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【連載第63回】 あの、おもちゃを徹底レポート




ガンダムファンの夢が叶う話題のラジコンついに発売!
バンダイ「R/C TECHROID MS-06 ZAKU II」

「R/C TECHROID MS-06 ZAKU II」
発売 バンダイ
価格 98,000円
電源 アルカリ単3電池×10
発売日 発売中


2年越しの夢がついに実現!ザク来る!

 宅急便の到着がこんなにも待ち遠しく感じられたことは、今だかつてなかった。どうしてって? 決まってる、ザク・ラジコンが到着するからだ。

 ザク・ラジコン、正式名称「R/C TECHROID MS-06 ZAKU II」が、はじめてお目見えしたのは'99年の「東京おもちゃショー」だった。まだ骨組み同然の形での参考出展だったにも関わらず、見た人はみな口々に「あれはスゴイ!」、「ほしい!」と熱っぽく語ったものだった。人気の理由は、言うまでもないだろう。そう、かつて思い描いた「夢」が実現するからだ。

 そして破格のスペックが、興奮に輪をかけた。2速歩行をする。マシンガンからはBB弾を発射する。極めつけは、CCDカメラの搭載だ。モノ・アイが捉えた映像が、ユーザーが操るコントローラ上のカラーモニターに表示されるのだ。まさにガンダムファンのツボを、突いて突いて突きまくった仕様だ。10万円近い価格設定も、商品への憧れを高めるのに一役買っている。

 とはいえ、さすがの高スペックゆえ開発には時間がかかったようで、最初の発表からちょうど2年間待たされた。しかし、この時間をあまり苦に感じないのが、ファン心理というものだ。時間がかかばかかるほど、完成度の高い商品になるような気がして、期待は膨れ上がる一方だったのだ。

ダンボールに包まれた形で配送されてくる パッケージはザクカラーの緑と赤を基調にしたデザイン 箱を開けると種類別にパーツを収めた小箱がギッシリ



中身は組み立て式。パーツはリアルな塗装済み

 そうして到着した商品は、さすがの大きさだった。電化製品に例えると、ちょうどビデオデッキくらいだろうか。このデカさが、頼もしく感じられる。ダンボール上の外箱を開けると、中にはザクの勇姿がデザインされたパッケージが収められていた。パッケージの上ブタを外すと、ダンボールの小箱がギュウギュウに詰め込まれている。

 その中身はザクのパーツだ。その数たるや、見るからに多そう。ランナーに組み込まれた小さなパーツもあり、まるでプラモデル。あわてて取扱説明書に目を通すと、これも22ページという大ボリューム。ラジコンということで多少の組み立てがあることは予想していたが、ここまでの作業量だとは意外だった。けど、これもザク・ラジコンを手にした人だけのお楽しみか……とも思える。
 組立作業の類が苦手な人は、どうかご安心を。作業量は多いが、接着剤は使用しない。複雑な工程もない。基本的にはパーツ同士をはめ込んでいくだけだ。パーツも塗装済み。作業の巧拙はさほど関係なく、最終的には誰でもカッコいいザクを作ることができる。
 パーツを眺めていると、あることに気がついた。ザク・カラーに美しく塗装されているのはもちろんのこと、うっすらと陰影のウェザリングも加えられているのだ。そんなパーツたちからは、高級感が漂っていて、完成形にますます期待が持てる。

すべてのパーツを並べたところ。数の多さが伝わるだろうか ランナーに組み込まれたパーツもあり、作業にはニッパーが必要だ 22ページに渡る取扱説明書の表紙
説明書の一部。工程数は多いが、説明をきちんと把握すれば大丈夫 パーツはすべて塗装済み。陰影のウェザリングも施されている パーツの裏側にもディテールが刻まれている



骨組み状態の本体に手足を組み込んでいく

 作業を始めよう。最初に取り出したパーツは、ザクの本体。頭部とさまざまなメカが内蔵された骨組みからなっており、ここに足や腕などのパーツを組み込んでいくことになる。はじめは足。右足、左足の順番に作っていく。
 作業の際に最も時間を要したのが、パーツの確認だった。何しろ種類が豊富で、似たものも少なくないため、そのパーツで正しいのか、右用なのか左用なのか、きちんと確めておく必要があるのだ。パーツ自体は、はめ込み式のものもあれば、ビスで固定するものもある。ビスは微妙に長さが異なる4種類があり、こちらも間違えのないように、と細心の注意が欠かせない。
 次は、ザクマシンガンに関する作業だ。マシンガン自体は完成品なのだが、本体の腰に固定する工程があるのだ。コントローラで腕を操作できる仕様ではないので、この形に落ち着いたのだろう。

箱から取り出したばかりのザク本体 歩行用のメカがむき出しで心くすぐられる 要所でビスを使用する。ドライバーも必要だ
とりあえず足を取り付けたところ ザクマシンガン。完成状態で、手を加える箇所はなし マシンガンは腰に固定。BB弾発射用の電源を供給するため、コネクタとも接続する



作業の難所をクリアし、ついに完成!

 続いて腰、ボディ、ランドセル、そして右腕、左腕と進めていく。すべてのパーツが揃ったところで、ザクを特徴づけているパイプを作る。パイプは、スプリングを骨組みに、輪切り状態のパーツを重ねていく形式になっている。形状が特に重要な顔と腰のパイプは、スプリングの中にプラパーツの芯を通し、あのスタイルを再現するようになっている。
 組み立ての中で最も苦労したのが、このパイプ作りだった。繊細な作業が求められる中で、ちょっとでも手元が狂うと、スプリングの反動によって、パーツがあちこちに飛び散ってしまうのだ。
 本体に両腕を取り付け、ランドセルにアンテナを取り付けると、完成だ。骨組み状態はメカがまる見えで、それはそれで惹かれるものがあったのだが、やはり完成形のカッコ良さは格別だ。全体のボリューム感もあり、ディテールへのこだわりも光る、ド迫力のザクが誕生した。サイズを測ってみると、全長は39センチ。大きい!
 作業に要した時間は、トータルで約4時間。完成したザクを眺めていると、そのカッコ良さに惚れ惚れとして、疲れも吹き飛んでいく。

ザクの要とでもいうべきパイプは、スプリングとパーツで再現 胸を組み込み、いよいよ完成に近づいてきた 背中のランドセルの中には、電源スイッチが隠されている
両腕。ラジコン操作はできないが、フル可動する 5本の指は付け根が可動し、マシンガンのグリップも握れる 完成! ザクのカッコ良さは当然のこと、ボリューム感にシビれる



独特なコントローラをくわしくチェックする

 次はコントローラだ。2基のアンテナを取り付け、単3電池を組み込めば、準備はオーケーだ。ここでのトピックは、電池の数。何と10本も使用するのだ。内訳は、コントロール用に6本、そしてカラーモニター用に4本だ。通常なら10本もの電池が必要だと聞くと、コストの高さに憤慨するものだが、ザク・ラジコンだと「さすがだな」と感心してしまうから、我ながら現金だ。

 それにしても、このコントローラ、実に独特な形をしている。コントローラでもありながら、秘密の通信機のようにも見え、無骨な感じがいかにもジオンぽい。ボディには「ZEONIC MOBILE SUIT CONTROL SYSTEM」と書かれており、モニターのカバーにはジオン公国のマークが飾られていて、遊び心も満点だ。

 右から上に突き出ているステックが、コントロールレバー。前進、後進、左前方旋回、右前方旋回、左後方旋回、右後方旋回と、ザクを6方向に歩かせることができる。コントロールレバーの倒す角度によって、スピード調整も可能だ。浅く倒すとゆっくりと歩き、深く倒すと早く歩く仕組みになっている。
 先端のカバーを開けると、発射ボタンが顔を出す。これを押すと、ザクマシンガンからBB弾が連射される。
 左からまっすぐに伸びるスティックは、グリップ専用。このスティックを左手で握り、右手でコンロトールレバーを操作するスタイルとなる。ザク本体への電源供給は、付属のニカド電池を利用する。ACアダプターで充電したニカド電池を、ザクの右足と左足のつま先に組み込んで使用するわけだ。

専用コントローラ。左手でグリップを、右手でレバーを握って操作する モノアイにはCCDカメラが内蔵されている CCDカメラが捉えた映像は、コントローラで見ることができる
ザクへ電源を供給するニカド電池は、足のつま先に格納する ザクにマシンガンを握らせて、マガジンにBB弾をセットする 背面のディテールも美しい。ランドセルから伸びているのはアンテナ



ザクが歩く姿に感動が沸き起こる!

 ザクとコントローラ、それぞれの電源スイッチをオンにして、コントロールスティックを前に倒す。……ザクが歩いた! これまでいくつものラジコンで遊んできたけれど、自分の操作でザクが歩く姿は、特別の感慨がある。ただ前進させているだけなのに、脳裏には数々の名場面が浮かんできて、目の前でそれを再現しているかのような、不思議なデジャヴに襲われる。ガンダムのファンであればあればこそ、この感動は深いものになるだろう。

 さて、くわしく……といきたいところだが、今回はここまで。次回は、実際の遊び心地や楽しみ方を徹底的に掘り下げ、ムービーを交えて紹介する予定だ。乞うご期待

(C)創通エージェンシー・サンライズ

□バンダイのホームページ
http://www.bandai.co.jp/
□「ガンダムパーフェクトウェブ」のページ
http://www.gundam.channel.or.jp/
□「R/C TECH ROID MS-06 ZAKUII」のページ
http://www.gundam.channel.or.jp/goods/toy/rc_zaku.shtml
□ララビットの「R/C TECH ROID MS-06 ZAKUII」のページ
https://lalabitmarket.channel.or.jp/gundam/gundam074_00964.html


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(2002年5月2日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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