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【連載第125回】 あの、おもちゃを徹底レポート




高性能な超小型ボートラジコン!
ニッコー「iBoat(アイ・ボート)」

「iBoat(アイ・ボート)」
発売 ニッコー
価格 2,980円
電源 アルカリ単3電池×2(別売)
発売日 発売中



 ああ、このアイテムが夏の盛りに手に入っていたら……と、悔やまれるのは出来がいいから。今回紹介するニッコーの「iBoat(アイ・ボート)」は、モーターボートをモチーフにした超小型ラジコン。トミーの「ビットチャーG」やタカラの「デジQ」を彷彿とさせる小ささながら、動作性能に優れていて、水の上でマシンを操る面白さを存分に味わせてくれる。

 現在はカラーリングの異なる2種類が発売中。それぞれ使用するバンドが異なり、2台で競争できるようになっている。パッケージには本体とマシンが同梱されており、1つを買えばすぐに遊び始められる。


2基のスクリューで全方向に自在に動く

 マシンの印象は、まさに「アメリカン」。ブルーとレッドが鮮やかなボディに、ファイアーパターンが重なっているそのデザインは、どこからどうみてもアメリカ人好みのテイスト。このアイテム、アメリカで先行発売されたものかあるいは同時発売ものかと想像してみたが、実際はどうだろうか。

 ボディサイズは、約77ミリ。最近流行の超小型ラジコンと比べると、ほぼ同等のサイズだ。しかし、他のアイテムがみな車のラジコンであることを考えると、モーターボートのテクノロジーをここまで圧縮し得た技術力に驚かされる。動力源は、本体の後方に設置された2基のスクリュー。これでどんな推進力を生み出すのか、楽しみだ。

ブルーのボディを持つ「700500A iBoat」 「700500B iBoat」。カラーリング以外はAと同じだ 船体をかっこよく飾れる簡易ディスプレイも付属している
全長は8センチ足らず。手のひらに収まるサイズだ 2基のスクリューでスピードを生み出す ウイングを動かすと、充電口が顔をのぞかせる



コントローラは片手で操作するカジュアルタイプ

 コントローラのアイデアには、「おっ」と目を見張らせられるものがあった。片手で操作できるようにデザインされているのだ。右手の手のひらでボディを握り、親指でコントロールスティックを操る。実際に手にしてみると、カジュアルなフィーリングが伝わってきて、好印象。さあ、遊ぶぞ、と気分が盛り上がってくる。

 マシンへの充電は、他の超小型ラジコンがそうであるように、コントローラを通じて行なう。コントローラーの充電口に、マシンをセットすれば充電開始。コントローラに組み込んだアルカリ単3電池(別売)の電力が、マシンに内蔵されたニッケル水素充電池に蓄えられていく。充電に要する時間は、約2分間。1回の充電で、約6分間の走行が可能になる。

 充電の方法でユニークなのが、“継ぎ足し充電”に対応しているところだ。充電を行なった後、走行をさせずにもう一度充電すると、前のものはそのままに新たに電力が蓄えられるという仕組みだ。これを使えば、走行可能時間が最大3倍にもなる。はじめのうちは「長く遊べるんだなあ」なんて気軽に考えていたのだけれど、いやいやこれは重大な機能だと気づいた。池や川で遊んでいる最中に電源がなくなったら、マシンを回収することができなくなってしまうのだ。そうしたトラブルを少しでも回避する意味もあるのだろう。

コントローラ。グリップが手になじみ扱いやすい 上部のスティックを親指で操り、マシンをコントロールする 充電はこのようなスタイルで行なう


スケールスピード120km/hの速さ!

 いよいよ走行させてみよう。仕事場のユニットバスに水をはり、そこで「iBoat(アイ・ボート)」を走らせることにした。マシンとコントローラの双方の電源をオンにする。マシンを静かに水におろし、コントロールスティックを前方に倒す。動いた! 音を立てない静かな走行だ。なのにスピードが想像していたものよりも速く、力強ささえ感じさせる。それもそのはず、スケールスピードにして、なんと120km/hになるのだという。こんな小さなボディなのに、これほどまでの走行性能を実現しているとは!

 さらに操作を続けていると、速度だけでなく、後退、右前方前進、左後方後退などのあらゆる命令に機敏に反応することがわかり、ますます楽しくなってきた。ちょっと練習を重ねたら、スラロームや8の字操行もできるようになって、いい気分。

力強く、機敏なので水の上をただ走らせているだけでも楽しい 小型サイズなので2台を使ったレースも楽々行なえる

 遊んでいるうちに、操行性能以上に、“小さい”ということが重要な意味を持っていることを発見した。小さいからユニットバスの中でも、2台を競争させることができる。洗面器やバケツの中でも、ひと通りの走行を楽しむことができる。なるほど、これは確かに“遊び”の進化だ。

 いろいろと賞賛してきたが、最後にひとこと要望を。本体のデザインにバリエーションが欲しい。アメリカンタッチなデザインのほかに、大人向けのテイストもあればなお幅広い層にアピールできるはず。性能面のさらなる向上とデザインのバリエーションを含めて、「iBoat(アイ・ボート)」の今後の展開に期待したい。


□ニッコーのホームページ
http://www.nikko-group.com/JAPAN/index2.html
□関連情報
【5月8日】ニッコー、小型ラジコン「iBoat」、「iTruck」を6月中旬に発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030508/nikko.htm


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(2003年9月18日)

[Reported by 元宮秀介]


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