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【連載第47回】 あの、おもちゃを徹底レポート




アメリカから直輸入! ラジコンで動く巨大メカ昆虫!
「B.I.O-BUGS」

「B.I.O-BUGS」
B.I.O-Stomper(左)、B.I.O-Predator(右)
発売 Hasbro
価格 40.00米ドル
電源 単3電池×4、単4電池×2
発売日 発売中


それは一通のメールからはじまった……

 市場のホットさを反映して話題作続きの当連載だが、今回は一風変わったアイテムを取り上げてみたい。
 発端は、編集部からのメールだった。「……ただいま、アメリカから巨大メカ昆虫を取り寄せています」。このメールに筆者はにわかに色めきたった。何せ「アメリカ」で「巨大昆虫」だもの。想像をはるかに上回る、何か途方もないものが届けられるに違いない。楽しみだっ!

 期待に胸を膨らませつつ幾日も過ぎ、我が仕事場に「巨大メカ昆虫」がやってくる日が来た。編集部から「箱がでかすぎて、宅急便で送るのはちょっと難しそう。タクシーでお届けします」との連絡が来た時点で、筆者の期待度はピークに達した。宅急便で送るのが忍びないほどデカイおもちゃって、何だソレ!
 かくして対面したメカ昆虫は……やはりデカかった。まずはパッケージ。缶ビール1ケース分に迫ろうかという大きさだ。それ以上に強烈なのが、パッケージの窓からチラリと見えるメカ昆虫だ。日本のおもちゃでは、まずお目にかかることのないサイズ。デケェ。昆虫というより、ラグビーボールだ。

 パッケージの英文を読んでいくと、メカ昆虫の正体が明らかになってきた。商品名は「B.I.O-BUGS」(バイオバグズ)。販売はHasbro(ハズブロー)だ。全部で4種類が発売されている。ラジオコントロールが可能である。2台以上用意するとバトルが楽しめる。そして触覚の部分に何か秘密があるらしい。そうこうしているうちに、この「B.I.O-BUGS」には何やらただならぬテイストが漂っていることに気づいた。パッケージからしてストレンジ。表面には巨大な複眼のリアルな写真がひときわ大きくレイアウトされている。そしてその回りには、数匹のゴキブリがあしらわれている。気色悪い! 虫嫌いの人だったら、このパッケージだけでダメージをくらうはずだ。

パッケージ。CD-Rメディアと比較すると、その巨大さが一目瞭然! パッケージを飾る複眼のクローズアップ。不気味のひと言 さらにはゴキブリたちが。数えてみると合計で3匹だった


 本体を取り出してみると、その異様さにたじろぐ。虫独特の気持ち悪さを強調したデザインとでもいおうか。両目はツリ上がり、両手は巨大な斧と化している。ためしにポケモンのフィギュアと並べてみたら、あまりの違いに、同じ惑星に存在するキャラクタとは到底思えなかった。

 最大のショックは、電池を入れて、電源をオンにしたときに訪れた。突然、大きな音量で「グエエエエ、ゴエゲケケケケ……」という鳴き声が響き渡ったのだ。その面妖さに、手にした「B.I.O-BUGS」を床に落としそうになる。が、グッとこらえる。こっ、これをレポートしろというのですか……わかりました。やりますとも!

「B.I.O-Predator」。アリをモチーフとし、最も攻撃性が高い、という設定 「B.I.O-Stomper」。最も機敏性に優れている。モチーフはバッタ


ルックスも歩く姿も不気味。悪の魅力か……

 プロポと呼ぶにはあまりにプロポらしくない、サナギ型機器のフタを開けると、「B.I.O-BUGS」を操作するボタンが並んでいる。「前進」、「後退」、「右へ曲がる」、「左へ曲がる」、「早く歩く」などのボタンがある。あらためて「B.I.O-BUGS」の電源をオンにすると、床の上を歩きはじめた。「ギルルルピッ!」と耳障りな鳴き声を上げ、目をビカビカと瞬かせ、手足をドタンバタンと動かしながら、不恰好に体をゆすりながら歩く。

 この動作のキモとなっているのが、左右の後ろ足だ。体と比べると不自然なまでにサイズが大きく、そのアンバランスさが不気味なモーションを生み出しているのだ。
 ウヘェ! 気味悪い~。とひいてばかりはいられない。よしっ、コントロールだ。たとえば「右へ曲がる」を押すと、それから1~2秒たった後に、右へ旋回をはじめる……という具合に、命令からワンテンポの空きが生じる。ここに「人間のいうことを聞かない」という小憎らしさを感じたりもする。

 ユニークなのが、触覚と尻尾。ビシュと伸びたこれらの先端にはセンサーが埋め込まれており、壁や人間の体などに触れると、それまでの命令を無視して、逃げるように後退しはじめるのだ。ラジコンに自律型アクションの要素が組み込まれているのか。さしずめ「人間に改造されたメカ昆虫。ただし本能だけは失われなかった」というところだろうか。

 続けて「早く歩く」や「後退」などを駆使し、床という床の上を歩かせてみる。「早歩き」にしろ「後退」にしろ、変わらず気色悪い。ただし、こう長く見続けていると、気味の悪さに少しは慣れ、何というか、不思議な「悪の魅力」のようなものがあることに気づきはじめた。……フト、アメリカのキッズたちは、「B.I.O-BUGS」をどんなふうに遊んでいるのかと気になって、公式サイトを覗いてみることに。サイトには「Live Action Video」という項目があり、ムービー付で遊び方を紹介しているようだ。どれどれと眺めてみると、爆笑ものの内容だった。「B.I.O-BUGS」を仕掛ける悪ガキたち! 目の前に出現した「B.I.O-BUGS」悲鳴を上げるおばあさん! 固まるおじいさん! ボーゼンとする妹! アハハハッ、そうか。ヤッパリ、この不気味さなら、いたずら目的で遊ぶのだろうなあ。

「B.I.O-BUGS」を操作するプロポ。デザインはさなぎ。徹底している 触覚と尻尾にセンサーが埋め込まれ、独特の生命感を演出する


【「B.I.O-BUGS」ムービー (WMV)】
ムービー1 「B.I.O-BUGS」の前進+右ターン

異様な迫力をかもし出す2体のバトル

 さて、次は2体の「B.I.O-BUGS」を使ったバトルで遊んでみることにした。バトルの方法は、基本的には肉弾戦。体と体をぶつけあい、お互いに攻撃しあう。事務所のスタッフと1台ずつ操作し、バトルをしてみることにする。ルールは「先に相手を後退させた方が勝ち」。

 面白かったのが、「特に操作をしなくても十分にバトルになる」ということ。2体の「B.I.O-BUGS」が互いに突進しあい、体が触れ合おうというところで、鳴き声がいっそう甲高くなる。バトルモードに突入、といったところか。激しく頭をぶつけ合う。片方が相手の上に乗る、などなど、意外にも白熱したドラマチックなバトルが展開。あまりの迫力に、勝ち負けをすっかり忘れ、その様子をすっかり見入ってしまった。

腕。カマキリの斧を大胆にデフォルメしたデザイン アンバランスな足。まるでボートのオールのように地面を叩き、歩く


【「B.I.O-BUGS」ムービー (WMV)】
ムービー2 「B.I.O-BUGS」のバトル

 仕事場を訪れる何人もの人たちに、「B.I.O-BUGS」を披露していたのだが、皆口々に「気持ち悪い!」と叫びながら、その目は釘付け。そりゃそうだ。こんなアイテム、まず日本じゃお目にかからないもの。アメリカンテイスト全開で、どうにも無視できない面白さがある。これが今回の結論!

(C)2001 Hasbro, Inc. All rights reserved.

□Hasbroのホームページ
http://www.hasbro.com/
□WOW WEEのホームページ
http://www.wowwee.com/
□「B.I.O-BUGS」のホームページ
http://www.wowwee.com/biobugs/biointerface.html


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(2001年12月20日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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