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【連載第74回】 あの、おもちゃを徹底レポート




手軽に楽しめる潜水艦ラジコン
ニッコー「サブマリーン-168」

「サブマリーン-168 (SUB-168)」
発売 ニッコー
価格 6,800円
電源 アルカリ単3電池×3(別売)、006P電池×1(別売)
発売日 発売中


一見子供向けながら意外と本格的。その実力はいかに?

 夏が到来したから、というわけじゃないけれど、今回は海やプール、そしてお風呂で楽しめる潜水艦のラジコンをレポートしてみたい。ニッコーから発売されている「サブマリーン-168 (SUB-168)」だ。

 トイショップでこのアイテムを手にしたとき、興味がムクムクと沸いてきた。潜水艦のデザインは、デフォルメタイプ。寸詰まりで、正面には顔が描かれており、いかにも“低年齢層向け”といった雰囲気をプンプンと漂わせている。

 ところが、パッケージに記された謳い文句はちょっと様子が異なっているのだ。いくつか引用してみよう。「2チャンネル9ファンクションで、潜水・浮上・前後進・右左折、その場旋回、ストップが可能」、「左右のスクリュー角度の調整で、急速潜行、急速浮上が可能」、「左右のスクリュー角度を違えて、トルネード潜行やローリング潜行が可能」……外見からはとても想像できないが、非常に本格的なようなのだ。はたして実力はいかに!

まるでドック(格納庫)のようなスタイルで本体が収められている 本体、コントローラ、そして2種類のウェイトが同梱されている


正しく沈ませるための本体バランスの調整にひと苦労

 本体を手に取ってみると、改めて子供向けだなと実感がわいた。本体は円柱形。先端にはサメの顔を思わせるキバをむき出しにしたシールが貼られている。ただし、左右のスクリューだけは雰囲気が異なり、いっさいのデフォルメがなく、力強い潜行を想像させる。全長は約17センチ。手のひらでガッシリと握れる“オモチャ”なサイズだ。

 コントローラは、ボタンが4個のみ、というシンプルなデザイン。前に位置している一対のボタンが、「左スクリューの前進」と「右スクリューの前進」の役割。後ろの一対が、「左スクリューの後退」と「右スクリューの後退」を担っている。あまりのシンプルさに、「これでどんな潜水ができるものなのだろうか」と不安もわいてくる。

 本体とコントローラに電池を入れたあとは、重量を調節。本体を一度水に浮かして、その按配から付属のウェイトがいくついるかなどの検討を行ない、底面に入れる。仕事場のユニットバスに水をはり、本体を浮かしてみると、水面から半分以上が浮いてしまう。説明書によると、本体に記された喫水線と水面がそろうのが標準的な調整なのだそうだ。こうすると水面からは潜望鏡だけがのぞく、まさに潜水艦の潜行スタイルとなる。

 とはいえ、はじめてなのでウェイトをどれだけ入れればよいかわからなく、量は直感で決めることにする。はじめは4個。たいして沈まない。次は思い切って12個。ああっー! 潜水艦が一気にバスの底へと沈んでしまった。これはいかんと10個に変更。しかし、今度は本体の前方のみが深く沈み、後部は水面に浮いてしまう。この対策のために、水平バランスを整える専用ウェイトを取り付ける。そしてさらに本体底のウェイトを8個にへらし、ようやく標準のバランスになったようだ。ホッ。遊ぶまでにそれなりの努力が必要だけれど、船体バランスに微妙な調整が必要だというところが、なんとも潜水艦っぽく出航への期待が高まってくる。

丸みを帯びた本体、サメを彷彿とさせる先端部、と子供ユーザーを意識したデザインになっている
コントローラには、ボタンが4個。シンプルな設計だ ウェイトは、ケースに入れ本体の底部に装着。これで適度な重量を得る


水をかきわけて進む。まさに潜水艦のアクションだ!

ベストな操作を楽しむために、喫水線と水面が一直線にそろうようにする
 「左スクリュー前進ボタン」と「右スクリュー前進ボタン」を同時に押す、キュルシュルルルル……と静かに水がたつ音がして、潜水艦が前進をはじめた。バスの底では、潜水艦の影が水にゆらめきながら後を追いかけていく。速度はけして速くはないが、さりとてのんびりとしているわけでもなく、水をかきわけて進んでいるという実感がコントローラを通じて伝わってくる。自動車や飛行船のラジコンとは、明らかに違うフィーリングだ。

 「左スクリュー前進ボタン」だけを押すと、前にゆっくりと進みながら左へと回転をはじめる。大きな円を描いているかのような動きだ。「右スクリュー前進ボタン」だけだと、右へと回転をはじめる。今度は「左スクリュー後退ボタン」と「右スクリュー後退ボタン」を同時に押す。すると、潜水艦がスッーと後退をはじめる。コントローラへの反応は機敏で、操るのがとても心地よい。

 「左スクリュー前進ボタン」と「右スクリュー後退ボタン」、あるいは「右スクリュー前進ボタン」と「左スクリュー後退ボタン」という組み合わせだと、前進も後退もせずその場で左や右へと回転をする。これも面白いアクションだ。


急潜水や急浮上ももちろん簡単!

 潜水のアクションは、左右のスクリューの角度を調節すると活発に行なえるようになる。通常のスクリューの角度は15度の設定なのだが、これを手で動かすことによって、最大75度にまで変更することができ潜水や浮上が可能となる。もちろん角度が浅いと潜水・浮上はゆるやかになり、急角度だと急潜水と急浮上となる。75度に調整して試してみた。左右の前進ボタンを押すと、前進せずにそのままバスの底へと到達。後退ボタンを押すと、自然な浮力とは異なる、力強い速度で浮上をはじめる。うん、これぞ潜水艦だ。

 片方のスクリューを急角度に、もう一方のスクリューを浅くして、「左スクリュー前進」と「右スクリュー後退」のボタンを押すと、片側のスクリューを水面に浮かせ、一方のスクリューを深く沈め、船体を斜めにしながらゆっくりと旋回をはじめる。この姿、実にユーモラスで楽しめる。パッケージに書いてあったトルネードとは、これのことか!

 パッキン防水加工が施され、最大60センチまでの潜水が可能。電波到達距離は5メートル。潜水時、電波が届かなくなる、もしくは操作がストップすると自動的に浮上する安全機構付き。潜水艦のラジコンとして、機能は十分といえるだろう。ただ、惜しむらくは、潜水アクションのキモであるスクリューの角度変更が手動だけという点。急潜水から急浮上へ。前進してポイントを変え、今度は浅い角度で潜水させて……とか、横方向の動きに加え、縦方向への動きが自由自在に行なえたら、文句なし! の内容だったのだけれど。

 しかし、比較的手ごろな価格で、潜水艦のラジコンが遊べる、という魅力には変わりない。今度は、毎週通っている市民プールに持っていって遊ぶ……と、子供たちがワラワラと寄ってきそうなので、お風呂にゆっくり浸かりながら気ままに遊んでみたい。

左右のスクリューの角度を手動で変更し、潜水の「深さ」を調節する<スクリューを深い角度にすると、急潜水が可能になる 左右のスクリューの角度をばらばらにするとトルネード潜行が可能に……なっているのですが、ちょっと写真ではぶれてしまってわかりにくいのが残念

【ムービー】
AVIムービーその1 (前進、後退、回転など) 1.1MB

AVIムービーその2 (急速潜行、急速浮上) 860KB

AVIムービーその1 (きりもみ潜行) 1.37MB

□ニッコーのホームページ
http://www.nikko-group.com/JAPAN/
□「SUB-168」のホームページ
http://www.nikko-group.com/JAPAN/SUB-168.files/slide0001.htm


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(2002年7月18日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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