「ゴール決めるぜ! エキサイトストライカー」 | |
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発売 | エポック社 |
価格 | 6,980円 |
電源 | 単3電池×4、ボタン電池×2 |
発売日 | 発売中 |
プロ野球、卓球、バスフィッシングときて、今回の題材は「サッカー」となった。
「エキサイト」シリーズとは、エポック社が発売しているトイのこと。ひと言で語るなら「専用コントローラを使って遊ぶテレビゲーム」。なのだけれど、ハード、ソフト、専用コントローラすべてがパッケージング化されている点が新しい。本体にはソフトが内蔵され、ステレオAVケーブルをテレビに接続するだけで、すぐに遊べる。このお手軽さは、魅力的だ。価格もすべてがコミコミで5,980円~6,980円程度と非常に手に取りやすい設定がなされている。
プレーヤーの足の振りを感知するキックセンサー。ボタン電池の寿命は、キック約2万回分 | 本体。付属のステレオAVケーブルでテレビと接続する。赤外線の受光部は下部にある |
パッケージには本体が1個と、キックセンサーが2個入っている。キックセンサーはその名の通り、プレーヤーのキックを感知するためのアイテム。足に巻きつけて使い、プレーヤーのキックを感知したら赤外線発光部から赤外線を発信。受信した本体がその入力をゲーム中に反映させる、という仕組みだ。
試しにひと蹴りしてみると、画面の中のボールがポーンと弾けて、ゴールネットに吸い込まれていく。蹴るという動作から、テレビ画面中のボールが飛んでいくまでの流れが実にスムース。ホンのわずかなタイムラグもなく、あたかも筆者の足が画面の中にまで伸びてボールを蹴り上げているようだ。気持ちいいことこの上ない。
キックセンサーは、伸縮可能のベルトによって、足に装着する | プレイ時、本体は床の上に置く。赤外線有効範囲は2メートル以内 |
用意された3つのモードをひと通り遊んでみたら、疑問がフツフツと沸いてきた。ボールを左右に打ち分けることができるかと思えば、そうでもないような。ボールを蹴る力の強弱がきちんと反映されているかと思いきや、案外違うような気もする。マニュアルを熟読しても、入力の性能や精度に関する明確な記述は見当たらない。
エポック社に問い合わせてみると、疑問は氷解した。まず、ボールを蹴る力の強弱は感知される。強いボールを放ちたいときは、足を短く素早く動かせばオーケー。ただし、左右への打ち分けは感知されない。
では、ゲーム中にボールを左右に打ち分ける場合はどうするのかというと、ボールを蹴るタイミングで調整をするのだ。ゲーム中、プレーヤーが蹴るのはみなセンタリングされてきたボールだ。目の前を左から右へ、あるいは右から左へと転がってくるボールが、画面の中央に来た瞬間にキックをすると、ボールはまっすぐ飛んでいく。中央から右にあるタイミングでキックをするとボールは右に、左よりのタイミングで蹴ると左へと飛んでいく。上手な蹴り分けのポイントは、ボールが画面中央から「少しだけ」ずれているタイミングで蹴るということ。画面の左端や右端で蹴ると、ルーズボールとなってしまうのだ。
この操作方法は、実際に体験しながら覚えられるチュートリアルが用意されていれば良かったのにと思う。とはいえ、重要なのはボールを蹴るタイミングだ、とわかった。反射神経がものをいうのだな。では、あらためてすべてのモードを遊び直してみることにしよう。
遊ぶ前には画面の指示に従い、キックセンサーを登録。最大4人までの同時プレイが可能 | 本体の上部には方向ボタンと決定ボタンなどが。モードセレクトなどはこれで行なう |
「VGOAL」は、サッカーの醍醐味であるシュートを楽しめる。ゴール間際というシチュエーションの元、センタリングされてきたボールをゴールに叩き込み、高得点を目指すという遊びだ。
全部で10球という制限の中、ライトやレフトから攻めたり、ときにはロングシュートを放つ場面もあり飽きさせない。もちろんゴールにはライバルチームのキーパーが立ちはだかっている。彼のスキを突くべく、巧みに左右へ蹴り分けるのがポイントだ。
筆者は何度試しても40点程度。キーパーがいない方向を狙いながら、タイミングを少しだけずらしてボールを蹴るというアクションがうまくできず、ボールはゴール外かキーパーにしっかりと受け止められる結果ばかり。得点から導き出される「ストライカー適正」では、「ヘナチョコサッカー」の烙印を押されてしまった。ああ、ヘナチョコかあ。
「リフティング」は、リフティングをどこまで続けられるか、その回数を競う遊びだ。「ボールを蹴る力の強弱が感知される」というシステムが生かされていて、ボールを高く蹴り上げるも、ポンポンと低く小刻みに蹴るも、自在に調整することができる。タイミングはほどよくシビアで、長く続けるにはキックを一定のテンポでくり出す必要がある。この運動、なかなかに負荷がかかり数回くり返すと体が熱くなり、息も上がってくる。そうそう、この「体を使って遊ぶ」という感覚が、「エキサイト」シリーズの真骨頂なのだ。楽しくなってきたぞ!
「VGOAL」。ミスしたシュートを仲間がカバーしてくれる場合がある | 「リフティング」。5回目からはタイミングを示す表示も消え、難易度が上がる |
■ なりきりプレイでさらに楽しい代表戦モード
「エキサイトカップ」は、サッカーの試合が楽しめる。日本、イタリア、韓国、ブラジルなどからチームをひとつ選び、トーナメントを勝ち抜き優勝を目指す。
試合全体は基本的にはオートで進行。プレーヤーにパスが寄せられる、という場面になると画面が固定され、目の前にボールが飛んでくる。同時にフィールド上の仲間の様子が左右の小さなウインドウに表示される。このウインドウを見て状況を見極め、左か右かベストな方向にボールを蹴ることができればパスが成功する、という流れだ。例えば左のウインドウの仲間は、ライバルに阻まれている。右のウインドウの仲間は、ノーマークで腕を上げパスを要求しているというシーン。この場合は、もちろん右側に蹴ればオーケーだ。
こうしてうまくパスをつなぐことができれば、ゴールに迫り、シュートを打つチャンスが訪れる。反対にタイミングを誤ってルーズボールになってしまったときは、ライバルチームにボールを奪われる可能性が非常に高くなる。
このモード、サッカー選手になりきって遊ぶと、面白さは倍増する。筆者の場合、テストプレイの最中に、「キリンチャレンジカップ日本代表-イタリア代表戦」が放映されていて、柳沢の先制シュートの興奮のままに遊んだから、熱中度は一気に高まった。気分は、日本代表だ! 筆者の「日本-イタリア戦」はコンピュータ操るイタリア代表に、終了間際に逆転シュートを決められて敗退……という違いはあるけれど、それはご愛嬌ということで。
ちなみに、遊ぶときには充分に広いスペースを確保することが重要だろう。誤って家具を蹴ること数知れず、対戦プレイの場合はお互いの足が空中で激突することたびたび。とはいえ、こうしたハプニングも「体を動かして楽しく遊んだ」という想いで、どこか心地よくもある。これも含めて「エキサイト」シリーズの面白さなのだ。
「エキサイトカップ」。左右のウインドウを見比べ、ベストな方にパスを送る | 感激のゴールの瞬間! 同点の場合はVGOAL方式で勝ち負けを決定する |
将来は選手を夢見るサッカー少年だったら、夢を叶えてくれるトイとして存分に楽しめるだろう。ワールドカップが開催される来年に向け、ますます注目を集めること間違いなしだ。
(C)2001 EPOCH CO.,LTD.
□エポック社のホームページ
http://www.epoch.gr.jp/
□体感アクションゲームのページ
http://www.taikan-game.com/index.htm
□体感アクションゲームのページ
http://www.taikan-game.com/sc/top.htm
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(2001年11月8日)
[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]
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