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【連載第77回】 あの、おもちゃを徹底レポート




豪快なチャンバラごっこが楽しめる!
タカラ「ズバズバブレード」

「ズバズバブレード」
発売 タカラ
価格 6,800円
電源 単3電池×4(別売)
単4電池×4(別売)
発売日 発売中


 ビートたけしの往年の名作ギャグ「修学旅行に行くと、必ず木刀を買っちゃうヤツ」じゃないけれど、大小含めた“男の子”は、剣や刀にわけもなく惹かれるものなのだ。今回紹介するのは、そんな男の子の嗜好を狙い撃ちしたアイテム。豪快なチャンバラ遊びが楽しめる「ズバズバブレード」だ。ソフトとゲーム機本体が一体化していて、付属のケーブルをテレビに接続すればすぐに遊べる「PlugIt!」シリーズの最新作だ。


ハード本体が飾り台に! 遊び心溢れるデザイン

 パッケージには、青と赤にカラーリングされた全長40センチ程度の刀が2本入っている。標準でふたり同時プレイができる仕様になっており、これはポイントが高い。しかもゲームには使用しない鞘(さや)も付属している。鞘とはいえど、刀を鞘から抜くアクションがあるとないとでは“チャンバラごっこ”の気分が違うので、この配慮はうれしいところ。

 CPUとソフトが内蔵された本体は、さらに“技”が光る。何と刀の飾り台のデザインになっており、実際に2本の刀をディスプレイすることができるのだ。これを床の間に飾っておけば、骨董品と間違える人が続出……することはないけれど、遊び心に溢れた仕掛けがとてもいい。

 刀は柔らかなプラスチック製。グリップは大人が握っても違和感がなく、しっかりと作られている印象だ。ひとさし指の当たる場所にはトリガーが用意されていて、特定のゲームで使用する。

刀と鞘。鞘には「PlugIt!」のロゴが家紋として貼ってある 刀を握る標準的なスタイル。手首にストラップをかけ、トリガーに指をかける
本体とテレビをケーブルで接続すれば、すぐに遊び始められる 本体に支柱をつけ、刀をセッティング。どこから見ても飾り台だ



職にあぶれた武士になり、さまざまな仕事に挑戦する

 ゲームの舞台は、江戸時代の末期。職にあぶれたスゴ腕の剣士が、食費を稼ぐべく、さまざまな仕事にチャレンジする、という設定だ。ちなみに、1Pのキャラクタは、青山剣ノ真。ブルーの愛刀には、青龍斬という名前がついている。2Pは、赤坂十兵衛で刀の名前は鳳凰丸だ。

 ゲームは、人でにぎわう城下町からはじまる。ここで仕事を探し、お金を稼いでいく。ゲームは大きく3部構成となっており、城下町の人たちの仕事を手伝う「町人手伝い編」から、剣士らしい命がけの仕事が舞い込む「激闘編」。そしてすべてが謎に包まれた「?編」へと進んでいく。ゲームの結果は、自動的に保存され、次第にスケールアップしていくストーリーの変遷を楽しむことができる。

 最初はもちろん「町人手伝い編」からだ。筆者は青龍斬を握り7歳の娘には鳳凰丸を持たせ、2人同時プレイにチャレンジしてみた。数ある仕事から、手ほどきに「料亭」を選んでみた。寄せ鍋をしているテーブルの接客係として、次々に運ばれてくる肉や野菜を刻む、というゲームだ。肉や野菜が画面の右から左へと素早く流れてくるので、刀をタイミングよく振ることがポイントだ。

 一番目の糸こんにゃくが、画面の中央にきたところで、刀を振るう。するとこんにゃくが切断され、鍋に落ちる。これでオーケーだ。しかし、娘の方がタイミングが早かったらしく、赤い軌跡のみ画面に光る。なるほど、2人で対戦した場合は、刀を振るうタイミングが早かった方のプレーヤーの得点となるのか。であれば、負けるわけにはいかない。俄然とやる気が出てくる。

 次の食材は……何とひょっとこのお面だった。こうしたトラップもあるのか! 「あっ、しまった!」と頭では思いながらも、体への抑制は効かず、そのまま刀を振り下ろしてしまう。ひょっとこのお面がふたつに割れて、鍋の中に落下。通常の食材ならば、「おいしい!」と声を上げていた町娘も、ひょっとこのお面だけは、「おえええ」と吐き出している。タハハ、そりゃそうだ。

最大2人までの同時プレイが可能。難易度も3段階用意されている 城下町で、遊びたいものを選択し、刀を振ればゲームスタート 「料亭」。誤ってゾウリを切り落としてしまった瞬間



対戦プレイと協力プレイ。バリエーション豊かな遊びが楽しめる

 今度は「田んぼ」に挑戦してみた。右から左へと駆け抜けるイノシシを捕まえるため、上につるされたかごの紐を切るという内容だ。2本の紐をタイミングよく切ることができれば、かごはイノシシの頭上に落下して、見事に捕まえることができる。イノシシが来た! 娘と同時に、刀を下ろす。2本の紐がそれぞれ切れて、かごが落下。イノシシを捕らえることができた。このときは、たまたまうまくいったのだけれど、実はタイミング合わせにはコツがいるのだ。片方のプレーヤーの刀が先に振り下ろされると、かごはうまく落下せず、イノシシを逃してしまう。

 ここまで遊んで、ハタと気づいた。先ほどの「料亭」は2人の「腕比べ」が主眼だったのに対し、この「田んぼ」では「協力プレイ」が楽しめるようになっている。なるほど、遊びのバリエーションを豊富にそろえ、ユーザーを飽きさせないような作りをしているのだな。これは好印象だ。

 「歌舞伎座」は、ちょっと複雑なルール。2人のプレーヤーは、舞台の黒子となって、それぞれ左右に配置されている。舞台で演じている役者の頭上には、なぜかタルが落ちてくる。激突を防ぐべく、刀で床を叩き、右へ左へと傾けて、役者を安全な場所に導くのだ。

 役者を右に動かしたいときは、右側に配置されている2Pプレーヤーが刀を振るう。左に動かしたいときは、1Pプレーヤーの出番だ。状況を瞬時に判断して、お互いに「右!」「左!」と声をかけあって、刀を振る。これも協力プレイのバリエーションのひとつだが、「田んぼ」とまた異なる面白さが味わえる。

「田んぼ」。かごを落として、イノシシをつかまえる 「歌舞伎座」。役者にタルが当たらぬように、床を傾け誘導する



もちろん真剣勝負もあり!

 「道場」は、それまでのムードと一変し、緊張感にあふれたゲーム。道場破りの敵と刀を交えるのだ。ここではじめて、刀のトリガーを使うことになる。画面の敵が上段か下段のいずれかで攻めてくる。相手が下段から攻めてくるなら、こちらもトリガーを一回押して、下段の構えにしてから応戦する。上段ならば、さらにトリガーを押して、上段の構えにして刀を振る。基本的には敵の攻撃に対して防御をするのだが、防御を長く続けることができると、攻撃に転じることができる。食材や紐を切るのも愉快だけれど、敵をズバッと切りつける気持ちよさは、やはり格別だ。

「道場」。相手の動きに応じて、刀の構えを切り替えながら勝負する 「つばぜり合い」。刀を速く振り、相手を海に叩き落した方が勝ち 「居合抜き」。どちらが先に刀を振れるか。俊敏性を競う


 「町人お手伝い編」を遊び尽くし、得点を貯めたところで、タイムリミットを迎えてしまった。残念!! まだゲームの三分の一程度にしか遊んでいないが、それでも充分に堪能することができた。ずっと刀を振り続けていたため、腕はパンパンだが、気分は爽快だ。ここまで読まれた方なら、数々のミニゲームは、それぞれ異なる面白さが味わえるように工夫されていることにお気づきだろう。プレーヤーを楽しませようとする意欲と、飽きさせまいとする配慮が、実に効いている。もし、お子さんにねだられたり、あるいは知人の子供へのプレゼントを探しているのなら、この「ズバズバブレード」は間違いなく“買い”だろう。

(C)TAKARA COMPANY LIMTED 2002
(C)2002 SSD COMAPNY LIMTED

□タカラのホームページ
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(2002年8月8日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


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