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【連載第75回】 あの、おもちゃを徹底レポート




体感ゲームの“元祖”がより充実して再登場!
エポック社「勝負しようぜ!!エキサイトスタジアムDX」

「勝負しようぜ!!エキサイトスタジアムDX」
発売 エポック社
価格 6,980円
電源 単3電池×4(別売)、単4電池×4(別売)
発売日 発売中


 間もなく8月に突入し、ペナントレースも真っ盛り! プロ野球ファンなら、ただでさえ楽しい野球がますますもって熱くなるこの時期にご紹介するのが今回のアイテム。当連載でも常にウォッチし続けているエポック社の「エキサイト」シリーズの新作「勝負しようぜ!!エキサイトスタジアムDX」だ。

 「エキサイト」シリーズをご存知ない方に概要を説明すると、これはハードとソフトと専用コントローラが一体化したテレビゲーム。専用コントローラによる体感的な操作感覚と、AVケーブルをテレビに接続すればすぐに遊べるというお手軽さが受けて、低年齢層を中心にヒットを続けているのだ。

 「プロ野球」をモチーフにした「エキサイトスタジアム」は、これが2回目の商品化となる。1作目は「ホームラン打とうぜ!エキサイトスタジアム」というタイトルで、バッティング限定のゲームだった。今回はバッティングに加え、ピッチングも楽しめるようになり、「DX」の名にふさわしい豪華仕様になって再登場を果たしたというわけだ。

ソフトを内蔵した本体と、コントローラが2基、そしてAVケーブルが同梱されている タイトル画面。「勝負しようぜ!!エキサイトスタジアムデラックス!」とのかけ声が響き渡る


専用コントローラの出来栄えをチェック

 パッケージには、本体と専用バット、専用ボール、そしてステレオAVケーブルが同梱されれいる。本体には心臓部とも言えるチップとソフト、そして専用コントローラの動作を感知する赤外線受光部が内蔵されている。表面には方向ボタンと○ボタン、Xボタンがあり、ゲームの設定や準備ができるようになっている。

 専用バットは、先端にはスポンジがかぶせられ、グリップには滑り止め防止の溝が刻まれており、“子供向けの玩具”としての安全性は十分に配慮されている。シェイプは短くて太めなデフォルメがなされているが、グリップの長さ、太さは実際のバットを思わせる仕様で、「バットを握っている」という手応えが感じられる。

 専用ボールはむろん牛革張りではないのだけれど、ボールの縫い目がしっかりとモールドされており、雰囲気は満点。表面には球種を変更する4個のボタンが設けられている。  テレビと接続した本体を床に置き、約2メートルの範囲に立って、バットを振り、ボールを握る手を振り下ろす。これが基本的なプレイスタイルだ。

本体。赤外線受光部を内蔵し、専用バットやボールの動作を感知する 専用バット。先端部はスポンジが使用されており、安全対策もバッチリ 専用ボール。子供の手になじむように、通常の硬球よりもひとまわり小さく設計されている


ホームランを量産。パワーヒッターになったかのような気分!

 ゲームは3種類。バッターとなってホームラン競争にチャレンジする「ホームランラッシュ」、ピッチャーとなってバッターを打ち取る「ピッチングエース」、そしてコンピュータプレーヤーや友人たちとの試合が楽しめる「エキサイトリーグ」だ。

 まずは「ホームランラッシュ」から遊んでみよう。使用するのは、専用バット。画面の中のピッチャーが放ったボールが、ホームベースの上を通過するタイミングに合わせて専用バットを振ると、打つことができる。ボールを打つタイミングを早めか遅めにすれば、ボールを右へ左へと打ち分けることも可能だ。利き腕に応じて、右打ちと左打ちを変更することもでき、なかなか芸が細かい。

 ルールは、ピッチーが投げる10球のうち、打ったホームランの総合飛距離を競うというもの。最大4人までが同時に参加することができる。

 ピッチャーの球速は「低速」、「中速」、「高速」の3種類。さらにこれらがランダムに投げられてくる「ミックス」がある。「低速」をセレクト。ピッチャーから、ストレートの球が90キロの速度で投げられてくる。のんびりとしたスピード。ベストなタイミングも十分に計れる。ボールがホームベースに差しかかるぞ……よしっ! フルスイングだ。「カキン!」という効果音とともに、画面の中のボールがゆっくりとスタンドに吸い込まれていく。ホームランだ。続いて2球目。これもドンピシャのタイミングでフルスイング。またホームランだ。3球目もまたまたホームラン。
 あくまでゲームとはいえ、自分の腕を振るってバットをスイングし、ホームランが量産されるのは、いい気分だ。だんだんハイな気分になってくる。フェンスの直前でポトリという、ヒットにすれば極上の当たりでも「ちぇ、ホームランじゃないのかよ」と、あたかもパワーヒッターのようなぜいたくな不満も芽生えてくる。球速を「高速」に変えると、150キロなどと表示され、確かにスピードは上がるが、さりとて実際の速度を再現しているわけではなく、タイミングを見計らって打つことが可能。むしろ、難しいと感じるのは「ミックス」だ。「低速」と「高速」の球が巧みに入り乱れ、ボヤボヤしていると、空振りを連発してしまう。

バットを握る際は、ストラップを手にかける。これで力強く振ってもバットがすっぽ抜けることもない ゲームオリジナルのチームを選択。遊び心のある球団名とロゴが楽しい ボールがスタンドに叩き込まれた。ホームランが生まれた瞬間だ


ピッチングは腕を振り下ろす力加減で球速の調整が可能

 「ピッチングエース」をやってみよう。今度は立場が変わってピッチャーとなり、半イニングを投げきる。3アウトを獲得するとクリアだが、わずか1点でも取られてしまうとゲームオーバーとなる。今度は、専用ボールを使用する。専用ボールをつかみ、腕を振り下ろすと、画面の中のピッチャーがボールを投げる仕組みだ。

 使える球種は8種類。例えばストレートなら4個あるボタンのうち、中央の2個を押す。フォークなら左右端の2個を押したまま投げる。こんなふうにボタンの押し方によって、変化球を自在に投げられる。感心させられたのは、腕を振り下ろす速度が本体の赤外線受光部に読み取られ、ゆっくりならスローボールに、早ければスピードボールになる、という点。腕の力が忠実に再現されるわけではなく、「低速」、「中速」、「高速」の3段階の速度のみという制限はあるが、あるとないとでは大違い。時にはスローボールでバッターのリズムをくるわせる、など配球の妙が楽しめるのだ。また速球勝負でバッターから三振を奪い取るのが、なんとも快感でくり返し遊んでしまった。こちらもライバルのバッターには「ルーキー」から「ヒーロー」までのランクが用意されている。「ヒーロー」はさすがに手ごわく、甘い球を投げたり、似たようなコースの球を連続すると、ポーンと軽々とスタンドへ運ばれてしまう。

4個のボタンを押しわけにより、球種を操作。これはカーブの握り方 チーム同様に、スタジアムを選択。メジャーリーグ風のスタジアムがあるのは、ご時世か 配球に工夫して、ヒーローから三振を勝ち取る

 「エキサイトリーグ」は、1回から7回までの試合を楽しめるモードだ。攻撃になれば専用バットを握り、守備になれば専用ボールを使って、試合を進めていく。コンピュータ相手の1人プレイが基本だが、友達と2人で攻守を交互にくり返しながら遊ぶこともできる。筆者も攻撃と投球のコツをつかんだ勢いのままに、勇んでチャレンジしたが、攻守を1人で延々と続けていくのは、さすがに大変。2回を過ぎたばかりのころから、息は上がり、腕に疲労感がズッシリとのしかかる。それこそ小学生なら、嬉々としながら、日に何試合もこなすのだろうなあ。

1~7イニングの試合が楽しめる「エキサイトリーグ」 「チームエディット」では、好みのタイプの選手を作成できる

 この他には、「ホームランラッシュ」や「ピッチングエース」で獲得したポイントを使って、自分だけの選手を作成する「チームエディット」や、これらの選手をもう一台の本体に送信し、オリジナルチーム同士の試合が楽しめる「コミュニケーション」機能がある。

 感想は、「面白かった」のひとことに尽きる。バッティングとピッチングの両方が楽しめるという多彩さはもちろん、ピッチングでは腕を振り下ろす速度が画面の中の球速に反映することもあり、体を動かすことがシンプルに気持ちよく感じられる。以前のバージョンがあり、しかもヒットを記録しているにも関わらず、「DX」と題して進化版を世に送り出す自信のほどが伝わってくる。確かに充実している。そしてまた「エキサイト」シリーズの最新作として「エキサイトボクシング」も登場した。今度はボクシングか! こちらも後日レポートをお届けするつもりだ。

□エポック社のホームページ
http://www.epoch.gr.jp/
□体感アクションゲームのページ
http://www.taikan-game.com/
□「勝負しようぜ!!エキサイトスタジアムDX」のページ
http://www.taikan-game.com/esdx/top.htm


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(2002年7月25日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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