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【連載第66回】 あの、おもちゃを徹底レポート




今度は電車だ!「デジQ」シリーズに新たな仲間が加わった
コナミ「デジQトレイン 新幹線500系基本運転セット」

「デジQトレイン 新幹線500系基本運転セット」
発売 コナミ
価格 5,980円
電源 単2電池×4
発売日 5月30日


「デジQ」の次の一手は、電車だった!

 現在、オモチャ業界では、注目せずにはいられない熱い競争が繰り広げられている。 トミーの「ビットチャージ」と、コナミ、タカラ陣営の「デジQ」だ。どちらも超小型の自動車を操れるラジコンでありながら、それだけにとどまらない展開を目指している。トミーなら「マイクロビー」、コナミ、タカラなら「マイクロiR」と、それぞれ独自に開発した技術を核として、潜水艦や戦車など、多様な小型ラジコンを続々と発売していく予定なのだ。今回紹介する「デジQトレイン」は、ヒットを記録した「デジQ」に続く、「マイクロiR」の第2弾。電車のラジコンだ。

 5月上旬東京おもちゃショーでの展示では、さまざまな車種やレール、電動ポイントレールなどの発売が告知されており、また豪華なジオラマ・セットも併設するという気合の入ったプレゼンテーションを行なっており、このシリーズを成功させようとする意気込みが感じられた。

 「新幹線500系基本運転セット」は、そんな「デジQトレイン」の“露払い”となるアイテムだ。パッケージの中には、新幹線500系車両(動力車を含んだ4両1編成)をはじめ、「デジQトレイン専用コントローラー」、ストレートレール8本、カーブレール8本が入っており、これさえ購入すればとりあえず楽しめる入門キットになっている。では、さっそくチェックしていこう。

人気の高い新幹線500系を採用。サイズは4両編成で25センチ 専用コンロトーラ。重量感のあるデザインだ


チョロQならではのデフォルメも絶妙で好印象!

 まずは主役というべき、車両から。Nゲージと最も異なる点がここだ。実際の車両の写実的な再現を目指すNゲージとは違い、「デジQトレイン」は、その原点となるチョロQと同様に、デフォルメが施されているのだ。デフォルメとはいえ、幼児向けのプラレールとは指向性が異なっており、大人が見てもカッコよく、そしてカワイイと思える絶妙なバランスに保たれている。本体のデザインや、窓やドアなどのディテールの出来も良く、好印象だ。何より眺めていると、楽しい気分になってくる。

 4両の内訳は、先頭車、後尾車、中間車(動力車)、中間車。走りの要の動力車には、赤外線受光部が付いており、CPUが内蔵されていることから、見た目でも、手にとっても、すぐにそれとわかるようになっている。車両同士の接続は、アーノルドカプラー方式が採用され、走行しながらの連結が可能だ。

実際の車種の特徴を捉えたデフォルメが加えられている 動力車にはCPUと赤外線ユニットが内蔵されている
車両の電源スイッチは、裏面にある 連結器はスプリングを内蔵。連結器同士が押し合うと自動的につながる



最大32台の車両の個別操作が可能

 専用コントローラは、マスコンを彷彿とさせるズッシリとしたボリューム感がある。最先端にある黒い部分が、列車の操作を司る赤外線送受信部。赤外線の到達距離は、前方60度の範囲内で、約2メートル。室内で遊ぶものだから、十分なスペックだ。

 本体の左にあるのが、「前進/後進切り替えレバー」。「F」の方向に倒すと、列車が前進をし、「R」の方向に倒せば列車が後退をする。本体の右にあるダイヤルが、「スピードコントローラー」だ。列車の速度を調整する。メモリの0は停止、5は最速と、5段階の変速操作が可能になっている。

 「LINE1」から「LINE8」まで、ズラリと横並びしたスイッチは、ポイントの切り替えなどに使用する「ライン/ポイント切り替えスイッチ」。中央にある「ID-SELECT」は、車両にコントローラを識別させるスイッチだ。4台の専用コントローラを用意し、この2種類のスイッチを組み合わせて使うと、最大32種類の列車を個別に運転できるようになる。
 車両への電源供給は、コントローラを介して行なう。ユーザーから見て手前にあるカバーを開けると、充電ユニットがある。ガイドに沿って中間車(動力車)をセットすれば、コントローラに入れた単2電池から、中間車(動力車)内のニッケル水素電池に電力が供給されていく。約10分間の充電で、およそ15分間の連続走行が可能。

 ちなみにコントローラは、今後発売予定の専用ACアダプタにも対応しており、これを使うと乾電池を使わずに遊べるようになる。

各種のつまみが巧みにレイアウトされ、操作しやすい 車両への充電は、このような形で行なう(実際はカバーを閉めます)
セットに入っているレールは、全体で縦27センチ、横75センチ 加速、減速、停止も思いのままに行なえる



レスポンスも良く操作の醍醐味が味わえる

 合計16個のパーツになるレールをつなぎ合わせると、コースは完成。ごく簡単な作業だが、妙に楽しくて、レールを組み合わせるなんて、何年、いや何十年ぶりだろうか、と懐かしい気分になってくる。

 レールに合わせて、車両を並べる。それぞれの連結部がきちんと噛み合うように調整すれば、準備はオーケー。「前進/後進切り替えレバー」を「F」に合わせ、「スピードコントローラー」を0から1にゆっくりと動かしていくと、新幹線が走った! はじめはゆっくりと、そして次第に加速していく。興奮もつかの間、「スピードコントローラー」をさらに2から3、4から5へと動かすと、新幹線の速度がグングンと上がっていく。想像以上に、力強い走りだ。

 再び、「スピードコントローラー」を操作し、5から2へ、2から5へという風に変動させると、新幹線は即座に応答し、速度を変えていく。この「基本セット」では、単なる楕円形のレールを走るだけだが、速度可変のレスポンスがよく、あたかも電車を操作しているかのような気分にひたれて、長く楽しめた。

 とはいえ、本番は、様々な車種やパーツ類が充実してからだろう。この「基本セット」が全国発売される5月30日には、「編成セット」として「EF58+24系25刑客車」、「EF65+24系25刑客車」、「DF50+旧形客車」が同時に発売。専用コントローラーやレールセットも発売される。

 また7月から8月にかけては「複線分岐レール」や「新幹線700系」、「253系(成田エクスプレス)」、「205系(山手線)」、「キハ183系気動車」がお目見えし、また秋には「電動ポイントレール」が登場。好みに合ったレールの設置や操作が楽しめるようになる。

 筆者としては、発売後、この「デジQトレイン」がどのようなユーザーに支持され、どのように発展を遂げていくのかに、興味が沸いている。一刻も早く手に入れたいという人は、5月26日に銀座博品館で実施される先行販売をお見逃しなく!

【ムービー】
12.wmv (約214KB/10秒/WMV) 13.wmv (約214KB/10秒/WMV)


□コナミのホームページ
http://www.konami.co.jp/
□ニュースリリース (PDF)
http://www.konami.co.jp/kmj/newsrel/pdf/kmj02-033.pdf


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(2002年5月23日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


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