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【連載第126回】 あの、おもちゃを徹底レポート




サトシが持ってるあのアイテムがトイになった
トミー「ポケモン図鑑アドバンス」

「ポケモン図鑑アドバンス」
発売 トミー
価格 4,980円
電源 アルカリ単3電池×3(別売)
発売日 発売中



前作までの気になる点は解消されただろうか?

 日本国内だけでも売り上げが460万本を超える大ヒットを記録しているゲームボーイアドバンス用ソフト「ポケットモンスター ルビー・サファイア」。今回は、そんなポケモンの最新アイテムを紹介しよう。トミーから発売中の「ポケモン図鑑アドバンス」だ。

 ご存知の通り、ポケモン図鑑とは、ポケモンを育成している「ポケモントレーナー」たちが手にしているハイテク図鑑のこと。見かけたポケモンの名前を調べたり、つかまえたポケモンの生態を確認したりすることができる。アニメ版ではさらに機能が強化され、図鑑内の情報を音声で読み上げてくれる。

 ポケモン好きな子供たちなら誰もが憧れるだろう、このアイテム。当然、これまでに何度も商品化されている。もちろん……というわけじゃないけれど、当連載でもレポートしている。ただし、そのときの筆者の評価は厳しいものだった。液晶モニタのドットが荒いという点を含め、気になる部分が散見されたからだ。この最新の「ポケモン図鑑アドバンス」では、そうした問題は改良されているのか。それともそのままなのか。こうした点にも目を向けながら、レポートしていこう。


ジョグダイヤルで10種類のモードを切り替える

 アルカリ単4電池3本を本体にセットし、起動させる。その瞬間、筆者の不満は一気に消え去った。液晶画面がキレイなのだ! サイズは大きく、ドットも細かい。次々と映し出されるポケモンたちの姿は細部まできちんと表現されて、見ていて楽しい。「ポケモンずかんアドバンス!」とタイトルを読み上げるボイスも、驚くほどにクリアで、ボリュームも大きく、ワクワクしてくる。なんというか「エンタテインメント」しているのだ。“これならば中身もいいはずだ”という予感は、遊びこむに連れ、確信に変わった。

 この「ポケモン図鑑アドバンス」には、多彩な遊びが楽しめるモードが豊富に用意されている。数にして10種類だ。それらを切り替えるのは“ジョグダイヤル”というのだから洒落ている。モニターの横にあるモンスターボールを模したマークがジョグダイヤルになっていて、これを回転させると、モードが次から次へと切り替わるのだ。ジョグダイヤルを回転させる感触も心地よく、好印象。

いわゆるPDAサイズ。厚みがあるのはご愛嬌 カバーを開けるギミックも完全再現
モンスターボールのマークがジョグダイヤルになっているだ ジョグダイヤルの中央の青いボタンは、決定ボタン


 最初は「ずかんモード」だ。ここでは「ポケットモンスター ルビー・サファイア」に登場する200種類のポケモンたちの姿や生態、そしてくわしいデータを見ることができる。ポケモンのグラフィックに続いて、データと生態が表示される。データと生態は、「ポケットモンスター ルビー・サファイア」からの流用だが、ポケモンのグラフィックは、「ポケモン図鑑アドバンス」専用のもの。ゲームとは異なるポーズを披露するポケモンも多く、キレイな画面とあいまって楽しめる。最初からすべてのポケモンのデータを見られるのは、ゲームをうまく進められない小さな子供にとっては、何よりうれしいポイントだろう。

 次は「けんさくモード」。200種類のポケモンを「タイプ」、「せいそくち」、「五十音」からソートすることができる。同様の機能は、本家の「ポケットモンスター ルビー・サファイア」のポケモンずかんにもあり新味には欠けるが、生息地で分類できるのはこのアイテムのオリジナル。「草原にはどんなポケモンが生息しているのだろう? 荒地は?」という風に、興味深く楽しむことができた。

 「ランキングモード」は、200種類のポケモンを対象に、「おおきさ」、「おもさ」、「ちいささ」、「かるさ」のベスト3を知ることができる。結果発表の前にはドラが「ジャラララララ……ン」と鳴り響き、気分を盛り上げてくれる。

 「お気に入り」は、ポケモン図鑑の中から好きなポケモンを登録して、そのデータを素早く眺められる、いわばブックマークな機能。「とけいモード」では、アラームを鳴らすこともできる。

「ずかんモード」。ドットが細かいので、グラードンのドゲもきちんと再現できている 「けんさくモード」。タイプ別のポケモンを調べて戦略を練る……なんていう使い方も可能
「ランキングモード」。ポケモンファンなら誰もが気になる内容だ 「おきにいりモード」。お気に入りのポケモンをすぐに探せるブックマーク



クイズにゲーム。そして豊富な隠し要素!

 「はっけんモード」は、ポケモンゲットを疑似体験できるモードだ。平原や池、荒れた道などのフィールドを探索し、ポケモンたちを見つけていく遊びが楽しめる。出現したポケモンは、最初はシルエットなど全体が見えない形で表示され、名前を当てることでゲットできるクイズ形式になっている。本家と比べると、バトルもゲットの駆け引きもないので当初は物足りなく感じたが、どんどんポケモンが集まっていく感じや、本来は進化をさせないと手に入らないポケモンも出現する感じが新鮮で、想像よりもずっと楽しめた。

 「ファンモード」では、クイズをはじめとするさまざまなゲームを遊ぶことができる。クイズは、「足跡」、「サイズ」、「タイプ」、「特徴」の4種類から出題される。筆者は、自身が長くポケモンを遊んでいることから大抵の問題は正解できたが、「サイズ」だけは知識が足らず苦戦した。う~ん、くやしい。この際、すべてのポケモンの身長と体重も暗記するか!

「はっけんモード」。山や海を移動してポケモンを探す。移動方向はジョグダイヤルで変える 「クイズモード」。足跡からポケモンを当てる問題だ
時計機能もある。時限の仕掛けもたくさん隠されているようだ ミニゲーム「ポケモンシーソー」。ミニゲームはまだまだある



 ひと通りのモードを説明してきたが、これだけで終わらないのが、このアイテムのいいところ。たとえば、「はっけんモード」でポケモンをつかまえていたら、同時に巻物も手に入った。巻物にはパスワードが書いてあり、これを入力すると、踊るアチャモのアニメーションが見られるようになった。

 また、遊んでいると突然画面が切り替わり、長くプレイしたごほうびとしてストーンバッジが登録され、さらにはミニゲーム「ポケモンシーソー」が遊べるようになった。「ポケモンシーソー」は、シーソーをジョグダイヤルで操作し、キモリを下に落とさないようにバランスを取るゲーム。シンプルながらも面白く、熱中してしまった。

 こうして手に入ったバッジが最初の1個ということは(全部で8種類ある)、まだまだ隠されている遊びがあることは間違いない。長く楽しめそうなアイテムだ。

 大人のポケモンファンが遊ぶには幼い内容だが、お子さんにねだられたら買い! と断言しておこう。かくいう筆者も娘にせがまれており、クリスマスに贈ろうかなと考えている。


(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokemon (C)2003ピカチュウプロジェクト

□トミーのホームページ
http://www.tomy.co.jp/
□製品情報
http://www.tomy.co.jp/pokemon/pda.htm


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(2003年10月2日)

[Reported by 元宮秀介]


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