← 前回分　　【バックナンバー】 【連載第145回】　あの、おもちゃを徹底レポート

だめんずうぉ～か～
発売	タカラ
価格	各4,179円
電源	ボタン電池(CR2032)×2(同梱)
発売日	発売中

　“独創性の高い商品をクリエイトするメーカー”として、筆者が最も注目しているのがタカラ。飼い犬の気持ちがわかる「バウリンガル」のインパクトは記憶に新しいし、見たい夢を見られるようになる(!)「夢見工房」の発売も近々予定されている。

　トイファンとしては、クオリティの高いキャラクタフィギュアも重要だが、こういったトンデモ(ほめ言葉です)なアイテムも欲しい。少年時代に駄菓子屋の棚で新しいオモチャを発見したときの高揚感。これを味わわせてくれるのがタカラなのだ。

　この「だめんずうぉ～か～」も、そんなタカラだからこそ生まれたアイテム。原作は「週刊SPA!」で連載されている倉田真由美さんの同名コミック。同コミックではだめ男とだめ女の凄まじい生態が描かれているが、そこに着想を得て、何とだめ男とだめ女の判定機を作ったというのだから面白い。

　人工知能を搭載した恋愛指南マシン! 全国1万人の男女からのアンケートから元に作成した「だめんずエンジン」を搭載! 原作の倉田真由美さんが監修! という大仰な触れ込みだが、読者の方々の希望通り、「パーティグッズとして使えるかどうか」の観点からレポートしてみたい。

■ 携帯電話を模した本体に男女の特徴を入力する

男性版と女性版の2種類が発売されている

　製品は、男性版と女性版の2種類が発売されている。「だめんずうぉ～か～♂boys」は男性用。女性のだめ度を測定できる。「だめんずうぉ～か～♀ladies」は女性用で、男性のだめ度を調べられる。本体は、携帯電話を模したデザイン。ふたが開閉式になっていて、開けると液晶画面や操作ボタンが現われる仕組みだ。

　裏ぶたには、それぞれ「男たちへ」、「女たちへ」と題された5箇条が書かれている。例えば「男たちへ」なら「ラブホ代をワリカンにするならスマートに」、「首絞めは、刺されるよりはいい」。「女たちへ」なら「ろくでなしの最高峰とは女に手を上げる男である」、「借金してまで男にみつぐな」などとある。合コンの現場で盛った男女に「勢いにまかせて、だめ男やだめ女にひっかかるな!」というくらたま氏からの愛ある警告なのだろうか。

　液晶画面の下にはボタンが8つ。中央に上下左右の操作ボタンがあり、その周囲に決定やキャンセルを実行するボタンがある。わかりやすく配列されており、これなら照明が薄暗い居酒屋でも問題なく操作できるだろう。

　使用するには、まず自分の情報を登録する。名前、年齢、出身地、兄弟との間柄、そして恋愛にかける情熱の強さを入力。情熱の強さは、表示されたグラフにて表現。操作ボタンを操って、グラフを伸び縮みさせる。このグラフを増減させる操作は、今後の判定でも頻出する。

　次は、だめ女度を調べたい女性の情報を登録。入力する項目は全部で10個あり、名前や年齢に始まり、「おしゃべり?」、「顔はくどい?」、「ぽっちゃり?」、「きょにゅう?」、「おしゃれ?」、「ケバい?」、「例えるなら?」、「まばたきは?」と多岐に渡る。文字を入力したり、グラフを増減させたり、あるいは3択などに答えたりして進めていく。

　すべての入力が終わったら判定開始。数秒ののち、だめ男度やだめ女度が数値とタイプで診断される。

　筆者は「だめんずうぉ～か～♂boys」と「だめんずうぉ～か～♀ladies」の両方を手に入れたのだが、ハタと困った。誰を相手に診断すればいいのか。いい仲になりたい女子など、周囲を見回しても全然いないのだ(いても書けない)。仕方がなく妻を相手に、お互いのだめ度を診断することにした。新たな夫婦喧嘩の火ダネにならないといいな、と心配しながら。

「だめ女をかわして幸せな人生を築こう」というコピーがエグい	ふたを閉めればコンパクトサイズに。重量も軽く、持ち運びしやすい	手前のグリーンの本体が男性版。奥のレッドが女性版
N505isと比較。携帯電話とほぼ同等のサイズ	裏ぶたにはだめ男の烙印を押されないための5箇条が書かれている	ボタンの数は多めだが、機能が明記されているので迷うことはない

■ 入力も手軽で結果も笑える。パーティグッズとして好印象

　「だめんずうぉ～か～♀ladies」をプレイしている妻が、いきなり爆笑した。設問が面白いらしい。「だめんずうぉ～か～♀ladies」を借りてチェックしてみると、確かに笑える。女性版ということで男性版と質問内容が変わり、それがエゲツないのだ。「金ある?」はまあアリとして、「くさい?」、「胸毛は?」ときた。しかも「胸毛は?」の回答は「なさそう」、「ありそう」、「ギャランドゥ」のいずれかから選ぶのだ。「ギャランドゥ」……。このあたりの毒のあるテイストは、さすがくらたま氏、といった感じだ。

　結果が出た。筆者のだめ度は「28度」でタイプは「ナルシス」らしい。「髪型は欠かさずチェック! カラオケは、目をつぶって熱唱!」とのこと。まじまじと鏡を見ることもないので当たっていないような気がするが、あるいはこれが隠れた一面なのか……。対して妻のだめ度は「63度」!。タイプは「ステイタス女」。「さんざん遊んでても恋愛と結婚はキッチリ分ける」とのこと。

　お互いにピンとこない結果に終わったが、恋愛を熱望していないからかもしれない。そこで互いの友人の中から未婚の人たちを選び、入力してみると……これがとたんに当たっているような気がするから面白い。A君は「キレイごとばかりを言って仕事をしないポエマー」。Bさんは「傷つけられることで快感を得るドM」と出た。そうか、当たり前のことだが、もっか恋愛中、あるいは恋愛予備軍の人たちの情報を登録すると、日ごろの恋愛模様と重なって、真実味と爆笑が生まれるのだ。もし当たっていなくても「アイツなら陰でそうしていそう……」と邪推できる。くらたま氏のコミックを愛読しているなら、漫画の登場人物と自分や相手を重ねて、なおのこと楽しめるだろう。

「ユーザー入力」で持ち主の情報を登録する	診断したい女性の情報を入力。相手は巨乳かどうか	設問によっては、グラフを増減させ、ニュアンスで答える場合もある

診断が下される直前! 値踏みをするくらたま氏の目が怖い!!	だめ度はまず数字で表される。妻は「63度」……。う～む
その後に「かいけいトイレ女」、「ブランド女」などのタイプに分類される	「ギャランドゥ」。こうした毒のある味付けは、さすがはくらたま氏

　診断までの流れはここまで述べた通りだが、恋愛の進行度に合わせてさらなる判定をできるようになっている。同じ人物を選んで「レベル2」か「レベル3」を選ぶと、さらに突っ込んだ設問が追加される。男性版なら「月に何回エッチするの?」、女性版なら「アソコはどっちまがり?」といった具合だ。恋愛において付き合ってみると相手のバケの皮がはがれることが多々あるが、そのニュアンスを巧みに表現しているユニークなアイデアだと思う。

　登録した情報はそのまま保存され、さらなる遊びに使える。登録メンバーの結果を利用して「結婚ランキング」、「恋愛ランキング」、「ダメランキング」を選出することができるのだ。結果を見れば「アイツが1位か。やっぱり～」などど笑いが生まれる。登録者の人数が増えれば増えるほど楽しめるだろう。

タイプ分類コレクション1。「ドM」	コレクション2。本能のみの「フーゾカー」	コレクション3。父親が基準の「ファザコン」
コレクション4。言うだけ男の「ポエマー」	診断した人の情報を「結婚」や「ダメ」のテーマでランク付けする機能もあり	さまざまなだめ男やだめ女を集める遊び「だめコレ」

　入力作業が簡単で、入力時間を入れても診断までの時間は1～2分。弾き出される結果は、期待通りのエゲツないギャグ……とあれば、合コンやパーティの場にとてもマッチしていて、よほどヘタな進行をしない限りはきっとウケるだろうと思える好アイテム。近々宴会を催される幹事の方、導入を考えてはいかがだろうか。

(C)倉田真由美 / 「週間SPA!」扶桑社 創作・著作物 (C)TAKARA Co.,Ltd. 2004

□タカラのホームページ
http://www.takaratoys.co.jp/
□「だめんずうぉ～か～」のページ
http://www.takaratoys.co.jp/damens/

　毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)

(2004年6月10日)

[Reported by 元宮秀介]

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