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【連載第170回】 あの、おもちゃを徹底レポート




トラックボールを回してゲーム三昧!
エポック社「新感覚玉転がしゲーム スーパーダッシュボール」

「新感覚玉転がしゲーム スーパーダッシュボール」
発売 エポック社
価格 7.329円
電源 単三アルカリ電池×3(別売)
発売日 発売中



 当連載で定期的にレポートしているエポック社の体感ゲームシリーズに、異変が起こった!

 体感ゲームシリーズは、ハードとソフトを一体化したファミリー向けのゲーム機。バットや釣竿、ボクシンググローブなど、ゲームに応じてコントローラーの形状が変わり、手足を動かして遊ぶのが特徴だ。

 登場以来、ヒットを続けており、シリーズ作も増える一方。現在は実在のスポーツを題材にした「スポーツ」と、テレビ番組をテーマにした「バラエティ」、そしてハム太郎やドラえもんなどを使った「キャラクタ」の3つに分類できるほどに発展している。

 筆者が冒頭で「異変」と書いたのは、最新作の「スーパーダッシュボール」が、この3つの「ジャンル」のどれにも当てはまらないからだ。では、どんな内容なのかといえば、シリーズ初となる完全オリジナルのゲーム! しかもトラックボールを使用して、ボールを転がすゲームなのだという!

 筆者は、トラックボールを使ってボールを転がすゲームと聞くだけでグラッと心が揺れてしまう。往年のアーケードゲーム「マーブルマッドネス」(アタリ/'84年)を思い出し、あの感動が蘇ってくるからだ。

 さて、21世紀に生まれた「トラックボールを使って遊ぶゲーム」がどのような面白さを持っているのか、徹底的に遊びこんでレポートしてみたい。


トラックボールの操作感覚はとても良好

パッケージ。「スピード感120%!」のコピーが内容を物語る
 パッケージの中身は、シンプルな構成。トラックボールが内蔵されたコントローラが2個、そしてAVケーブルが1本入っている。

 さっそくトラックボールを転がしてみる。これはいいっ! ボールには適度な重さがあり、心地よい手ごたえを感じる。これぞトラックボール! といえる感触だ。安っぽさは、微塵も感じられない。

 遊ぶための準備は、わずか3ステップ。コントローラ1の裏側に単3電池を3本入れる。コントローラ2から伸びている接続ケーブルを、コントローラ1につなげる。そして最後にAVケーブルを使って、コントローラ1とテレビを接続する。これで遊べるようになる。何度やっても拍子抜けするほど簡単だ。

 ゲームを始める前に、取扱説明書を読んでみると、登場するボールには設定があることが判明した。ゲームの舞台は、ボールたちが暮らすボールデン銀河。1Pが操作する青いボールの名前は、デコ。いらずら好きで、転がっていない場合は寝ているという。2Pが操作する赤いボールは、ヌーボー。陽気な性格で、転がっていないときは空を眺めているとのこと。ボールに性格付けをする遊び心が楽しい。

パッケージの内容。AVケーブルはコントローラ1から伸びている コントローラは、トラックボールとボタン1つのシンプルな設計
コントローラ2の電源は、ケーブルを通じてコントローラ1から供給される 遊ぶときは、コントローラをこのように握って操作する



トラックボールを回す手に熱がこもり、次第に汗をかきはじめる

タイトル画面。コピーライトの「SSD」は開発会社の新世代株式会社を表している
 コントローラ1の電源を入れると、タイトルが映し出され、続いてゲーム選択の画面が表示される。ゲームはルールの異なる6種類が用意されている。「随分たくさんの種類のゲームが遊べるんだなあ」と感心していたら、あることに気づいた。6種類のうち、4種類のゲームが2P対戦用になっているのだ。なるほど、2個のコントローラが標準で用意されていることを含め、この「スーパーダッシュボール」は家族が一緒で遊ぶことを前提としているのだなと再確認。むしろ、ゲーム自体が「ほかの人と一緒に遊ぶともっと面白いよ」と呼びかけているようだ。

 最初に1P用のゲームを遊ぶことにする。「アドベンチャーボール」は、ボールを転がしてコースの途中にあるクリスタルを取るゲームだ。クリスタルには、青と黄、赤、紫の4種類があり、青はもっとも低い100点、紫はもっとも高い1,000点が手に入る。

 操作感覚は良好だ。トラックボールを動かすとボールは即座に反応し、転がり始める。手の動きを速くして、トラックボールを急回転させると、画面の中のボールも猛スピードで回り出す。

 青のクリスタルを取るのは簡単だが、赤や紫になるとテクニックが必要となる。十分に加速してからジャンプ台に乗る。あるいはコントローラのボタンを押してタイミングよくジャンプする。ゴールに到着しても、獲得点数が1万点を超えないと次のステージに進めないので、必死になってプレイする。

 1Pのもうひとつのゲーム「スピードボール」は、ゴールまでのタイム更新を目指すゲーム。「何秒以内にゴールしないとアウト」などの制限はないので気楽に遊べる。

 どちらのゲームも、ステージが進むごとに竜巻が巻き起こったり、床から噴水が噴出したり、と飽きさせない工夫がなされていて好印象。それ以上に印象深いのが、トラックボールを使った操作。ひっきりなしにボールを転がしているので、次第に体が熱くなり、真冬だというのに汗が噴出してくる。さすがは「体感ゲーム」のシリーズ作品だ。

全部で6種類のゲームが遊べる。「VS」と書かれたゲームは、2P専用だ 「アドベンチャーボール」のセレクト画面。ステージ選択も可能 クリスタルは地面の上や空中など、様々な場所に存在している
ボールの行く手を色々な障害物がさえぎる。これは噴水 ゴールに到達しても、クリスタルが1万点に満たないとクリアにならない ステージが進むごとに、新たな仕掛けが出現する
空中に浮かんでいる羽のアイテムを取ると、しばらくの間空を飛べる 最終ステージは、コースの側面になにもない。外れると、落下してしまう 「スピードボール」。記録が5位以内に達すると名前を登録できる


 次は事務所のスタッフを交えて、2P専用のゲームにチャレンジしてみる。「クリスタルバトル」は、1P用の「アドベンチャーボール」の2P版だ。コース中に並べられたクリスタルを取りながらゴールを目指す内容は同じだが、2Pになると面白さが俄然と増す。高価なクリスタルをめざして争奪戦が起きるのはもちろん、お互いのボールをコース外に弾き飛ばす妨害合戦も行なうことができ、まさに息をつく暇のない展開となるのだ。1Pでは少々物足りなさを感じていたのだが、そんな不満も2Pで遊ぶと吹っ飛んでしまった。

 「スピードバトル」も、1Pにあった「スピードボール」の2P版。「クリスタルバトル」と同様に画面が上下に二分割され、2人のプレーヤーがゴールを競う。1P版と比べるとスタートからゴールまでの距離が短くなっており、疲れを気にせずに全力疾走できるのが楽しい。

「クリスタルバトル」。上下に二分割された画面で、クリスタルを奪い合う 「スピードバトル」。相手に勝つために、体当たりして妨害するのも手だ


 「タッチボール」は、ひと言でいえば鬼ごっこ。2人のプレーヤーに、コンピュータが加わり、総勢3人で鬼ごっこを繰り広げる。画面は3D視点から見下ろし視点に切り替わり、トラックボールを上下左右に動かしながら遊ぶ。鬼になったら、ほかの2つのボールを追いかける。うまく触れることができたら、触れた相手が鬼になる。

 遊ぶうちにプレイのコツが飲み込めてきた。地形をうまく利用するのだ。障害物でできた通路に逃げ込んだり、上下左右にあるワープトンネルに逃げたりすると、相手をかく乱できる。

 制限時間は45秒だが、残り10秒になると大きな仕掛けが発動する。突然、画面上の通路が少なくなり、ほぼまっさらなフィールドで追いかけっこをすることになるのだ。通路に逃げるテクニックは使えなくなり、追うも逃げるもトラックボールさばきにかかっている。いやあ、面白いアイデアだ。筆者は、このゲームがいちばんのお気に入りとなった。

「タッチボール」の導入部。スロット形式で鬼を決める 狭い通路の中をかけ巡る。鬼になるとボールの周囲が尖る 残り時間が10秒になると、通路のほとんどが消える仕組みだ


 「スマッシュボール」は、円形か四角形のフィールドを舞台に、ライバルのボールを外へ突き落とすガチンコゲーム。ランダムで出現するアイテムを取ると、プレーヤーのボールだけが巨大化したり、重くて頑丈になったりする。ライバルのボールにぶつかって外へ飛ばさないと勝てないし、動き過ぎると外へ出てしまいやすくなる。頭脳プレイが必要なゲームだ。

「スマッシュボール」。アイテムを取りながら、相手を外へ弾き飛ばす コースは円形と四角形のどちらかから選べる。アイテムの有無も変更可能


 プレイの感想は、「堪能した!」に尽きる。「ボールを転がす」というシンプルなアイデアだけで、ここまでバリエーション豊かなゲームが用意され、遊びつくせるのだから満足だ。ぜひ家族で遊んでみていただきたい。

(C)2004 SSD CO.,LTD. (C)2004 EPOCH CO.,LTD.


□エポック社のホームページ
http://www.epoch.gr.jp/
□「新感覚玉転がしゲーム スーパーダッシュボール」のページ
http://www.taikan-game.com/chara/sdb/


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(2005年1月27日)

[Reported by 元宮秀介]


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