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【連載第152回】 あの、おもちゃを徹底レポート




気になるインテリアトイを遊んでみた!
バンダイ「ノッキングフロッグ」
タカラ「SABO CUBE」

「ノッキングフロッグ」 「SABO CUBE」
発売 バンダイ 発売 タカラ
価格 924円 価格 1,344円
電源 ボタン電池(LR44)×2(内蔵) 電源 ボタン電池(LR44)×2(内蔵)
発売日 発売中 発売日 発売中



 街のトイショップや東急ハンズなどの店頭に飾られている、小さなトイたち。少し前の言葉で言うなら「癒し系グッズ」。最近では、インテリア・トイとも呼ばれることがあるそうだ。

 こうしたトイはその可愛らしいデザインや動作に惹かれるが、こと「玩具」としては薄味。当連載では、十分に気になる存在ながらも、なかなか取り上げる機会に恵まれなかった。しかし、ちょうど時を同じくして、筆者の興味を強く引き付ける、ありていに言えば「ツボ」にハマるアイテムが2体発売されたので、レポートしてみることにした。

 筆者としても、その実際がとても楽しみ。「なーんだ、この程度のものか」とがっかりするか、それとも「こんなに面白かったのか!」と新たな発見をするのか。何はともあれ、遊んでみよう。


手足を動かすアクションがキュート「ノッキングフロッグ」

パッケージはクリアタイプ。最大の売りである「ノッキングフロッグ」の顔がよく見える
 最初に取り上げるのは、バンダイの「ノッキングフロッグ」。このキャラクタは「売り出し中」のようで、「フロッグスタイル」というブランドで、携帯ストラップやぬいぐるみ、小物入れ、小型テーブルなど、様々な商品が発売されている。かくいう筆者も、このキャラクタに最初に出会ったのは、文房具店だった。「ノッキングフロッグ」は、「フロッグスタイル」のフィギュア版、あるいはトイ版として発売されているようだ。

 筆者自身は、こうした可愛らしいキャラクタに惹かれることはあまりないのだが、「ノッキングフロッグ」は別格だった。カエル、というありがちなモチーフを題材にしながらも、全身を球体で表現し、「見たことのないカエル」を表現。全体の丸みはユーモアをかもし出し、黒い瞳は端整さを感じさせる。単に可愛らしいだけでなく、その内面をもうかがわせるデザインが施されている。どうやら、その奥深さに魅了されたようだ。

 「ノッキングフロッグ」は、1体924円の価格設定。ボタン電池を2個使用するが、内蔵されているので、本体を買うだけですぐに遊び始められる。カラーバリエーションは緑、白、ピンク、クローバー模様の4種類。

 パッケージに入っているのは、「ノッキングフロッグ」本体と、蓮の葉型の台座。電池はすでにセットされているので、背中の電源スイッチをオンにすれば準備は完了となる。

 普段はコテコテのトイをレポートしているので、あまりの単純さに「失敗したかな……」とヒヤリとした。しかし、何度も触れているうちに、そのシンプルさが際立ち、これはこれでいい、と思えてきた。

 遊び方はこうだ。「ノッキングフロッグ」を台座に乗せる、そしてオデコを指で弾く。すると、体が球体の「ノッキングフロッグ」は後ろにのけぞり、倒れそうになる。そのときに出足をバタバタさせて必死にこらえようとするのだ。

 単純といえば、単純。だけど、その様子がとても真剣なので、つい目を奪われる。丸い体に比べて、あまりに小さな手足を激しく動かすので、笑いを誘われる。

 この動きには「ノッキングフロッグ」の機嫌とリンクした、4種類のバリエーションがある。まずは「ノーマルモード」。おでこを突いて、後ろにのけぞらせると、手足をバタバタさせるというものだ。

 次は「イライラモード」。「ノッキングフロッグ」の虫の居所が悪いときにおでこを突くと、手足を激しくバタバタさせる。小さな体に似合わないほどの剣幕で、「わわっ、怒り出した!」とちょっとした驚きを味わえる。

 その対極といえるのが、ご機嫌なときの「ウキウキモード」。手足をテンポよく動かし、童謡の「カエルの合唱」を演奏するのだ。声やメロディを発せず、手足が動作するときの「カシャカシャ」という音だけで、1曲を歌いきる。メロディには欠けているところも不明瞭な部分もなく、聞こえてくるのは、慣れ親しんだあの曲。乏しい表現力でよくも1曲を奏でられるものだ、と感心させられてしまった。

 「フレーフレーモード」は、同様に手足の動作音で、三三七拍子を鳴らすモード。こちらも実にしっかりした拍子だった。

 はじめは「物足りないかな……」と思ったが、しばらく一緒に過ごしているとその良さがジワジワと理解できてきた。仕事に疲れてきたときに指で押して、そのリアクションを楽しむ。来客があったときには、試してもらい、会話のタネとしても利用する。指で押すだけだから、面倒くささが一切なく、どんなときでも「ちょっと遊んでみるか」という気分にさせられる。当初に「失敗したかな」と感じた自分はどこへ行ったやら。今はシンプルだからいいのだ、と断言したいほどだ。

「ノッキングフロッグ」の底が曲面なので、台座の上で傾きやすい 丸い体につぶらな瞳、短い手足が特徴的 「ノッキングフロッグ」の背中。電源スイッチがある
【ムービー】
「ノッキングフロッグ」のリアクション
(MPEG-1、439KB)


俳句やことわざをしゃべるタカラの「SABO CUBE(サボキューブ)」

パッケージ。70語をしゃべることをアピールしている
 タカラの「SABO CUBE(サボキューブ)」は、デザインではなく、その「遊び」に惹かれて手に取った。頭にきれいな花飾りを付けたサボテンのキャラクタが70種類もの言葉を話す。しかもその内容がことわざや俳句、早口言葉なのだというからシブイ。

 価格は1体、1,344円。ボタン電池が内蔵されているので、買ってきたその瞬間から遊べる。

 パッケージから取り出して、まず目に付いたのがサボテンの台座。キューブ(立方体)になっていて、側面にレゴなどのブロック玩具を思い起こさせる凹凸がある。シリーズの「フラワーキューブ」をジョイントし、並べて飾るためのものらしい。

 遊び方は、こちらも簡単。「SABO CUBE」に話しかける。あるいは頭に触れると、それに反応して「SABO CUBE」がしゃべり出すのだ。

 どんなことをしゃべるのだろうとワクワクしながら試してみると……「ビビビサボ?」、「ピラルウルルルサボ?」と、意味不明の言葉を話し出した。耳を凝らしてみても、何を言っているかわからない。何度試してみても、チンプンカンプン。

 不思議に思ってパッケージの説明を読んでみると、謎は解けた。「SABO CUBE」が話しているのは、サボ語らしい。サボテンだけに少し舌足らずなのだろうか。そう思うと、こちらの接し方も変わってきた。幼児の言葉に耳を傾けるように、「SABO CUBE」の言葉を理解する楽しみが生まれてきたのだ。すると、「ヨンダサボ?」、「ヨカッタヨサボ」と少しずつ言葉が聞き取れるようになってきた。「ジュゲムジュゲムゴコウノスリキレ……」と、落語の「じゅげむ」の暗唱を始めたときは楽しかったなあ。

鉢に相当する台座のデザインがオシャレ。シリーズ作と接続可能 花飾りの下の表情は、幼児を思わせるあどけなさ。こちらも可愛い 指で突いたり、話したり、近くを叩いたりと「音」に反応する
【ムービー】
「SABO CUBE」のリアクション
(MPEG-1、440KB)

 どちらも1,000円前後の低価格で、インテリアとしても楽しめて、なおかつ遊べるのだから、好印象。遊びが詰め込まれた正統的なトイももちろんいいけれど、こうしたお手軽トイも楽しい。また今度、店先で気になる新製品を見かけたら買ってみよう、とすっかり変わっている自分がいた。

(C)BANDAI 2002
(C)TAKARA CO.,LTD


□タカラのホームページ
http://www.takaratoys.co.jp/
□バンダイのホームページ
http://www.bandai.co.jp/
□「フロッグスタイル」のホームページ
http://frogstyle.channel.or.jp/


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(2004年7月29日)

[Reported by 元宮秀介]


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