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【連載第57回】 あの、おもちゃを徹底レポート




CMで話題を振りまいた、あのラジコンロボット
タカラ「ドリームフォース01」

「ドリームフォース01」
発売 タカラ
価格 49,800円
電源 本体:付属充電池 コントローラ:単3電池×8本
発売日 発売中


 昨年末の発売以来、気になっていた人も多いだろう。缶チュウハイのCMに出演し、全国的に話題となった、タカラのラジコン・ロボット「ドリームフォース01」だ。二足歩行を基本に、右手のアームでは物を握ることができ、左手からはBB弾を発射。もしロボットのラジコンを手にしたら、「こんなことをしてみたいな」と、誰でも思うであろう夢を叶えてくれる、“わかっている”スペックだ。その本格さゆえに、価格は49,800円。欲しくても、なかなか手を出しづらい値段だ。購入を検討している方は、ぜひ今回のレポートを参考にしていただきたい。

【「ドリームフォース01」ムービー】
WMVムービーその1 660KB
WMVムービーその2 166KB

半完成品。だけど組み立てはとても簡単

 本体やコントローラを収めた箱は、非常に大きい。この連載でも数多くのロボット・トイを取り上げてきたが、歴代ナンバーワンの大きさだ。圧倒的なボリュームに、期待がますます高まる。

 中には、本体、コントローラ、そして各種パーツ類が一面に、ギッシリと詰め込まれている。半完成品なので、組立作業が必要だが、その手順はごく簡単なもの。両腕をはめる。背面にバッテリパックを取り付ける。胸と肩にプロテクタを設置する。マニュアルにして、わずか3ステップだ。

 「ロボットフォース01」の電源は、付属の充電池を使用する。1回の充電に必要な時間は90分。これで約20分の動作が可能となる。また、コントローラには、単3電池8本が必要だ。

パッケージ。「ドリームフォース01」が線画で描かれている 素の状態の本体。これに両腕やプロテクタを取り付けていく 組み立て後の完成状態。数点のパーツをつけただけだが、印象が大きく変わる



操作中は数種のライトが点灯。ローラーを使って二足歩行をする

 本体とコントローラをチェックしてみよう。まずは本体から。全長は39センチ。重量は750グラム。顔には3つのライトが付いている。中央にあるひときわ大きなライトが「メインライト」。「ドリームフォース01」とコントローラ両方の電源がオンになると点灯し、起動を知らせる。また充電池の電力が低下すると点滅し、バッテリーの交換を促す。「メインライト」の左右にあるのが、「ウインカーライト」だ。「ドリームフォース01」が左へ、そして右へと動くと、それぞれが点滅する。

「メインライト」。「ドリームフォース01」の起動中は、ずっと輝いている 「ウインカー」。自動車のそれと同じく、左右への旋回時にそれぞれが点灯する


 上半身は左右への旋回と前屈が可能。クラップハンドと呼ばれるアームが取り付けられた右腕は、このクラップハンドの回転と開閉が可能だ。左腕は、その先端からBB弾を発射することができる。

 両足は「ドリームフォース01」の中でも最も大きなパーツだが、ボディを支えるには、これくらいのサイズが必要なのだろう。底には、歩行のためのローラーがある。

右腕にはクラップハンドが、左腕にはBB弾ユニットがあり、違った遊びが楽しめる 歩行時には片足を上げず両足を地面に接着し、すり足のようにローラーを利用して移動する



21個ものレバーとボタンを備えた大型コントローラ

 次はコントローラ。これまで様々な対応のラジコンのコントローラに触れてきたが、ここまでボタンの多いタイプははじめてだ。合計で21個ものレバーやボタンがあり、操作にはこのほとんどを使用する。使われないものは、将来パーツなどが登場したときに、それの使用に割り当てられると思われる。

 まず、左のレバーが、歩行用のレバーだ。「ドリームフォース01」の前進、後退、左旋回、右旋回を司る。右のレバーは、上半身を操作する。上方に倒せば上半身が前屈し、下方へ倒すと起き上がる。左右方向に倒せば、上半身が左右に回る。円を描くように回すと、上半身も同様に柔らかく旋回する。

 コントローラの左上にあるのが、アームレバー。スライドさせると、左右の腕を交互に前後させるアクションを取らせることができる。右のレバーの横にある2つのボタンは、クランプハンドの開閉に使用する。と、主に使用するボタンを説明するだけでも、この数だ。このボタンの多さが、自動車やヘリコプターとは違う、「ロボット」のラジコンであることを何よりも雄弁に物語っている。

コントローラ。横の携帯電話との比較でサイズが分かるだろうか。とにかくデカイ 左のレバーが移動用、右のレバーが上半身用。中央のディスプレイはダメージなどを表示



歩行速度は速く、その姿は「カッコイイ!」

 さあ、それでは動かしてみよう。

 充電池を格納したバッテリパックを、「ドリームフォース01」の背中に取り付ける。そして本体とコントローラの電源をそれぞれオンにする。「ドリームフォース01」の「メインライト」が輝いた。「カッチョイイ~」と思わず声が漏れる。筆者は、プラモデルの“ザク”のモノアイにムギ球を仕込み、光らせるのに苦心した世代だ (←かなり細かく分類ですが)。こんなふうに、ロボットの目が光るのには、めちゃくちゃ弱いのだ。

 歩かせてみる。最初は前進から。歩行レバーを倒すと、間髪入れずに、「ドリームフォース01」が前進を開始する。足をガシガシッと前に出し、ノッシノッシと進んでいく。その歩みは、想像以上の速さだ。カッコいい! 缶チュウハイのCMではコミカルな印象があったのだけど、実際に歩く姿からは「兵器」や「バトル」といったイメージが湧き上がってくる。筆者は特に太ももからふくらはぎにかけてのギミックに感激。いくつものパーツが重なりあい、それぞれが異なる動きを見せ、いかにも“メカ”な感じなのだ。

 後退も同様に、良好な反応と速度で実行される。右や左への移動は、徐々にという感じ。指定された方向に徐々に体を傾けながら、旋回を行なう。

 コントローラのサウンドスイッチをオンにする。すると、コントローラが「ズゴゥウウウウン」と爆発音を発し、ブゥルンブゥルンと振動しはじめる。ここまで凝っているのか! 歩行には「スイングモード」と呼ばれるモードがある。これは両腕を交互に、激しく前後させながら歩くモードで、なおいっそう迫力が増す。

 正直に言えば、筆者は「ドリームフォース01」のデザインに魅力は感じていなかったのだけれど、実際に動いている様子を見ると、印象は一変する。カッコイイではないか! ……今回は、カッコイイ、カッコイイばかりを連発しているが、どうかご容赦を。「ドリームフォース01」を操作していると、気分は「マジンガーZ」あたりに夢中になっていた少年時代に戻ってしまい、「カッコイイ」という言葉しか出てこないのだ。

歩行のイメージ。内蔵メカが稼働するサウンドがなり響き、雰囲気は満点 歩く姿を横から見たところ。ケーブルや足の機構がよくわかり、心をくすぐられる



BB弾でターゲットを撃ち、ハンドで

 BB弾を撃ってみよう。付属のターゲットを床に置き、これを狙い撃つことにする。ターゲットと「ドリームフォース01」を40~50センチ程度の距離に起き、狙いを定める。上半身を動かし、銃身が、ターゲットと一直線上に並ぶようにする。そして、右腕を前後させ、高さの微調整をする。コントローラの右上にあるトリガーボタンを押すと、BB弾が発射される。“パスッ”という音と共にBB弾が放たれた。見事に命中し、ターゲットは後ろへ倒れる。ターゲットを確認すると、穴は開いていない。BB弾の発射威力は、弱すぎず強すぎずといった調整なのだろう。

 こうしてターゲットを狙って遊ぶのも楽しいけれど、筆者は「ドリームフォース01」をワシワシと歩かせながら、ところかまわずBB弾を乱射する遊び方が好みだ。子供のころに夢見ていたロボットを、小さいけれど操作できているという実感が沸いてきて、幸せな気分に浸れるのだ。

BB弾は、ここに装填する。最大100個まで格納が可能だ 設置したターゲットをBB弾で撃つ。照準合わせが腕の見せどころ


 物を持てるクランプハンドは魅力的だけれど、実は難しい。例えば、床の上に置いた消しゴムを盗ろうとしたとき色々としなければならないことがある。

 こんなにも多くの行動を行なう必要があるわけだ。しかも、それらすべてを成功させねばいけないので、相応の練習が必要となる。
 筆者はトライすること数回。時にはクラップハンドではなく、消しゴムを動かすというインチキもしたけれど、何とか、ようやく、床の上の消しゴムをつかみあげることに成功。たかが消しゴムなのに、こんなにうれしいのはなぜだろう?
 練習を積めば、各地に散らばる消しゴムを拾って歩くとか、ターゲットを打ち抜きながら歩き回るとか、そんな目の覚めるような操作も可能となる。それを人に披露できたら、さぞかしカッコいいだろうと思って(こればっかり)、現在、練習を重ねているところだ。

クラップハンドを使い、付属のパイロンや消しゴムなどの小物を拾って遊べる 背面。ひときわ目立つのは、バッテリパック。1回の充電で20分のプレイだ



2台以上を用意すればパンチとBB弾が飛び交う対戦プレイも楽しめる

 このほかの遊び方として、対戦プレイがある。「ドリームフォース01」は、最大4台までの同時操作が可能で、仲間と愛機を持ち寄って対戦させるのだ。

 このとき活かされるのが、本体に内蔵されたバトルセンサーだ。相手のパンチによって、右胸、左胸、右肩、左肩、バッテリパックの5カ所のセンサーが衝撃を受けると、それがコントローラにフィードバックされ、コントローラ上のディスプレイにスコアとして表示されるのだ。右胸、左胸、右肩、左肩にはプロテクタが付いており、パンチやBB弾などでこれを叩き落しながら戦うのだろうから、想像するに、かなり激しい肉弾戦になりそうだ。ううっ、面白そうだ。この対戦、ぜひ体験してみたい!

 昨年のいくつかの展示によると、アームの交換によってベイブレードを回転させたり、パソコンと連携し「ドリームフォース01」の動きをソフトで制御する、などの新しい遊びも登場しそうだ。これら展開も追ってレポートしていきたい。

(C)TAKARA Co.,Ltd. 2001

□タカラのホームページ
http://www.takaratoys.co.jp/top.html
□「ドリームフォース01」のページ
http://www.takaratoys.co.jp/df01/


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(2002年3月14日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


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