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【連載第117回】 あの、おもちゃを徹底レポート




あの超小型ラジコンの大人版!
トミー「スーパービットチャーG」

スーパービットチャーG
発売 トミー
価格 2,980円
電源 単3電池×2(45秒の充電で2分走行)
発売日 発売中



 トミーの「ビットチャーG」は、ここ数年のトイの中で、最もエポックメイキングな存在といえるだろう。高値の花と思われていたラジコンを、3,000円を切る価格で販売。しかも大型サイズだったラジコンを、手のひらに乗るほどまでのコンパクトなサイズにした。筆者自身もそうだったが、玩具業界が受けたインパクトも相当だったようで、以来「超小型ラジコン」がトレンドとなるほどだった。

 そんな「ビットチャーG」なのだが、デビューからちょうど2年目に当たるこの時期に、方向転換を果たすことになった。対象ユーザーを「子供」ではなく、「大人」にするというのだ。今回の変更は実に大きなものだが、筆者はとても頷ける。「ビットチャーG」の魅力とは、「あのラジコンが安く買える」ということに他ならない。子供の頃にラジコンを買えなかった大人たちの琴線にこそ触れるアイテムなのだ。

 新しくなった「スーパービットチャーG」のラインナップを見れば、その狙いは十分過ぎるほどわかる。「ランボルギーニカウンタックLP500S」に「ランボルギーニイオタSVR」、そして「フェラリー512BB」。そう、'70年代の後半に一世を風靡したスーパーカーブームの中心的な名車が揃えられているのだ。スーパーカーブーム直撃世代としては、胸に迫るものがある。


往年のスーパーカーを揃えたラインナップ

 「スーパービットチャーG」の第1弾となる今回の商品は、過去の「ビットチャーG」の良さがストレートに伝わるオーソドックスな内容になっている。パッケージにはマシンとモーター、そしてコントローラが同梱されており、アルカリ単3電池を2本用意すれば、すぐに遊べるようになっている。

 ラインナップを改めて紹介しておこう。

    01 ランボルギーニカウンタックLP500S
    02 ポルシェ911GT2
    03 スカイラインR34GT-R
    04 RX-7
    05 ランボルギーニイオタSVR
    06 フェラリー512BB

 以上の6セットだ。筆者はスーパーカーブーム時代に最も夢中にさせられた「ランボルギーニカウンタックLP500S」を選んだ。当時の筆者がこれを手にしたとしたら、興奮のあまり失禁するかもしれない。

 パッケージを手にすると「変わったな」と実感させられる。原色を派手にあしらっていた従来のシリーズと比べて、今回の「スーパービットチャーG」のパッケージは、白を基調にした落ち着きのあるデザインになっているのだ。

 パッケージには、本体、コントローラ、そして動力源となるマイクロビーが入っている。遊ぶにはマイクロビーを本体に組み込む作業が必要となるが、まるで手間ではないし、この仕様にした理由もよくわかる。ユーザーにマイクロビーを手にとらせて、その小ささを体感させたいのだろう。10円玉よりも小さなモーターが車を走らせるのだ。筆者はこれまでに何度も手にしたことがあるのだが、今回も改めて「これで本当に車が動くの?」と驚かされたほどだ。

シンプルで端正なパッケージは大人向けの雰囲気 「ランボルギーニカウンタックLP500S」。スーパーカーブームの立役者だ
コントローラーもコンパクト。軽くて扱いやすい マイクロビー。電池と比較するとその小ささがわかるだろう



どこでも自在に走らせることができる

 「スーパービットチャーG」を遊ぶには、まずコントローラからマシン本体へ電力を充電することから行なう。コントローラーの側面にある充電装置にマシンをセットし、待つこと45秒間。これで約2分間の走行が可能になる。

 走行可能な場所は、毛の長い絨毯や砂利道などいかにも無理そうな場所を除いて、基本的にはどこでもOK。床の上でも、机の上でも、「走らせたい」と思ったところで遊ぶことができる。

 コントローラの左側のレバーは、前進と後退。右側のレバーは、左と右。両方のレバーを駆使すれば、右前進、左前進、右後進、左後進が可能になり、合計8方向への移動が行なえる。すべての動作を試してみると、マシンは即座に反応する。3,000円以下だからといって、安さは微塵も感じられない。それどころか「ラジコンで遊んでいる」という興奮に身が包まれる。

 しかも肝心のマシンが、憧れの「ランボルギーニカウンタックLP500S」なのだ。面白くないわけがない。マシンを上手に操作するために周囲を大きく見渡したい。だけど憧れのマシンをジッと見つめていたい。まったく正反対の願望に悩まされながら、楽しい時間を過ごした。

シャーシー。マイクロビーが動力を生み出す仕組みが、ひと目でわかる マシンをコントローラーの側面にセッティングして充電を行なう

コンパクトなボディながらディテールは可能な限り再現されており、眺めているだけで楽しめる

通信可能距離は、最大2メートル。広場で遊ぶことも可能だ
 「スーパービットチャーG」の遊び方は、ユーザーそれぞれの自由だ。心ゆくまで走らせるのもいいし、文房具をパイロンに見立ててくぐり抜けに挑戦してもいいし、ビデオテープを左右につなげてサーキットを作り、タイムアタックに興じてもいい。

 複数のマシンを持ち寄れば、レースだってできる。マシンそれぞれに異なるバンドが割り当てられており、これによって最大6人までのレースが行なえるようになっているのだ (ちなみに従来機は最大4人までだった)。

 カスタマイズも「スーパービットチャーG」の面白さのひとつだ。たとえば別売のモーターを使えば、速度を変えることが可能。最も遅い「マイクロビー1.0」を組み込めば、テクニカルなコースでの走行や車庫入れ遊びができる。最も速い「マイクロビー2.6」にすれば、テクニックがモノをいう激しいレースを楽しむことができる。また「スーパービットチャーG」からラジコン走行機能を省き、480円の低価格で販売されている「プルバックコレクション」を手に入れれば、ボディを交換させて、自分のマシンを別のものに変えることもできる。現在は「童夢 零」や「フェアレディZ」、「スカイライン2000GTーR」など、魅力的なマシンが用意されている。

 過去の「ビットチャーG」は、その後「マリオカート」や「アウトモデリスタ」などゲームに登場する車を商品化したり、ターボ機能を搭載した上位機種を発売したりと、様々な展開を意欲的にくりだしてきて楽しませてくれた。さて、新シリーズの「スーパービットチャーG」ではどのような展開が行なわれるのだろうか。

□トミーのホームページ
http://www.tomy.co.jp/
□「ビットチャーG」のホームページ
http://www.tomy.co.jp/bit_charg/


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(2003年7月10日)

[Reported by 元宮秀介]


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