「K.O.しようぜ! エキサイトボクシング」 | |
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発売 | エポック社 |
価格 | 6,980円 |
電源 | 本体:単3電池×4(別売) グローブ:単4電池×4(別売) |
発売日 | 発売中 |
これはいいよ! スカッとするよ!
今回取り上げるのは、当連載でも追いかけ続けている「エキサイト」シリーズの最新作「K.O.しようぜ! エキサイトボクシング」だ。「エキサイト」シリーズをご存知のない方のために簡単に説明すると、これはエポック社がリリースしている体感ゲームのラインナップ。家庭用ゲーム機とは異なり、ハードとソフトと専用コントローラーが1パッケージに収められていて、価格は6,000円前後と低めの設定になっている。専用コントローラを使用するゲームはもちろん、プレイステーション 2向けにも数多く登場しているが、遊ぶためにはソフトとコントローラの両方を購入しなければならないことがおおい。ところが「エキサイト」シリーズなら、ハード、ソフト、コントローラがすべてがそろっていながら、プレイステーション 2向けのソフトとほぼ同額の価格なのだからお得だ。この手軽さが受けて、子供たちの間でヒットを続けている。ラインナップもプロ野球からはじまり、ピンポン、バスフィッシング、サッカー、テニスと豊富に揃ってきた。
今回の「KOしようぜ! エキサイトボクシング」は、同シリーズ初となる格闘技をモチーフにしたゲームとなる。対戦相手を殴りつける気持ちよさがどこまで体感できるのか。そこを重視しながらレポートしていこう。
ハード、ソフト、コントローラ、ケーブルが同梱され、別途電池を用意すれば遊べる | タイトル画面。2つのゲームモードのほかに、記録を見られる「ランキング」がある |
■ グローブ型コントローラーは安全対策もバッチリ
パッケージの中には、ソフトが内蔵された本体と、グローブ型のコントローラが2個、そしてAVケーブルが入っている。すべてが同梱され、準備や設定がいらずに、すぐに遊び始められるのが「エキサイト」シリーズの共通の魅力だ。今回のレポートでは、このセッティングの段階で、大きなトピックがある。本体に電源を供給するために、専用のACアダプターを購入したのだ。新しいタイトルが登場するたびに、電池を購入するのも不経済。それならいっそACアダプターを購入してしまえ……と考えたのだ。本体にACアダプターを挿し、テレビと本体をAVケーブルで接続。さあ、遊ぶぞ……と意気込んだのもつかの間、タイトル画面から先に進めない。どうしたものか、と原因を探ったら、そりゃそうか。グローブ型のコントローラに電池を入れていなかった。今回はACアダプターを購入したので、電源関係はすべてオーケーと勘違いしていたのだった。あわてて、右と左のグローブに単4電池をセットする。
グローブ型のコントローラは、本物よろしく中に手を入れるものと想像していたら、大きく異なっていた。グローブの内側に、プラスチック製のグリップが用意されていて、それをガシッと握るのだ。グリップには指のガイドもあり、しっかりしたホールド感が得られる。親指が当たる部分にはボタンがあり、これはガードの動作に使用する。コントローラを振ればパンチがくり出され、ボタンを押すとガードの構えを取ることができる。グローブの内部には綿が詰め込まれているのだろうか、触ると非常に柔らかい。これなら子供がグローブを振り回して、家族や家具にぶつけてしまっても、怪我に発展する心配は少ないだろう。
本体には赤外線受光部も内蔵され、専用コントローラからの信号を受信する | ついに購入したACアダプター。もちろんシリーズすべてのタイトルで使用可能だ |
コントローラはグリップを握り、さらに2カ所のベルトでガードするため安全対策は完璧 | 左右それぞれの手でコントローラを握ってプレイする |
■ コントローラを振ると間髪入れずにパンチが放たれる
テレビの前に本体を置き、そこから2メートルの範囲でプレイする。これが「エキサイト」シリーズの基本だ。グローブ型のコントローラが発信した命令を、本体が感知し、その結果がゲームに反映されるという仕組みだ。
パンチを打つときは、右手と左手に握られたグローブ型のコントローラを前に突き出す。これで画面の主人公がパンチをくり出す。アッパー、ボディ、フックなどを打ち分ける機能はなく、ゲーム中の展開に応じて、適切なパンチがくり出されるようになっている。
さあ、遊んでみよう。ゲームは難易度別に「アマチュア」と「プロ」に分かれている。ここではひとまず「アマチュア」を選択する。次に、対戦するキャラクタを選ぶ。最初は3人の中から選択することができ、もっとも弱そうな「ヒロ・ミヤモト」に決定。
ゴングが高らかに鳴り響き、試合が開始される。画面は一人称視点となっており、キャラクタの造詣や背景、メーターなどに、任天堂の名作ゲーム「パンチアウト!」の影響が色濃く感じられる。
まずは右腕を前に突き出し、右パンチを放つ。間髪入れずに、画面の中の主人公が右パンチを素早くくり出す。パンチはそのままヒロ・ミヤモトの顔面を直撃! 「入力」から「実行」までにタイムラグがなく、自分の右手がそのまま画面の中に伸びているかのような良好なフィーリングだ。しかも、対戦相手のリアクションがオーバー気味で、パンチをぶち当てた! という気分になれる。これは気持ちいい。右パンチから左パンチ、左から右とパンチを交互に出しても、一切の遅れはない。ほんのたまに、グローブを握る手の揺れが感知されてしまい、出していないパンチが打ち出されることはあるが、これは許容範囲だろう。
ラウンドガールも登場。意外と肉感的でドキドキ | 対戦するライバルボクサーに勝つにはまず弱点を探し出すことだ | コントローラを突き出し、画面の中のライバルにパンチがヒット! |
■ クライマックスはパンチを連打! 連打! とにかく気持ちいい
相手キャラクタに大量のパンチをお見舞いすると、「RUSH!」というサインが表示され、さらにパンチを叩き込めるチャンスに突入する。右、左、右、左と今まで以上に激しい速度でパンチを打ち込むと、次に「FINISH!」と表示される。このときフィニッシュブローを一発放てば、相手をマットに倒すことができる。通常のパンチでも十分に気持ちよいのに、乱打を畳み掛けるラッシュがあり、しかも渾身の一発を打てるフィニッシュが用意されていて、とても爽快だ。とくにラッシュからフィニッシュに至るまでのクライマックスは、相手をマットに沈めようと気分も高揚しているため、格別の気持ち良さが味わえる。この「パンチの快感」に重点を置いた演出には、賞賛を贈りたい。
コントローラのボタンを押すと、ライバルのパンチをこのようにガードする | 「RUSH!」の表示が! すかさずパンチを連打しよう | 「FINISH!」。フィニッシュブローを放てばダウンを奪える |
■ 2番目の対戦相手からガードも必要になってくる
ふたり目の対戦者は“フェルナンデス”。メキシコ出身のボクサーという設定で、顔の2倍はある過剰なアフロヘアが特徴だ。さすがにひとり目よりも強さが増していて、こちらのパンチを軽やかにかわし、そのままアッパーを3連続でくり出してくる。はじめはこの速度についていけず、連打を浴びて、ダウンをしてしまった。
ダウンになると、画面は主人公の見た映像に切り替わる。リングを照らすライトが見え、そしてカウントを叫ぶレフリーが腕を振るう映像だ。ダウンから立ち上がるときは、グローブ型のコントローラを素早く振る。振った数だけ体力が回復し、メーターが満杯になると、試合が再開される。もちろん、体力が回復しきる前に、10カウントされてしまったら負けとなる。
ダウンから立ち直った瞬間、フェルナンデスの攻略法をひらめいた! ガードを多用して連続アッパーをかわしながら攻撃のチャンスを見出し、一気に攻め込めばいいのだ。それから後は完全にこちらのペース。「RUSH!」では我ながら驚くほどの連打を放ち、「FINISH!」では右腕に力を込めて最高に素早いパンチを突き出す! いやあ、気持ちいい!
10カウントされる前にコントローラを振って体力を回復させる | 2番目の敵、フェルナンデス。激しいフットワークで攻めてくる | 3番目の敵、水無月うさぎ。見かけによらず、めちゃくちゃ強い! |
■ 3番目の対戦相手は女の子ながらテクニカル
3人目は、なんと女の子の水無月うさぎ。ピンクの髪をウサギの耳のように立て、ヘッドギアをかぶっている。アフロの次がこれかよ~! と緊張感がゆるむが、これは巧妙な罠だった。試合が始まるやいなや、リングを左へ右へスピーディにかけめぐり、連打を叩き込んでくるのだ。しかもその量が半端じゃなく、なかなか勝機を見つけることができない。一気に3連敗を喫してしまった。ふと気が付けば、連戦に次ぐ連戦で両腕はパンパンになり、息もすっかり上がっている。この状態で続けてもまず勝てそうにないので、試合を見守っていた7歳の娘にバトンタッチ。若さでカバーできるかなと期待を寄せたのだが、水無月うさぎのテクニカルな攻撃に翻弄され、ストーレート負け。その見事な負けっぷりにブルーになってしまった。その後、妻が参戦したり、筆者が再挑戦したりと、試合をくり返したが、どうしても勝つことができなかった。元気あふれる少年たちには、これくらいの手ごたえがあるほうが刺激があっていいのだろうなあ。
■ “モーニング娘。”の曲をBGMにボクササイズも楽しめる
ボクササイスが楽しめるモードもある。ボクササイズは、音楽に合わせてパンチを放っていく、ボクシングの動きを取り入れたトレーニング法。ダイエット効果も高く、巷のOLたちにも人気を集めている。
BGMにはさまざま曲が用意されており、“モーニング娘。”の「そうだ! WE ARE ALIVE」やフィンガー5の「学園天国」などがある。
ボクササイズを始めると、画面の左上に水無月うさぎが表示され、まずは彼女が「右! 左!」というふうにお手本を披露。そのあと、指示通りに、テンポ良く、パンチを打つことができればオーケーだ。その動作を取ることで消費されるカロリー量も表示されるので、ダイエットの目安にもなる。しかし、わかってはいるけれど、カロリーというヤツは、なかなか燃焼しないものだ。「そうだ! WE ARE ALIVE」の曲が流れる間、ずっとパンチを放ったとしても、消費されるのは1.5kカロリー程度。ご飯1杯が約200kカロリーだから米粒3つ分くらいの燃焼か!?
遊びに加え、健康作りに役立てられるモードがプラスされたことは、高く評価したい。だけど、BGMの音色に表現力が乏しく、音楽に乗ってスポーツを楽しむ、という気分になれないのは残念だ。この点は次回作以降でのパワーアップに期待したい。
ボクササイズを実行する前に、BGMを選択する | 指示に通りにパンチ! パンチ! カロリーを消費させよう |
□エポック社のホームページ
http://www.epoch.gr.jp/
□「体感ゲーム」ページ
http://www.taikan-game.com/
□「K.O.しようぜ! エキサイトボクシング」ページ
http://www.taikan-game.com/boxing/top.htm
毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)
(2002年8月22日)
[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]
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