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【連載第153回】 あの、おもちゃを徹底レポート




夏の盛りに遊びたい潜水艦ラジコン特集!
ミツワモデル「RCサブマリンシリーズNO.1」&増田屋コーポレーション「ラジコン潜水艦」

「RCサブマリンシリーズNO.1」 「ラジコン潜水艦」
発売 ミツワモデル 発売 増田屋コーポレーション
価格 5,800円 価格 3,129円
電源 アルカリ単2電池×2(充電器用/別売)
9.0V電池×1(コントローラー用/別売)
電源 アルカリ単4電池×3(コントローラー用/別売)
アルカリ単3電池×2(充電器用/別売)
発売日 発売中 発売日 発売中



 秋は読書にふけりたくなり、冬には鍋をつつきたくなる。日本人には季節にあった「何か」をしたくなる習性があるが、夏は何といっても「遊び」だろう。今回は、そんな遊び盛りの夏にマッチした潜水艦のラジコンを2台まとめてレポートしてみたい。もしも気に入っていただけたら、行楽地に持っていき、さらなる楽しみを満喫していただければ……と願いながら、さっそく始めてみよう。


ミツワモデル「RCサブマリンシリーズNO.1」~本格的な潜水の面白さ

パッケージでは機能の優秀さを前面に謳っている
 当連載では、これまでにも潜水艦のラジコンを取り上げてきたが、面白さではこれが断トツ。潜水艦の醍醐味である潜水の動作が見事で、水中を自由自在に動き回る楽しさを味わわせてくれる。

 パッケージの背面には機能や特徴が記されており、潜水艦が見事に沈み、浮上するビジュアルが添えられていた。それならば、と潜水の様子を堪能すべく、熱帯魚用の水槽を購入し、そのギミックの一部始終を鑑賞してみようと考えた。

 パッケージには、あまり派手さは感じられず、スペックが淡々と書かれている。だからこそ、作り手たちがこの商品に自信を持っていることが伝わってきて、興味をかきたてられる。

    【基本スペック】
  • 充電時間……約5分
  • 操作時間……約20分
  • 潜水艦……完全防水
  • 送信機……生活防水

 5分間の充電で操作時間が20分も保てるなら、かなり遊べるはずだ。防水加工がしっかりと施されているから、プレイ後のケアも楽だろう。入っているのは、潜水艦本体。コントローラ。そして充電器の3点。

 潜水艦は、おそらく特定のモデルはないはず。誰もが持ちうる潜水艦の最大公約数のイメージをモデル化した、というたたずまいだ。ややずんぐりした体躯は、子供向けかと思わされるが、仕掛けは本格的。水中での動力源となるスクリューは2基用意され、複雑な動作を実現。動作時には船首の2基のライトが赤く点灯する。おおぉ、これは一刻も早く潜水を体験してみたい!

 潜水艦に電源を供給する充電器には、単2アルカリ電池を6本も入れる。20分間走行の秘密はこれか!コントローラは、「実直」のイメージ。全体は八角形に似た形で構成され、見た目はどこかの国の兵器とも映る。そうそう、それがいいのだ……と、ひとりで納得しながら準備を進める。

 潜水艦の船首にある小さなパーツを抜き取り、そこに充電器から伸びるケーブルを差し込む。その様子は、潜水艦が燃料の補給を受けているよう。5分間の充電を終えたら、充電器のライトが赤から緑に切り替わり、潜航可能なことを教えてくれる。

本体は、誰もが抱く「潜水艦のイメージ」 デフォルメは効いているが、潜水艦の格好よさは表現されている 2基のスクリューの搭載が複雑な潜航を可能にする
シンプルなコントローラ。ひと目でその機能を理解できる 充電器。6本のアルカリ単2電池をセットし、連続20分の潜航を実現 本体へ充電中。ライトが点灯し、充電と完了を知らせてくれる


 熱帯魚用の水槽にたっぷりと水を張って、潜水艦を浮かべる。コントローラから伸びるレバーは2本。左は前進と後退、右は右旋回と左旋回を担う。左のレバーを前に倒すと、水槽から水しぶきが飛んできて、あたり一面に撒き散らした。スクリューが半分しか水に沈んでいないため、掻き上げられた水滴が飛び散ったのだ。これはこれで、いかにも夏の風情。屋外の池や川だったら、きっと気持ちいいはずだ。

 コントローラの左斜め上と右斜め上には、それぞれボタンが設けられている。ゲームボーイアドバンスのL・Rボタンとほぼ同様の位置だ。左斜め上のボタンは、潜水ボタン。右斜め上のボタンは、浮上ボタン。筆者はこのボタンの存在に感激を覚えた。これまで遊んできた潜水艦のラジコンは、潜水はするものの、実はスクリューを手動で傾ける「なんちゃって潜水」だったのだ。しかし、専用のボタンを設け、完璧にコントロールできるのなら、前進しながら潜水する、あるいは浮上しながら右後ろに旋回する、など、本物の潜水艦さながらの操作を楽しめるのではないだろうか。

 期待は、間違っていなかった。潜水ボタンを押すと潜水艦は船首のライトをカッと光らせ、垂直に沈んでいく。潜水ボタンを離すと自然と浮上していくが、浮上ボタンを押すと加速して上昇する。

 単純な潜水もいいが、他の動作を加えて潜水をするとなお楽しい。前進しながら潜水させると、いかにも出撃する潜水艦の風情だし、潜水させながら右や左へ旋回させると、敵の攻撃を避けて反撃に転じる潜水艦の雰囲気。様々な映画で目にしてきた戦う潜水艦のイメージそのものの操作を、この手で実行することができるのだ。くぅ~、たまらん。

基本的に操作に機敏に反応するが、水の抵抗で多少の遅れが出るのも面白さのうち
【ムービー】
「潜水から旋回、浮上まで」
(MPEG-1、566KB)


 今回は、水槽を用意して正解だった。水の中を我が物顔で進む潜水艦の様子をあらゆる角度から眺めることができ、まるで飽きない。いつも通り、池やユニットバスで遊んでいたのなら、この勇姿を目撃することはできなかった。この原稿をすぐにでも書き上げて、心ゆくまで潜水艦の操作を楽しみたい。そう思わせてくれるほどだ。「一度、潜水艦のラジコンで遊んでみたかったんだよな」という人がいれば、悪いことはいいません。買いです! 5,800円という低価格で、これだけの操作を満喫できるアイテムは、他にありません。操作バンドは27MHZと40MHZの2種類が用意されているので、2台を同時に走行させ、対戦ごっこも楽しめます。


増田屋コーポレーション「ラジコン潜水艦」~低価格でお手軽路線

 増田屋コーポレーションの「ラジコン潜水艦」は、コンパクトさが最大の売り。潜水艦のサイズはわずか3センチ程度という小ささで、メーカーやブランドは異なるが、「チョロQ」や「ビットチャーG」の潜水艦版のイメージ……というと伝わるだろうか。

 事実、手のひらにちょこんと乗るサイズのメカが水中を潜行するのは驚きだ。指でつまんで眺めてみると、これで本当に潜水するの? と疑問すら浮かび上がってくる。自動車から始まった超小型ラジコンがとうとう潜水艦をも実現したと思うと、e-Toyウォッチャーとして、ちょっとした感慨を覚える。

クリアパッケージで本体を披露し、ミニサイズをアピール 可愛らしさを打ち出したデフォルメデザイン


 遊び方は、前述の「RCサブマリンシリーズNO.1」と大きく変わらない。専用の充電器に潜水艦本体をセットして、電力を供給。約2分間の充電で潜航が可能になる。ほぼ正方形のコントローラは、操作性よりもコンパクトさを追求したようで、商品の特性を考えるとこれはこれでアリだと思える。

 充電が完了したので、水槽に着水。コントローラのボタンを押してみる。前方へ後方へ、そして左右に旋回。潜水艦はほんの少しだけもたつきながら、命令どおりに潜航する。このもたつき加減が「ラジコン潜水艦」の可愛らしさとマッチして、愛嬌を生み出す。

 そうこうしているうちに、あることに気が付いた。どのボタンを押しても潜水しないのだ。マニュアルを読み込んでみると、潜水させるにはフィン(舵)を手動で下方に動かしたり、あるいは本体にあらかじめ重しをセットしたりする工夫が必要とのこと。さきほど筆者が述べた「なんちゃって潜水」だ。もちろんこれらの調整をすれば潜水はするし、水中での操作もできる。3,129円という低価格ながら従来のラジコン潜水艦と同じ性能を持ち、ボディをここまでコンパクトにしたことは驚きだ。しかし、「RCサブマリンシリーズNO.1」を遊んだあとでは、どうしても物足りなく感じてしまう。

専用の充電器。充電に要する時間は、約2分間 ラジコンとしては珍しい、正方形に近い形のコントローラ 充電の際は、本体の後部を取り外し、充電器にセットする
本体の左右にあるのがフィン。指で上下に動かし、潜水を実現させる FOMA携帯電話との比較。その小ささがよくわかる どちらかといえば、のんびりと楽しむタイプのラジコンだ


 それでも、この商品に厳しい評価を与える気にはならない。親子でお風呂の中で遊ぶのなら十分な内容。自分で操作している潜水艦が水中を自由に散歩する面白さは体験できる。どちらを選ぶかは、遊ぶ目的と価格の両面から検討するといいだろう。

 最後に個人的な疑問をひとつ。両アイテムともネーミングは、「RCサブマリン」と「ラジコン潜水艦」で、いたってシンプル。もっと注目を集められるネーミングはなかったのだろうか。この素っ気なさが潜水艦らしい、といえばらしいのだけど……。


□増田屋コーポレーションのホームページ
http://www.masudaya.com/
□「ラジコン潜水艦」のホームページ
http://www.masudaya.com/product/himeca.html#sensuikan


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(2004年8月5日)

[Reported by 元宮秀介]


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