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【連載第90回】 あの、おもちゃを徹底レポート




最高のテクノロジーを搭載したデジQ
コナミ「デジQフォーミュラ」

「デジQフォーミュラ」
発売 コナミ
価格 各6,980円
電源 アルカリ単3電池×4
発売日 発売中



従来の「デジQ」とは一線を画す本格派志向

パッケージはブラック。本格的、大人向け。そんな雰囲気を出す
 パッケージを手に取った瞬間、思わず「おおっー」という驚きの声が出た。パッケージからみえる「デジQフォーミュラ」の本体があまりにもカッコよかったからだ。これまで当連載で何度も紹介してきたのでご存知の方も多いと思うが、超小型ラジコン「デジQ」は、かの「チョロQ」をルーツに持っている。そのため車体に多少なりのデフォルメを加え、丸みを帯びた特徴的なデザインを施していたのだ。ところがこの「デジQフォーミュラ」は違った。実在のフォーミュラカーをリアルに再現している。しかも手のひらサイズのコンパクトな車種に、可能な限りのディテールを再現しようする意欲の感じられる力の入った造形になっているのだ。

 「デジQフォーミュラ」のラインナップとして現在は、マシンとプロポがセットになった「スタータキット」と「マシンの単体」が販売されている。車種は「McLaren Mercedes MP4-17」、「WilliamsF1 BMW FW24」、「2002 TOYOTA TF102」、「JORDAN HONDA EJ12」、「Ferrari F2002」の5種類。中から筆者は「JORDAN HONDA EJ12」を入手した。あざやかなイエローに統一された本体をチェックしてみると、全体のフォルムはもちろん、ドライバーのヘルメットのシールにいたる細部までがキチッと作りこまれて、非常に好印象だ。

「JORDAN HONDA EJ12」の本体。そのまま机の上に飾りたいほどだ



壊れたときのリペアパーツが付属!?

 プロポは「デジQフォーミュラ」の専用プロポを使用する。しかもさまざまなセッティングが可能な「デジプロポスペシャル」なのだ。カラーリングは光沢をおさえたシックなブラック。こちらも本体に負けじと本格的な雰囲気をかもし出している。

 いままでに何度も遊んでいるからセッティングはお手のもの。プロポにアルカリ単3電池を4本入れて、プロポ側面にある充電ドッグにマシンをセット。これでマシンに電力が供給される。これまでの「デジQ」シリーズには、このときのセッティングがいまいちしっくりとこない種類があり、ストレスを感じさせられたが、今回は改良されている。

 さて、充電が完了するまであと10分ほど待とうか、と思った筆者の目に見慣れぬパーツが飛び込んできた。白いプラパーツだ。それを飾るためのデカールも付いている。こんなの、今までの「デジQ」になかったぞ、と取扱説明書を読んでみると、疑問は氷解、というか新たな不安が襲ってきた。このパーツは、スペア用として用意された車両のフロントパーツだったのだ。すると何かい? フォミュラーカーだけに速度がものすごく速くて、壁や家具に激突して、すぐに壊れるとでもいうのかい? 実際に本体を走らせるのが楽しみでもあり、そして少し不安になってきた。

「デジQフォーミュラ」の専用プロポ。こちらもブラックで統一 ハンドガンをイメージさせるデザインがクールだ マシンへの電力供給はこうして行なう。充電時間は約10分間



最高の走りを実現する数々のテクノロジー

 ここで「デジキQフォミューラ」に特別に搭載されたテクノロジーを紹介していこう。まずは最初は「超小型モーター」。これまでの「デジキュー」の核となる部分だが、「デジQフォーミュラ」は2基搭載し、左と右の後輪がそれぞれ独立して動くようになっている。曲がるときは左右のモーターの回転速度を変え、スムースなコーナーリングを実現。高速や低速で曲がるときも、それぞれのスピードに応じて最適な回転比率を左右それぞれのタイヤに伝える、という芸の細かさだ。

 つぎは「赤外線受光部」。コクピット部に搭載することで、CPUとダイレクトな通信が可能になり、マシンの反応速度を高めるのに一役買っている。そして「CPU」。スピード、アクセル、ステアリングバランス、ブレーキを個別に設定することができ、これまで以上にプレーヤーの意思に限りなく近づいた繊細なドライビングを実現している。

 今回の目玉のひとつといえるのが「ステアリングシステム」。細かなサスペンションアームで構成されている実車のフロントサスペンションを再現し、コーナーリングのタイヤの挙動を現実に近く表現している。

 マシンへの充電の進行度を示す、プロポのチャージボタンが赤から緑へと変わり、充電が完了したことを告げた。そろそろ走らせてみようか!

受光部はマシンの上部にあるが、デザインを壊さないような配慮がされている 最高の走りを実現するフォーミュラーカーのサスペンションを再現している



プレーヤーの操作に俊敏に反応する最高のフィーリング

 マシンを床にそっと置く。プロポのトリガーを軽く引く。いざっ! あれっあれれ、動きません。毎度、「デジQ」を遊ぶときに必ずひっかかることなのだけれど、IDの切り替えが必要なのでした。「デジQ」は最大4台までの同時走行が可能になっていて、1台1台の識別はマシンに振り分けられたIDで行なう仕組みになっている。「デジQフォーミュラ」の場合は、すでに車種ごとにIDが割り当てられ、筆者が選んだ「JORDAN HONDA EJ12」のIDは「4」だったのだ。

 あわててプロポのIDスイッチを「4」に切り替え、トリガーを引きなおす。軽いモーターの動作音を立てながら、マシンが走った! 意外だったのは、マシンの最高速度。あまりに速いとコントロールできないかも……と内心で恐れていたのだが、思っていたよりは速くない。しかし、マシンの挙動はすごい。直進、左右への旋回、後退、とさまざまな命令を複雑に、くり返し与えようとも、キビッキビッとした動作で反応し、操作をするのがなんとも心地よいのだ。さきほど紹介したいくつもの技術が、ここに結集されているのがわかる。

プレーヤーとマシンの一体感は、シリーズ中最高のもの
【ムービー】
「デジQフォミューラ」の走行
MPEG、110KB



セッティングも特殊走行も思うがまま

 「デジプロポスペシャル」のセッティング機能を使うと、マシンの走行性能をカスタマイズすることができる。項目は以下の4種類。最高速度を調節する「スピード」。速度上昇率を上げる「アクセル」。旋回性能を調整する「ステアリングバランス」。トリガーを離してからの停止距離を調整する「ブレーキ」。これを自在に変更することで、自分の好みの、あるいは自分の腕前にあったマシンにすることができる。また随時コナミの公式サイトを通じて公開される4桁のパスコードを入力すれば、いろいろと特別な走行が可能になる。現在は、「デジQフォーミュラ」専用ではないが、デジQを戦車のように超信地旋回させられるコードや、トリガーをマックスに引けば、デジQがクルクルと回るバレエモード、あるいはバックの操作をなくしたレース仕様コードなどが公開されている。

マシンのセッティングやコードの変更は液晶パネルを利用して行なう
【ムービー】
各セッティングを「最高」状態での走行
MPEG、77.5KB


 そうこうして遊んでいるうちに強く感じるのが、やはり「人とレースがしたい」ということ。「デジQフォーミュラ」の俊敏な動きを体感していると、そんな気持ちが胸の奥からフツフツと湧き上がってくるのだ。そうだ、筆者の周囲では「コンバットデジQ」が流行っているから、彼らを巻きこむことにしよう!

□コナミのホームページ
http://www.konami.co.jp/
□「デジQフォーミュラ」シリーズのページ
http://www.konami.co.jp/th/micro_ir/formula/


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(2002年11月28日)

[Reported by 元宮秀介]


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