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【連載第12回】 気になる海外ゲームをピックアップ


西尾ゆきの海外ゲームレポート

Diabloを超える衝撃と遊びやすさ!
アクションRPG「Dungeon Siege」製作者
クリス・テイラー氏特別インタビュー

 昨日のニュースでもお伝えしたように、期待のアクションRPG「Dungeon Siege」の製作者であるGas Powered Games社長クリス・テイラー(Chris Taylor)氏が来日し、各種メディアへの発表会が行なわれた。そこで行なわれたデモでは美麗なグラフィックと、きちんと物理計算をして動かしているという数々のオブジェクトに感嘆の声があがっていた。その後、個別インタビューで、マルチプレイについてなど、もう少し突っ込んだ話が聞けたのでご紹介しよう。

広大なゲームフィールドと、それが苦痛にならないシステムのマルチプレイ

実演も交えてかなり丁寧に解説してくれるテイラー氏
画面中央にある黒い水盆みたいなのがハブの円盤状エレベーター
ダンジョン内の様子。爆発する樽を割ると、周りのモンスターにもダメージを与えたりする
編集部(以下編):では、まずマルチプレイについて詳しく教えてください。マルチプレイには何種類かあるということですが、どんなものがあるんですか?

テイラー氏:まず最初のマルチプレーヤーゲームは「シングルプレーヤーキャンペーン」、これは同時に8人のパーティでプレイするもの。シングルプレーヤーマップと同じものだよ。それから、こっちはもっと難易度も高くて、広い、特別にデザインされた「マルチプレイ専用マップ」。これは「ハブシステム(Hub System)」といって、これに乗れば世界のあちこちに、いろんなロケーションに飛んで行けるんだ。

(ここで、テイラー氏自らゲームを操作して、世界の中心である暗い部屋の中で、車輪のように配置された円盤状エレベーターにキャラクタを乗せた。エレベーターはひゅーんと別世界に昇っていった)

 どうしてこういうシステムを作ったかというと、このマルチプレイ専用の世界はあまりにも巨大なので、プレーヤーが実際に街から街まで歩かされると大変なことになるんだ。だから、このハブでひょいひょいっと、どんな場所にでも素早く行けるようにしたんだよ。

(Hubは英語で車輪の中心という意味。ハブシステムは昨年のE3で「ワゴンホイール型の世界」と解説されていたマルチプレイモードにあたる)

編:そのハブシステムの世界とはどこから始めてもいいんですか?

テイラー氏:そうだよ。でも、ハブはキャラクタのその時のレベルに合わせて使用するんだ。最初ひとつの街からスタートするけれど、強くなるにつれてもっともっとたくさんのロケーションにハブで移動できるんだ。ローレベルのキャラクタがハイレベルな場所にいきなり行ってしまうことも防いでるんだよ。

編:じゃあ、強くなればなるほどいろんなところに行けるんですね。

テイラー氏:そう、そう。もうひとつ、僕達がディスプレイサープラットフォーム(Displacer Platform)と呼んでるものがある。ハブはキャラクタを街から街へと移動させるものだ。で、街からはダンジョンに移動するよね? そしたら、ダンジョンにはディスプレイサーってものがあって、これがキャラクタを街へと送るんだ。ディスプレイサーは、すでに行ったことのあるダンジョンでしか利用できないけど、一度でもダンジョンに行っちゃえば、行ったり来たりは自由なんだ。これが、Dungeon Siegeの(マルチプレイモード専用の)ポータル・テレポートシステムだよ。

マルチプレイでのショートゲームはどんなのが用意されている?

編:マルチプレイのもうひとつのモードであるショートゲームですが、内容とかは決まりましたか?

テイラー氏:我々が考えてるのは、タイムリミットのあるマルチプレーヤーゲームセッションなんだ。30分とか1時間とか決めて、一番モンスターを殺した人をスコアボードに表示したりするつもりだよ。本当はトーナメントベースの、例えばCTF(Capture the Flags。FPSなどに多いゲームで、お互いの陣地の旗を取り合い、奪った回数を競う)みたいなゲームも入れたかったんだけど、制作期間的な問題もあって入れない予定なんだ。

編:ディアブロみたいなラダーはあるんですか?

テイラー氏:ゲーム内には誰が何位になってるかとはメッセージボードで出るんだけど、ゲーム外でのラダーシステムは現在は予定してないんだ。いや、もうとにかく製品を出さなければならなくてね(笑)。ゲームが出た後なら考えるかもしれないな。

谷あいの街。建物がキャラクタの大きさを考えて作られているのでリアリティがある 後衛の弓持ちキャラは一段高いところから攻撃。パーティを二手に分けられるのでこういうことも可能なのだ 暗いダンジョンの中で魔法のエフェクトが輝いて美しい

脅威のゲームエンジンと美しい3D世界

ゲームにポーズをかけてズームインすると、雪の一粒一粒がきちんと見える
編:この天候や気候はリアルタイムに変化してるんですか?

テイラー氏:うん、世界の時間は刻一刻と変わっていって、朝日に始まって晴れた昼になったり、雨がふったり、月夜になったりするんだ。ダンジョンなんかはすごく暗い。沼は暗くてどんよりしている。こういった事情は、マルチプレイだけじゃなくてシングルプレイでも同じだよ。場所によっては常にダークでムーディーだったりもするんだ。

編:この雪の表現は、雪の粒まで計算して表現されてるんですか?

テイラー氏:そうだよ。雪の一粒一粒はちゃんと分かれてるだろ?

編:すごいですね!

テイラー氏:すべてのパーティクルはシミュレートされてるんだ。えっと、じゃあ、ぜひ見せたい場所があるから、パーティーを移動させるね。

(パーティー一行をハブを使って新たな場所に移動する)

 さあ、これがメガ・フォレスト(Mega Forest)だ。メガ・フォレストはめちゃくちゃ巨大なんだ。もう、ほんと巨大なんだよ。で、メガタワー(Mega Tower)もあるんだ。この塔もとにかくすごいんだから!(笑)

(二つ並んだ高い塔の中を、戦闘しつつどんどん昇りながら)  もう、どんどん上がってっちゃうね。

(ローディングなしに、容赦なく階段を上がり続けるテイラー氏)

 ほら!地面が見えなくなるまで上がってきちゃっただろ。

編:これ、一体何階建てなんですか?

テイラー氏:これは20階建て以上かな。でも、ゲームエンジン的には限界がないんだ。こーーーんなに高い塔を作っちゃって、その上に島を作ることだってできるんだよ。思いのまま。Siegeエディタ(製品版発売と同時に、ゲームエディタも配布される)でプレーヤーも世界を創れるわけだけど、制限があるのはイマジネーションの限界とHDD容量だけなんだ。

編:こういう高いところから落ちたらキャラクタはダメージを受けたりするんですか?

テイラー氏:いや、そもそも落ちないようになってるから心配はいらないよ

谷底がかすんでしまっている。高さも感じさせるゲームフィールド つるつる滑ってしまいそうな氷の世界 砂に煙る街。通路が複雑に入り組んで奥行きがでている

どうやってローディングなしの世界が生み出されたのか?

編:それにしても、どうやってこんなローディングなしの世界を作ったんですか? テイラー氏:ああ、それはミュージックCDから着想を得たんだ。音楽を聴く時、CDからの読み込みってそんなにそんなにメモリが要ったりしないよね? つまり、節目ごとにまとめてローディングする方法ではなく、必要な部分だけを先読みしていくんだ。もう少し具体的に説明すると、キャラクタのまわりには見えないボックスがあって、キャラクタが移動する時、たとえば右のほうに移動するとしたら、ボックスの右側がローディングされていくといった感じ。前に動くと前側を読んでいく。コンスタントにHDDからデータを取り出してるんだよ。

編:ゲームの途中でメモリが足らなくなったりしませんか?

テイラー氏:確かに、ゲームはメモリをたくさん使うね。最低でも128MB必要かな。ただ、必要環境を満たしていればトラブルは発生しないようにはなっているよ。

ホワイトボードにキャラクタとボックスを書いて、ゲームエンジンを解説 つり橋の上の戦い。崖の陰になっている部分と上流の明るい場所との明るさの差が自然な感じ

マジックアイテムはどういうものがあるんだろう?

左下の女性キャラクタが持っているクラブは、氷ダメージの属性効果がついているのだろうか? 青く輝いている
本当に色々な種類のアイテムがあるのだが、スキルが4種類とシンプルに分けられているので、何がどういった系統のものなのかで悩むことがない。装備すると、もちろんキャラクタの見た目も変化する
編:デモの中でもエフェクトのある剣とかありましたけれど、マジックアイテムについて教えてください。

テイラー氏:もう何千という魔法効果が付加されたアイテム、武器や防具や兜やブーツや洋服やなんやかんやがあるよ。その他にも、ものすごくレアなアイテムもあるよ。ノーマルなマジックアイテムとユニークアイテムの2種類があるんだ。シングルプレイで見られるのはすべての半分ぐらいだね。すべて見るにはマルチプレイを何度も繰り返しプレイしなくてはならないだろうね

編:マルチプレイ専用アイテムがあるってことですか?

テイラー氏:というより、レベルが相当上がらないと出てこないものがあるということなんだ。

編:じゃあ、マジックアイテムにはPrefixやSuffixがついたりするんですか

テイラー氏:そうだね

編:ちなみに、弓って矢が必要なんですか?

テイラー氏:いやいや、必要ないよ。ただ射ちまくればいいんだよ。ええーと、マジックアイテムだけど、PrefixとSuffixがついてるんだ。もうとにかくいろんなアイテムがあるんだ。

編:では、マルチプレイにチャレンジする人が多いですね。

テイラー氏:まさにその通りだよ

編:製品版には何かアドオンは出るんですか?

テイラー氏:現状では、そのことについて言うことはできないんだけど、製品が発売された後は、コミュニティのために尽力するつもりだよ。普通のゲーム会社だと、ゲームを出してそこでハイおしまいなんだけど、僕は、ゲームを出した後もサポートをし続けたいんだ

 「トータルアニヒレーション」を思い出してほしいんだけど、あの時は、ゲームを作った後もコミュニティが成長するようにサポートし続けて、マネージメントの奴には「もう金ないよ!」なんていわれてね(笑)。あと、ウェブを見てもらうとわかるけど、英語で僕になんでも質問できるメールアドレスがあるんで、何かあったら送ってほしいね。メールは全部見るよ。コミュニティのサポートはし続けるつもりだよ。

インタビューを終えて

とにかく元気いっぱいのテイラー氏
 実に楽しそうにプレゼンテーションするテイラー氏が印象的な個別インタビューだったが、解説と共にそのゲーム画面にも目を奪われ通しだった。放った矢が敵にきちんと刺さったり、雪の結晶が一粒一粒大量に降ってきたり、とにかく物理計算されたあらゆるオブジェクトが、クォータービューの画面にも臨場感とプレーヤーとの一体感とを与えてくれる。

 グラフィックのセンス自体も素晴らしく、風で地面から積もっていた粉雪が吹き上りそうな雪景色や、すがすがしい草原、そして秘密めいたダンジョンなど、実に様々なゲームフィールドを持っている。また、ダンジョンに繰り返しもぐったり、PrefixやSuffixのつくマジックアイテムなど、思っていた以上に初代「Diablo」に近い要素が盛り込まれていた。

 もうひとつ感動したのは徹底的にユーザーが遊びやすいように作られた各種システム。マニュアルなんか読まなくても直感的に操作できるように工夫されたインターフェイスが秀逸。マウス一つで回転、ズームアップ・ズームインがすべて可能で、オートセーブ機能で没入感を妨げないようにもなっている。Durabilityといった、ゲーマーがRPGにおいて「これちょっと面倒」と思うものを徹底的に排除しきっており、しかも、やりこみたいと思わせる奥行きもある。ファンを大事にする姿勢も印象的だった。

怒号と魔法が入り乱れる戦闘風景。これをポーズしてぐるりとまわすと、魔法のエフェクトの粒粒まで確認できる これだけのキャラクタが戦っている中でも、矢は一本一本まっすぐと飛んでいき、敵にぷすりと刺さる 火炎系の召還魔法だろうか、いかにもマグマっぽいエフェクトだ

(c)2002 Microsoft Corporation. All rights reserved.

【Dungeon Siege】
  • ジャンル:アクションRPG
  • 開発元:Microsoft
  • 価格::未定
  • 対応OS:Windows 98/Me/XP/2000
  • CPU:Pentium II 400MHz以上
  • メモリ:128MB以上
  • HDD:1.2GB以上
  • ビデオメモリ:未定(3Dアクセラレータ必須)



今週の気になる直輸入ソフト

 各店舗では英語版の「Medal of Honors: Allied Assault」が並んでおり、いずれも6,000円弱の値段で売られていた。また、映画「フィフスエレメント」にインスパイアされて開発されたKalistoのSFレース「NY Racer(5500円)」や「MegaRacer 3(2750円~2800円)」なども見かけられた。そして、今回は待望の「TROPICO」のアドオンをLAOXゲーム館で手に入れた。DVDケースのヨーロッパ流通版だった。

Tropico: Paradise Island
実売価格:4,310円 ジャンル:経営シミュレーション

 カリブ海に浮かぶ島の支配者となって、産業を興したり、米ソのご機嫌を伺ったりしつつ、島を富ませて住民の暮らしをアップグレードし、自分も儲けたお金をがっぽり懐に入れようというシミュレーションゲーム。アドオンでは23の新シナリオ、12個の新建物など、ハリケーンなどのランダムイベント、そして建物をまわして設置できるなど大幅にグレードアップしている。プレイするにはTROPICO本体が必要。

BreakAway Games, Ltd., 2001. breakawaygames.com is a trademark of BreakAway Games, Ltd. All Rights Reserved.

(2001年1月30日)

[Reported by 西尾ゆき]


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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