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【連載第171回】 あの、おもちゃを徹底レポート




童心を刺激するアイデア満載のトイ!
タカラ「電脳迷宮メガリス」

「電脳迷宮メガリス」
発売 タカラ
価格 5,299円
電源 単3アルカリ電池×3(別売)
発売日 発売中



 今回紹介するのは、筆者が昨年末からずっと遊びたいと思っていたアイテム「電脳迷宮メガリス」だ。年末に大量に放映されたCMでは、哀川翔さん扮するお父さんと子供が夢中になって遊ぶ姿が映されており、商品自体の魅力と相まって、強力なオーラを放っていた。念願叶って遊んだ「メガリス」は、期待通りの楽しさだった。

 筆者がなぜ「電脳迷宮メガリス」に惹かれたのかといえば、70年代に発売された玩具に近い香りを感じたからだ。「生き残り頭脳ゲーム」や「沈没ゲーム」など、内容はシンプルなのに、妙に大げさなキャッチコピーで装飾されていたトイたちだ。あの頃に発売されたトイに共通していた、いい意味でいかがわしい感覚。「電脳迷宮メガリス」には、それが充満しているのでワクワクさせられたのだ。


ワクワクさせるディテールが刻まれた本体

 「電脳迷宮メガリス」は、ピラミッドの形をしたトイだ。最大の特徴は、4つの面にそれぞれ異なるゲームが用意されていること。ひとつのゲームをクリアすると、本体を手で回し、別の面が向くようにする。そうして次のゲームにチャレンジする。こんな風にして遊ぶのだ。

パッケージ。「待ち受ける4つの罠」というコピーが効いている ゲームのひとつ「守護獣の叫び」。記憶を試される こちらは「大蛇の回廊」。パチンコの腕を問われる
「閉ざされた回廊」。これも記憶力で挑戦するゲームだ 「呪いの谷」。クリアするには、集中力が肝心だ 1つのゲームをクリアしたら向きを変え、次にチャレンジする


 取扱説明書に目を通すと、嬉しくて自然と笑みが浮かんでしまった。たとえば前書き。

    「時空を超えた秘宝が眠る謎の古代遺跡」。
これは「電脳迷宮メガリス」のことだ。

    「秘宝を発見するには4つの罠を発見しなければならない」。

 これは4種類のゲームを指している。淡々と説明するのではなく、神秘的な設定を設けて、ワクワクするような語り口で紹介する。これだけで、遊ぶ気分が全然異なる。小学生の頃の筆者が、この「電脳迷宮メガリス」に触れたら、たちまち夢中になったただろう。

 ゲームモードは「アドベンチャーモード」、「フリーモード」の2種類が用意されいる。「アドベンチャーモード」は、4種類のゲームを通して遊ぶモード。「フリーモード」は、4種類のゲームの中から好きなものを選んで遊ぶモード。「アドベンチャーモード」は、難易度の選択が可能で、「ノーマル」、「ハード」、「スーパーハード」と3段階が用意されている。

 今回のレポートは、「アドベンチャーモード」の難易度「ノーマル」で遊んだインプレッションをお伝えする。

 本体をくわしくチェックしてみると、これがまた楽しい。全体に朽ち果てたピラミッド風のディテールが刻まれており、よく見ると謎の銅像やヒエログラフ、はたまた恐竜の化石などを発見することができる。「子供の頃、こういうの大好きだったよな~」と、ますます童心を刺激される。

たくさんのヒエログラフが刻まれたダイヤル パチンコのレバーにもドラゴンを彷彿とさせるディテールあり
ピラミッドの王を思わせる石像もある 恐竜の骨やミイラのようなものも見られる



オーソドックスなゲームを抜群の演出で盛り上げる

「守護獣の叫び」をプレイ。お手本に合わせて、その鳴き声を発した動物を選択する
 最初のゲームは「守護獣の叫び」。簡単に説明すると「音記憶ゲーム」になるのだが、「守護獣の叫び」と聞くとピラミッド形の本体と相まって、神秘的な雰囲気すら感じられるから不思議だ。

 スタートボタンを押すと、犬や猫、豚や象などの鳴き声が、ランダムに鳴り響く。これを暗記して、お手本どおりに再現するのだ。再現する方法は、中央にあるダイヤルを回し、お手本に示された動物を選択して、決定ボタンを押す。

 ゲームとしては単純な内容だが、ジリジリと音を立てながらダイヤルを回すと、やはり気分が盛り上がる。ダイヤルに刻まれた動物たちの姿も古代の壁画風で、雰囲気は抜群。演出のうまさにのせられて、すっかり楽しんでしまった。

「大蛇の回廊」。赤く点灯する弱点を狙ってボールを弾く
 2番目のゲームは「大蛇の回廊」。こちらも簡単に言えば「パチンコ」なのだが、「大蛇」というキーワードによって、緊迫感が漂ってくる。グルグルと4重に円を描いているレーンに、4個の穴がある。それぞれの穴にはLEDが埋め込まれていて、1つずつ赤く光る。この赤く光っている部分が大蛇の弱点という設定で、弱点を狙ってボールを落としていけばオーケー。連続して4回落とせば、クリアとなる。

 内容がパチンコと知った瞬間に「簡単じゃないの?」とタカをくくったら、意外や意外、かなり手ごたえのあるゲームだった。指定された穴を狙ってボールを落とすのが、難しい。何度ものチャレンジの末に、レバーを微調整することでボールのコントロールが可能だと判明。百発百中で決められたら、さぞかし気持ちよさそうだ。

「閉ざされた門」。光った順番どおりにボタンを押す
 3番目のゲームは「閉ざされた門」。内容はランダムに点滅した光の順番を覚え、ボタンを押して、それを再現するゲーム。往年の名作ゲーム「サイモン」などと同じものだ。「新鮮さが足りないかな……」とも思ったが、中央に刻まれた銅像の雰囲気が良くて、楽しく遊べた。

「のろいの谷」。壁にできるだけ触れずにゴールへ向かう
 4番目のゲームは「のろいの谷」。金属の小さなバーを操作して、ジグザグに彫られた溝の中を通していく。端的に言えば、一世を風靡した「イライラ棒」と同じ内容のゲームだ。

 「ノーマル」は、ゴールに到達するまで、壁に5回触れても大丈夫という設定だが、これがなかなか難しい。溝の幅と金属バーの太さがさほど変わらず、常にギリギリの状態。ゴールまでのルートは、複雑怪奇な模様を描いており、緊張を強いられる。途中にはゴールまで近道ができるショートカットルートがあり、しかもさらに難しい道筋になっていて、ゲーム性は十分。

クリアすると、ひときわ長いファンファーレがなり、LEDが点灯する
 4番目の「のろいの谷」をクリアすると、派手なファンファーレが高らかに鳴り、本体の頂上を含め、各所に埋め込まれたLEDが激しく点滅する。

 「ノーマル」をクリアした勢いで、「ハード」と「スーパーハード」にチャレンジしたが、難しさが飛躍的に増し、苦労させられた。「ハード」ならまだなんとかなるが、「スーパーハード」に至っては手も足も出ない状況。

 たとえば最初のゲーム「守護獣の叫び」は、「ノーマル」だと「3音」と「5音」からなるお手本が出題された。これが「ハード」になると「5音」と「7音」に増え、「スーパーハード」では「7音」と「10音」にまでなるのだ。

 4番目のゲーム「イライラ迷路ゲーム」でも、厳しさは同じ。「ノーマル」なら5回まで壁に触れても許されるのだが、「スーパーハード」では1回でも壁に触れた瞬間に、ゲームオーバーとなってしまうののだ。

 1つ1つのゲームのプレイ時間が長くないので、難易度を3段階用意して、その最上クラスはとことんまで難しくした。これによって長く遊べるゲームになる。作り手のそんな配慮が伺える。これには筆者も賛成だ。

 筆者の個人的なツボを突かれたということもあるが、心から楽しめたアイテムだった。実際にも高い支持を得られたようで、3月には早くも続編的といえる「電脳隕石GYA~!!」の発売が予定されている。

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(C)TAKARA Co.,Ltd. 2004


□タカラのホームページ
http://www.takaratoys.co.jp/
□「電脳迷宮メガリス」の公式ページ
http://www.takaratoys.co.jp/megalith/


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(2005年2月3日)

[Reported by 元宮秀介]


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