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【連載第34回】あの、おもちゃを徹底レポート




今度のプーチはノシノシ歩く!
セガトイズ「ウオーキングプーチ」

ウオーキングプーチ
発売 セガトイズ
価格 各3,480円
電源 単4アルカリ電池×3本
発売日 発売中


プーチファンの夢かなう!

歩行機能の搭載の代わりに、これまでの「おすわり」や「立ちポーズ」はなくなった
 ちまたでは新型アイボ「ラッテ」と「マカロン」の発表が話題をさらっているが、筆者にとってはこっちの方がよほど重大な事件だ。プーチが歩く。そう、歩行機能を搭載した「ウォーキングプーチ」がついに発売されたのだ!

 意外とご存知ない方が多いかもしれないが、「プーチ」と豪華版「スーパープーチ」には、歩行機能が搭載されていない。「立つ」「ふせる」「すわる」など、その場でのアクションは披露してくれるが、前進や後退はしないのだ。とはいえ、このことが「プーチ」の価値を下げることはない。「プーチ」の面白さは、コミュニケーションにある。頭をなでる、話しかけるなどの世話をやき、プーチのご機嫌の変化に一喜一憂させられるところにこそある。

 だけど本音を言えば、やはり歩いてくれた方がいいに決まっている。プーチがうれしそうにこちらに歩み寄ってくる姿とか、怒って向こうに行ってしまう光景とか、想像するだけで胸が高鳴る。まさに待ってました! の心境だ。

力強くテンポよく歩く!

「ウィーキングプーチ」の歩くイメージ。気になる人はムービーをご参照のこと
 頭の裏にあるフタをドライバーで外し、単四電池を2本セットする。電池をセットし終えた瞬間、前足と後ろ足が前後に動きはじめる。この様子に、本当に歩くんだなあ、とジンワリ感激。手に持っていた「ウィーキングプーチ」を机の上におろし、歩く様子を眺めることにする。

 歩みは、力強い。ノッシ、ノッシとテンポよく足を動かし、どんどん前進する。同時に両方の耳を羽のようにバタバタと動かし、なんだかとても楽しそうだ。驚かされたのが、その鳴き声。「ハロー、ハロー」と声がする。今度の「ウィーキングプーチ」は、人間の言葉をしゃべるのか! しかもクールで知性を感じさせる声色とトーンときている。知性も運動性能も進化したプーチ、という設定なのだろうか。
 前進しては後退をし、後退しては前進するをくり返している。その様子は、気ままな散歩を楽しんでいるようだ。

【歩いているところのムービー】
WMVファイル 421KB

「歩く」が加わって感情表現がより豊かに

 基本的な機能は、これまでのプーチと大きくは変わらない。9月の空のようにコロコロと変わるご機嫌をなだめるべく、頭上のスイッチを押して「頭をなでる」。ホネ型のパーツを口元に寄せて「エサをあげる」など、をくり返していく。音センサーと光センサーを内蔵しているので、話しかけたり、なるべく明るい場所に連れていくのも効果的だ。
 機嫌が最高レベルに達すると、歌を歌いだすこともある。歌いながら前進と後退をはげしく続け、ダンスも披露する。歌は「マイムマイム」ほか13種類。これらを全部聴くことも、ユーザーの楽しみのひとつだろう。
 占いもしてくれる。「スロットワン!」とのかけ声とともに、目がグルグルと回り出す。頭のスイッチを押すと、目の動きが止まり、それが結果となる。筆者は「○○」(フツウ目)で、マニュアルによると「金銭運アップ?」を意味しているらしい。だけど、なんだ「?」って……。

 不機嫌状態は、突然のように訪れる。こうなったらしばらくは、何をしてもダメ。頭のスイッチを押しても「ビィビィビィ」という耳障りな音が鳴るだけ。けんめいにあやして、ご機嫌を回復させるしかないのだ。
 こうした感情表現がプーチのこれまでの最大の魅力だったが、歩行機能が加わって、格段に多彩になった。
 「エサくれワン!」との呼びかけに、少し離れた場所にホネを差し出すと、ハート目をチカチカさせて向かってくる。その様子がいかにもバカ犬(失礼!)らしくて、愛おしさを感じる。
 反対に不機嫌な状態のときは、「グルルルル」と唸って後ずさりをされてしまう。その様子に、あわてふためかされたり。
 今まで以上にプーチが、身近な存在に感じられるようになった。

鼻の頭には光センサーを内蔵。人間の動きもこれで感知する 頭のスイッチを押すと、ご機嫌がよくなる。機嫌が悪いと「いたいよ!」と叱られる

別のロボットと会話する!?

 「ココロリンク」は、歩行機能と並ぶ今回の大きな目玉だ。「ココロリンク」機能を内蔵しているウォーキングプーチかロボチをもう1台用意すると、お互いに会話をしたり、歌を一緒に歌ったりするという。

 「ココロリンク」をレポートすべく、「ロボチ」もあわせて入手したのだけれど、これもユニークなe-Toyだった。何しろデザインがいい。今どきのキッズ向けというよりも、ブリキ製のロボットを彷彿とさせ、妙に郷愁をそそられる。「ロボチオハナシスキ」だとか「オハヨナニシテアソブ」だとか、片言の日本語をくり出すロボチ語も、いかにもレトロテイスト。普段は無機質な顔なのに怒ったときだけ頭を180度回転させ、モニターに怒りの表情を浮かび上がらせる、というアイデアもいい。

ロボチの姿。ちなみに好物はバッテリー。背中のプラグにくっつけると喜ぶ 機嫌が悪くなると大きな頭をグルリと回転させ、怒った表情を浮かべる

ココロリンクのイメージ。どんな会話なのか知りたい人は、ムービーをどうぞ
 それぞれのロボを向かい合わせにして置き、ココロリンクボタンを同時に押すと、「ピロロロロ」という音が鳴り、通信が開始される。ロボチが「ロボチオハナシズキ!」と話すと、ウォーキングプーチが「オシッコ!」と答える。大抵はこんなふうに意味のない言葉が連続する場合が多い。だけど、フトした瞬間に「アソボ!」「ワン!」と会話が成立することがある。2台のロボットが本当に仲良くしているようで、なごまされる。ごくまれに2台の歌がハモることもあるという。おおっそれはぜひ見てみたいぞ!

【コミュニケーションのムービー】
WMVファイル 1.21MB

 ひと通り遊びおえた感想をのべると、「プーチもここまできたかあ」と感慨深い。改めて値段を確認すると「3,480」円だ。なんと初代「プーチ」からわずか500円しか上がっていないのだ。
 おそらく歩行機能の搭載自体は、これまでも実現可能だったはず。しかしプーチは、アイボなどとは大きく異なり、あくまで子供を対象にした「玩具」。技術改良やコストダウンを重ね、3,000円前後という低価格を守りながら、ようやく歩行機能を搭載させられるようになった……というわけなのだろう。
 「3000円前後のトイなのに、こんなにスゴイの!」。「プーチ」をはじめとする「ココロボ」シリーズには、こうした驚きをいつまでも与え続けてほしい。

(C) SEGA TOYS 2000

□セガトイズのホームページ
http://www.segatoys.co.jp/
□プーチのホームページ
http://poo-chi.segatoys.co.jp/
□「ウォーキングプーチ」のページ
http://poo-chi.segatoys.co.jp/shoukai2/walk_set.html
□「ロボチ」のページ
http://poo-chi.segatoys.co.jp/shoukai2/robo_set.html


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(2001年9月13日)

[Reported by 元宮秀介 (ワンナップ)]


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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