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【連載第68回】 あの、おもちゃを徹底レポート




ガンダムやザクの二足歩行が楽しめる低価格トイ
バンダイ「MICRO BOTS」シリーズ

「MICRO BOTS」
発売 バンダイ
価格 2,980円
電源 単3電池×2
発売日 発売中


ガンダムとザクが歩くんです

 ガンダムに、またまた興味深いアイテムが登場した。二足歩行をするトイだ。「えっ、先日取り上げたザク・ラジコンとは違うの?」という声が聞こえてきそうだが、これはまた別物。ザク・ラジコンは、二足歩行はもちろんのこと、モノアイに内蔵されたカメラで映像をとらえ、マシンガンからはBB弾が発射できるという豪華な仕様で、価格も約10万円と、実に贅を尽くしたアイテムだった。

 今回紹介する「MICRO BOTS(マイクロボッツ)」は、その対極にあるアイテムだといってもいいだろう。機能は二足歩行のみで、価格は2,980円。魅力は、この低価格さにある。3,000円足らずのお金で、二足歩行のロボット、それもガンダムやザクが手に入るなんて……何とも胸が躍るアイテムではないか!

パッケージは、最大の売りであるコアフレームが見えるように工夫されている コアフレームは、マイクロモーター、コンデンサ、ギアボックスで構成されている

 発売日は3月末なので、すでに玩具店で見かけたという人も多いだろう。第1弾として「RX-78-2ガンダム」、「MS-06J量産型ザク」、「MS-06Sシャア専用ザク」の3体が発売されている。ぜひ、二体が同時に歩く姿が見てみたいと「ガンダム」と「量産型ザク」を入手した。

 「MICRO BOTS」の核となるのが、超小型モーターだ。このモーターは携帯電話の振動機能やコンパクトカメラのシャッター巻き上げに採用されており、これを中心に構成されたコアフレームと呼ばれるパーツが二足歩行を実現している。バンダイでは今後、マイクロモーターを使用した商品の開発を続けていく予定で、今年の東京おもちゃショーで発表された完全二輪走行の小型バイクラジコン「二輪工房」でも、マイクロモーターを採用しているという。

 トミーの「マイクロビー」が先行し、コナミ=タカラの「マイクロiR」が後を追う、小型モーターを使ったトイ市場にバンダイが参入した、というわけか。その第1弾が「ガンダム」であるところが、いかにもバンダイらしい。


ガンダムが前進した! ただし扱いは慎重に……

 パッケージには、塗装済みのボディパーツに、マイクロモーターを内蔵したコアフレーム(下半身の素体)、そして専用充電器が入っている。コアフレームは完成状態だが、ボディパーツを組み立てる必要がある。作業は接着剤を使わない完全なはめ込み式なので、作業にとまどうことはない。誰でも、簡単に作り上げることができる。

 作業中に気づいた点は、そのボディサイズ。計測してみると、全長が約12センチ。1/144スケールのプラモデルと比べると、わずかにコンパクトな印象だ。

 そして、もうひとつ。全体がコアフレームを中心にデザインされているため、やや不恰好なのだ。体を支える足は広く大きく、動力部を格納するため、胸の部分はやや膨らみ気味になっている。だけど、これが欠点であるというつもりはなく、端正を極める最近のプラモデルを見慣れた目には、むしろ新鮮に映った。何しろ二足歩行をするのだ。欠点どころか、愛嬌のようにさえ思える。

パッケージには、コアフレーム、パーツ、充電器が収められ、別個に電池を用意すれば遊べる パーツは塗装済み。カラーリングが複雑なガンダムだけに、これはうれしい


組み立て途中。このようにコアフレームにパーツをはめ、完成させていく 足と胴回りに注目! コアフレームを内蔵しているため、他の部分と比べ、やや大きめだ


 まずはガンダムから組み立ててみた。作業は、時間にして10分ほど。完成したガンダムをチェックしてみると、塗装のほんの一部にだが甘さがある点と、腕のジョイントがはずれやすく、ポーズをつけるのに慎重さが要求される点が気になった。

 さあ、歩かせてみよう。電源は、単3電池を2本格納した専用の充電器を使って行なう。ガンダムのランドセルから突き出た突起を、充電器に接続し、充電器のボタンを押す。充電に要する時間は、約10秒。これで30歩程度の歩行が可能となる。ボタンを離すと、ガンダムが歩きはじめる仕組みだ。

 ガンダムをテーブルに置き、いざ! と思いきや、「おお、歩いた」と言葉を発する間もなく、コテンと横転してしまった。床への置き方が乱雑だったのかと思い、今度は慎重に置いてみる。また、倒れた。ひょっとすると、左右の足を間違えてつけてしまったのかと心配になり、確認してみるが問題なし。う~むと唸りながら、説明書を熟読すると、悩みは氷解した。このガンダム、バランス取りが重要なのだ。ビームライフルを握る右手と、シールドを持つ左手がそれぞれ重心となるので、どちらとも適度な位置に動かしておく必要があるのだ。とはいえ、そう神経を使うことはなく、「なんとなくオーケー」と思える程度の調整でよさそうだ。

 今度は歩いた! 実は筆者、「MICRO BOTS」のガンダムが歩く姿を見るのは、これが初めてではない。初見は昨年の東京おもちゃショーだっただろうか。小さいながらも、多少フラフラしながらも、前進していく姿に、何ともいえない愛おしさを感じていたのだ。完成品を手にした今も、その印象は何ら変わらない。

 歩く動作を詳しく見てみると、舵を取る方の足が完全に浮き上がることはない。つま先から、かかとへと、地面との接着点をずらしながら、巧みにバランスを取っている。このおかげで、上半身をふらつかせ、倒れそうな気配を漂わせながらも、倒れずに前進していくのだ(テーブルの上に乱雑に置くと、簡単にバランスを崩して倒れてしまうが)。
 この歩行、何度見ても味がある。

ガンダムの完成型。全長12センチとコンパクトながら、デザインを忠実に再現している シールドなどの出来栄えも良好。裏面にもモールドが彫られている 足の裏面は、フレームがむき出しだ。軽量化のためか?
ガンダムの歩く姿。若干フラフラと揺れるところが、注目を呼び起こす 専用充電器を使用し、充電中。1回10秒というスピーディさはよい



感激! ザクはモノアイが光るのだ

 「MS-06J量産型ザク」は、元々がズングリとしたデザインのためか、ガンダムに感じされた不恰好さも、あまり見受けられない。歩かせてみると、ガンダムよりもバランスが良く、倒れる回数も少ない。

 ところで、このザクには、スペシャルなギミックが内蔵されている。それは……二足歩行と同時にモノアイが光るのだっ! モノアイが光っていない通常時のザクと比べると、まるで別物といえるほどに、存在感やカッコ良さが増す。これはたまらんっ。

ザクの完成型。モデルとしての出来栄えはいかがだろうか? 歩行中はモノアイが光る! 最高のギミックだ!
後姿。ランドセルの中央に、充電用の突起が見える 腕は自由に動かすことができ、ザクマシンガンを持たすこともできる


 最後は、二体で一緒に遊んでみたい。両者を競争をさせてみると、ザクの歩幅が短いせいか、ガンダムの方が速いことが判明した。両者をそれぞれ左右から歩かせ、衝突させてみると、三回戦のうち、ザクが二勝を収めた(だからどうした! という声が聞こえてきそうな……)。その様子は、原作のアニメの名場面が彷彿される……ことはなく、あくまでチープな感じのままなのだけれど、前にも書いたように、とても味わいがあるのだ。確実に、童心に帰れる。ムービーに収めたので、ぜひご覧ください。

【「MICRO BOTS」ムービー】
WMVムービーその1(ガンダムの歩行) 152KB
WMVムービーその2(ザクの歩行)139KB
WMVムービーその3(ガンダムとザクの衝突)128KB
WMVムービーその4(ガンダムとザクの競争)203KB

 このアイテムの功績は、手ごろな値段で「歩くガンダムやザクが手に入る」ことに尽きるだろう。ガンダムファンにとっては気になるアイテムがまた増えた、というところか。今後の展開で、どんなモビルスーツが、どんなアイテムが追加されるのか、こちらも気になるところだ。

(C)創通エージェンシー・サンライズ

□バンダイのホームページ
http://www.bandai.co.jp/
□製品情報
https://lalabitmarket.channel.or.jp/gundam/106_01101.html(RX-78ガンダム)
https://lalabitmarket.channel.or.jp/gundam/107_01102.html(MS-06J量産型ザク)
https://lalabitmarket.channel.or.jp/gundam/106_01101.html(MS-06Sシャア専用ザク)


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(2002年6月6日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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