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【連載第121回】 あの、おもちゃを徹底レポート




ゲームボーイアドバンスでラジコンゾイドを操作!
トミー「サイバードライブゾイド 機獣の戦士ヒュウ」

サイバードライブゾイド 機獣の戦士ヒュウ
発売 トミー
価格 9,980円(ゲームボーイソフト付属のフルセット)
サイバードライブゾイド01 ディアブロタイガー(ポップアップキット) 5980円
サイバードライブゾイド02 サイクロプス(ポップアップキット) 5980円
GBAソフト「機獣の戦士ヒュウ」+赤外線アダプタ 5800円
電源 アルカリ単4電池×2(ゾイド本体)
発売日 発売中



 普段は「トイにはあまり興味がないんだよね」という人も、今回だけは必読だ。何しろトイと融合することで、テレビゲームのまったく新しい面白さを追求した話題作だからだ。タイトルは「サイバードライブゾイド 機獣の戦士ヒュウ」。なんと! 今年で発売20周年を迎えるのゾイドの最新作に当たる。

 ご存知の通り、ゾイドは初めはオモチャから生まれたシリーズ。恐竜とロボットをミックスさせて少年の心をわしずかみにするデザインを創造し、幾世代にも渡って支持されている。特に近年は何度目かのブームが盛り上がり、テレビアニメ化され、さらには何本ものテレビゲームが制作されている。

 今回紹介するのはテレビゲーム版の最新作になるのだが、まぎれもない野心作。ゲームボーイアドバンスに専用の赤外線ユニットを装着し、オモチャのゾイドをコントロールする! というのだ。つまり、ゲームボーイアドバンスがラジコンのコントローラになる、というわけだ。しかも、ゲームはRPG仕立てになっていて、ゲームの進行に合わせて、オモチャのゾイドがより機敏に動くようになる仕掛けもある。どうだろう。これはトイファンならずとも、見逃せないアイテムではないだろうか?


「限定カラーフルセット」を購入

 実は筆者、ゾイドで遊ぶのは今回が初めてとなる。ゾイドが誕生した20年前はすでに中学生になっていて、オモチャで遊ぶのはちょっと……という気分だったのだ。とはいえ、ゾイドのカッコよさは十分に伝わってきて意識はしてきたし、最近のブームでも情報収集は欠かしていなかった。だからこそ、今回のレポートは非常にうれしく思う。

 このゲームボーイアドバンスと連動したゾイドは数種類発売されているが、筆者が入手したのは「限定カラーフルセット ディアブロタイガーβ」というパッケージ。さすがにゾイドの超話題作であり、しかも限定カラーということもあって、発売後しばらくすると店頭で手に入れることができなかったのだが、さまざまなショップを巡って何とか購入することができた。

 パッケージにプリントされた「ディアブロタイガーβ」は、真紅のボディーに精悍なルックスで、すこぶるカッコいい。30歳をとうに過ぎた身でも、こんなにも心が震えるのだから、少年たちの興奮ぶりはどれほどのものになるのだろうか。

 パッケージの中には、「ディアブロタイガーβ」のキット。ゲームボーイアドバンス専用赤外線通信アダプタ。そしてゲームソフト「機獣の戦士ヒュウ」と、3種類のアイテムが入っている。まずは「ディアブロタイガーβ」の組み立てから取り掛かろう。

ゾイドのキットとGBAソフトのパッケージが同梱。「新しさ」を予感させる このソフトのために開発された赤外線通信アダプタ



組み立ての醍醐味を味わえる

 組み立て前のゾイドは、ラジコンの機構が組み込まれた本体を中心に手足とシンプルな頭部だけがあり、素体という印象。ここに豊富な数のパーツをくっつけていきながら、完成形に仕上げていく。パーツの数は多く、はじめは「大変かな」と危惧していたのだが、パーツを付けるたびにメキメキとカッコよくなっていき、作業がまるで苦にならなかった。これなら今度ゾイドのキットを買って、休日にでもゆっくりと組み立てを楽しんでみたい、と思わせるものがあった。

 仕上げは、デカールを貼る作業。体全体の目に付くところはみな貼るという多さだが、これがゾイドをゾイドたらしめている要因なのだな、と実感。

 完成形を眺めてみると、メチャクチャカッコいいけれど、ちょっと小さくも感じた。玩具店の店頭で見かけてきた従来のシリーズと比べると、今作はラジコンということもあって、小さめにまとめる必要があったのだろう。

充電時間は10分と長めだが、その分連続して15分間遊べる コントローラを車庫に見立ててカッコよく発進させる遊びもある
ひとまず完成状態。あとはデカールを貼るだけだ コックピットも小さいながらよく作りこまれている



本格的なRPG。バトルは3Dグラフィックスで表現

 次はゲームに着手する。シミュレーションゲームを彷彿とさせる戦闘システムを採用した内容になっていて、子供向きとはいえ、大人でも楽しめるシナリオにどんどん夢中になっていった。

 ストーリーのあらましは、こうだ。

 主人公の少年ヒュウは、ゾイドと人間がいっしょに暮らす惑星で生活をしている。ヒュウはゾイドと心を通わせられる特別な能力を持ち、将来はゾイドと共に悪者を倒す「ゾイダー」になることを夢見ている。
 ある日のこと、ヒュウの目の前に、古代遺跡から発掘されたカプセルを追ったゾイドが現れた。ヒュウはゾイドのディアブロタイガー(サイクロプスも選択可能)に乗り込み、カプセルを奪い返す。その中から現れたのは謎の少女のフレヤだった……。

 ゾイドを操り、敵を倒して手に入れたお金を元に、パーツを購入。ゾイドを強化していく。戦闘シーンはゲームボーイアドバンスソフトとしては珍しく3Dポリゴンによって描写され、見た目は多少荒いが立体感あふれるゾイドのアクションを楽しめるようになっている。

ゲームをはじめたばかりの状態。ほとんどのパラメータが「0」 ミッションをクリアするたびにお金が入り、ゾイドを強化できる ポリゴンで描かれたゾイド。見た目は荒いが、その分動作に力が入っている
攻撃のリアクションも多彩で、バトルを大いに盛り上げる パーツも豊富で、カスタマイズの妙を楽しめる ゲームを進めてゾイドを強化させた状態


ゲームの中からゾイドが飛び出てきたような印象

 肝心のラジコン操作は、ゲームを開始してセーブを一度すれば、行なえるようになっている。ゲーム中のゾイドの成長に合わせて、オモチャのゾイドの動きが機敏になっていく仕掛けがある、ということは冒頭でも述べたが、最初はHPも強さも「1」の初期状態からのスタート。

 手始めにオモチャのゾイドの電源をオンにする。次にゲームボーイアドバンスに赤外線通信アダプタとゲームカートリッジをセットする。ゲームのタイトル画面で、RPGではなく、「ドライブゾイド」モードを選ぶ。そして今度はゲームボーイアドバンスをゾイドの後部にある赤外線ユニットに向ける。これで準備は完了だ。

 ゾイドの操作は、ゲームボーイアドバンスを使うのだから、いわずもがなの内容で、とてもわかりやすい。十字ボタンで前進と後退、そしてBボタン押しで、方向転換となる腰ふり運動、Aボタンで背中の砲塔からBB弾を発射する射撃となる。

 ここから先の筆者は、感激しまくりだ。ゾイドが四足歩行で力強く歩くさまに、まず興奮。歩きながら目が点滅するギミックに、シビれる。そして、ゲームボーイアドバンスの操作によって、ゾイドが前進や後退、BB弾の発射をくり返す様子に、感動。これまでたくさんの優れたラジコンを遊び倒してきたけれど、この感触はまた別物。ゲームボーイアドバンスを操作することで、目の前のオモチャが動くのが新鮮でもあり、不思議にも思える。大げさに言えば、ゲームの中からキャラクタが飛び出してきて、目の前で動いている。そんな印象すらあるのだ。

赤外線通信アダプタをGBAにセット。もちろんSPにも対応 赤外線を感知するユニットは尻尾の上に取り付けられている
GBAの操作にしたがって、BB弾も発射される 操作のイメージ。多少ギコチなさもあるが、それが味にもなっている

【ムービー】
MPEG 1.11MB
 走行をたっぷり楽しんだあとは、RPGをさらに先に進め、ゲーム中のゾイドの強化に努める。もちろん、オモチャのゾイドの走行性能をアップさせるためだ。幾度となくバトルをくり返し、物語を進め、ゾイドの強化に成功。最大4速までの速度チェンジが可能なところ、3速を出せるところまでに成長させた。

 オモチャのゾイドを動かしてみる。Rボタンを押すとギアアップして、ゾイドが速く歩くようになる。スピードアップした様子は、確かに加速はするけれど大幅に速度が上がる、というわけではない。そもそも初期状態の速度が速すぎるのかもしれない。最初はあえてノッシノッシと歩かせて、速度アップが劇的に分かるようにすれば……なんて意見はぜいたくすぎるのかも知れない。

 携帯ゲーム機とトイが完全に融合した。そして、その成果を十分なものだった。これを体験できただけで満足だ。

(c)2003 TOMY/NDCUBE Co.,ltd
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「Mascot Capsuleは(株)エイチアイの登録商標です。」

□トミーのホームページ
http://www.tomy.co.jp/
□「ゾイド」公式サイト
http://www.tomy.co.jp/zoids/
□「サイバードライブゾイド」のページ
http://www.tomy.co.jp/gamesoft/cyberdrive_zoids/


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(2003年8月22日)

[Reported by 元宮秀介]


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