モンスターズ・インク 「インタラクティブ・マイク」(左)+「インタラクティブ・サリー」(右) |
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発売 | トミー |
価格 | 単体 各6,800円 セット 12,800円 |
電源 | 単3電池×4(サリー) 単3電池×2(マイク) |
発売日 | 発売中 |
この春に公開される映画といえば、ゲームファンなら何はともあれ「ロード・オブ・ザ・リング」なのだろうけど、「モンスターズ・インク」も忘れちゃいけない。「トイストーリー」や「バグスライフ」を制作した米Pixarの新作だ。
同社の作品は、全編をフルCGで描くその驚異の映像が話題になるが、それ以上にストーリーが秀逸。波乱万丈の冒険が、友情と裏切りが、アクションに継ぐアクションが、畳み掛けるように展開し、鑑賞後は「面白かったあ」と暖かな想いに包まれる。アニメでもなく、CGムービーとしてでもなく、一本の映画として素晴らしいのだ。アメリカでの公開後、瞬く間にアニメ映画史上NO.1となる興行収入記録を打ち立てたのも、そうした「面白い映画を作るブランド」としての積み重ねがあってこそだ。
で、肝心の映画の中身なのだけれど、ひと足先に観た筆者の感想を述べれば、Pixarの「最高傑作」。「トイストーリー」も「バグズライフ」も抜群に良かったけれど、今回はそれらを遥かに上回る面白さ。これまで以上に、堂々たるエンタテイメント大作に仕上がっている。試写でも心ゆくまで堪能したが、今は一刻も早く2回目を観たくて、公開日である3月2日が待ち遠しくてしょうがない。
そうしたメロメロな気持ちのまま、「モンスターズ・インク」のグッズを物色していたら、見つけましたe-Toyを。「インタラクティブ・サリー」と「インタラクティブ・マイク」だ。ぬいぐるみ大のトイで、表情豊かにしゃべるという。しかもサリーとマイクをそろえると、両者で会話をするのだというのだから、見逃すわけにはいかない。
主人公のひとり、サリー。全長は30センチほどある、ぬいぐるみ大のサイズ | サリーのパートナー、マイク。サリーの約半分の大きさで、劇中の身長差を表現 |
トイの紹介の前に、キャラクタを簡単に解説しておこう。どちらも映画の舞台となるモンスター・シティの住人であり、社会のエネルギーを開発するモンスターズ・インクの正社員だ。エネルギーの源となるのは、子供の悲鳴。これを収集し変換するとエネルギーになるので、彼らは夜な夜な人間界にしのびこみ、世界中の子供の前に姿を表している……という設定だ。
毛むくじゃらのキャラクタがサリー。悲鳴獲得の成績がナンバーワンのエリート社員。緑のキャラクタがマイク。サリーをサポートするパートナーだ。「インタラクティブ・サリー」と「インタラクティブ・マイク」は、2体の会話も「売り」だけれど、単体でも十分に楽しめる独立した商品となっている。
まずは「インタラクティブ・サリー」から。第一印象は似ているなあと感じた。ずんぐりむっくりの体型、とぼけた顔、そして全身を覆う体毛。映画のイメージをそこなわない、なかなかの再現度だ。ボリュームのあるボディは体毛が魅力で、ギュッと抱きしめると肌をなでるような感触が心地よい。背中にはチャックが隠されていて、開けると電池ボックスが顔を出す。ボックスの電源をオンにすると、おしゃべりができるようになる。 左手の手のひらをギュッと押せば、おしゃべりがはじまる。まずは試し、と押してみると、「怖がらせるのがオレの仕事」と日本語でしゃべった。しかも、まぶたをパタパタさせ、目玉をギョロッと動かし、口をパクパク開ける。これらのギミックが愉快な表情を作り出し、眺めていると、何とも楽しい気分にさせられる。
ところで、フト気になったのが、この日本語のセリフを担当している声優は誰かという問題。日本語吹き替え版では、サリーの声をホンジャマカの石塚英彦さんが、マイクの声を爆笑問題の田中裕二さんがあてているのだけど、この声は彼らのアフレコを流用しているのだろうか。トミーに問い合わせてみると、この声は石塚英彦さんや田中裕二さんではないとのこと。ちょっと残念。ただし、ディズニーのチェックをパスした声優さんを起用しているという。確かにオリジナルによく似ていて、雰囲気がある。
手のひらを押すたびに「相棒のマイク見なかった?」「マイク! なんかジョーク知ってる?」と異なる言葉が次から次へと飛び出してきて、それが劇中の名セリフばかりだから、うれしくなる。会話のパターンは30以上あるようだ。
サリーの顔。まぶた、目玉、口が動く。映画と比べると、少し太って、甘い表情 | IRスイッチは左手に内蔵されている。手のひらを軽く握るとスイッチが押される |
マイクの顔。この大きな目玉がギョロギョロと動き、まぶたをパチクリとさせる | 頭上の帽子には、ひとりしゃべりの「TALK」とふたりで会話の「IR」ボタンがある |
2体を並べて、会話をさせてみよう。会話には「インタラクティブモード」と「怖がらせモード」の2種類が用意されている。基本は同じなのだけど、後者は劇中のシーンを再現することができる。「インタラクティブモード」を起動させるには、サリーの手のひらにある「IR(赤外線)ボタン」か、マイクの帽子の上にある、同じく「IRボタン」を押す。例えばマイクの「IRボタン」を押すと、「行こうよサリー。子供たちを怖がらせなきゃ」と話す。するとマイクが間髪いれずに「マイク、もうひとつドアをよこしてくれ!」と応える。何より良いのが、セリフの間。片方の問いかけに、もう片方がパッと答えるので、ごく自然な会話に聞こえるのだ。会話の内容が若干かみあっていないところが気にかかる。だけど、そんな疑問も「怖がらせモード」で遊べば雲散霧消。こちらは見事な出来栄えだ。劇中、サリーが子供を怖がらせる仕事をするシーンが何度か登場するのだが、それを見事に再現しているのだ。
マイクの「IRボタン」を押し、「サリー、トレーニングの時間だ。腕を上げて。さあ最高のおたけびを聞かせておくれ」というセリフが飛び出したらスタート。サリーの両腕をつかみ、上にあげると、「ウガァァァァ!!」と低音を効かせた声で吠える。続いて、甘い声に変わり「どうだい?」と怖さの評価をあおぐセリフを話す。すると、マイクが「サリー。それで怖がらせたっていえる?」とダメ出しをしてくる。再び、サリーの両腕を持ち上げ「ウガァァァァァァァ!!」と吠えさせると、マイクが今度は「やればできるじゃん! 最高!!」とほめてくれるのだ。どう、立派な会話になっているのがわかるだろうか? (音声を伝えられないのが残念!)。
先ほども書いたが、会話のテンポがナチュラルで、本当に2体のモンスターが掛け合いをしているかのよう。しかも、それが映画のポイントとなるシーンの再現なのだから、ファンとしてはたまらないものがある。あともう1パターンくらいは、別の会話が楽しめるとなお良かったとは思うけど、そんな不満を押しのけるほどの魅力はある。
筆者は飽きずに何度も何度も「怖がらせモード」をくり返しては、「ううっ映画のまんま……」と感激を味わっている。
「インタラクティブモード」のイメージ。赤外線を利用して、会話を交わす | 「怖がらせモード」。サリーの両腕を上げるギミックが、まさに映画のツボを突いている |
□トミーのホームページ
http://www.tommy.co.jp/
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(2002年2月21日)
[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]
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