャラバン」とは、どんなものですか?

杉浦氏: メゼポルタ広場では通常の狩りを楽しんでいただき、「パローネ=キャラバン」ではこれまでとは異なる新しい遊び方を提案してみたつもりです。今回用意させていただいた「キャラバンクエスト」と呼ばれる連続クエストをクリアすることで、CP(キャラバンポイント)というポイントが手に入ります。このポイントを貯めると「パローネ=キャラバン」の中にある特殊なアイテムを購入できたり、狩人珠を育てることで11個目以降の新スキルを発動させることができます。当然、「パローネ=キャラバン」だけで手に入る武器も実装されています。

――「パローネ=キャラバン」の入り口はどこですか?

杉浦氏: 完全リニューアルされた新メゼポルタ広場からHR31以上であれば入ることができます。ただし自由区からしか入れませんので、「キャラバンクエスト」は自由区でしかできないということになります。


クエストが終わっても、気球に戻れない場合もある

――「キャラバンクエスト」で連続クエスト方式を採用した理由を教えてください。

杉浦氏: お客様からいただいた、「緊張感やメリハリといった新鮮さが欲しい」、という要望や「コミュニケーションをもっと取れるようなコンテンツを楽しみたい」という要望を取り入れました。キャラバンクエストは、クエストが終わるたびに必ず休憩できるのではなく、場合によっては休憩できないかもしれないというランダム要素も取り入れています。短絡的にクエストを進めるのではなく、次のクエストを意識した消耗品の管理も考えていただければ面白いのではないのでしょうか。連続でクリアすべきクエストの数もプレイを重ねることで徐々に増えていきますので、そういう所も面白さの1つでしょうか。


クエストの途中に発生する緊急ミッション。素早く反応してCPをゲット

――連続でクエストを進めるとなると、かなり時間がかかることもあるのでは?

杉浦氏: クエスト1回で5分~6分程度を想定した複数のクエストが連続して入っていますので、極端に長い時間はかからないと思います。1度キャラバンに戻るという選択肢もありますので、途中で離脱することも、終了することも可能です。他にも、クエスト中に突然「緊急ミッション」が発生したりというサプライズも用意しています。「~~のモーションで踊れ!」など、どんなミッションが発生するかわからないのですが、それもキャラバンクエストの面白さの1つだと思います。

――「キャラバンクエスト」には古龍も登場しますか?

杉浦氏: かなり難易度の高い後半には古龍も登場します。ただ、最初は簡単なクエストから開始しますので、いきなり難易度の高いクエストが出てきたりはしません。最初は簡単な連続クエストになっています。クエストには星の数が設定されていて、星1個のクエストから順に受注できるという形です。

 「キャラバンクエスト」は何よりも、空からのムービーが新鮮です。気球に乗って見下ろすメゼポルタ広場や、様々なフィールドは、今まで見たことがないビジュアルだと思いますので、「MHF」の世界を上から眺められるということ自体を楽しんでいただきたいです。気球をアイルー達が操作していたり、気球に乗って空を移動するというビジュアルもきちんとムービーで表現されていますので、非常に見ごたえがあります。


仲間とクエストにいけば、仲間の色のポイントが狩人珠に貯まっていく

――次に「狩人珠」についてですが、装飾品によるスキルがある中で、新たに取り入れられたのはなぜですか?

杉浦氏: 今の「MHF」のスキルは、防具に依存している部分が大きいですので、「このスキルを付けたい」と思えば、防具を、つまり見た目を変更しなければいけません。狩人珠は見た目を変えることなく、自分の好きなようにスキルを設定できるメリットを持たせることで、違った切り口でご用意しています。

――ということは、装着するものではないのですね。

杉浦氏: アイコン等は存在しますが、ビジュアル的に大々的に見えるものではなくて、ステータス画面で確認することが主となります。

――狩人珠はクエストに出てパーティーポイントを得ることで育てていくそうですが、このポイントを割り振ってスキルを選ぶのですか?

杉浦氏: ポイントを消費して身に着けるのではなく、ポイントに応じて開放されるスキルを選ぶ形です。ポイントは他のプレーヤーと一緒に狩りをすることで、その人の持つ狩人珠の色と同じポイントが、クエストをクリアするごとに多めに手に入ります。例えば、私がピンクと赤のポイントが欲しいと思った時に、自分がピンクであれば、赤の人に声をかけて、クエスト同行を誘い、一緒にクエストを達成すればピンクと赤の両方のポイントが手に入ります。そういう形で、特定の限定されたコミュニケーションよりは、なるべく多数の人との触れ合いを大事にしています。

――劣化期限というものがありますが、これは何ですか?

杉浦氏: 一定の期間を目安に、狩人球をメンテナンスしなかった時には、狩人珠が劣化していきます。いきなり大幅な劣化ではなく、徐々にパラメータが落ちていくことになります。

――「パローネ=キャラバン」内の要素も豊富ですね。

杉浦氏: これでも「パローネ=キャラバン」の全ての要素を実装したわけではなく、今後のアップデートでも追加要素が実装される予定です。また狩人珠やキャラバンクエストとは違う新しいカテゴリーを導入する企画も進んでいます。今後も「パローネ=キャラバン」はアップデートされて大きくなっていきますので、ご期待下さい。




■ メゼポルタ広場をリニューアルし、ドンドルマの街を廃止

――メゼポルタ広場がリニューアルされますね。

杉浦氏: 今回の全面的なリニューアルに加えて、ドンドルマの街がなくなります。メゼポルタ広場1つで「MHF」をやろうということは、オープンβテストの頃から構想としてありましたが、踏み切るまでに準備と検証に時間がかかりました。メゼポルタ広場のリニューアルに関しましては、お客様からもご意見もいただいていたので、ハンターの皆さんがメゼポルタ広場だけで暮らせるように再構築させていただきました。

 新メゼポルタ広場にはシンボル的な大きな設置物があり、季節のネタが登場するようになっています。今回は4月8日アップデートなので、桜の設置物を用意しています。2周年を迎えた時などイベント単位でも設置物が変更されますので、みんなで記念にスクリーンショットも撮ることもできます。クエストの受注場所に関してはすごくシンプルで、広場に入ってそのまま直進すれば、クエスト受注カウンターを経由して、クエスト出発口へと進めます。マイハウスと武具工房の入り口もクエスト関連の近くに用意しています。

――エリアの区切りが少ない、大きなロビーということですか?

杉浦氏: ドンドルマの街は大衆酒場と大老殿でハンターが分離されていることや30人単位という限定された規模がクエスト募集に適さないというご意見が多数ありました。今後はそういったコミュニティ的な制約条件を大幅に減らした100人規模のロビーでプレイできます。機能的にも大抵のことはメゼポルタ広場でできます。どうしてもできないのは、装備の変更くらいでしょうか。

 求人区だけは、マッチング機能を充実させるために大衆酒場を残しましたが、これもグラフィックス的にリニューアルしました。今までは大衆酒場と大老殿がわかれていましたが、お客様のご要望を反映して新しい大衆酒場として1つにまとめました。グラフィック的には、大衆酒場入り口から細い石壁のようなものがずっと続いている部分は雰囲気がよく出ていますし、マイハウスや武具工房、クエスト出発口の場所も、利便性に配慮して再構築しました。




■ 新モンスター呑竜「パリアプリア」、新防具「鬼神/童子装備」、マウス主体の操作など


シルエット姿で公開された呑竜「パリアプリア」

――呑竜「パリアプリア」の開発コンセプトについて教えてください。

杉浦氏: 今言えることは、たくさんの「落し物」をするということだけです。ゲームに入った時の感動が薄れてしまうので、これ以上は話せません。アップデート当日までシルエットのみの公開となります。申し訳ありませんが、実際にゲーム内で体験していただきたいと思っています。


中央に剣士が背負っているのが剛種オオナズチの大剣。斬れ味はいいのだろうか

――メインビジュアルにオオナズチの大剣のようなものが映っていますが、剛種のオオナズチが関係しているのですか?

杉浦氏: これは唯一公開されている剛種武器で、剛種オオナズチは5月上旬に登場する予定です。剛種武器に関しては、剛種オオナズチが登場しますので、新たなオオナズチ素材を用いた武器も追加されていますし、今までの剛種モンスターの新しい武器も追加されます。剛種武器に関しては、より充実していると考えていただいて結構です。

 また今回は、アスール、ノワール防具などのような「MHF」オリジナルデザインの「鬼神/童子シリーズ」装備の素材が入手できるクエストが4月15日に配信予定になっています。「鬼神/童子」装備は、女性の露出が多いデザインですが、色っぽさよりもクールな雰囲気を感じさせるものだと思います。男性のほうも、十分格好いいと思ってもらえるデザインになったと思っています。スキル的にも、「龍風圧無効」や「斬れ味レベル+1」がつきますので、非常に優秀な防具です。アップデート翌週から配信される目玉クエストとして提供するつもりです。長期間配信していくつもりなのでご安心下さい。


「鬼神/童子」装備(女性用)
「鬼神/童子」装備(男性用)

――次にインターフェイス関連ですが、マウス主体による操作が追加されますね。

杉浦氏: マウス主体というと、マウスだけで全部やれてしまうように誤解されるかもしれませんが、あくまでマウスとキーボードの組み合わせになります。FPSに近い形で組ませていただいた操作性です。今までの操作性をカスタマイズして使っている人は別ですが、新しい人には今までの操作性ではつらいだろうという理由で、取り入れてみたというところです。

――ゲームパッドの使用率が低い韓国版の「MHF」からの要望が入った形ですか?

杉浦氏: 韓国のお客様のご意見も参考にさせていただきました。これは日本と韓国の両方で実装されると思います。

――他には、HR100のクエストに新しい音楽が追加されるようですね。

杉浦氏: 合計で9曲が実装されます。HR100以上の9種類のフィールドで、大型モンスター狩猟時のBGMとしてです。お客様からも、「BGMを追加してほしい」というご意見を以前からいただいていましたので、準備はしていました。「シーズン4.0」の頃に入魂祭中の広場の音楽が変わりましたが、それが準備していた音楽の一部にあたります。「シーズン5.0」でさらに9曲を実装します。「MHF」公式ビギナーサイトで公開しているプロモーションビデオの武器11種類を紹介するシーンで、オリジナルの音楽が使われているのですが、これが新曲の1つで私のお勧めでもあります。なお、HR100以下の大型モンスターの際は今まで通りの音楽です。

――オオナズチの独特の音楽が好きなのですが、従来のものと切り替えはできませんか?

杉浦氏: 大変申し訳ありませんが、それはできないです。


パッケージ同梱のハンマー「アイゼンジリダー」。初心者にも扱いやすいが、味方をふっ飛ばさないように注意

――次にパッケージに関してですが、武器にハンマーが入っていますね。今回ハンマーを選んだのはどうしてですか?

杉浦氏: ハンマーは、初心者の方でも扱いやすい武器の1つと認識していますので、是非使っていただきたいと考えて選ばせていただきました。ただ、購入者に新規のお客様が多いということで、去年は片手剣を優先していたのですが、最近は既存のお客様によるパッケージの購入も増えてきています。既存のお客様からは、「片手剣は使っていないので、違うものをつけてほしい」という意見が多く寄せられています。それで、もう1本は玄人好みの大剣を選びました。1本は新規向け、1本は既存ユーザー向けというバランスを考えて選んでいます。

――武器や防具、プレイチケットといった基本構成は前回とほとんど変わっていませんね。

杉浦氏: 今後もシーズンごとのパッケージのレパートリーは、大幅には変えることはないと思います。現状、ビジネスモデルを広げてきているので、パッケージ内容の変更が改善になるのか改悪になるのかわからない状況です。明らかにお客様からの要望が多くなってくれば、構成内容を変更したいと思います。2周年記念パッケージにも企画しています。今はまだ内容は秘密ですが、これは通常のパッケージとは異なる構成になるでしょうね。おそらく5月下旬ぐらいには正式に発表できると思います。

――「.0」の大型アップデートで新パッケージが登場しますよね。

杉浦氏: 過去のインタビューでもご説明したように、パッケージはプロモーションの一環です。PCゲーム売り場に近づいたときに「『MHF』のアップデートがそろそろ近い」ということをわかってもらえるというのは1つの大きなメリットです。「MHF」のパッケージはお客様のおかげで売れ行きも好調で、昨年は「シーズン3.0」のパッケージ単独でAmazonのPCゲーム年間1位にもなりました。そうやって販売店様にも貢献することによって、お店でも面積をとって「MHF」を露出していただけます。提携パートナーが増えて、「MHF」の露出や告知が増えて、新規のお客様の目に触れる機会が増えるというメリットは大変大きいと思っています。




■ 年内実施予定のアップデート「シーズン6.0」、「シーズン7.0」

すでに「シーズン6.0」、「シーズン7.0」も開発中で、画期的なコンテンツの導入も予定しているという

――気の早い話ですが、「シーズン6.0」、「シーズン7.0」についてはいかがですか?

杉浦氏: 当然予定しています。さすがに4月の時点では発表できませんが、ゴールデンウィークを過ぎて6月になるかならないかの頃には、次のアップデートに関するスケジュールをお知らせできると思います。

 ただ、アップデートの前に、まずは2周年記念を1つのプロジェクトとして企画しています。お気づきのお客様も多いかと思いますが、これまでにイベントの数をかなり増やしてきています。今度の2周年記念も、去年の2倍以上のボリュームは用意しようと思っています。昨年は2つの配信クエストを実施していますので、今年は少なくとも5つ以上の配信クエストやイベント用のゲーム内アイテムの企画を考えています。ここは課金を意識しない、お客様への感謝という部分で力を入れています。この行事を成功させることもアップデートと同じくらい大事なことです。

 2周年記念のイベントが終了した後に、「シーズン6.0」、「シーズン7.0」が年内には予定されています。今回の「パローネ=キャラバン」以外にも、すでに新コンテンツがいくつか企画、制作に入り始めていますので、年内だけで「パローネ=キャラバン」とはまた違った形で、奥が深くて大きいコンテンツをしっかり用意して提供したいと思っています。

――「MHF」がどんどん広がっていく感じですね。

杉浦氏: アップデートだけでなく、ビジネス面などでも大きな話が動いています。話題性の部分では事欠かない形で、いいタイミングで情報を出していって、お客様にインパクトを与えていきたいと思っています。




■ ビジネスモデルやイメージの変化など、気になるところを質問


ガチャガチャ形式で導入された課金アイテム「MHF ブースターパック」

――その他の今後の展開を伺いたいのですが、課金アイテムにガチャガチャ形式の「MHF ブースターパック」が入りました。ユーザーの反応はいかがでしたか?

杉浦氏: いい意味でも大きな影響はありましたが、当然予想していたような「ああいうものは導入してほしくない」という厳しいご意見もいただきました。データだけで端的にご説明しますと、ブースターパックをご購入いただいているお客様は、ハンターライフコースに登録されているお客様の大半になります。かなりの需要があったのは事実です。

――ブースターパックで入手できるガルーダ防具が強すぎるという声もあります。

杉浦氏: はい。ただ、これは意図的に高い性能にしています。防具は武器よりも入手難易度が高いですから、それに見合ったものにはしました。

――これによって月額課金+課金アイテムというハイブリッド課金にビジネスモデルが変化しましたが、さらに今後、基本無料などの課金形態の変更は検討されていますか?

杉浦氏: 現在は予定していません。おそらく、その変更がある場合は半年以上の告知期間を設けることになります。

――今後も課金アイテムは登場しますか?

杉浦氏: 課金アイテムは今後も新しいものが登場します。

――今後もブースターパックのような形式になるのですか?

杉浦氏: ブースターパックのようなパターンもありえますし、「1周年記念プレミアムキット」のようなパターンもありえると思います。ただ、あまりにも複雑になってしまうと、お客様が混乱してしまいますので、複数のパターンの難しいビジネスモデルが展開されるということは避けたいと思っています。

――ビジネスモデルの変化に伴い、新規ユーザーを獲得するための施策として、トライアルコースのHRを引き上げなどは考えていませんか?

杉浦氏: トライアルコースのHRを2から10に引き上げましょうということになると、それは本来開放すべきHRを、私たちが出し惜しみしてきたことになります。私達はそういうつもりは全くありません。「MHF」を味わっていただくのに、まずはHR2で十分じゃないかと思っています。HR2でイャンクックをきっちり狩るという所まで体験していただき、「なるほど、これが他のオンラインゲームと違う『MHF』のプレイなんだな」ということがわかってもらえれば、それで充分だと思っています。ただ、もしこの考え方によって大きく失っているものがあったり、逆に得るものがものすごく多いというのであれば、この件は柔軟に考えるべきだと思っています。

――プーギーもそうですが、当初は硬派なイメージだった「MHF」が、「シーズン5.0」の女の子達のように、最近は割とカジュアルなイメージが押し出されていると感じます。何か意識されているのでしょうか?

杉浦氏: 本来の「MHF」のイメージからいけば、あの女の子達を最初に目立たせたのはNGかもしれません。しかし、オンラインゲームは毎日が他のオンラインゲームとの新規のお客様を獲得する戦いの中にあります。その戦いの中で、どういう話題性を演出し、公式サイトのページビューや新規登録を高めることは非常に大事なことだと思っていますし、そういう意味では今回の「シーズン5.0」の特設サイトは過去最高のページビューを記録しましたし、出だしは順調に進んでいると思います。

 また、オンラインゲームは敷居を下げることは大変重要です。「シーズン5.0」でも操作性の改善や、狩人キャンプの完全リニューアルなどを行なっています。狩人キャンプも、今までは新人猟団に入らないと使えませんでしたが、今回からHR2までの人は自動的に狩人キャンプに移動させられます。狩人キャンプには、チュートリアルも含めたほぼ全ての機能があって、プレイを開始されたばかりの方はそこで学んでいただくという感じですね。その間も狩人キャンプから出られないというわけではなくて、メゼポルタ広場に出ることもできます。自分と同じ条件の人がたくさんいることが重要で、メゼポルタ広場だと新規のお客様が話しかけても相手にしてもらえないなど、会話しづらいことも起きています。こうすることによって、同じ条件の人たちで助け合って、会話が成り立つようなコミュニティを狙いました。

 敷居を下げることと、新規のお客様がなるべく居心地のいい場所を作るということに関しては、今回ものすごく気を使っています。「パローネ=キャラバン」をHR31からという低い設定にさせていただいたのもそうですし、狩人キャンプを修正させていただいたのもそうです。また、今回の新モンスター「パリアプリア」もHR31からになっています。「シーズン4.0」では「ベルキュロス」がHR81からということで非常に強いモンスターでしたし、低いHRの人からすると、「狩りに行きたいけどまだまだ先だな……」と感じることもあったと思いますので、新規のお客様に向けた調整はかなり力を入れています。

 なお、新規のお客様はとてもいい形で獲得できています。やはりハンゲームさんから非常に多く入ってきていますし、さらに年末のアップデートが始まってからもずっと新規のお客様を獲得できていますので、「MHF」はそういう意味でうまくいっていると言えます。

――あの女の子達5人組で、ストーリーを展開させるような考えがあったのかと思っていました(笑)。

杉浦氏: そういう企画のクエストもゲーム内イベントで考えていないわけではないですが、もともとの「MHF」のイメージがありますから、やりすぎるつもりはありません。ただ、先程の述べたような意味では、今回も公開した初日は「『MHF』の従来のイメージとは違う」というお客様のご意見もいただきましたが、その後は、「どの子が可愛い」などといった、好意的な方向に議論が移っていきました。我々もここで目的を果たせたかなと思っていますが、ここで一旦落ち着かないと、「それはちょっとやりすぎでしょう」という話になってくるので、今後の件はこれからの様子を見ながらと思っています。ただ、何らかの形で彼女たちを活かしていきたいと思っています。イベントのクエストの依頼主を彼女達にしようとか、彼女たちに関するストーリーをつけられたら面白いだろうとも考えています。

 私達もまもなくサービス開始から2年が経ちますが、ある程度長く運営したりアップデートすることによって、お客様の傾向や嗜好も変わってきていますので、バランスを取りながら進めていきたいと思います。

――硬派なイメージを変えようと意識されていたわけではないのですね。

杉浦氏: どちらかというと、敷居を下げるというほうが重要だったので、操作性の改善を含めて色々と意識していました。

――個人的な意見ですが、最近は、装備や素材などが増えすぎたために、あるスキル構成の装備を作りたいと思った場合、外部で検索している間にプレイ時間が削られてしまいます。もっと簡単に検索ができるようにデータを公開されたりはしませんか?

杉浦氏: 開発・運営を行なう企業としてどこまでをサポートするべきかというポリシー的に難しいところはあります。また、物理的にもどんな装備が出ているのかわからないから検索をかけたいというのは、全ての武具を現在のお客様の数の負荷に耐えられる環境で公式サイトのサーバーを構築するのは、少し時間がかかる作業となってしまいます。しかし、オススメ装備が知りたいというものであれば、公式サイトの中に誘導ページを作ったり、GAME Watchさんとタイアップさせていただいてそういうページを作らせていただいたり(笑)、ということは考えられるかと思います。データを全部公開するというのはあくまでも極論ですので、その前の過程として、こういうやり方はどうですか、と試行錯誤ができるのではないかと思います。

――膨大なデータなので難しそうですね。

杉浦氏: HR30以下で検索できるページは弊社の「MHF」公式サイト内にあるのですが、今でも更新やタイムリーな管理が意外と大変です。全体が把握できるかどうかの前に、さっき言った通り、お客様が何を求めているかによってだいぶサービスの内容は変わると思います。スキルの組み合わせを知りたいという話だけであれば、お客様同士のコミュニティも存在しますし、そういった部分はお客様の文化として残してあげたほうがいいのではないかなと、私達が全部やってしまうことへの躊躇いはあります。

 私もいちユーザーとして、お客様が作成されたサイトを拝見します。アップデートの直後などは実装されたデータが多すぎて、サイトの更新が遅れているのを拝見し、お客様主導に任せていくべきか、運営チームがフォローすべきか悩んだこともあります。せっかく熱心なお客様がいらっしゃるのだから、モチベーションを落とさずにサイトの更新を続けていただくために、正式にこちらから頭を下げて、「迷惑でなければ、是非タイアップさせてください」というやり方もあると思います。いい意味でお客様と友好関係を作って、我々も会社としてきちんとコントロールができて、第3者がバックアップされている部分を気持ちよく支援したいと、理想としては常に考えています。

――ユーザーの協力を求めるのは面白い試みですね。

 ただ逆に、データを調べている時間や装備について考えている時間自体も、面白さだったりもするので、そこをどうバランスを取るかもあります。データ検索だけで遊べないほど時間がかかるのは問題ですが、全部の楽しみを奪ってもいけないとも思います。お客様がついていけない情報量になれば、それは運営チームとして早急に回避すべきことですが、お客様同士が頑張って情報交換しているのであれば、見守っているべきなのだろうか悩むところです。せっかくお客様と直接触れ合える立場なのですから、もう少し何かやってみたいという気持ちもありますが、まずは今ある課題の解決が優先でしょうか。

――次に公認ネットカフェについてですが、現在も様々な特典がありますが、今後はどういうものを予定されていますか?

杉浦氏: 公認ネットカフェのサービスには、既に十分なものを導入していますので、特典としては多少の限定武器などが出てくるような現状の延長線上で、大きな拡張を行なう予定はありません。ただ今回ネットカフェで「VS.クエスト チャンピオントーナメント」をやらせていただいているように、1つのアンテナショップ的な役割として、お客様と私達の架け橋になってもらいたいとは思って、今回のようなイベントなどを進めています。私達が直接お店に足を運ぶことで、自宅から来場したお客様も含め、直接触れ合える場になればと考えています。

――他にもオフラインイベントは企画されていますか?

杉浦氏: 公認ネットカフェを拠点にやりたいと思っていますので、その地域を広げていけたらいいなと考えています。

――では最後に、「シーズン5.0」を待ち望むユーザーに向けてメッセージをお願いします。

杉浦氏: 今回、「シーズン4.0」から「シーズン5.0」は本当に短い期間で、なおかつ今までの大型のアップデートの中でも最大級の「MHF」オリジナルコンテンツ「パローネ=キャラバン」を仕上げて投入できました。HR31から展開するということで敷居も低いですので、これを読んでいただいてから始めていただいてもまったく遅くはありません。また、1度「MHF」から離れていたお客様でも、HR31以上であれば戻ってすぐに体験できます。その時には、この新コンテンツは皆さん一斉にゼロからのスタートですから、自分だけ取り残されて……ということもありません。今プレイされているお客様にとっても、今までにはない全く違う新鮮なコンテンツですし、なおかつ、今後のプレイスタイルに大きな影響を与えるコンテンツになると思いますので、期待してお待ちください。

 また、こういうコンテンツは作ってすぐに結論を出すものではなく、これからもどんどん拡張していきます。皆様の意見をいただいて、いいものにしていきたいと思っていますので、4月8日には皆様のログインをお待ちしています!

――ありがとうございました。


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(2009年 4月 2日)

[Reported by 日高文典]