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【連載第159回】 あの、おもちゃを徹底レポート




見たい夢が見られる? “夢のマシン”ついに登場!
タカラ「夢見工房」

「夢見工房」
発売 タカラ
価格 15,540円
電源 ACアダプター(同梱)
発売日 発売中



 なんと魅惑的な商品であろう。『夢見工房』は、好きな夢を見るためのサポート機能を満載したマシン。何とも怪しげで、だからこそ惹かれる内容はもちろん、こうした商品が大手玩具メーカーのタカラから発売されるのが快挙だ。手堅いキャラクタ商品ばかりが並ぶ玩具業界で唯一気を吐く存在で、その最新アイテムが「夢を見るマシン」なのだから、本当に頼もしい。

 好きな夢を見て、つかの間でもいいので、心地よい時間を過ごしたい……。誰もが一度は心に描いたことがある願い。そんな希望を叶えられるアイテムなのだから、興味は尽きない。「見たい夢を確実に見られるの?」「体に害はないの?」などなど、いくつもの疑問があるだろうが、ひとつずつ解説していきたい。

 まず最も重要である「確実性」。見たい夢を確実に見られるかどうか。これに関して、タカラは断り書きを入れている。「『夢見工房』は、見たい夢に近づくことをサポートするマシン。確実に見られるわけでなく、それをサポートことがコンセプト」、とパッケージにしっかり書かれている。

 ここに関しては失望することもなく、それはそうだろう、と納得させられる。まだまだ夢のメカニズムは、解明されていない。個人差もあり、体調も大きく左右する。そんなあいまいなものなのだから、確実でなくて当たり前。むしろ、そのことを明言している姿勢に好感が持てる。

 またタカラは「確実ではない」と表現を使用しているが、臨床実験を行なったところ、一定の成果は出ているようだ。見たい夢に関するキーワードが夢に出てくるかどうか、という実験では『夢見工房』を使用しなかった日は成功率が5.84%にしか過ぎなかったが、使用すると約4倍の21.63%に上がった、とのこと。

 「安全性」も特に問題はない。『夢見工房』で使用するのは、音楽や音声を再生したり、心を落ち着かせるアロマの香りを発生させたりするものなど、安全な機能ばかりなので、使用して体調が悪化することなどは、まずないだろう。

 「操作方法」も簡単だ。「見たい夢を見るためにサポートするマシン」という前代未聞の商品だけあって、どんな操作が必要なのか? 正しく扱えるだろうか? と不安にもかられるが、筆者が試したところ迷うところもなく、簡単に使うことができた。

パッケージ。側面や背面には臨床実験の結果や体験談が記されている 不思議なイメージを想起させるビジュアルが目を引く



音や香りなど、あらゆる角度から快眠をサポートする

「夢見工房」本体。女性の部屋に置いてあっても違和感を感じさせないデザイン
 それでは、くわしいレポートを始めてみよう。

 パッケージに入っているのは、「夢見工房」本体と電力を供給するACアダプター。さらには香りを発生させるアロマビーズや、見たい夢やその結果を記録する夢日記手帳、マニュアルのビデオなどが用意されている。

 「夢見工房」本体は、怪しげなものではなく、女性向けの美容機具ともいえるデザイン。ホワイトを基調に、ところどころに淡いピンク色のパーツが組み込まれ、落ち着きすら感じさせる。縦長のボディの下部には、操作ボタンや液晶画面などが集中しており、ここで操作を行なう。

 セッティングに、難しいところはない。付属のアロマビーズを本体の裏側の引き出しに入れるだけ。あとはACアダプターを差込み、寝室に置くだけだ。セッティングする場所は、顔から約45センチほど離したところとなる。「夢見工房」には、「夢見モード」と「快眠モード」の2種類のモードがある。「快眠モード」は「夢見モード」の簡易版ともいえるので、「夢見モード」を中心に語っていく。

 「夢見モード」は「照明」、「音楽」、「アロマ」、「音声」の4種類の仕掛けを使って、見たい夢を見られるようにサポートする。

 「照明」は、本体の上部に付いているライトを照らし、ユーザーに穏やかな覚醒を促す。夢は覚醒時に忘れることが多く、それが最も顕著となる急激な覚醒を避けるために、弱めのライトで顔を照らし、さわやかな目覚めを演出する。

 「音楽」は、本体にプリセットされた音楽を再生し、心と体をリラックスさせる。曲は「ファンタジー」、「ラブストーリー」、「コメディー」、「ノスタルジー」の4種類が用意され、どれも美しい音色のアンビエントミュージックとなっている。

 「アロマ」は、音楽と同様にアロマビーズの香りによって、リラックスへ導く。アロマビーズはそれ自体でいい香りを放つが、内蔵しているファンで香りを辺りに漂わせ、より効果的に鼻に届くように工夫している。

 「音声」は、見たい夢を表す3個のキーワードを本体に録音。睡眠中に自動的に再生し、記憶を刺激するというもの。

操作パネル。機能が明記されているので、一度使えば操作方法を習得できる 本体の上部のランプ。光量が自動的に増減され、穏やかな眠りや目覚めを促す 本体の中央のパネルには、写真を取り付けることができる
この小さな穴からアロマの香りが漂ってくる 側面にはスピーカーがあり、音楽や音声を再生する 事前の準備は、本体の背面にアロマビーズをセットするだけ


 操作ボタンを使って、現在時間をセットし、3個のキーワードを録音。音量の大きさや照明の明るさを調整すれば、すべての準備は完了だ。


実験!はたして見たい夢は見られたのか……

 筆者が困ったのは、3個のキーワードを登録するところだ。夢に見たいことが3個も思い当たらなかったのだ。もしあったとしても、同じ寝室には妻や娘が寝ている。ごくごく個人的な欲望がばれて、家庭崩壊にもつながりかねない。いろいろ考えたあげく、今年の春に出かけた沖縄が楽しかったので、「沖縄」、「海」、「休日」と登録する。沖縄で遊んでいる夢を見て、心のストレスを少しでも和らげることができれば……。

 枕元に『夢見工房』を置いて、スタートボタンを押す。ライトが点灯し目の辺りを照らすが、淡い光量なのでまぶしくはない。同時にあらかじめ選択しておいた「ノスタルジー」のメロディが流れ始める。音色は、部屋全体に広がるのではなく、耳元にささやきかけるように響く。そしてアロマの香りが鼻に届く。音楽も香りも効果的に耳と鼻をくすぐり、心が穏やかになっていく。特に効果的なのは、アロマの香り。もし見たい夢が見られなくても、安眠を誘う装置として十分な機能を発揮していると思う……と考えているうちに、眠りに落ちた。

付属の「夢日記」。夢の記録を書き綴れる 左ページには見たい夢を、右ページにはその結果を記す
マニュアルより詳細に説明したビデオも付属している 使用するときは顔から45センチ離れた場所に設置する


 それから朝まで筆者はこんこんと眠り続けていたのだが、その間も『夢見工房』は働き続け、筆者の記憶や夢を穏やかに刺激してくれていたようだ。照明と音楽は徐々にフェイドアウトしていき、30分後に停止。同時にアロマを放つフィンも止まったようだ。睡眠開始から6時間半後の夢を最も見やすい時間を狙って、再び音楽が鳴り、アロマが放たれる。同時に登録しておいた音声の再生を始め、「3分間連続再生」、「3分間無音」をくり返していたようだ。

 このように『夢見工房』は独自の理論に基づいた動作を忠実に行なっていたようなのだが、いかんせん筆者は熟睡してしまっていたので、動作を確認することはできなかった。ただし、目覚めたとき、寝室にアロマの香りが漂っていたので、正しく動作はしていたようだ。

 肝心の夢は……見られませんでした。これは当初から予想していたのだが、筆者は日々の仕事が忙しいと、夢もその仕事一色になる癖がある。この日も同様に、仕事をこなす夢を見た。翌日も試してみたが、結果は同じだった。う~ん、試した時期が悪かったのかも知れない。ただし、先ほども述べたように、音楽と香りで睡眠を促す機能は使える。眠れない夜に頼りになりそうだ。

 筆者の結果は、冴えないものに終わったが、見たい夢があって、それを渇望している人なら効果的ではないだろうか。たとえば憧れのスターがいる人とか、片思いの相手がいる人だとか。筆者も、見たい夢を見られた驚きと興奮を味わいため、しばらく使い続けてみよう。

(C)TAKARA Co.,Ltd. 2004


□タカラのホームページ
http://www.takaratoys.co.jp/
□「夢見工房」のページ
http://www.takaratoys.co.jp/yumemikoubou/
□関連情報
【6月15日】タカラ、見たい夢が見られる? 「夢見工房」と
暗記ラクラク? 「暗記エンジン エムサピエンス」を発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040114/takara.htm


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(2004年9月30日)

[Reported by 元宮秀介]


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