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【連載第89回】 あの、おもちゃを徹底レポート




コミカル!パワフル!対戦できるK1フィギュア
コナミ「ダッシュチャージバトル K1グランプリファイト」

「ダッシュチャージバトル K1グランプリファイト」
発売 コナミ
価格 各1,200円
電源 アルカリ単3電池×3
発売日 発売中



「高速リアルファイト!」って何?

 絶大な人気を誇る「K1」から、ユニークなアイテムが産み落とされた。アーネスト・ホースト、ジェロム・レ・バンナ、ピーター・アーツ、マーク・ハント、ミルコ・クロコップ、レイ・セフォー。この名実ともに人気を誇る6強がフィギュア化され、しかもそれで対戦できるというのだから興味がわく。ブリスターパックの裏面を見てみると、「10秒チャージでフル充電!」「高速リアルファイト!! KOを狙え!!」と熱いキャッチコピーが書かれていて、なんだか妙にそそられる。これはいったいどんなトイなのだろう? 遊んでみるしかないっ。

商品はブリスターパック仕様。好みの選手をチョイスしやすい



微妙なコミカルさを残した造形

 筆者が購入したフィギュアは、ミルコ・クロコップ、マーク・ハント、ジェロム・レ・バンナの3体。ひとつひとつをブリスターから取り出して、まずは造形の出来栄えをチェックしてみる。ムムッ! 似ているかといえば、昨今の超絶なフィギュア群の水準からすれば、微妙なところ。ただし、同じスポーツ選手のフィギュアとして、MLBの首ふり人形と比べれば、まったくもってはるかに似ている。ようは昨今のリアル志向のフィギュアとは異なり、トイらしいコミカルさを残した造形を狙ったというところなのだろう。それぞれの選手のファンのみなさん、どうですか。似ていますか?

マーク・ハント、ミルコ・クロコップ、ジェロム・レ・バンナの顔。似ている人とそうでない人の落差が激しいような……


 ボディは、さすがに対戦の使用に合わせて大幅なデフォルメが施されている。パンツがエラクでかくて、足は非常に短い。それぞれ首とひじ、そして手首が可動するようになっている。3体を見比べてみると、ある大きな違いに気がついた。ミルコ・クロコップだけ、左足が浮き上がり、キックをくり出せるようになっているのだ (クロコップ以外ではアーネスト・ホースト、ピーター・アーツは右足が浮き上がり、レイ・セフォーは左足が浮き上がっている) 。パッケージを裏面を読み込むと、選手の特徴に合わせてパンチタイプ、ミドルキックタイプ、ハイキックタイプなどが用意されているという。なかなかに芸が細かい。

 同梱のパーツに目を向けてみよう。フィギュアと同じ10センチの大きな筒は、バッテリーチャージ用のパック。中にアルカリ単3電池を3本入れて、フィギュアの背中にある金属部に押し付ければ、開始からわずか10秒程度で充電が完了する。青いプラスチックの板は、バトルレール。プラレールのレールのように複数枚を連結させて、リングを作成する。

マーク・ハント、ミルコ・クロコップ、ジェロム・レ・バンナの全身。精悍な顔とは裏腹にボディは相当デフォルメが効いたデザインになっている



フィギュアにバッテリーを充電して試合開始!

 バッテリーチャージャーをフィギュアの背中の金属部に押し付けてみる。1秒、2秒、3秒……。10秒たたないうちに、マーク・ハントが両腕をふりはじめた。前ッ、後ろッ、前ッ、後ろッ。予想だにしなかった、すごい速さだ。まるで機関車のよう。そのあまりに激しく、だからこそおかしみのある様子に数秒笑い転げる。アッハッハッ、おもしろいぞ、これ。こんなにもパワフルなら、対戦がいよいよ楽しみになってくる。

バッテリーチャージャー。選手のサインシールが貼られている フィギュアの背中にチャージャーを押し付け充電開始!


 レールを連結して、リングを作成。事務所のスタッフと、それぞれマーク・ハントとジェロム・レ・バンナを担当分けして、対戦してみる。まずはチャージ。2体のフィギュアが腕をふる音がガシャガシャとやかましく、対戦の雰囲気を一気に高める。よしっ、同時に2体のフィギュアをレールにセッティングだ。バトル開始! 激しい、おそろしく激しいパンチの応酬だ。対戦のあいだ、ユーザーは何も関与することができず、ただ見てるだけになる。それでも飽きさせないのは、ひとえにフィギュアのくり出す手数が多く、見ていて圧倒されるからだ。はじめはグローブとグローブをガチガチとぶつけあっているだけだったが、お互いの体勢が少しずつずれはじめると、パンチが相手のアゴやボディに食いこむようになってきて、おおっ、本当の格闘技の試合みたいだぞ。

付属のレールを2本組み合わせてリングを作成。別売の豪華なリングもある 試合。息をもつかせぬ連打が炸裂して、見る人を圧倒する


 正直に言えば、筆者は格闘中にユーザーが関与できないと知った瞬間、ちょっと物足りないかな……と感じたのだった。駆け引きが少なそうだと思ったからだ。確かに多くはないけれど、これはこれで楽しめる。しかも、手首を回転させたり、あるいはひじを調節したりすれば、異なるブローがくり出せるのだ。
 たとえば、マーク・ハントの手首を回転させて、アッパーが出るようにしたり、ジェロム・レ・バンナのひじを大きく広げて対戦したら……意外や意外、パンチがいかにも当たらなさそうなジェロム・レ・バンナが圧勝したのだ。それ以上にヒット率が高いキックをくり出すミルコ・クロコップがやはり強かったり、あるいはバッテリーが切れる寸前、すっかり遅くなった動きからくり出される攻防が面白かったりと、混とんとしたムード。奥の深さを感じさせもするが、それが過大評価のような……。ひと口では断言できないような魅力が確かにある。充電開始からわずか数秒で対戦ゲームが楽しめる、というお気軽さはまたやってみよう、仲間を増やそう、という気にさせる。K1マニアの方、いかがでしょう?

マークハントのアッパー。これで相手をひっくり倒すのがねらい ミルコのひざ。腕よりもリーチが長いので基本的には有利


 コナミのサイト内の商品ページをチェックしていたら、同規格のトイで「あしたのジョー」バージョンがあるのを発見。矢吹丈を中心に、力石徹、カーロス・リベラ、ハリマオ、ホセ・メンドーサと歴戦のライバルがズラリ。その中に丹下段平がラインナップされているのはどうかとも思うが、これはこれで楽しそうではある。じつは筆者、無類の「あしたのジョー」ファンなのだ。これも手に入れてみるかな!

(C) K-1 2002 (C) 2002 KONAMI

□コナミのホームページ
http://www.konami.co.jp/
□「ダッシュチャージバトル」シリーズのページ
http://www.konami.co.jp/th/dash/
□関連情報
【10月5日】コナミ、「K-1ワールドグランプリ2002」会場前広場にK-1関連タイトルを出展。ファンの反応は良好
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20021005/konami.htm
【11月20日】コナミ、10秒チャージでポコポコとリアルなファイトを展開
ダッシュチャージバトルに「あしたのジョー」登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20021120/konami.htm


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(2002年11月21日)

[Reported by 元宮秀介]


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