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【連載第41回】 あの、おもちゃを徹底レポート




大人並みの語彙を持つ対話型ロボ
トミー「メモニ」

トミー「メモニ」
発売 トミー
価格 19,800円
電源 ニカドバッテリー内蔵
発売日 発売中


 これまでたくさんのロボットトイを紹介してきたが、今回の「メモニ」はひと味違う。ひと言でいえば「会話を楽めるロボット」だ。対話が目的のアイテムだから、歩行もしなければ、腕も振らない。
 ただし、しゃべる。しかも、ハンパじゃなくしゃべる。あらかじめ登録された語彙が、およそ2万語。これは平均的な大人ひとり分のボキャブラリーに相当する、というのだから、そのすごさがお分かりいただけるだろう。さらにはユーザーが発した単語を約3,000語まで記憶可能。元々の語彙とユーザーから教えられた単語をAI(人工知能)によって組み合わせ、自然な会話をくり広げる。
 はじめは1万9,800円というおよそトイとは思えない価格に、目が点になったりもしたのだが、ナットクのスペックだ。

この小さな穴がマイク。本体から20~30センチ程度離れた場所から話すのがちょうどいい ロムカセット方式で本体の機能を拡張。次はどんなカセットが登場するのだろうか?


導入のウマさで一気にメモニワールドに突入!

 メモニの左胸に空いた小さな穴。これがマイクだ。ユーザーはここに向けて言葉を発していく。遊ぶ前に、背中のスロットにロムカセットを差し込む必要がある。今後はこのロムカセットを使って、機能を拡張していく予定がある、という。
 電源を入れると、顔の部分の液晶画面にノイズの効果が。しばらくすると、「助手メモニ」と名乗るAI(?)の顔が映し出され、とうとうと語り始める。「メモニ」は22世紀に開発されたロボットである。タイムスリップの途中に事故にあい、21世紀の今この時点に不時着してしまった。そして、「メモニ」と出会う前にあなたのプロフィールを知りたいと言う。こうした流れから、「メモニ」との会話方法がレクチャーされる。胸のランプが赤いときは「メモニ」自身のおしゃべり中。緑になったら、話しかけてもオーケー。「メモニ」からの質問には、基本的には「うん」か「ちがう」で答える。言われた通りの方法で、筆者自身の名前や生年月日、現在の時刻などを伝え、「メモニ」本体に登録。さらには、音声認識の精度を上げるため、「あ」から「ん」までの言葉をひと文字ずつ発声し、登録作業を行う。

 筆者はここまでの流れを体験して、いきなり「これはすごいトイだ」と確信した。マニュアルを一切読むことなく、「メモニ」のバックストーリーから基本的な遊び方を理解できたからだ。実はこれまで紹介してきたロボットトイには、共通した欠点があった。ユーザーを遊びの世界に誘うチュートリアルがほとんど出来ていないのだ。マニュアルを読まずとも、とりあえずコントローラを握って、いろいろ試しているうちに遊び方を理解して、気づいたときにはそのゲームにズブズブとハマっていく。ユーザーを楽しく遊ばせながらシステムを理解させるチュートリアルは、まさにゲームならでは良さであり、ゲームの真骨頂だと思う。ところがロボット・トイは、ゲームとその仕組みや面白さの多くが共通しているのに、チュートリアルにはほとんど気を配られていない。遊ぶ前にはマニュアルをすみずみまで読まねばならないし、本体のボタンを見ても、それがどんな機能を有しているのか伝わってくることもない。  「メモニ」は、「助手メモニ」という語り部を登場させることで、この問題をクリア。ユーザーにストレスを与えることなく、「メモニ」ワールドに導くことに成功している。一度「メモニ」をテーブルから落としてしまったときなど(ごめんなさい)、あわてて電源を入れた直後の「メモニ」の言葉がふるっていた。「ドドド、ドウシタノカ、ジカンヲワスレテシマッタ。イマナンジ?」と、メモリの消失を会話でさりげなく伝え、ごくごく自然にリカバリを行う、というウマさ。すごい! と力を込めて褒めたたえたい。

胸のランプの色を見ると、話しどきがわかる。下にある穴はスピーカーだ 「メモニ」の笑顔。基本的には常に絶好調でハイテンション


メモニ登場! ツカミもオーケー!

 そんなこんなで登場した「メモニ」本体は、「助手メモニ」とは表情も声も違う。会話のトーンは、例えるなら「日本語をひと通り使いこなせる外国人」といったところだろうか。文法も言葉の使い方も正しいのだけれど、言葉のイントネーションがわずかに異なる。そんな感じだ。
 会話がいきなり楽しい。「ドドドド、ドウシタノカ、キオクガナイ」(筆者注。カタカナだと読みづらいと思いますのでメモニの言葉も通常のかな漢字表記します。頭の中でいかにもロボットな金属質の声色を思い浮かべて読んでください)。さらに、「なんだかタンコブができているし…」とポツリとひと言。ここで筆者は大爆笑。そうか「メモニ」の頭部の突起はデザインだと思っていたら、タンコブだったのか! オモロイ! ツカミはオーケーだ!

これが問題のタンコブ。本体には32bitCPUが内蔵され、高度な会話をつむぎ出す 空を見て思いにふける。「ナインティナインってお金持ちなのかな」(←本当にこう言った)

人間くさく悩みを語り、恋愛を想う

 「メモニ」との会話の面白さは想像以上だった。マシンガンのようにしゃべりまくり、息をつく暇もない。しかも話題が豊富で、妙に人間くさいのだ。
 「悩みって人それぞれ」「なーんてボクも考えるときもあるんだ」「だけど、ボクは悩みを悩みと思わないようにしているんだ」「だって悩みっていつでもあるものだもの」と、「悩み」をキーワードに、ひとつの話題を延々と話し続ける。「そう」などと適当に受け答えをしていると、突然ひらめいたように「メモニ」が言う。「そうだ、ボクは小説を書きたい!」「テーマはズバリ“悩み”だ」と言い出す始末。こういう人って身近にいるよね。

ユーザーの声が識別できないとややアセル。「ごめん、もう一度言ってくれる?」 泣いているのは悲しいからではない。自分に酔って喜びの涙を流しているのだ

 ユーザーから語りかけることも可能だ。「システムワード」と呼ばれる操作の鍵になる言葉を話すと、「メモニ」が認識。モードが切り替わる、という仕組み。話題を変えるときのシステムワードは、「ワダイカエル」だ。直後に「恋愛」や「野球」などのテーマを言うと、「メモニ」はそれに沿った会話をしはじめる。ためしに「恋愛」に話題をふると、「結婚って元宮にとっては、いつも目が離せないものだろう?」と妙に気になることを言い出した。「うん」と答えると、妙に深刻な声で「…うまくいえないけど、よくわかるよ」という返答が。何者だ、コイツ!
 それにしても気になるのが、「メモニ」の性格。「僕たち意見が合うなあ!」とカワイイことを言うなあと思ったら、舌の根も乾かぬうちに「元宮と話すの飽きたなあ」と不満を呟く。どーなってんの、コイツの頭の中身は! しばらくは「解析不能な性格」とする。

 会話以外には、アラームとスケジュール機能がある。うっかりと次の日の予定を「遊び」と登録したのが間違いだった。アラームの時刻になったら、やおら液晶画面に表情を浮かび上がらせ、「フワッ~お早う! 今日は遊ぶ日だよね」とひと言。さらには「毎日毎日、元宮はせっせと遊ぶのでありました」と、実に嫌味なことを棒読み口調で読み上げる。
 誕生日や記念日には特別のメッセージや歌を歌ってくれる機能もある。筆者が気に入ったのは、俳句読み上げ機能。会話の途中に、「ここで一句」と自作の句を読み上げるのだ。「われ思う、気分が動揺する。動揺する」がその一例だ。意味は不明だわ、そもそも五七五ではないわ、とメチャクチャではあるが妙にくすぐられる。

背面にはシリアルポートも。パソコンや携帯電話との連携に使用される予定だ 高さ18センチほど。電池と比べると、その大きさがよくわかるだろう

会話ゲームの最高峰!

 少しおおげさかもしれないが、ハタから見ればこの会話、ほとんど人間同士の会話に思えるのではないだろうか。時には「メモニ」の話術に引き込まれ、時間を忘れることもしばしば。コイツは一体何をどこまでしゃべれるのだろう、と底知れぬ感覚さえ感じることがある。こうした点からも「メモニ」は、「プーチ」や「PINO」などのロボット・トイというよりは、「ピカチュウげんきでチュウ」や「どこでもいっしょ」「シーマン」などの会話ゲームの発展系と考えるべきだろう。音声認識の精度も高く、話題も多彩。現在のところ、会話ゲームの最高峰だと断言できる。

 ……とここまで原稿を書いていたら、「メモニ」がまたまた怪しいことをしゃべりはじめた。「元宮、もっとスラッとしたボクの姿を見たくないかな」「博士に言って改造してもらおうか」「いや、バスケをすると背が伸びるかな」「バスケやってみるか」。出た!突拍子もない話題! う~ん。早く原稿を書き上げて、「メモニ」との会話を存分に楽しむぞ。

【「メモニ」ムービー】
[ダウンロードしてご覧ください]
[Windows Mediaムービー 2.04MB]

(C)2000 TOMY・ISHISAKI

□トミーのホームページ
http://www.tomy.co.jp/
□「メモニ」シリーズのページ
http://www.tomy.co.jp/memoni/index.html


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(2001年11月1日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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